

2026全日本スーパーモト選手権第4戦レポート
2026年6月14日(日)
HSR九州(熊本県)
全日本屈指の高速コースで迫力のバトルが連発!
2026年シーズンは全8戦で競われる全日本スーパーモト選手権シリーズ。その第4戦が、前戦から4週間のインターバルを挟み、6月14日(日)に熊本県・HSR九州で実施された。
今季は第7戦の開催も予定されているHSR九州は、ホンダの二輪車国内生産を一手に担う熊本製作所に隣接した、モータースポーツおよび安全運転に関する施設。全日本選手権を開催するモトクロスコースや、テクニカルなショートサーキットも有するが、全日本スーパーモト選手権では全長2350mのサーキットコースが使用される。
昨年までと同じく、コース後半の高速セクションは大幅ショートカット。ホームストレートのフィニッシュライン先には、インフィールドのグリーンゾーンを使って長めのダートセクションが設けられ、大きめのテーブルトップジャンプなどが設置された。
事前の天気予報は二転三転。結果的には、一時的に小雨が降ったものの基本的には曇天で、路面はドライコンディションが保たれ、最高気温は25℃となった。
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沖勇也と小原堅斗が勝利を分け、小原が総合優勝!
全日本最高峰となるS1プロクラスは、予選が10分間のタイムアタック方式、決勝は10周の2レース制で競われた。13台が出走した予選では、福岡県出身で地元チームから参戦する沖勇也(#3)が、予選時間後半に1分16秒430をマーク。2番手を0.891秒離して、決勝レース1のポールポジションを獲得した。これに続く予選2番手は、第3戦終了時点で21点リードのランキングトップに立つ小原堅斗(#1)。ベストタイムは1分17秒321だった。
予選3番手は、第3戦終了時点でランキング2番手につける五十住洋佑(#06)。ベストタイムは1分18秒055だった。予選4番手と5番手も同じく1分18秒台で、新井誠(#05)が4番手、金子和之(#4)が5番手。予選6~8番手は1分19秒台の争いで、予選6番手に今季初参戦となる川上祥史(#11)、予選7番手に新沼伸介(#5)、予選8番手に岡田駿介(#02)が入った。唯一の女性ライダーとなるルーキーの鈴木優那(#01)は、予選9番手から決勝レース1に臨んだ。
決勝レース1では、沖と小原がホールショット争いを繰り広げ、1コーナー先のダートセクションで小原が先行。小原がトップ、沖が2番手で1周目をクリアした。3番手以下は五十住、川上、岡田、新沼、鈴木のオーダー。金子はダートでエンストして遅れ、1周目は11番手だった。2周目、ダートで沖がトップに浮上。この間に五十住がやや近づいたが、3周目には3秒ほど離された。この周、五十住の約3秒後方では川上と岡田が4番手争い、さらに新沼と鈴木が6番手争いを展開し、鈴木が新沼を抜いた。4周目、岡田が川上を抜いて4番手に。この2台に後続が近づき、鈴木と新沼、スタートで出遅れていた新井、金子までがひとつの集団になった。
5周目、岡田がダートで転倒して7番手に後退。鈴木が4番手に順位を上げ、これを新井と新沼が追った。一方のトップ争いは、3番手の五十住を大きく離しながら、沖を小原が僅差でマークし続けていたが、レースが後半に入るとギャップが約2秒に拡大。終盤には、沖のリードが3秒ほどになった。そして、小原を振り切った沖が今季初優勝。小原が2位、小原に20秒近く離された五十住が3位となった。レース後半、新沼と金子を振り切って、鈴木と新井が接近戦を展開。新井が最終ラップのダートで先行したが、直後にコースを飛び出して転倒し、鈴木が4位となった。新沼と金子のバトルはゴールまで続き、0.07秒差で抑えた新沼が5位、金子が6位となった。
決勝レース2は、レース1の結果が予選順位となる。ホールショットは沖が奪い、小原を抜いて五十住が2番手。ところがスタート直後のダート区間で沖がエンストし、五十住が先頭に立った。オープニングラップは五十住、小原、新沼、金子、鈴木のトップ5。沖は積極的に追い上げるも、1周目は9番手だった。2周目、五十住を抜いて小原がトップに浮上。さらに、2秒ほどのリードを奪った。沖は6番手まで順位を回復。3周目には鈴木を抜き、すぐ前を走る金子と新沼に迫ると、翌周に2台をパスし、この段階で5秒ほど先行していた2番手の五十住を追った。トップの小原は、5周目までに約5秒のリードを確保。2番手の五十住には沖が徐々に近づき、7周目に沖が先行した。
ところが8周目のダート区間で、またしても沖がエンストし、五十住が再び前に出た。ここから、五十住と沖の接近戦がスタート。五十住が抑え続けていたが、最終ラップに入った1コーナー進入の争いで五十住が大きくバランスを崩し、沖が2番手に順位を上げた。小原は、レース後半もリードをさらに拡大。独走で今季5度目のトップチェッカーを受けた。沖が2位、五十住が3位でゴール。5周目に新沼を抜いた金子が、レース終盤に後続を引き離して4位となった。レース後半、新沼と鈴木は僅差の5番手争い。ダートで鈴木が先行してターマックで新沼が逆転する展開を何度か繰り返し、新沼が5位、鈴木が6位となった。
●小原堅斗(レース1・2位/レース2・優勝)
「HSR九州は、全日本スーパーモト選手権が開催されるコースの中ではもっともハイスピードで、ターマックセクションは高速コーナーが多いため、モトクロス出身の自分はあまり得意ではありません。減速させすぎて車速が伸びないことも多く、前日の練習走行から沖勇也選手の走りをマネしようと試みていましたが、なかなか難しい状況が続いていました。レース1ではやはり勝つことができず、チーム監督とも相談して、レース2に向けてサスペンションセッティングも少し変更。これがいい方向に働いたこともなり、大きなミスなく走り切ることができ、レース2は勝てました。次戦からシーズン後半。神戸スポーツサーキットは、HSR九州とは真逆のようなコースですが、次こそ2レース優勝を狙います!」
●沖勇也(レース1・優勝/レース2・2位)
「福岡県出身の自分にとっては、もっとも地元に近い大会。加えてチームの地元大会で、応援してくださる方々も多く会場に足を運んでくださっていたので、予選と決勝の完全制覇を目指していました。レース1まではいい流れで、あと一歩のところだったのですが、レース2はダートセクションの同じ場所で2度エンストさせてしまい、目標には届きませんでした。レース1は、追ってくる小原堅斗選手との距離も把握できていて、手の内を隠して最後に抜かれることは避けたかったので、後半になってから意図的にペースアップ。レース2は、最初のエンストで大きく出遅れてからも、優勝することだけを考えてアタックを続けていました。レース1で今季初優勝でしたが、同点で総合優勝を逃した悔しさのほうが大きいです」

↑ レース1は、沖勇也(#3)が小原堅斗(#1)とのマッチレースを制して今季初優勝を獲得。しかしレース2の沖は、ダートセクションで2度エンストして2位となった

↑ ランキングトップの小原堅斗(#1)は、レース1で2位となり、レース2で勝利。沖勇也(#3)と同点ながら、レース2の結果が優先されることから総合優勝も獲得

↑ レース2では、終盤に沖勇也(#3)を気迫の走りで抑えた五十住洋佑(#06)。しかしあと一歩のところで敗れ、予選と決勝2レースでいずれも3位となった

決勝レース2後の表彰式。写真中央が優勝した小原堅斗(#1)、同左が総合2位の沖勇也(#3)、同右が総合3位の五十住洋佑(#06)。総合成績もこの順位となった
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ランク首位の真木來人が2レース制覇でリード拡大!
S1オープンクラスは、10分間のタイムアタック予選と、8周の決勝2レースを実施した。いつもは盛況なクラスだが、今大会のエントリー台数は9台。とはいえ、第3戦終了時点でランキングトップにつける真木來人(#36)、同3番手の唐澤哲也(#54)、同4番手でS2クラスとのダブルエントリーを続けている森田直樹(#37)は、今大会にも出場を果たした。予選では、2ストロークマシンを駆る真木が、終盤に1分19秒031をマーク。2番手を2.391秒も離してトップとなった。
予選2番手は、最終ラップで1分21秒422までラップタイムを縮めた唐澤。さらに、この唐澤と0.197秒差となる1分21秒619で森田が続き、ランキング上位勢が決勝レース1のフロントローに並ぶことになった。予選4番手は大坪正之(#22)で、タイムは1分22秒311。予選5番手は菅野景介(#29)で、1分22秒932だった。予選6番手は千葉智(#18)。5番手の菅野とは1.198秒差の1分24秒130で、予選7~8番手は1分25秒台だった。
迎えた決勝レース1は、唐澤がホールショット。しかしダートセクションで転倒して最後尾付近まで後退し、真木が先頭、菅野が2番手、森田が3番手、千葉が4番手で1周目をクリアした。5番手には、スタートで出遅れた後に追い上げた大坪。2周目、上位5台はそれぞれ3秒前後の間隔を開けて縦に長くなり、6番手には唐澤が追い上げてきた。3周目、トップの真木はさらに後続を離し、5~6秒のリードを確保。遅れた2番手の菅野には、森田が僅差で迫った。一方、4番手以下は菅野と森田から大きく遅れ、千葉と大坪と唐澤による三つ巴の争いとなった。
そして唐澤が、3周目に大坪、4周目に千葉を抜いて4番手に浮上。一気に2台を離した。同じ周、2番手争いではダートで菅野がエンスト。これにより森田が2番手に浮上し、菅野は3番手に後退した。レース後半、トップの真木はさらにリードを拡大。森田も単独走行となり、真木が優勝、森田が2位となった。レース後半、唐澤は4周目の段階で6秒ほどあった3番手との差を徐々に詰めたが、1~2秒差で順位を守った菅野が3位、唐澤が4位。レース中盤以降も接戦が続いた5番手争いは、7周目に大坪が先行し、大坪が5位、千葉が6位でゴールした。
決勝レース1のゴール順でスターティンググリッドについたレース2は、真木がホールショット。これに森田、唐澤、千葉、菅野が続いた。1周目、森田が真木をパスしてトップに浮上。菅野は千葉を抜いて4番手に順位を上げた。森田と真木は、オープニングラップからデッドヒートを展開。3番手の唐澤は1周につき2秒ほど遅れ、菅野がその背後でマークを続けた。菅野の数秒後方では、千葉と大坪も僅差の5番手争いを繰り広げた。2~3周目まで、真木は何度も森田に並んだが、ギリギリで森田がトップを守り続けた。
しかし4周目のターマックで、ついに真木が逆転に成功。すると今度は、真木を僅差で森田が追い続けた。同じ周、千葉が転倒して大きく後退し、大坪が5番手に順位を上げた。真木と森田のトップ争いは、6周目から僅かに間隔が広がりはじめ、7周目にはギャップが約1秒に。そのまま先頭を走り続けた真木が1.445秒差で再び勝利を収め、森田が2位でチェッカーを受けた。6周目には、唐澤を追っていた菅野が1コーナーで転倒。これで単独走行となった唐澤が3位、復帰後に迫る大坪を抑えた菅野が4位、大坪が5位でフィニッシュした。

↑ このクラスで唯一、2ストマシンを駆る真木來人(#36)が、レース1は独走、レース2は森田直樹(#37)との接戦を制して、予選と決勝の完全制覇を達成した

↑ S2クラスとダブルエントリーを続ける森田直樹(#37)。レース1は真木來人(#36)に大きく離されたが、レース2では途中までトップを守り、いずれも2位を獲得

↑ レース1は序盤の転倒からしぶとく追い上げて4位、レース2ではトップ2に離されながらも最後までポジションを守って3位を獲得した唐澤哲也(#54)

↑ レース2の表彰式。写真中央が優勝した真木來人(#36)、同左が2位の森田直樹(#37)、同右が3位の唐澤哲也(#54)。総合成績もこれと同じ順位になった
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2レース制覇の森田直樹がランキングトップ浮上!
S2クラスもS1オープンクラスと同じく、予選は10分間のタイムアタック形式、決勝は8周の2レースで競われた。前日の練習走行で負傷した山口大輔(#32)が欠場したことから、10台がまずはタイムアタック予選に臨んだ。そして、S1オープンクラスとダブルエントリーを続け、第3戦終了時点でトップと3点差のランキング2番手につける森田直樹(#23)が、終盤のアタックで1分22秒036をマーク。これにより2番手以下を約1秒離し、決勝レース1のポールポジションを獲得した。
予選2番手タイムをマークしたのは、昨年もこのHSR九州大会のみにスポット参戦した高津戸義彦(#16)。ベストラップタイムは1分23秒109だった。予選3番手は、1分23秒531をマークした寺平悠成(#4)。第3戦終了時点で3点リードのランキングトップに立つ寺平も、決勝レース1のフロントロースタートになった。予選4番手は今季初参戦の納冨桂(#12)、予選5番手には1分25秒217の那須南斗(#21)、予選6番手には深見浩資(#17)が入った。
決勝レース1では、森田がホールショット。しかし直後のダート区間で、寺平が先行した。後方では、予選7番手の宮田輝(#25)が転倒して最後尾に。オープニングラップは寺平が制し、これを僅差で森田が追い、2秒ほど遅れて高津戸が3番手、さらに那須と納冨が続いた。2周目、寺平と森田は接近戦を継続。3番手の高津戸は後続を4秒ほど離しつつトップ2を約2秒差で追い、那須と納冨も僅差の4番手争いを続けた。一方、深見と藤木一真(#26)の6番手争いは、那須と納冨から7秒ほど遅れた。
4周目、ターマックの前半で森田が一度トップに立ち、最終区間で寺平が抜き返す間に、高津戸が2~3秒差でこの2台を追っていた距離を詰め、トップグループは3台に。5周目、寺平と森田は再び高津戸を1.5秒ほど離しつつバトルを続け、翌周のダート区間で森田が再び先行した。そして、ラスト2周で僅かにリードを奪った森田が、今季2度目の優勝。寺平が2位、最後まで寺平に迫った高津戸が3位となった。4番手争いは、5周目に逆転を果たした納冨が終盤にリードを奪い、4位に納冨、5位に那須、レース中盤から後続を離した深見が6位となった。
決勝レース2は、寺平がホールショット。これに森田、高津戸、納冨が続いた。1周目、寺平と森田と高津戸は、4番手の納冨を3~4秒リードして先頭集団を形成。納冨も、5番手の那須を3秒ほど離した。2周目、寺平と森田が接近戦を繰り広げる一方、高津戸は1.5秒ほど遅れたが、翌周には再び3台が接近。この段階で、4番手の納冨と5番手の那須は単独走行となった。レースが後半に入った5周目、1コーナー進入で森田が寺平に並ぶも、寺平が先頭を死守。翌周も同様の展開になったが、ここも寺平が抑えた。
高津戸は、ドッグファイトを続ける寺平と森田を、1秒ほど後方でマーク。そしてレースは、寺平が先頭、森田が2番手でラストラップに突入した。そのダート区間で、周回遅れをパスしようとした寺平が転倒。これで先頭に立った森田が、レース1に続いて優勝した。寺平は3番手でレースに復帰してターマックで高津戸を抜き、寺平が2位、高津戸が3位となった。単独走行を続けた納冨が4位、那須が5位。5周目に藤木を抜いた深見が6位となった。

↑ レース1、レース2ともに優勝争いは森田直樹(#23)と寺平悠成(#4)の白熱した接近戦に。いずれのレースでも勝った森田が、寺平を7点リードするランキングトップに浮上

↑ レース2では、最終ラップまでトップを守りながら、ダートセクションでの転倒に泣いた寺平悠成(#4)。2レースとも2位で、ランク首位の座を森田直樹(#23)に譲った

↑ コンキハツノスポット参戦ながら、レース1とレース2ともにトップグループに加わり、いずれのレースも3位を獲得した高津戸義彦(#16)

↑ 表彰台のメンバーと並び順は、レース1とレース2で同じになった。写真中央が優勝した森田直樹(#23)、同左が2位の寺平悠成(#4)、同右が3位の高津戸義彦(#16)
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