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INFORMATION 今季開幕戦は各クラスで熱いバトルが連発!【2025全日本スーパーモト選手権レポート】


2025全日本スーパーモト選手権第1戦レポート
2025年5月11日(日)
茂原ツインサーキット・イーストコース(千葉県)

今季開幕戦は各クラスで熱いバトルが連発!

今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、昨年と同じく全7戦のスケジュール。その開幕戦は、当初は4月20日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで実施予定だったが中止となり、千葉県の茂原ツインサーキットで5月11日(日)に開催された。その名称どおり、クルマの走行にも対応したイーストコース(ロング)と、カートやミニバイクのためにレイアウトされたウエストコース(ショート)から成る、千葉県房総半島に位置する茂原ツインサーキット。今大会は、昨年までと同じく全長約1.2kmと距離が長くコース幅も広いイーストコースをベースに、ダートセクションの追加やターマック区間の一部低速レイアウト化などを施した特設コースが用いられた。

大会当日は晴れ時々曇りで、ターマック区間の路面はドライコンディション。3ヵ所に設けられたダートセクションは、断続的に雨が降り続いた前日の練習走行時に使用を見送った効果もあって、すべて使うことができた。なお今大会は、SUGOが舞台だった昨年の開幕戦、あるいは同じコースで実施された昨年第3戦と比べて、全日本格式の3クラス合計ではエントリー台数が微増した。

 

レース1は小原堅斗、レース2は日浦大治朗が優勝

全日本最高峰となるS1プロクラスは、全員が4スト450ccマシンを駆り、予選が10分間のタイムアタック方式、決勝は12周の2レース制で競われた。14台が出走した予選では、昨年のシリーズタイトルを獲得した小原堅斗(#1)が、終盤に1分00秒391をマーク。ロードレースでも活躍する日浦大治朗(#2)が、最終ラップのアタックで1分00秒596までタイムを縮めたが、わずかに届かず小原が決勝レース1のポールポジションを獲得した。予選3番手は、こちらも最終ラップに1分01秒144を記録した佐藤瑞城(#4)。オーストラリア出身のジョシュア・マクリーン(#24)が1分01秒692で予選4番手となり、決勝レース1のフロントロースタートとなった。また決勝レース1のセカンドローには、金子和之(#5)と川島颯太(#3)と新沼伸介(#6)が並んだ。

決勝レース1では、ポールポジションスタートの小原がホールショット、これに日浦と佐藤が続いた。マクリーンは出遅れ、金子と川島、さらに大金歩夢(#8)ら3台が先行したが、マクリーンが1周目に2台を抜き、1周目は大金に次ぐ7番手でクリアした。2周目には、6番手の大金が川島から4秒ほど遅れ、これでトップグループは5台に。さらに、翌周から小原と日浦が後続を引き離しはじめた。一方、トップ2から数秒離された3番手争いも、佐藤と金子による僅差のバトル。しかし5周目、佐藤を僅差で追っていた金子がダートで転倒して8番手まで後退し、これで3番手の佐藤と4番手の川島は、いずれも前後に5秒程度のギャップがある単独走行となった。また5番手には、前の周に大金を攻略したマクリーンが浮上した。

一方、トップ争いは依然として接近戦が続いていたが、7周目の第3ダートで小原がコースアウト。この間に日浦が先行し、すぐに復帰した小原が今度は日浦を追う展開となった。同じ周、転倒後に7番手まで順位を上げていた金子が、マシントラブルによりスロー走行。これにより、6番手の大金を僅差で追うのは内山瑛須(#9)ら3台となった。10周目、単独走行の3番手をキープしていた佐藤が、1コーナーでクラッシュ。これで川島とマクリーンが先行し、復帰した佐藤は僅差でマクリーンを追う5番手となった。トップ争いでは、9周目に日浦がリードを約1秒に広げたが、11周目に小原がファステストラップタイムで応戦。再び両者が接近して最終ラップに突入すると、ターマックで日浦が転倒。これにより小原が優勝、日浦が2位となった。3位争いは終盤に3台が近づいたが、順位は変わらず川島が3位、マクリーンが4位、佐藤が5位。混戦が続いた6位争いは、最後まで後続を抑えて大金が制した。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。ポールポジションの小原が順当にホールショットを決めた一方で、セカンドグリッドの日浦がスタートに失敗し、1周目5番手と出遅れた。1周目は小原、川島、佐藤、マクリーン、日浦のトップ5。2周目は佐藤が5番手、3周目には川島が4番手に後退し、これでトップの小原を2秒ほど遅れてマクリーンと日浦が追い、さらに川島と佐藤が続くことになった。4周目、日浦はマクリーンの攻略にも成功して2番手。翌周以降、3番手に後退したマクリーンはトップ2から少しずつ遅れ、これで再び小原と日浦のマッチレースとなった。一方、マクリーンの背後には川島が僅差で続き、さらに1秒ほどの差で佐藤が続いた。

日浦が2番手まで浮上した段階で、トップの小原は2秒ほど先行していたが、数周をかけて日浦がコンマ数秒単位でこれを削り取り、9周目には両者が完全に接近。一方、この2台から大きく遅れた3番手争いでは、それまでマクリーンに肉迫していた川島が僅かに離され、逆に背後から佐藤が迫った。トップ争いでは、11周目に入るところで日浦が逆転に成功。しかし抜かれた小原も諦めることなく、両者の接近戦は最後まで続いた。そして12周のレースは、今度は最後まで先頭を守った日浦が優勝。小原は0.380秒差で2位となった。3位にはマクリーンが入り、川島が4位、佐藤が5位。レース中盤から6番手を走行していた金子は、終盤にマシントラブルが発生して後退し、これにより後続の3台を抑え切った新沼が6位となった。

▶日浦大治朗(レース1・2位/レース2・優勝)
「レース1は、小原堅斗選手のミスで先行したものの、こちらがリードを築けるほどのスピード差はありませんでした。そのため、最終ラップで再び引き離そうとしたら、思わぬところでフロントが切れ込んで転倒。それでも2位で終えられたで、その点は良かったと思います。レース2は、スタートで思いのほか大きくウイリーしてしまって出遅れました。今回のコースはパッシングポイントが少なく、優勝は厳しいかと思いましたが、序盤にジョシュア・マクリーン選手が前を切り開いてくれたことで、自分もうまく追い上げられました。マクリーン選手の走りも間近で見られて勉強になったし、いいレースでした。再来週の全日本ロードレース選手権第2戦JSB1000クラスに出場するので、この後は事前テストに参加するためスポーツランドSUGOに向かいます。ロードレースのほうも応援よろしくお願いします!」

▶小原堅斗(レース1・優勝/レース2・2位)
「レース1は、第3ダートで完全にミス。転んだらダメだと思って最大限に耐え、コースアウトにとどめました。とはいえ、その後は日浦大治朗選手のペースについていくことができ、結果的には日浦選手の転倒による勝利だったとはいえ、昨年からの成長を感じることができました。レース2は、再びポールポジションからのスタート。またしても序盤から自分がレースを引っ張ることになり、やはり追われる立場は大変だと感じました。このレースでは敗れましたが、レース1に続いて最後まで離されることなく日浦選手についていくことができたし、確かな手応えも得られました。レース終盤にもう少しペースを守りたかったので、そこは課題ですが、マシンセッティングも仕上がっていると思うし、自分自身も調子がいいと感じているので、第2戦以降も勝利を目指して頑張ります!」

決勝は2レースとも、小原堅斗(#1)と日浦大治朗(#2)のマッチレースに。レース1では、お互いにコースアウトや転倒のミスがあり、小原が制した

 

レース1で最後の転倒に泣いた日浦大治朗(#1)は、レース2のスタートで遅れるも、終盤に小原堅斗(#1)を捉えて勝利を収めた

 

オーストラリアから全日本に初参戦したジョシュア・マクリーン(#24)は、レース1は出遅れが響いて4位も、レース2は後続を抑えて3位を獲得

 

表彰式は2レース総合成績で実施。写真中央が優勝の日浦大治朗(#2)、同左が2位の小原堅斗(#1)、同右が3位のジョシュア・マクリーン(#24)

 

岡田駿介が鈴木優那とのバトルに勝ち2レース制覇

24台がエントリーしたS1オープンクラスは、10分間のタイムアタック予選と、10周の決勝2レースを実施した。予選は、開始から8分が過ぎたあたりで、7番手タイムをマークしていた福地康祐(#39)の転倒により赤旗が提示され、そのまま終了となった。これにより、今季はS2クラスとの全戦ダブルエントリーを計画している女性ライダーの鈴木優那(#12)が、1分03秒828でポールポジションを獲得。高山直人(#41)が1分04秒052で予選2番手、岡田駿介(#10)が1分04秒223で予選3番手、勝谷仁(#5)が1分06秒091で予選4番手となり、決勝レース1のフロントロースタートとなった。予選5番手は川崎雄大(#16)、予選6番手は吉田隆幸(#19)。同じくセカンドローを獲得した予選7番手の福地は、決勝リタイアとなった。

迎えた決勝レース1は、3番グリッドから岡田がホールショット。これに鈴木、高山、川島、勝谷、吉田が続いてオープニングラップをクリアした。2周目、岡田と鈴木と高山は、早くも4番手以下を大きく離してトップグループを形成。さらにこの3台も、3周目から間隔が広がりはじめ、4周目の段階ではトップの岡田が約2秒のリードを築き、3番手の高山は2番手の鈴木から4秒ほど遅れた。一方、大きく引き離された4番手争いの集団では、4周目に勝谷が先頭に立ち、これを川崎、吉田、久谷哲郎(#22)三井正勝(#42)が僅差で追う5台の争いとなった。

レースが後半に入ると、トップを走る岡田とのギャップを2~3秒差にとどめていた2番手の鈴木が遅れはじめた。一方、3番手の高山も5周目の段階で鈴木から6秒ほど離されており、レースが終盤を迎える頃にはトップの岡田、2番手の鈴木、3番手の高山ともに単独走行となった。一方で、接近戦が最後まで続いたのが4番手争い。レース後半には勝谷がやや抜け出したが、後方には8周目に川崎を抜いた吉田ら5台が僅差で続いた。そしてレースは10周でチェッカーとなり、岡田が優勝、鈴木が2位、高山が3位でゴール。ここから15秒近く遅れた4位争いも最後まで順位は変わらず、逃げ切った勝谷が4位、吉田が5位、川崎が6位となった。

決勝レース1のゴール順でグリッドに並んでスタートしたレース2は、セカンドグリッドスタートの鈴木がホールショット。岡田がこれに続いた。3番手以下は勝谷、吉田、レース1は8位だった佐々木徹(#15)のオーダー。さらに川崎、戸田道夫(#27)、久谷、三井らが続いた。2周目、岡田が鈴木を抜いてトップに浮上。3周目以降、岡田と鈴木は3番手以下をどんどん引き離しながら、マッチレースを展開した。一方、3番手争いは勝谷と吉田と佐々木に絞られ、こちらも接近戦に。6番手の川崎は、レースが中盤に入った頃に後続を数秒離し、単独走行に近い状態となった。

レース中盤、岡田と鈴木のトップ争い、勝谷と吉田と佐々木の3番手争いはいずれも激しさを増したが、順位の変動には至らず。トップ争いでは、7周目に岡田がほんの少し鈴木を離し、翌周には1分00秒857のベストラップタイムを叩き出して逃げ切りを図ったが、同じ8周目に鈴木はこれを上回る1分00秒836のファステストラップタイムで応戦した。そして9周目には、再び両者が接近。しかし逆転には至らず、最終的に0.290秒差で逃げ切った岡田が優勝、鈴木が2位となった。同じく混戦の3位争いでは、終盤に佐々木が前に出て、3位に佐々木、4位に勝谷、5位に吉田となった。川崎は順位を守って6位でフィニッシュした。

レース1はレース後半に鈴木優那(#12)を引き離し、レース2は追いすがる鈴木に競り勝ち、2レース優勝を達成した岡田駿介(#10)

 

S2クラスとダブルエントリーする女性ライダーの鈴木優那(#12)。S1オープンクラスの今季初戦は、惜しくも2レースとも2位となった

 

レース1とレース2ともに4位と成績をまとめた勝谷仁(#5)。レース2は終盤まで後続を抑えて3番手を走行したが、最後に逆転を許した

 

2レース総合成績による表彰式。写真中央が2レース制覇を達成した岡田駿介(#10)、同左が2レースとも2位の鈴木優那(#12)、同右が総合3位の勝谷仁(#5)

 

原島剛と新井誠のベテラン勢がレースを制す

昨年平均よりも多い9台により競われたS2クラスも、予選は10分間のタイムアタック方式で、決勝は10周の2レース制。その予選はこの日最初の走行となり、前日の練習走行では使われなかったダートの状況を探りつつ、徐々にタイムアップするライダーが大半を占めた。そして、最後のラップで1分02秒041をマークした新井誠(#20)がポールポジションを獲得。同じく最終ラップで1分02秒865を叩き出した原島剛(#17)が予選2番手、伊藤諒(#19)が1分03秒212で同3番手となり、経験豊富なベテラン勢が予選上位を占めた。予選4位はS1オープンクラスとダブルエントリーした鈴木優那(#3)で、タイムは1分04秒台。ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。

決勝レース1は、3番グリッドから伊藤がホールショット。これに原島、新井、鈴木、予選6番手の寺平悠成(#14)、同5番手の真木來人(#21)が続いた。1周目中盤のターマックで原島が先頭に立ち、これに続いて新井が2番手浮上。2周目以降、原島と新井は3番手の伊藤を2秒ほど離しつつ、僅差のトップ争いを展開した。4番手の鈴木は、伊藤から3秒ほど遅れた4番手。さらに、鈴木の3秒ほど後方では、2周目に順位を入れ替えた後も真木と寺平が接近戦を繰り広げた。

4周目、依然として原島を僅差で追っていた新井が、第3ダートで転倒。これでトップの原島は、2番手に浮上した伊藤に対して約3秒のリードとなり、新井は伊藤から約4秒遅れの3番手でレースに復帰した。レース終盤にかけ、トップ3の間隔はほぼ変わらず。8周目に3番手の新井が少しペースを上げ、これで前とのギャップがやや縮小したものの、接近戦になる前にレースは10周でチェッカーとなり、原島が優勝、伊藤が2位、新井が3位となった。鈴木はレース後半になって大きく遅れたが、順位を守って4位。接近戦が続いた5位争いは、ポジションを守り続けていた真木が9周目に転倒し、寺平が5位、真木が6位となった。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、ポールポジションの原島がホールショット。これに伊藤と新井が続くと、すぐに新井が伊藤を抜いた。4番手は鈴木が確保したが、1周目から早くもトップグループに離されはじめ、その背後には寺台だが肉迫した。2周目以降、原島と新井と伊藤は接近戦を展開。3周目、新井が原島を抜いて先頭に立った。4周目以降、新井と原島と伊藤のトップグループは、1~2秒の間隔を保ちながら周回。一方、鈴木と寺平の4番手争いも続いたが、トップ3からは10秒以上離された。

2番手の原島は、新井とのギャップを2秒程度にとどめていたが、8周目に周回遅れを処理する間に遅れ、これでトップを守る新井のリードが3秒ほどまで拡大した。一方、この間に3番手の伊藤が原島に接近。最後は新井がやや抜け出す一方で、原島と伊藤による僅差の2番手争いとなった。しかし最後まで原島が順位を守り、10周のレースは新井が優勝、原島が2位、伊藤が3位となった。終始接近戦となった4位争いは、鈴木がラストラップでほんの僅かに逃げ、鈴木が4位、寺平が5位。真木はこの2台から10秒ほど遅れた6位となった。

レース1ではトップを守り切って優勝。レース2では新井誠(#20)の先行を許して2位となったが、総合優勝も獲得した原島剛(#17)

 

レース1は転倒に泣いたが、レース2では原島剛(#17)を攻略して、久々の全日本参戦で勝利を収めた新井誠(#20)

 

2レースともにトップ争いに加わったが、勝利までは僅かに届かず、レース1は2位、レース2は3位となった伊藤諒(#19)

 

2レースの総合成績による表彰式。写真中央が優勝の原島剛(#17)、同左が2位の新井誠(#20)、同右が3位の伊藤諒(#19)

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