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INFORMATION 今季開幕戦は雨の影響でフルターマックレースに! 2023全日本スーパーモト選手権第1戦レポート

今季開幕戦は雨の影響でフルターマックレースに

2023全日本スーパーモト選手権シリーズ第1戦

(2023年4月16日(日)/スポーツランドSUGO 国際西コース)

今季の全日本スーパーモト選手権は、昨年と同じく全6戦のシリーズ。その開幕戦が、昨年の最終戦でも使用された宮城県のスポーツランドSUGOで4月16日(日)に開催された。

全日本ロードレース選手権も実施されている国際格式のロードコースや、同じく全日本選手権も開催されるモトクロスコースなども有する、複合モータースポーツ施設のスポーツランドSUGO。今大会はその中で、レーシングカートやミニバイクなどの走行を前提に設計された全長984mの西コースが使用された。

本来はインフィールドに設けられるはずだったダートセクションは、前日までの降雨によりコンディションが悪化していることから使用されず、一昨年と同じくフルターマックでのレース。天候は曇り時々晴れで、朝はウェットだったコースは徐々に乾きはじめ、決勝レースがスタートするころにはほぼドライとなった。

2レースともTeam S.T.F.が表彰台を独占!

全日本最高峰となるS1プロクラスは、5分間の公式練習から連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は15周の2レース制で競われた。16台が出走した予選では、昨年度王者の小原堅斗(#1)が51秒514で最下位に沈む波乱。一方で決勝レース1のポールポジションは、一昨年まで3年連続でシリーズタイトルを獲得した日浦大治朗(#2)。唯一の47秒台となる47秒943をマークした。約0.1秒差の48秒038で予選2番手となったのは、昨年度のS1オープンクラスチャンピオンで今季は最高峰クラスに参戦する田所隼(#16)。3番手には田所と僅差の48秒052をマークした吉田雄一(#4)が入り、ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。また2列目には、48秒270で予選4番手の長谷川修大(#3)、49秒185で同5番手の瀧川貴士(#22)、49秒210で同6番手の佐々木啓之(#17)が並んだ。

決勝レース1でホールショットを奪ったのは、イン側の3番手グリッドから好スタートを決めた吉田。これにポールポジションスタートの日浦と2番手スタートの田所、さらに長谷川と瀧川、予選7番手の川島颯太(#19)、同8番手の松本和資(#11)が続いた。小原はオープニングラップだけで6つ順位を上げて10番手。2周目、日浦が吉田をパスしてトップに立った。3周目以降、トップの日浦はじわじわとリードを拡大。一方で2番手争いは大混戦となり、吉田を僅差で田所と長谷川と瀧川が追った。この3台から2秒ほど離れて川島と松本、さらに3周目以降は順位を上げた小原が1秒ほどのギャップで追撃。レース序盤が終了する5周目には、トップ日浦のリードは約3秒となり、川島と松本と小原が前との距離を詰めたことで、2番手争いは7台の集団となった。

7周目、田所が2番手の吉田に仕掛けるも、ここは吉田が順位を死守。しかし翌周、田所が吉田の攻略に成功した。この段階で、トップの日浦と2番手の田所は5~6秒差。田所は懸命にトップを追ったが、その後もこのギャップが詰まることはなかった。一方、3番手に後退した吉田は田所から1~2秒遅れながらも、レース終盤までポジションをキープ。依然としてその背後には、長谷川と瀧川、川島、11周目に松本を抜いた小原、松本まで5台が数珠つなぎとなっていた。ラスト2周となった14周目、長谷川にインを突かれた吉田が行き場を失ってコースアウト。この間に長谷川に加えて瀧川が先行した。同じ周、小原は川島をパス。そしてラストラップで、小原が吉田を抜いた。レースは日浦が独走で勝利を収め、田所が2位、約1.5秒差で長谷川が3位。これによりTeam S.T.F.勢が表彰台を独占した。4位に瀧川、5位に小原、6位に吉田、7位に川島、8位に松本が入り、2位の田所から8位の松本まではわずか約4秒差という接戦となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。日浦がホールショットを奪い、これにひとつ順位を上げた長谷川が続くと、オープニングラップで長谷川が日浦をパス。まずは長谷川、日浦、田所がトップ3。レース1で4位だった瀧川は9番手まで順位を落とし、4番手以下は小原、吉田、松本、新沼伸介(#8)、金子和之(#5)、瀧川のオーダーとなった。2周目、日浦が長谷川をパスしてトップに再浮上。3周目には、4番手の小原が3番手の田所から1秒ほど遅れ、4周目にはトップの日浦が逃げはじめた。レース序盤が終わる5周目の段階では、日浦が1.5秒ほどのリードを奪い、長谷川と田所が僅差の2番手争い。そこから2秒ほど離れて小原が4番手、さらに2秒ほどの間隔を開けて吉田を先頭とする7台が接近戦を繰り広げた。

レース中盤、トップの日浦はじわじわとリードを拡大。田所は長谷川に迫るも逆転のチャンスを得られず、4番手の小原は前後に4秒ほどの間隔がある単独走行となった。5番手争いはなおも吉田が先頭。8番手以下が離れたことで、吉田と松本と瀧川の争いとなった。レースが終盤を迎えるころには、トップの日浦は完全に独走状態。長谷川と田所のバトルはなおも続き、13周目にはついに田所が先行した。4番手の小原は、11周目にベストラップタイムをマークしたが、なおも前とは約3秒差。吉田は後続を抑え続けた。そしてレースは15周で終了。日浦が予選と決勝2レースを完全制覇する勝利を収め、田所が2位、長谷川が3位で再びTeam S.T.F.が表彰台を独占した。小原が単独走行の4位、吉田が順位を死守して5位、松本が6位、瀧川が7位となった。

■ 日浦大治朗(レース1・優勝/レース2・優勝)

「昨年の反省を踏まえて、このシーズンオフはかなりオフロードのトレーニングも積み重ね、だいぶ仕上がった状態でこのレースウィークに臨むことができました。そのおかげで、公式練習の乗りはじめから非常にいい感触で走ることができたと思います。レース1、レース2ともに序盤はトップを譲りましたが、レース1ではスタートのミスもあったので、そこは今後の課題。とはいえ、そういう状況でも冷静にトップを奪い返すことができたので満足しています。フルターマックでしたが、それほどパッシングポイントが少ないという感じもありませんでした。今シーズンも再び、ロードレースのJSB1000クラスにも参戦予定。来週の鈴鹿2&4レースにもHonda Dream RT SAKURAI HONDAからエントリーしています。今回の全日本スーパーモトでいい準備ができたので、2&4も上位を狙って戦います」

■ 田所隼(レース1・2位/レース2・2位)

「今季の全日本スーパーモトに対する準備はかなり遅くて、マシンも先週シェイクダウンしたばかりだったのですが、シーズンオフはモトクロスの練習をかなりやっていたので、バイクに乗る機会はかなりありました。今年はチームの3名が同じクラスになったので、『一度くらいは表彰台を独占したいよね』と話していました。それを達成するためには、自分の成績がもっともカギを握ると思っていたところ、開幕戦がたまたまフルターマックに……。このチャンスを逃したら、次はいつになるかわからないと思って、全力を尽くしました。日浦大治朗選手には勝てなかったのですが、まずは満足しています。レース1は吉田雄一選手、レース2は長谷川修大選手とのバトル。長谷川選手とは練習で一緒に走る機会も多いので、いろいろ読める部分もあったのですが、モタードライダーの吉田選手は僕らと走り方が全然違うので、リズムをつかむのに苦労しました。なにかしらの手を使ってでも、シーズン中に一度は日浦選手を倒したいですね」

フルターマックとなった今季開幕戦で、圧巻の走りを披露して2レース優勝を飾った、ロードレース出身の日浦大治朗(#2)

昨年のS1オープンクラスチャンピオンで、今季は最高峰のS1プロクラスに昇格した田所隼(#16)が、2レースとも2位入賞

レース1、レース2ともに3位の長谷川修大(#3)。レース2では田所隼(#16)とのチーム内バトルに敗れる悔しい結果に

レース1、レース2ともにトップ3は同じ。写真中央が優勝の日浦大治朗(#2)、同左が2位の田所隼(#16)、同右が3位の長谷川修大(#3)

 

レース1は原島剛、レース2は古高智也が優勝

田所隼がS1プロクラスにステップアップしたため、チャンピオン不在となるS1オープンクラス。公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は12周の2レースが設定された。タイムアタック予選には22台が出走し、野田龍樹(#39)が47秒072で決勝レース1のポールポジションを獲得。昨年度のS2クラス王者で今大会はS1オープンクラスとS2クラスにダブルエントリーした原島剛(#38)が、47秒101で予選2番手となった。3番手は47秒627の鹿野涼(#27)で、ここまでが決勝レース1のフロントロースタート。2列目には、47秒684で予選4番手の薄井保彦(#9)、47秒716で同5番手となったこちらもS2クラスとダブルエントリーの古高智也(#36)、48秒564で同6番手の佐々木徹(#11)が並んだ。

迎えた決勝レース1でホールショットを奪ったのは、予選2番手の原島。ポールポジションスタートの野田は2番手からのレースとなり、鹿野と薄井、古高、佐々木、呉本朝也(#4)、岡田武蔵(#43)、内山瑛須(#41)が続いて1周目をクリアした。この周だけで、原島と野田のトップ2は約2秒先行。2周目以降も、鹿野は1周約1秒のペースで遅れていった。すると鹿野に、2周目に薄井をパスした古高が接近。3周目から接近戦となり、4周目には古高が鹿野をパスした。この段階で、野田は約1秒差でトップの原島を追い、古高は2番手の野田に約4秒離された状態。また4番手の鹿野から薄井、呉本、内山までの4台は、それぞれ約2秒間隔で縦に長くなりはじめた。

5周目以降、3番手に浮上した古高と4番手を走る鹿野とのギャップはどんどん拡大。トップ3が完全に抜け出した状態となった。レースが後半に入ると、トップ3の中で原島がじわじわとリードを拡大しはじめ、逆に2番手の野田に古高が少しずつ接近。10周目には、野田と古高が完全に接近戦となった。翌周、古高が野田の攻略に成功。この段階で、原島のリードは約5秒にまで広がっていた。そしてレースは12周でチェッカー。原島が独走で勝利し、先に行われたS2クラスのレース1に続いて優勝した。古高が2位、野田が3位に入賞。ラストラップには鹿野に薄井が迫るも、ここは鹿野が抑えて4位。薄井が5位となった。また呉本と内山はレース中盤から接近戦を続け、終盤に逆転した内山が6位、呉本が7位となった。

午後のレース2は、レース1のゴール順でスターティンググリッドに整列。これが今大会最終レースで、原島は2クラス決勝完全制覇にリーチをかけた状態で臨んだ。ホールショットはその原島が奪い、古高を抜いて野田が2番手浮上。原島と野田と古高が、オープニングラップだけで後続を約1.5秒引き離し、早くもトップ集団を形成した。4番手以下は呉本、薄井、鹿野、佐々木、内山のオーダー。2周目、トップグループと第2集団のギャップは約5秒に拡大し、セカンドグループからは佐々木が脱落した。3周目には鹿野が薄井を抜き、これで4番手以下は呉本、鹿野、薄井、内山の順。レース序盤、トップ集団の中で2番手の野田がトップの原島に肉迫し、古高は0.5秒ほど間隔を開けて様子見状態となった。

レースが中盤に入ると、古高が野田に近づき、原島と野田と古高による僅差のバトルに。セカンドグループはこの3台から完全に離され、この中で内山が徐々に順位を上げていった。レースが終盤を迎えた9周目以降、トップ集団の前に次々とバックマーカーが発生。これらを縫いながら3台のバトルは続いた。また9周目、内山はセカンドグループの先頭に立ち、内山、呉本、鹿野、薄井のオーダーに変わると、内山がわずかにリードを奪った。10周目以降、トップ争いはさらに激しさを増し、11周目に古高が野田をパス。そして迎えた最終ラップの12周目、後半セクションのストレートエンドで古高が原島のインに飛び込んだ。これで逆転を果たした古高が逃げ切り、原島の2クラス完全制覇を阻止する勝利。原島が2位、野田が3位に入賞した。内山は後続を2秒ほど離して4位、呉本が5位、鹿野が6位、薄井が7位となった。

レース2の最後に大逆転を果たして、原島剛(#38)の4レース優勝を阻止して総合優勝も獲得した古高智也(#36)

最後に敗れたものの、レース1では勝利を収め、レース2でもしぶとくトップを走り続けて2位となった原島剛(#38)

2レースとも、レース終盤まで2番手を走りながら、最後に逆転を許して悔しい3位となった野田龍樹(#39)

レース2の表彰台。写真中央が勝利を収めた古高智也(#36)、同左が最後にポジションを落とした2位の原島剛(#38)、同右が2レースとも3位の野田龍樹(#39)

 

昨年度王者の原島剛が貫録の走りで2レース制覇!

11名のライダーが4スト250ccまたは2スト125ccマシンでエントリーしたS2クラスも、公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選を実施。決勝は12周の2レースが設定された。タイムアタック予選では、ディフェンディングチャンピオンでS1オープンクラスとダブルエントリーした原島剛(#1)が、49秒079でトップ。2番手には50秒181で大金歩夢(#4)、3番手には50秒468で藤田友貴(#10)が入り、ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。また2列目には、50秒890で予選4番手の古高智也(#9)、51秒044で同5番手の土橋亮一(#5)、51秒204で同6番手の佐藤省吾(#6)が並んだ。なお予選51秒台は6番手の佐藤までとなった。

決勝レース1は原島がホールショット。大金、藤田までは予選どおりで、佐藤がふたつ順位を上げて4番手、古高が5番手、土橋が6番手で続いた。レース序盤、トップの原島は後続をじわじわと引き離し、3周目には約3秒、5周目には約4秒のアドバンテージを確保。一方、2番手以下は接戦で、2番手を守る大金を約1秒差で佐藤と古高が追い、さらに約1秒離れて藤田と土橋と予選8番手だった勝谷仁(#7)の集団が続いた。

レース中盤、佐藤と古高の3番手争いは激しさを増し、藤田と土橋と勝谷の5番手争いも超接近戦に。この間に、2番手の大金は2~3秒のリードを奪った。レースが終盤に入った9周目、トップを走る原島のリードは約5秒にまで拡大。大金は2番手をキープし、3番手争いでは古高が一瞬先行したが、ここは佐藤が順位を守った。5番手争いでは、土橋がついに藤田をパスして、すぐに1秒ほど引き離した。ラストラップの12周目を迎えるところで、再び3番手争いに動きがあり、古高が佐藤の攻略に成功。レースは原島が独走で勝利し、大金が2位、再逆転を狙う佐藤を抑えた古高が3位となった。4位に佐藤、5位に土橋、6位に藤田が入った。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、再び原島がホールショット。大金、古高、佐藤まではグリッド順どおりで、5番手以下は土橋が順位をふたつ下げて、藤田、勝谷、土橋のオーダーで1周目をクリアした。レース序盤、上位勢のタイム差は膠着状態で、原島と大金と古高と佐藤までの4台は、それぞれ1秒程度の間隔をキープ。一方、藤田と勝谷と土橋の5番手争いは接近戦となった。しかし、レース前半が終了する5周目あたりから、上位勢の間隔は若干開きはじめた。レース前半が終わる6周目の段階で、トップの原島は約1.5秒リード。2番手の大金と3番手の古高と4番手の佐藤は、それぞれ2秒程度のギャップとなった。4番手の佐藤には、約1秒差で藤田が迫り、さらに勝谷と土橋も追従。7周目あたりから、佐藤は古高から遅れはじめた。

さらに、9周目あたりから古高が2番手の大金に少し離され、これでトップ争いは原島をなおも1.5~2秒差で大金が追うマッチレースとなった。大金も必死に喰らいつくが原島も粘り、レースはラスト2周の11周目に突入。ここで、僅差の6番手争いを継続していた勝谷と土橋が絡んで転倒して、ライダーとマシンがコース上に残った。そのため赤旗が提示され、レースは10周目終了時点の順位で成立。原島が優勝、大金が2位、古高が3位、佐藤が4位、藤田が5位、勝谷が6位となった。

昨年のシリーズタイトルを獲得したS2クラスでは、レインタイヤの予選、ドライのレース1、レース2ですべてトップとなった原島剛(#1)

レース2ではレース1より健闘したが、それでもトップの原島剛(#1)には一歩及ばなかった大金歩夢(#4)

原島剛(#1)と同じくS1オープンクラスとダブルエントリーした古高智也(#9)が、2レースとも3位入賞

レース1、レース2ともに表彰台の顔ぶれと立ち位置は同じ。写真中央が優勝の原島剛(#1)、同左が2位の大金歩夢(#4)、同右が3位の古高智也(#9)

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第2戦は5月21日(日)に熊本県 HSR九州で開催されます。