

2026全日本スーパーモト選手権第6戦レポート
2026年9月20日(日)
名阪スポーツランド(奈良県)
台風の荒天を回避。横一列スタートの激戦、再び!
2026年シーズンは全8戦で競われる全日本スーパーモト選手権は、約2ヵ月半という長い夏休みを終え、9月20日(日)に第6戦名阪大会を迎えた。その舞台は、5月の今季第3戦でも使用された名阪スポーツランド。複数のオンロードコースに加え、前週には全日本モトクロス選手権も実施されたオフロードコースも有する複合モータースポーツ施設だ。
これまでと同じく今大会も、ミニバイクなどの走行を前提としたABコースのほぼ全区間と、サンド質を特徴とするモトクロスコースのスタート&ゴール付近を未舗装の斜面でつないだ、特設コースを使用。決勝のスタートには、昨年第6戦で久々に復活された横一列のモトクロス方式が採用された。スタート直後のダート区間は、レイアウトが大幅刷新。スタートしてからターマック区間のコントロールラインを通過するまではフルコースに近い距離だが、周回数にカウントされない。
台風25号の影響による荒天が心配されたが、大会当日は曇りで降雨はなく、ターマックはドライコンディション。これまでの雨により、朝のダートセクションはかなりぬかるんだ状態だったが、26℃まで上昇した気温とやや強めの風、薄日のおかげで少しずつ乾き、午後はだいぶ走りやすい状態となった。
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今季3度目の2レース制覇で、小原堅斗がポイントリードを拡大!
全日本最高峰となるS1プロクラスは、予選が10分間のタイムアタック方式、決勝は9周の2レース制で競われた。13台が出走した予選では、14点リードのランキングトップで今大会を迎えたディフェンディングチャンピオンの小原堅斗(#1)が、早々に1分12秒247のトップタイムをマーク。これがライバルたちのターゲットタイムになった。予選時間中盤、ランキング2番手の沖 勇也(#3)が1分14秒175までタイムを詰めるが、小原には届かず。さらにランキング3番手の五十住洋佑(#06)も1分14秒台に入れた。
ラスト2周のアタックラップで、五十住は1分13秒536をマークして、この段階で予選2番手。さらに最後の周回でも五十住はアタックを続けたが、1分13秒台でベストラップタイム更新はできなかった。これにより予選トップは小原、2番手は五十住、3番手は沖に。また最終ラップに1分14秒678をマークした鈴木優那(#01)が予選4番手、こちらも最後のアタックで1分15秒486を記録した金子和之(#4)が5番手、同じく最後に1分16秒299を叩き出した呉本朝也(#7)が6番手となった。
決勝レース1は、金子がホールショット。呉本がこれに続いた。1コーナーでは、アウト側で沖と五十住が絡んでクラッシュ。小原はリスクを避けつつ8番手でダート区間をクリアし、鈴木は出遅れて11番手からのレースとなった。最初のコントロールラインは、金子が呉本を3秒ほど先行してトップで通過。呉本に次ぐ3番手には、このクラスで唯一2ストマシンを駆る藤田友貴(#21)がつけた。1周目、小原は6番手に順位を上げると、藤田を先頭とした4台による3番手争いの最後尾に加わった。2周目、ターマックで金子が転倒。これにより、4秒前後の差で追っていた呉本が先頭に立ち、金子は2番手に後退した。
金子の6秒ほど後方では、藤田と田淵智之(#19)と小原が僅差の3番手争い。3周目には小原が集団の先頭に立って抜け出し、今度は田淵と藤田と追い上げてきた沖の4番手争いになった。4周目、呉本と金子と小原の間隔が詰まり、三つ巴のトップ争いに。翌周には小原が2台を抜き、その後はリードを拡大した。一方、呉本と金子は接戦を続けたが、7周目に金子が転倒して決着。小原が優勝、呉本が2位、金子が3位となった。4番手争いは、4周目に藤田が脱落。田淵が沖を抑え続けていたが、ラスト2周となった8周目に沖がついに逆転し、沖が4位、田淵が5位となった。6位には、スタート直後の転倒による出遅れを挽回した五十住が入った。
決勝レース2は、小原がホールショット。これに五十住、馬場悠介(#9)、沖らが続いたが、沖はダートセクションの混戦で失速した他車の影響でスローダウンしてやや遅れ、呉本や新沼伸介(#5)が先行した。完全なフルコースとなった1周目、すでに3秒ほどのリードを奪っていた小原が、ダートセクションでコーステープをカットしてしまい、ペナルティを回避するため一旦停止。この間に五十住がトップに立ち、小原が肉迫した。トップ2の3秒ほど後方では、馬場を先頭に呉本、新沼、沖が3番手争い。まずは沖が新沼をパスし、2周目以降に新沼は少しずつ遅れていった。
先頭争いでは、五十住が小原を抑えていたが、3周目に小原が逆転してトップに再浮上。同じ周、沖は呉本と馬場を次々にパスして3番手まで順位を上げたが、この段階で2番手の五十住は12秒ほど先行していた。レース中盤、トップに返り咲いた小原はじわじわとリードを拡大。そのまま9周を走破し、レース1に続いて勝利を収めた。五十住は2位、最後は完全な単独走行となった沖が3位。馬場と呉本の4番手争いは、一度は2秒ほど間隔が開いたものの、レース終盤に再接近。さらに追い上げてきた鈴木が加わり、三つ巴の争いとなった。そして最終ラップに鈴木が呉本をパス。馬場が4位、鈴木が5位、呉本が6位を獲得した。
◆小原堅斗(レース1・優勝/レース2・優勝)
「レース1は、スタートで少し出遅れてしまい、1コーナーではかなり激しい主導権争いが繰り広げられそうな感じだったので、リスクを避けるため一歩引くことに。結果、アクシデントに巻き込まれることなくクリアでき、追い上げでの優勝につながりました。レース2は、序盤のダートでコースアウトしたときにコーステープを切ってしまいました。そのままだとペナルティ対象になると冷静に判断でき、よかったと思います。この長いインターバルは、毎週のように練習していました。もちろんこの第6戦も大事ですが、第7戦は再びハイスピードなHSR九州で開催されるので、そこに照準を合わせながらという感じです。その成果が今大会でも発揮されたと思いますが、一番の目標はHSR九州で速い沖勇也選手に負けないこと、そして自分が強いというところを見せつけることなので、次戦も楽しみにしていてください!」
◆五十住洋佑(レース1・6位/レース2・2位)
「シーズン前半は、マシンの温存ということも考慮してあまり乗り込みをしてこなかったのですが、このインターバルはメンテナンスを前提に、かなり練習に取り組んできました。昨シーズンから10年ぶりくらいに復帰したし、450ccマシンは今年が初めてだったので、探りつつ戦っている部分もあったのですが、シーズン後半はそんなことも言ってられない ので……。レース1は、スタート直後の転倒で本当に大きく出遅れましたが、前のほうでバトルもしているから追いつけるはずと考え、そのときに勝負できる体力を残すため淡々と走っていました。レース2は、小原堅斗選手が待ってくれたことで、久々の一騎打ちになりましたが、刻々と変化するコンディションへの対応能力は、小原選手が上回っていると痛感しました。チャンピオン争いからはほぼ脱落したので、残り2戦は勝利だけ目指して走ります!」

↑ レース1のスタートこそ出遅れたが、大きなミスなく戦い抜いて、ダートセクションが長いコースで予選、決勝の完全制覇を達成した小原堅斗(#1)

↑ レース1は、スタート直後に沖 勇也(#3)との接触による転倒が響いて6位。しかしレース2では、序盤に昨年度王者の前を走って2位を獲得した五十住洋佑(#06)

↑ レース1では金子和之(#4)とのバトルを制して2位獲得。レース2は三つ巴の4番手争いに敗れて6位に終わるも、総合成績では3位を獲得した呉本朝也(#7)

↑ 2レース総合成績による表彰式。写真中央は大会完全制覇の小原堅斗(#1)、同左は総合2位の五十住洋佑(#06)、同右は五十住と同点で3位となった呉本朝也(#7)
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ケガから復帰した砂田 彰が、全日本昇格2年目で初優勝!
S1オープンクラスは、10分間のタイムアタック予選と、7周の決勝2レースを実施した。前戦よりも増えてエントリー台数は20台で、予選出走は19台。第2戦で負ったケガからの復帰戦となるモトクロス出身の砂田 彰(#13)が、長めのダート区間が濡れて滑りやすくなった難しいコースで実力を発揮し、まずは1分20秒538でトップに立った。予選時間の終盤、このタイムを砂田自身を含む7名が塗り替え、とくに予選3~7番手はいずれも1分20秒台の接戦となった。
最終的に予選トップとなったのは、このクラスで唯一2ストロークマシンを駆るポイントリーダーの真木來人(#36)で、最後のアタックラップで1分18秒790をマーク。結果的には2番手以下を1秒以上離すことになった。砂田は、1分19秒971までタイムを縮めて予選2番手。予選3番手は佐々木徹(#9)、4番手は藤本賢人(#15)、5番手は吉田隆幸(#11)、6番手は開幕戦からS2クラスとのダブルエントリーを続けているランキング2番手の森田直樹(#37)、7番手は吾妻裕人(#47)となった。
決勝レース1は、モトクロス出身で今回採用されたスタート方式に慣れている砂田がホールショット。真木と森田のランキングトップ2が続いた。ところが森田は、S2クラスの決勝レース1に続いて、最初のダートで転倒して大きく後退。これにより吉田、佐々木、唐澤哲也(#54)が2番手の真木に続いて、ターマックに進入した。1周目、砂田と真木が僅差のトップ争いを繰り広げ、吉田も約2秒差で2台を猛追。その背後では佐々木と唐澤も接戦を展開し、こちらは唐澤が先行した。2周目、真木が砂田をパス。砂田は真木から1.5秒近く遅れ、背後に吉田が迫った。
しかし3周目のダートセクションで、砂田がトップを奪還。この間に吉田も真木を抜いた。翌周、真木は吉田を抜き返したが、この間にトップの砂田は6秒ほど先行。レース終盤は真木のほうが速かったものの、両者の間隔が大きく詰まることはなく、7周のレースを砂田が制し、真木は2位でゴールした。吉田は真木を約3秒差で追い続けたが、最後は少し離されて3位。5周目に唐澤を抜き返した佐々木が4番手でチェッカーを受けたが、排気音量オーバーで失格となり、繰り上がって唐澤が4位、2周目に4台による6番手争いの先頭に立った吾妻が5位、藤本が6位に入った。
決勝レース2でも、ホールショットを奪ったのは砂田。これに吉田、佐々木、唐澤、森田が続いた。真木はスタート直後のダートでエンストして遅れると、最初のターマックセクションで転倒を喫し、最後尾からの追い上げを強いられた。レース序盤、トップの砂田は少しずつリードを拡大。2周目の段階で4秒近いアドバンテージを築いた。2番手は吉田がキープし、その2秒ほど後方では佐々木と唐澤が3番手争い。さらに2秒ほどの間隔を開けて、森田が5番手で続いた。この段階で、野田浩平(#46)を先頭とする6番手争いの集団は、8秒ほど遅れていた。
4周目、それまで佐々木を抜きあぐねていた唐澤が3番手浮上。佐々木の背後には森田が迫った。翌周、唐澤は吉田もパスして2番手に順位を上げると、この段階で2.5秒ほど先行していた砂田とのギャップを削り取っていった。そしてラストラップとなった7周目には完全に接近。しかし最後まで砂田がポジションを死守し、レース1に続いてトップチェッカーを受けた。唐澤は惜しくも2位。吉田は3位でゴールした。佐々木と森田は、4周目以降に接戦を展開。これを制した森田が4位、佐々木が5位となった。また、5周目以降に順位を守った藤本が6位だった。

↑ モトクロス出身で、スーパーモトの全日本格式クラスに参戦するのは2年目となる砂田 彰(#13)が、ダートの長いコースでレース1、レース2ともに勝利を収めた

↑ レース1は繰り上がりによる4位だったが、レース2では砂田 彰(#13)を最後に追い詰め、僅差で優勝には届かずも2位を獲得した唐澤哲也(#54)

↑ スポット参戦の吉田隆幸(#11)が2レースとも3位を獲得し、全日本カテゴリーで自身初となる表彰台登壇を果たした。次は今季最終戦に参戦を予定している

↑ 表彰式は2レース総合成績の結果に基づき実施。3人の息子たちと一緒に表彰台の頂点に立ったのは砂田 彰(#13)。写真左が2位の唐澤哲也(#54)、同右が3位の吉田隆幸(#11)
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松村雄太が2レース制覇、寺平悠成がランク首位をキープ!
S2クラスもS1オープンクラスと同じく、予選は10分間のタイムアタック形式、決勝は7周の2レースで競われた。エントリー台数は11台で、全員が予選に出走。このクラスは寺平悠成(#4)と、S1オープンクラスとのダブルエントリーを続ける森田直樹(#23)が、し烈なチャンピオン争いを続けており、前戦では寺平が2レース制覇をやり返して再びポイントリーダーとなり、森田が3点差で追って今大会を迎えた。予選は、今大会最初の走行で、ダートセクションはかなりぬかるんだ状態だった。
この中、いきなり1分21秒135のトップタイムを叩き出したのは寺平。森田も2番手タイムをマークしたが1分24秒317で、寺平からは3秒以上遅れた。予選時間の後半、森田を上回ってきたのは、松村雄太(#15)と那須南斗(#21)。松村が1分21秒944で2番手、那須が1分22秒585で3番手につけた。森田は自身のベストタイムを更新できず、予選トップ4は寺平、松村、那須、森田に。またいずれも1分25秒台で、石田貴大(#29)が予選5番手、宮田輝(#25)が6番手となった。
決勝レース1は、寺平がホールショット。スタート直後のダート区間では森田や宮田、さらに寺平が転倒により順位を落とした。これにより那須、松村、寺平、石田、崎山涼也(#22)、上原耕時(#9)、深見浩資(#17)の順でターマック区間に進入すると、そのままの順位で最初のコントロールラインを通過。レース序盤、那須と松村は3番手の寺平を4~5秒離しつつ、僅差のトップ争いを繰り広げた。石田は数秒差で寺平をマーク。上原は8番手まで後退し、崎山と森田と深見が5番手争いを繰り広げた。
3周目、トップを走っていた那須がダートで転倒し、8番手まで後退。森田はリタイアした。これにより松村がトップに立ち、約5秒差で寺平、さらに2秒ほど離れて石田が追う展開。大きく遅れて、崎山と深見が僅差の4番手争いを繰り広げた。レース後半、トップ3では石田が寺平に少しずつ接近。さらにこの2台が、終盤になって松村との距離を詰め、最後は三つ巴のトップ争いになった。しかし順位は変わらず、レースは松村が優勝、寺平が2位、石田が3位。深見は5周目にミスし、崎山が4位、上原が5位、深見が6位でゴールしている。
決勝レース2は、松村がホールショット。これに石田と寺平が続くと、最初のダートセクションで寺平がトップに浮上した。石田も松村を抜き、森田が4番手、宮田が5番手につけるも、宮田はダートでエンストして最後尾に。これで寺平、石田、松村、森田が早くも抜け出して正式な1周目に入ったが、森田はダートでミスして10番手まで順位を落とした。これにより寺平、石田、松村が、4番手の深見を約9秒先行するトップ3を形成。接近戦を繰り広げると、4周目のダートで寺平と石田のマシンが接触して遅れ、この間に松村がトップに浮上した。
寺平が3番手に後退し、石田は2番手を守ったが、先頭に入れ替わった松村とは7秒近いギャップ。レース後半、石田は徐々に差を詰め、最後はバックマーカーの影響で松村の背後まで迫ったが、確実に順位を守った松村が勝利を収め、石田が2位となった。寺平は、3番手に後退した段階で石田とは約4秒差だったが、その後に離されて3位。鋭く追い上げた森田が4番手でゴールしたが、出場車両違反により失格となり、最終ラップに森田の先行を許した深見が4位となった。また、マシントラブルを抱えながらもレースを戦い抜いた那須が5位、序盤は5番手を走行した崎山が6位に入っている。

↑ レース1の終盤は、三つ巴のトップ争い。昨年最終戦以来のスポット参戦となった松村雄太(#15)がこれを制し、レース2も勝利を収めて総合優勝を獲得!

↑ 2レースともに寺平悠成(#4)と順位を争い、レース1では3位、レース2では2位となり、総合成績2位を獲得した石田貴大(#29)

↑ ランキングトップで今大会を迎えた寺平悠成(#4)は、2レース総合成績では2位と同点の3位。森田直樹(#23)が大きくポイントを取りこぼしたため、リードを拡大
▶正式リザルトはこちらにアップいたします。