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INFORMATION 2022全日本スーパーモト選手権開幕!第1戦茂原大会レースレポート

今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、地震被害の影響により昨年は中止となった福島県・エビスサーキットでの大会が第3戦として復活。一方で広島県・世羅グリーンパーク弘楽園での大会がなくなり、全6戦で競われる。

開幕戦の舞台は、千葉県の房総半島にある茂原ツインサーキット。その名のとおり、クルマの走行にも対応した全長1270mの東コースと、カートやミニバイクのためにレイアウトされた西コースという、ふたつのコースを持つ。今大会では、このうち距離が長くコース幅が広い東コースをベースに、3ヵ所のダート区間を追加した特設コースが用いられた。

天候は朝から曇り。朝の段階では夕方の降雨が心配されたが、日中から夕方にかけて薄日が差し、レースはドライコンディションで実施された。

 

長谷川修大が自身初の2レース優勝!

全日本最高峰となるS1PROクラスは、タイムアタック予選を経て、決勝は10周の2レース制で競われた。13台が出走した予選では、ディフェンディングチャンピオンの日浦大治朗(#1)が57秒949のトップタイムをマーク。吉田雄一(#7)が58秒648で予選2番手、長谷川修大(#2)が58秒967で同3番手、金子和之(#4)が59秒454で同4番手となり、決勝レース1のフロントローに並んだ。また小原堅斗(#6)、森田直樹(#5)、松本和資(#16)が決勝レース1の2列目スタートとなった。

午前中の最後に実施された決勝レース1では、日浦がやや出遅れながらもトップを守り、これに長谷川と2列目から絶妙なクラッチミートを決めた小原、吉田と中島俊介(#10)が続いてレースがスタート。松本は転倒により大きく出遅れた。長谷川がミスでやや遅れ、これを小原と吉田が抜いて1周目をクリア。2周目、トップを走っていた日浦が転倒を喫してほぼ最後尾まで後退すると、再スタート直後の第2ダートでも転んだ日浦は、トップから約17秒も遅れてしまった。これにより先頭に立ったのは小原。これを長谷川が僅差で追い、2秒ほど間隔を開けて2周目に順位を上げた森田、中島、西村泰樹(#9)、吉田らが続いた。

3周目から4周目にかけ、長谷川はトップの小原に肉迫。5周目に入ったところで長谷川が小原を抜いた。この段階で、3番手の森田はトップ2台から4秒ほど後方で、その背後には吉田が接近。さらに4秒ほど間隔を開けて西村、中島、金児伸二(#8)の5番手争いとなった。6周目、第3ダートの進入で小原が再逆転を狙ったが、長谷川と並んだところで接触して失速。これで4秒ほど遅れてしまった。その後方では、吉田が森田の攻略に成功した。レース終盤、小原は再び長谷川との距離を少し詰めたが、長谷川も粘り、2秒程度までしか近づかせない展開。また3番手争いでも、抜かれた森田が吉田を僅差でマークする状態が続いた。しかしトップ4の順位は最後まで変わらず、長谷川が優勝、小原が2位、吉田が3位、森田が4位となった。レース後半にほんの少し後続を離した西村が5位、中島が6位、金子が7位、金児が8位でゴール。5~8位はそれぞれの間隔が約1秒差と、最後まで接戦だった。

 

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。日浦はレース1が11位で、3列目スタートとなった。レースは、ポールポジションの長谷川が好スタートを決め、小原、吉田、森田、西村、金子と続いて最初のダートをクリア。ここから吉田が小原を抜き、1周目は長谷川、吉田、小原、森田、西村、金子、中島、松本、日浦のオーダーだった。2周目、長谷川と吉田と小原のトップ3が後続を2秒ほど引き離し、3周目にはその差がさらに広がって約3秒に。この周、日浦は8番手まで順位を上げた。4周目、日浦が金児を抜いて7番手に浮上すると、森田と西村と金子と日浦が僅差の4番手争いを展開した。

5周目、トップの長谷川が約3秒のリードを守る一方、2番手争いでは小原が吉田をパス。4秒ほど遅れた4番手争いの集団では、日浦が金子をパスしてさらにひとつ順位を上げた。この4番手争いは6周目も継続されたが、7周目に入った第1コーナーで日浦が転倒。西村も同じく転倒し、両者とも大きく遅れた。同じ周、3番手の吉田が2番手の小原から遅れはじめ、8周目にはその差が一気に約6秒まで拡大。日浦と西村がいなくなった4番手争いでは、残った森田と金子が僅差のバトルを続けた。9周目、2秒ほどあった長谷川のリードがほぼなくなり、トップ争いは接近戦に。しかし最後は長谷川が逃げ切り、レース1に続いて勝利を収めた。小原が2位、吉田が3位でフィニッシュ。最後まで続いた4位争いは約0.2秒差で森田が逃げ切り、金子が5位、金児が6位となった。日浦は最下位の13位ゴールとなった。

 

■ 長谷川修大(レース1・優勝/レース2・優勝)

「初めての2レース制覇なのでうれしいです。シーズンオフにスーパーモトの練習を重点的にやったわけではないのですが、マシンはサスペンションの仕様をがらりと変更して、地元のコースならどこへ行ってもベストタイムを更新できていたので、それなりにいい状態で臨めました。昨年までは、トップに立つとリズムを崩してしまうことが多かったですが、今回は2レースとも冷静に走れました。レース1は小原堅斗選手とのバトル。お互いモトクロスのレースをやってきて、でも小原選手のほうがモトクロス歴は長いので、第3ダート付近は相手のほうが速いことはわかっていました。うまく凌げたと思います。レース2は、後ろから日浦大治朗選手が追い上げてくると思っていたので、彼が2番手に上がるまでにとにかくリードを広げておこうと考えて、トップとはいえ攻めの走りに徹しました。」

■ 小原堅斗(レース1・2位/レース2・2位)

「自己ベストリザルト更新で、なおかつ2レースとも表彰台圏内というのも初。シーズン最初の大会でいきなり好成績を記録できて、幸先の良いスタートに満足しています。レース1は序盤にトップを走っていましたが、長谷川選手はロードレース経験者で、最終コーナーから1コーナーにかけてのハイスピードセクションは相手のほうが速いことはわかっていたので、そこはムリせず長谷川選手を前に出して、後ろについていくことでペースを上げようと思っていました。再逆転を狙って低速コーナーの進入でインに飛び込んだとき、長谷川選手に接触してしまい、なおかつエンストして遅れてしまったのが残念でした。レース2は、スタートに失敗。吉田雄一選手が速くて、なかなか自分のリズムをつかめなかったことでトップに逃げられてしまいました。とはいえ、2位でうれしいです。」

今季も全日本スーパーモト選手権にフル参戦予定の長谷川修大が、自身初の2レース制覇

 

全日本S1プロクラスの自己ベストリザルトを更新して、2レースとも2位をマークした小原堅斗

 

アグレッシブな走りで、レース1、2および総合成績で3位を獲得した吉田雄一

 

トップ3の顔ぶれは、レース1とレース2で同じ。写真中央が初の2レース制覇を達成した長谷川修大

 

 

ベテラン三苫進が予選、決勝2レースを全制覇!

今回は4スト450ccおよび350ccマシンがエントリーしたS1OPENクラスには、20名が出場。タイムアタック方式の予選を経て、決勝は8周の2レースが実施された。タイムアタック予選では、三苫進(#4)が唯一1分を切る59秒527でレース1のポールポジションを獲得。佐々木啓之(#8)が1分00秒450で2番手、馬場悠介(#6)が1分1秒195で3番手、高山直人(#31)が1分01秒569で4番手となり、ここまでがレース1のフロントロースタートとなった。

決勝レース1、スタート直後の1コーナーで高山と予選6番手だった高部充陽(#5)が転倒。さらに佐々木も転倒で遅れ、予選上位勢が早くも姿を消した。一方でポールポジションの三苫は順当なスタートを決め、予選5番手だった田所隼(#35)が2番手までジャンプアップ。これに馬場、久谷哲郎(#19)、薄井保彦(#10)、錦織慎一郎(#38)が続いた。このオープニングラップだけで、三苫は約3秒もリード。2周目にはさらに1秒ほどリードを広げた。一方、2番手争いは馬場と田所と久谷の接近戦。3周目にはここから久谷が3秒ほど遅れ、馬場と田所の2番手争いとなった。

4周目、三苫が独走状態に入り、馬場と田所が僅差の2番手争いを継続し、ここから5秒ほど遅れた久谷の背後に錦織と呉本朝也(#11)が接近。5周目には、この激しい4番手争いから錦織がミスで大きく遅れて脱落した。6周目、それまで馬場を僅差でマークしていた田所が遅れ、トップの三苫、2番手の馬場、3番手の田所はそれぞれ単独走行に。一方で4番手争いでは呉本が久谷をパスしたが、なおも3台による接戦は続いた。7周目、高部も久谷の攻略に成功。この間に4番手の呉本は少しリードを得た。そしてレースは、三苫が独走で勝利。レース終盤は単独走行となった馬場が2位、田所が3位となった。呉本が4位、高部が5位、久谷が6位に入賞した。

 

レース1のゴール順でスターティンググリッドについた決勝レース2。

ポールポジションスタートの三苫は出遅れ、3番手スタートの田所が一気にトップ浮上。以下、2番手スタートの馬場、4番手スタートの呉本、8番手スタートの佐々木、そして5番手で三苫が続いた。しかし呉本はすぐに順位を5番手に落とし、田所、馬場、佐々木、三苫が僅差で続いて1周目をクリア。3秒ほど間隔を開けて呉本と高部が5番手争いとなった。2周目、馬場が田所を抜いてトップに浮上。三苫も佐々木と田所を抜き、これで三苫と馬場、1秒ほど開けて田所と佐々木、さらに1秒離れて呉本と高部が、それぞれ接近戦となった。

3周目、三苫が馬場をパス。トップに立った三苫は、3~4周目にかけて2秒ほどのリードを築いた。さらに、レースが後半に入った5周目には三苫のリードが約4秒に。その後も三苫はペースを緩めることなく、独走状態となっていった。三苫に離された2番手馬場の3秒ほど後方では、なおも田所と佐々木が激しい3番手争い。さらに3秒ほど遅れて、呉本と高部がなおも接近戦を続けていたが、6周目にはこの3番手争いと5番手争いの計4台がワンパックになった。7周目、佐々木がついに田所を攻略して3番手浮上。しかも田所の2秒ほど前には、馬場が見える状態だった。三苫はすでに完全な独走状態。ラストの8周目も危なげなく走った三苫が、2レース制覇を果たした。馬場は2位でフィニッシュ。そして3位には、最後の最後で再逆転を果たした田所が入り、佐々木は悔しい4位、呉本が5位、高部が6位となった。

豪快なスライド走法を完全に自分のコントロール下に置く大ベテランの三苫進

 

三苫進には逃げられたが、ライバルとのバトルを制して2レースとも2位の馬場悠介

 

レース2では最終ラップに再逆転して、2レースとも3位となった田所隼

 

予選、決勝とすべて下馬評どおりトップとなり、表彰台でご機嫌な表情をみせた三苫進

 

完璧なレース運びで原島剛が2レースとも勝利

4スト250ccマシンと2スト125ccマシンが使われるS2クラスは、タイムアタック方式の予選と8周の決勝2レースのスケジュール。タイムアタック予選では、モトクロス出身で今大会唯一の女性全日本スーパーモトライダーとなる鈴木優那(#12)が、59秒905でトップとなった。2番手に1分00秒235で原島剛(#26)、3番手に1分00秒396で川島颯太(#2)、4番手に1分01秒306で土橋亮一(#4)が入り、ここまでが決勝レース1のフロントローに並んだ。

 

決勝レース1は、ホールショットデバイスをセットできず臨んだ鈴木がスタートでやや出遅れ、これを原島が抜いて1コーナーに進入した。オープニングラップは原島、鈴木、川島がトップ3で、ここから2秒ほど間隔を開けて西村智人(#3)、土橋、古高智也(#27)が4番手集団を形成。2周目、トップ3はそれぞれ2秒ほどの間隔となり、3番手の川島から4秒ほど遅れた4番手集団は、勝谷仁(#5)、大金歩夢(#25)、栗本志能武(#28)も加わって縦に長くなった。3周目、川島がダートでミスしてやや遅れ、鈴木と約6秒差に。一方で鈴木は、約2秒差をキープしてトップの原島を追い続けた。

レース中盤、西村を先頭とした4番手争いは激しさを増し、7台が連なった接戦に。そして終盤を迎えるころ、古高が西村をパスしてその先頭に立った。すると古高は、7周目にベストラップタイムを刻みつつ後続をやや引き離して逃げ切り態勢。一方で5番手に後退した西村の背後には、なおも5台のマシンが僅差で続いた。レース終盤、追いすがる鈴木に慌てることなく原島はトップを快走。結局、ベストラップタイムでも鈴木を約0.25秒上回った原島が、一度もトップの座を明け渡すことなく勝利を収めた。2位に鈴木、3位には途中から単独走行となった川島、4位には古高が入った。激戦の5位争いは最後まで西村が後続を抑え、土橋が6位となった。

 

決勝レース2は、レース1のゴール順位がスターティンググリッドの並び順。ポールポジションの原島が順当にホールショットを決めた。3番手スタートの川島が、鈴木に競り勝って1コーナー先にある最初のダートへ。以下、鈴木と4番手スタートの古高、5番手スタートの西村、6番手スタートの土橋と続いた。1周目、原島は後続を2秒ほど離してホームストレートに戻ってくると、3周目にはそのリードを約3秒に拡大。川島と鈴木が2番手争いを繰り広げ、約2秒離れて古高が4番手、さらに古高から3秒ほど遅れて西村を先頭とする5番手争いの集団が続いた。3周目、古高が前との距離を詰め、2番手争いは川島と鈴木と古高の3台に。一方で西村以下は完全に遅れた。

このレース中盤、原島は約4秒のアドバンテージをキープ。川島と鈴木と古高の2番手争いはしばらく続いたが、6周目になって古高が再び遅れはじめ、2台に絞られた。7周目、原島と川島の距離が少し詰まったが、それでも原島のリードは約3秒。最終ラップの8周目にも、川島は鈴木を僅差で引き連れたまま原島に近づいたが、最後は原島が後ろを振り返る余裕を見せつつトップチェッカーを受けた。鈴木も最後まで逆転のチャンスをうかがったが、川島が抑えて2位。鈴木が3位、ほぼ単独走行となった西村が4位となった。注目の5位争いは、6周目に先行した土橋が後続を抑えてゴールし、西村が6位となった。

予選トップは鈴木優那に譲ったが、決勝は完璧な走りで2レースとも勝利した原島剛

 

スタートで前に出るという戦略をレース2では成功させ、3位と2位で総合2位となった川島颯太

 

全日本モトクロス選手権のレディースクラスやIBオープンクラスに参戦してきた鈴木優那は総合3位

 

レース1のスタート以降、レース2のゴールまで一度もトップを明け渡さなかった原島剛

 

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第2戦は5月15日(日)熊本県・HSR九州で開催されます。