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INFORMATION S1オープンクラスでは古高智也のタイトル獲得が決定!! 全日本スーパーモト選手権第5戦レースレポート

2023全日本スーパーモト選手権第5戦レポート
2023年9月17日(日)/ 名阪スポーツランド(奈良県)

S1オープンクラスでは古高智也のタイトル獲得が決定
今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、昨年と同じく全6戦のスケジュール。シーズン終盤戦となる第5戦が、奈良県の名阪スポーツランドで9月17日(日)に開催された。
複数のオンロードコースに加えて、前週には全日本選手権が開催されたモトクロスコースも有する名阪スポーツランド。今大会は、ABコースと呼ばれるミニバイクなどの走行用にレイアウトされたオンロードコースと、サンド質を特徴とするモトクロスコースのスターティングエリア付近をつなげた、ダートセクションがかなり長い特設コースで競われた。
天候は晴れ時々曇りで、路面はドライコンディション。日本列島は9月に入っても猛暑が続いていており、この日も最高気温は31℃となった。

小原堅斗が2レースを制して、王者争いで一矢報いる

全日本最高峰となるS1プロクラスは、一昨年まで3年連続でシリーズタイトルを獲得した日浦大治朗(#2)が、開幕から3戦連続で2レース制覇を達成したが、前戦レース1で昨年の覇者である昨年度王者の小原堅斗(#1)が今季初優勝。それでもレース2は日浦が制して圧倒的なランキングトップを守り、同2番手には日浦と62点差で小原が浮上した。今大会は、まず5分間の公式練習から連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は10周の2レース制で競われた。18台が出走した予選では、日浦が1分21秒802のトップタイムをマーク。2番手に1分23秒532で小原、3番手に1分23秒909で吉田雄一(#4)が入り、決勝レース1のフロントローに並んだ。予選4~7番手はいずれも1分24秒台で、長谷川修大(#3)と金子和之(#5)とスポット参戦した2016~2018年チャンピオンの森田一輝(#23)がレース1のセカンドローへ。7番手の川島颯太(#19)はレース1を3列目からスタートすることになった。

決勝レース1では、ポールポジションスタートの日浦が順当にホールショット。小原がこれに続くと、1周目から日浦と小原が抜け出した。前後に3~4秒の間隔を開け、3番手は吉田。4番手以下には金児伸二(#13)、長谷川、川島、森田が続いた。2周目、日浦がダートセクションで転倒し、小原が先行。日浦は小原から約4秒遅れとなり、背後には3番手の吉田が迫った。またこの周、5番手の長谷川も転倒して順位を下げた。さらに、3周目には3番手の吉田もダートでミス。これで小原がトップ、約3秒差で日浦が2番手となり、3番手は日浦から10秒ほど遅れて川島、金児、森田、吉田らが縦に長く続くことになった。そして4周目には、森田が金児をパスした。

5周目、小原に近づいていた日浦がダートでミスして、大きくタイムロス。これでトップの小原が完全な独走状態となり、日浦は川島に次ぐ3番手でレースに復帰した。それでも、レースが後半に入った6周目に、日浦は川島を抜いて2番手浮上。レース終盤にかけて、後続を数秒離していった。一方、3番手争いは川島と森田の距離がかなり近く、さらに吉田がこれを1~2秒差で追った。そしてレースは、レース中盤から独走状態を続けた小原が今季2勝目となる優勝。日浦が2位となった。最終ラップに川島との距離をさらに詰めた森田は、最終コーナーでの逆転を狙ったが、ここで転倒。これにより川島が順位を守って3位、吉田が4位、僅差で先にゴールした金子が5位、森田が6位となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。2番手スタートの日浦が、1コーナーで小原のインにマシンをねじ込み、ホールショットを獲得した。さらに、ダート区間で川島が小原をパス。森田も順位を上げ、1周目は日浦、川島、小原、森田、川上祥史(#20)、吉田、金子、松本和資(#11)のオーダーとなった。2周目、トップの日浦は約2秒のリード。川島と小原が2番手を争い、2秒ほど遅れて森田が続き、川上を先頭とする5番手集団は離されはじめた。3周目、トップを走っていた日浦がターマックで転倒。この間に川島と小原が先行し、日浦はこの2台から約2秒遅れの3番手でレースに復帰し、背後に森田が迫った。

5周目、小原が川島を抜いてトップに浮上。日浦は森田を3秒ほど引き離し、2番手の川島に近づいた。レースが後半に入った6周目、川島と日浦が僅差の2番手争いを開始。一方、4番手の森田はこの2台から遅れていった。大きく離された5番手争いでは、順位を死守していた川上を抜いて金子が集団の先頭に。その後、金子は後続を離し、川上は順位を下げた。レース終盤、小原は少しずつリードを奪ってほぼ独走状態に。一方、川島と日浦の2番手争いは最後まで続いた。また、4番手の森田、5番手の金子、8周目に6番手へ浮上した馬場悠介(#18)も、それぞれ単独走行となった。そしてレースは、小原が勝利。日浦は最終ラップに勝負をかけたが、ここで川島と日浦が接触して日浦のみ転倒。川島が2位、日浦が3位となった。森田は4位、金子は5位、馬場は6位となった。今大会の結果、ポイントランキングでは小原が日浦との差を14点詰め、僅か2点届かず日浦はシリーズタイトル獲得を決定できなかった。

●小原堅斗(レース1・優勝/レース2・優勝)「前戦で今季初優勝を挙げたこともあり、レース1は優勝に対する皆の期待をかなり感じて緊張しながら迎えたのですが、いざ走り始めたら、また日浦大治朗選手とバトルできるというワクワク感のほうが上回っていました。トップだった日浦選手が転倒した瞬間に、これはスパートして逃げなければと判断。結果的には、そこで引き離したことで再び日浦選手のミスを誘ったのかもしれないので、戦略的にもよかったと思います。レース2は、スタートで日浦選手が飛び込んでくることまでは想定内でしたが、背後に川島颯太選手がいることには気づかず先行されてしまい、やや焦りました。しかし、日浦選手が逃げ始め、川島選手を早く抜かなければ……というところで日浦選手が転倒。これであとは、川島選手を抜くことだけに集中できました。今季初の総合優勝。今季からTM Racingに所属してマシンもスイッチし、その初年度で2レース優勝を達成できたので、まずはひと安心しました」

●川島颯太(レース1・3位/レース2・2位)「予選まではかなり調子悪く、どう走るべきか悩んでいました。レース1も同じで、前を走っているライダーたちの転倒で気づいたら3番手に上がっていましたが、そこから前を追いかけたいのにラップタイムが悪く、そのままの順位でゴールしました。3位でしたが、自分の走りがまるでできませんでした。レース2は、それと比べたら走りはよかったかもしれませんが、日浦大治朗選手の転倒で一度トップに立ったときに、気持ちが盛り上がりすぎてしまい、かなり体力を消耗してしまいました。小原堅斗選手に抜かれて2番手に後退してからは、なんとかついていってラストラップで勝負を仕掛けようと思ったのですが、途中で小原選手がミスして、それに突っ込みそうになって離れてしまいました。終盤は日浦選手とのバトルでしたが、日浦選手にあおられたことで、自分の遅いところがわかり、修正をしながら走った結果、2位になりました。このレースで、だいぶ自信がつきました」

度重なる日浦大治朗(#2)の転倒を尻目に、得意とするダートが多いコースで2レースとも勝利した小原堅斗(#1)

最高峰クラスルーキーの川島颯太(#19)は4レース連続の3位に続いて、今大会レース2で自己最高位更新の2位を獲得

 

レース2は3位となり、あと僅かのところでシリーズタイトル獲得を決められなかった日浦大治朗(#2)

 

総合成績による表彰式。写真中央が今季初の2レース制覇を達成した小原堅斗(#1)、同左が2位の川島颯太(#19)、同右が3位の日浦大治朗(#2)

S2とダブルエントリーの佐藤瑞城が2レース制覇

田所隼がS1プロクラスにステップアップしたため、チャンピオン不在となるS1オープンクラス。前戦終了時点で、S2クラスとダブルエントリーを続けている古高智也(#36)が2番手の原島剛(#38)と93点差、3番手の呉本朝也(#4)と94点差のランキングトップに立ち、シリーズタイトル獲得にリーチをかけて今大会に臨んだ。なお原島は、この第5戦に出場していない。今大会は、公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は8周の2レースで競われた。予選出走台数は26台で、2名が予選落ちとなる。そのタイムアタック予選では、高山直人(#31)が1分25秒075でトップタイムをマーク。初めてS2クラスとダブルエントリーした佐藤瑞城(#50)が1分26秒075で2番手、呉本が1分26秒851で3番手となり、決勝レース1のフロントローに並ぶはずだったが、高山は体調不良で決勝をリタイヤした。またレース1のセカンドローには、佐々木徹(#11)と古高と水野彰久(#14)が並んだ。

迎えたポールポジションライダー不在の決勝レース1。佐藤がポールポジションを奪い、これに呉本が順当に続いたが、予選4番手の佐々木が1コーナー進入でハイサイド気味に転倒。これをきっかけに混乱し、後続では3台のマルチクラッシュも発生した。オープニングラップは佐藤、呉本、予選7番手の大坪正之(#10)、水野、予選11番手からジャンプアップした吉田隆幸(#37)、古高のオーダー。2周目、佐藤と呉本は後続を4秒ほど離しながら僅差のトップ争いを展開し、3番手の大坪と4番手の水野はそれぞれ前後に3~4秒の間隔を開け、5番手の吉田には古高が肉迫した。3周目の上位勢に大きな変化はなかったが、4周目に入ったところで古高が吉田をパス。さらに先頭争いは、ダート区間で呉本が先行した。

レースが後半に入った5周目、今度は2番手に後退した佐藤がトップの呉本を僅差でマーク。5番手に浮上した古高は、吉田を引き離しながら4番手の水野に迫り、これで吉田が単独走行になった。6周目には、水野と古高が大坪に迫ったことで、3番手争いが三つ巴の接近戦に。そして翌周、まずは水野が大坪を抜き、古高も続いたが、この間に大坪と古高のギャップは約3秒に拡大した。この周、トップ争いはダートセクションで佐藤が再逆転に成功。再び、呉本が僅差で佐藤を追うことになった。しかし最終ラップとなった8周目のダートセクションで呉本がやや遅れ、これで佐藤が独走。先に実施されたS2クラスのレース1に続いて、佐藤が勝利を収めた。呉本は2位、追いすがる古高を抑えた水野が3位。古高は4位で表彰台を逃したが、3レースを残してシリーズタイトル獲得を決めた。5位に大坪、6位に吉田が入賞している。

午後のレース2は、レース1のゴール順でスターティンググリッドに整列。佐藤がホールショットを獲得し、これに呉本、水野、古高までが順当に続き、5番手には吉田が順位を上げて1コーナーをクリアした。続くダートセクションで水野が大きく後退し、古高も遅れて吉田が3番手に浮上。6番手には内山瑛須(#41)が浮上し、これを大坪と菅野景介(#10)が追った。2周目、佐藤と呉本は3番手以下を5秒ほど離し、早くもマッチレースの様相。3番手の吉田を、4秒ほど遅れて古高が追った。3周目には、2番手の呉本と3番手の吉田は10秒ほどのギャップに。内山が順位を下げ、5番手には大坪、6番手には菅野が浮上してきた。

佐藤と呉本のトップ争いは、4周目に3秒ほどのギャップとなったが、レースが後半に入った5周目から再び両者が接近。またこの周、じわじわと追い上げていた古高が、吉田をパスして、3番手に順位を上げた。6周目には、佐藤と呉本が完全な接近戦に。しかし7周目に呉本がミスし、これで古高が僅差で迫ることになった。またこの周、周回遅れの影響などをきっかけに、大坪と菅野と内山の5番手争いも距離が縮まった。ラスト2周、古高は呉本に肉迫したが、呉本も逆転のチャンスを与えず。レースは佐藤が再び勝利を収め、約17秒遅れて呉本が2位、古高が僅差の3位でゴールした。また、古高から約17秒遅れの4位に吉田、5位に大坪、6位に菅野となった。

S2クラスとのダブルエントリーにより初めて参戦したS1オープンクラスで、いきなり2レース制覇を達成した佐藤瑞城(#50)          

 

2レースとも佐藤瑞城(#50)と僅差のトップ争いを繰り広げたが、一歩届かず2位となった呉本朝也(#4)           

 

レース1では、 終盤に僅差で迫ってきた古高智也(#36)を抑えて、3位入賞を果たした水野彰久(#14)

 

S1オープンクラスのシリーズタイトルを獲得し、次の最終戦はS2クラスの逆転チャンピオンに集中できる状態となった古高智也(#36)

佐藤瑞城が全日本初優勝と2レース制覇を達成!

11名のライダーが4スト250ccまたは2スト125ccマシンで出走したS2クラスも、公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選を実施。決勝は8周の2レースが設定された。前大会終了時点で大金歩夢(#4)がランキングトップを守り、これをS1オープンクラスとダブルエントリーの古高智也(#9)が21点差で追っている。なお前大会で2レースを制覇した昨年度王者の原島剛(#1)は、今大会への出場を見送った。タイムアタック予選は、初めてS1オープンクラスとダブルエントリーした佐藤瑞城(#21)が1分25秒841でトップ。古高が1分27秒828で2番手、2ストの藤田友貴(#10)が1秒27秒986で3番手となり、決勝レース1のフロントローに並んだ。大金は1分28秒986で予選4番手。5番手の佐藤省吾(#6)、6番手の土橋亮一(#5)とともに、レース1はセカンドロースタートとなった。

決勝レース1は佐藤瑞城、古高、藤田の予選トップ3が順当なスタート。さらに予選4番手の大金、5番手の佐藤省吾が続いた。1周目、トップの佐藤瑞城は早くも約3秒のリード。古高と藤田が2番手を争い、2秒ほど遅れて大金が続いた。2周目、藤田は古高にやや離され、両者のギャップは約3秒。3周目には、6番手を走っていた桐明征一郎(#20)がミスにより後退し、土橋が順位を上げた。レース前半が終わる4周目の段階までに、トップの佐藤瑞城はリードを約5秒に拡大。2番手の古高も後続を4秒ほど離し、この2台は単独走行となった。

一方、3番手争いでは大金が藤田にやや接近。レース後半、藤田の1~2秒後方でマークを続けた。また、5番手の佐藤省吾も前後に間隔がある単独走行に。さらに後方では、4周目に土橋を抜いて藤本賢人(#19)が6番手に順位を上げた。レース終盤、トップ2台が前後のギャップを拡大しながら単独走行を続ける一方で、藤田と大金は接近戦に。大金は最後に僅差で迫ったが、藤田が順位を守った。そして8周のレースは佐藤瑞城が全日本初優勝、古高が2位、藤田が3位、大金が4位、佐藤省吾が5位、藤本が6位となった。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、ポールポジションスタートの佐藤瑞城がホールショット。これに大金と古高が続いた。3番手スタートの藤田は、やや出遅れて佐藤省吾に次ぐ5番手。勝谷仁(#7)が6番手でオープニングラップをクリアした。2周目、藤田が佐藤省吾を抜いて4番手に浮上。3周目には、トップの佐藤瑞城から6番手の勝谷までが、それぞれ2~3秒間隔で縦に長く続いた。4周目には、3番手の大金がミスで2番手の古高から約7秒遅れとなり、その背後に藤田が接近。また、勝谷もミスにより順位を下げた。

レースが後半に入った5周目、2番手の古高がやや遅れて、佐藤瑞城のリードが約5秒に拡大。藤田が転倒して5番手に後退し、これで大金の背後に迫るライダーはいなくなったが、前を走る古高とのギャップはさらに拡大した。6周目、転倒から復帰した藤田は4番手の佐藤省吾に迫ったが、7周目にミスして再び大きくタイムロス。レースは、1周目から一度もトップの座を脅かされることなく走破した佐藤瑞城が再び勝利を収め、古高が2位、大金が3位、佐藤省吾が4位、藤田が5位、序盤に大きく遅れながらも粘った藤本が6位となった。今大会の結果、ポイントランキングでは古高がトップを守る大金との差を11点詰め、大金と古高が10点差に。また、ランキング3番手の佐藤瑞城が、2番手の古高まで17点差に近づいた。

レース1で全日本初優勝の佐藤瑞城(#21)は、レース2も勝利して、予選から完全制覇を達成

 

古高智也(#9)は、大金歩夢(#4)よりも上位でゴールするという最低限の目標を達成し、10点差のランキング2番手で今季最終戦に臨む

 

レース1では、迫る大金歩夢(#4)を最後まで抑えて、2021年開幕戦レース2以来となる3位入賞を果たした藤田友貴(#10)

 

同じ大会で、全日本初優勝と2レース制覇、さらにダブルエントリーしたS2とS1オープンクラスの全勝を成し遂げた佐藤瑞城(#21)

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第6戦は10月15日(日)に愛知県・美浜サーキットで開催されます。