javascriptが無効です。
サイトが正常に動作しない可能性があります。

INFORMATION 灼熱の茂原大会で日浦大治朗の連勝がストップ! 全日本スーパーモト選手権第4戦レースレポート

2023全日本スーパーモト選手権第4戦レポート
2023年7月23日(日)/茂原ツインサーキット・ロングコース(千葉県)

灼熱の茂原大会で日浦大治朗の連勝がストップ

今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、昨年と同じく全6戦のスケジュール。シーズンとしては早くも後半戦突入となる第4戦が、千葉県房総半島にある茂原ツインサーキットで7月23日(日)に開催された。

千葉県房総半島にある茂原ツインサーキットは、その名のとおり、クルマの走行にも対応した全長1170mの東コースと、カートやミニバイクのためにレイアウトされた西コースという、ふたつのコースを持つ。昨年までと同じく、今大会ではこのうち距離が長くコース幅も広い東コースを使用。1コーナーの先など3ヵ所にダート区間を追加した、特設コースが用いられた。

天候は朝から晴れで、路面はドライコンディション。関東地方は7月に入ってから猛暑が続いていており、この日も最高気温は31℃となった。

 

小原堅斗が今季初優勝。レース2は日浦大治朗が勝利

全日本最高峰となるS1プロクラスは、一昨年まで3年連続でシリーズタイトルを獲得した日浦大治朗(#2)が、開幕からここまで全勝中。大会は、5分間の公式練習から連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は12周の2レース制で競われた。16台が出走した予選では、その日浦がパンクトラブルによりタイムアタックできないまま終わる波乱。日浦は最後尾からレース1に臨むことに張った。一方、予選トップタイムとなる56秒033をマークしたのは、昨年度王者で現在ランキング3番手の小原堅斗(#1)。これに56秒252で吉田雄一(#4)、56秒472で長谷川修大(#3)、56秒579で金子和之(#5)が続き、ここまで4台が決勝レース1のフロントロースタートとなった。また2列目には、56秒929で川島颯太(#19)、57秒479で金児伸二(#13)、57秒492で西村泰樹(#9)が並んだ。ラップタイムは、ここまでが57秒台。トップから予選7番手までは、約1.4秒差の接戦となった。

決勝レース1では、ポールポジションスタートの小原が順当にホールショット。吉田と長谷川が2番手を争い、長谷川が先行した。さらに金子も吉田の前に出たが、1周目途中で吉田が再逆転。1周目は小原、長谷川、吉田、金子、金児、西村、川島のオーダーとなった。16番手最後尾スタートの日浦は、早くも9番手まで順位を上げた。2周目、小原と長谷川は、3番手の吉田を約3秒離しつつ僅差のトップ争い。川島が西村を抜いて6番手、日浦もひとつポジションアップして8番手となった。3周目も、トップの小原には長谷川が肉迫。トップ2から約4秒遅れて吉田、金子、金児、川島が3番手争いの集団となり、その約3秒後方には日浦が上がってきた。4周目、長谷川がトップの小原から2秒ほど遅れたが、それでも3番手以下を4秒ほどリード。5周目、4台による3番手争いに日浦が追いつき、翌週にはまず川島と金児をパスした。

レースが後半に入った7周目、トップの小原から約3秒遅れの2番手をキープしていた長谷川が、スローダウンしてピットイン。長谷川はパンクのトラブルでリタイヤとなった。これにより、トップの小原は完全に独走状態。また、3台による2番手争いでは日浦が金子を抜き、吉田に迫った。そして8周目、日浦は吉田の攻略に成功して2番手浮上。しかしこの段階で、トップの小原は約8秒先行していた。一方、3番手に後退した吉田の背後には、金子やこの周に金児をパスした川島が接近。レース終盤、金児はこの集団からやや遅れ、吉田と金子と川島による3番手争いが繰り広げられた。そして川島が、11周目に金子、ラストラップの12周目に吉田をパス。これによりレースは、小原が今季初優勝、日浦が2位、川島が3位、吉田が4位、金子が5位、金児が6位となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。ホールショットは小原が奪い、日浦、川島、吉田、金子が続いた。6番手には、3列目9番グリッドスタートの中島俊介(#6)が浮上。さらに、4列目14番手から長谷川が一気にポジションを上げた。日浦はオープニングラップから小原に迫ると、2周目に入ったところで早くもトップに浮上。これで日浦と小原がトップ2、約1秒離れて川島が3番手、さらに3秒ほど間隔を開けて吉田と金子の4番手争いとなった。6番手以下はさらに4秒ほど離れ、なおも中島が先頭。長谷川は、土ボコリにより中島がミスした影響によりタイムロスし、10番手まで後退した。3周目以降、日浦と小原は3番手の川島を少しずつ離しながら、マッチレースを展開。さらに、4周目あたりから日浦がじわじわとリードを拡大していった。

レース前半が終了する6周目の段階で、日浦のリードは1~1.5秒ほど。3番手の川島は、2番手の小原から約6秒遅れた。その2秒後方では、なおも接近戦を続ける吉田と金子。大きく遅れた6番手の中島には、順位を回復した長谷川が迫った。そして7周目には、長谷川が中島をパス。9周目、数秒差で必死にトップの日浦を追っていた小原が転倒し、これで日浦が独走状態となった。2番手のままレースに復帰した小原の2~3秒後方には川島が迫ったが、その後に小原が再びやや引き離し、逆に川島の背後には約1秒差で吉田、さらに1秒ほど間隔を開けて金子が近づいた。しかし最後まで順位は変わらず。レースは日浦が勝利し、小原が2位、川島が3位、吉田が4位、金子が5位、長谷川が6位となった。

■ 日浦大治朗(レース1・2位/レース2・優勝)

「タイムアタック予選は、序盤の段階でタイヤがパンクしてしまい、1周もアタックできませんでした。レース1は最後尾スタートでしたが、それでも2位までは追い上げられたので満足しています。さらにレース2では、序盤からトップに立ちベストな走りができたと思います。再来週には、鈴鹿8時間耐久ロードレースに今年も『Honda Dream RT 桜井ホンダ』から参戦しますが、8耐に向けていいトレーニングにもなりました。今年の8耐はワークスチームの参戦が少なく、昨年以上に上位入賞のチャンスがあると思っています。まずは6位以内というのが目標ですが、あわよくば表彰台……というところまで視野に入っています。自分自身、テストでのラップタイムやアベレージも悪くないので、かなり楽しみにしています。ぜひ、現地あるいはTV中継などで応援してください!」

■小原堅斗(レース1・優勝/レース2・2位)

「今季は、開幕から前戦まで自分の力を完全に発揮することができずにいたので、この大会は初心に戻り、まずはレースを楽しむという気持ちで臨みました。レース1は日浦選手が最後尾スタートだったので、優勝したいとも思いましたが、それよりも楽しむことを優先できたと思います。レース2は、日浦選手をなんとか序盤の数周だけでも抑えたかったのですが、自分のミスでインを突かれてしまいました。その後、絶対に離されないと思って喰らいついたのですが、1周につきコンマ何秒ずつ離され、かなり苦しい状態。限界まで攻めましたが、結果的にミスして転びました。順位を落とさずゴールできたことは、よかったと思います。ようやく日浦選手の連勝を止められたので、勝負はここから。最終的には、自分がピンピン(2レース優勝)をもぎ取れるよう、さらに努力していきます」

パンクトラブルに泣いたライバルたちを尻目にレース1で今季初優勝を挙げた小原堅斗(#1)と、レース1のパンクに泣いた長谷川修大(#3)

マシントラブルで最後尾スタートとなったレース1で2位まで追い上げ、2番手スタートのレース2はしっかり優勝した日浦大治朗(#2)

ウェットレースだった前戦のレース2に続き、ドライ路面の今大会でもレース1、レース2ともに3位となったS1プロルーキーの川島颯太(#19)

総合成績では、同点ながらレース2を勝利した写真中央の日浦大治朗(#2)がトップ、同左の小原堅斗(#1)が2位、同右の川島颯太(#19)が3位となった

 

古高智也が前戦に続いて2レース制覇を達成

田所隼がS1プロクラスにステップアップしたため、チャンピオン不在となるS1オープンクラス。シーズン前半戦を終えて、ランキングトップにはS2クラスとダブルエントリーを続けている古高智也(#36)が立っている。ランキング2番手は原島剛(#38)だったが、今大会はS2クラスのみに出場している。今大会は、公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は10周の2レースで競われた。そのタイムアタック予選では、古高が58秒573のトップタイムをマーク。高山直人(#31)が58秒585で予選2番手、ランキング3番手の呉本朝也(#4)が58秒989で同3番手、野田龍樹(#39)が59秒991で同4番手となり、決勝レース1のフロントロースタートとなった。またセカンドローには、千葉智(#13)と高部充陽(#6)と岡田駿介(#48)が並んだ。

迎えた10周の決勝レース1。ポールスタートの古高が順当にホールショットを奪い、2番手スタートの高山がこれに続いた。第1ダートでは5台のマシンによるマルチクラッシュが発生し、予選7番手の岡田らが大きく出遅れ。第2ダートではトップの古高が転倒し、これでオープニングラップは高山、呉本、高部、野田、千葉、川崎雄大(#7)、内山英須(#41)、古高のオーダーとなった。2周目、トップの高山は約3秒のリード。呉本と高部と野田が僅差の2番手争いを繰り広げ、この3台から4秒ほど遅れた5番手には、3台を次々に抜いた古高が上がってきた。3周目、古高は一気に前との距離を詰め、2番手争いは4台の集団に。一方、千葉を先頭とした6番手争いの3台は、古高に6秒ほど離された。

5周目、高部が4台による2番手争いの最後尾に順位を落とし、呉本と野田と古高の2番手争いになると、6周目には古高が集団の先頭に。これで古高、呉本、野田、高部の順となった。この段階で、トップの高山と2番手の古高は約5秒差。しかし翌周には、ギャップが約3秒に縮まった。すると8周目、トップを走っていた高山がまさかの転倒。これで古高が、難なくトップの座を手に入れた。高山は5番手でレースに復帰。9周目には、トップの古高が数秒のリードを確保し、呉本と野田、4秒ほど遅れて高部と高山が、それぞれ接近戦を繰り広げた。しかし10周目のラストラップに順位変動はなく、レースは古高が優勝、呉本が2位、野田が3位、高部が4位、高山が5位となった。6位には、こちらも最後まで後続を僅差で抑えた千葉が入賞している。

午後のレース2は、レース1のゴール順でスターティンググリッドに整列。スタート直後の1コーナーは転倒者をきっかけに混乱し、レース1で2位の呉本が転倒、3位だった野田が転倒により負傷リタイヤ、5位だった高山がコースアウト、6位だった千葉も遅れた。オープニングラップを制したのは、ポールポジションスタートの古高。高部が2番手、大野雅樹(#44)が3番手、田邉貴裕(#47)が4番手、川崎が5番手、梅田祥太郎(#40)が6番手、高山が7番手で1周目をクリアした。この周だけで、古高は約4秒のリード。また2番手の高部も、後続から約3秒のリードを奪った。2周目以降、トップの古高はどんどんリードを拡大。4周目の段階で、後続とのギャップは約7秒まで拡大した。高部は2番手をキープ。そして約3秒差の3番手には、2周目に6番手、3周目に5番手まで順位を回復した高山が浮上した。

レースが後半に入ると、トップの古高が完全な独走状態となった一方で、2番手の高部に高山が肉迫し、僅差の2番手争いがスタート。また、高山から4秒ほど遅れて4番手を走る大野の背後には、僅差で田邉、梅田、岡田が続いた。高山は高部に激しく迫ったが、なかなか逆転のチャンスを得られず。それでも、最終ラップとなった10周目の第3ダート進入で、攻略に成功した。そしてレースは、古高が後続を約20秒も引き離す独走優勝。高山が2位、高部が3位、大野が4位、田邉が5位、9周目に梅田を逆転した岡田が6位となった。今大会の結果、ポイントランキングでは古高が2番手以下に対して94点リード。早ければ次戦のレース1で、シリーズタイトル獲得が決まる。

ダブルエントリーのS2クラスでは2レースとも4位だったが、S1オープンクラスでは2レースとも勝利を収めた古高智也(#36)

レース1は終盤に野田龍樹(#39)との接戦を制して2位となったが、レース2はスタート直後のアクシデントで出遅れて14位だった呉本朝也(#4)

レース1はトップ走行中の転倒で5位に終わったが、レース2は出遅れながらも追い上げて2位を獲得した高山直人(#31)

ランキング上位勢の欠場やポイント取りこぼしなどで、ポイントリーダーの古高智也(#36)は94点リードで残り2戦へ

 

ベテランの貫禄を見せつけ、原島剛が2レース制覇!

13名のライダーが4スト250ccまたは2スト125ccマシンで出走したS2クラスも、公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選を実施。決勝は10周の2レースが設定された。タイムアタック予選は、ウェットレースだった前戦で2位と3位を獲得した佐藤瑞城(#21)が、ラストラップに57秒961をマークしてトップ。今季開幕戦を2レースとも制したが、第2戦はこのクラスに参戦せず、第3戦は欠場した昨年度王者の原島剛(#1)が、58秒585で予選2番手となった。予選3番手は、原島とわずか0.004秒差の58秒589で、雨の前戦で全日本初優勝と2レース制覇を達成してランキングトップに浮上した大金歩夢(#4)。予選4番手には、S1オープンクラスとダブルエントリーを続けるランキング2番手の古高智也(#9)が58秒673で入り、ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。また2列目には、勝谷仁(#5)と藤田友貴(#10)と土橋亮一(#5)が並んだ。

決勝レース1は原島が佐藤を抑えてホールショット。大金が3番手、藤田が4番手、古高が5番手、勝谷が6番手、港理樹(#23)が7番手で続いて、オープニングラップをクリアした。2周目以降、原島と佐藤は3番手の大金を1~2秒先行しつつ、僅差のトップ争いを展開。懸命に前を追う大金の約1秒後方では、藤田と古高と勝谷が三つ巴の4番手争いを繰り広げた。4周目、原島と佐藤はなおも接近戦を展開し、大金はこの2台から約3秒遅れ。そして4番手争いでは、藤田がふたつ順位を落として古高が先頭に立った。すると翌周、古高は大金の背後に接近。6周目以降、大金と古高は5番手の勝谷を1~2秒離しながら、表彰台圏内を賭けたバトルをスタートした。

一方、原島と佐藤のトップ争いは膠着状態。原島を約0.5秒差で佐藤がマークする展開が続いた。レースが終盤に入ると、この2台から大金はさらに遅れていったが、それでも大金は古高の逆転を許さず3番手をキープ。ラスト2周、2番手の佐藤は再びトップを走る原島との距離を詰めたが、この争いも原島が順位を守り続けた。そしてレースは原島が勝利を収め、佐藤は僅かに届かず2位。佐藤から約7秒遅れながらも順位を守った大金が3位となり、最終ラップに逆転を狙った古高は逆にやや離されて4位となった。勝谷は前後に約2秒ずつ間隔を開けて5位。6位には、最終ラップに藤田を逆転した港が入った。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、ポールポジションスタートの原島がホールショット。これに佐藤、大金、古高がグリッド順のまま続いた。1周目中盤、古高が大金をパスして3番手に浮上。しかしすぐに、大金が抜き返した。1周目の段階で、原島と佐藤のトップ2は3番手以下を約2秒リード。2周目には原島が0.5秒ほどリードを奪った。大金は2番手の佐藤から約3秒遅れ、その後方には古高、勝谷、港、藤田が接近。しかし3周目以降、勝谷は接近戦を繰り広げる大金と古高から徐々に遅れていった。レース中盤、トップの原島は2番手の佐藤に対して1周につきコンマ数秒ずつリードを奪っていった。

そしてレースが後半に入った6周目の段階で、トップの原島は約2秒のアドバンテージを確保。2番手の佐藤は後続を4~5秒離し、大金と古高はなおも僅差の3番手争いを続けた。5番手の勝谷は、この2台から約4秒遅れ。その背後にはなおも港と藤田が続いた。レース終盤、上位勢の順位とギャップはほぼ変わらずいたが、8周目には古高が大金をパス。しかしここでも、大金がすぐに抜き返した。そしてレースは、逃げ切った原島が勝利を収め、今季これまで参戦したS2クラスでは負けナシとなる4勝目を獲得。佐藤が2位、激しいバトルを制した大金が3位、古高が4位、追撃する港を最後まで抑えた勝谷が5位、港が6位となった。

今季開幕戦以来の参戦となったS2クラスで、接戦を制して2レースとも勝利を飾った、昨年度チャンピオンの原島剛(#1)

予選トップタイムをマークし、決勝でも原島剛(#1)に僅差で迫ったが、惜しくも勝利を逃した佐藤瑞城(#21)

2レースとも、3位争いは大金歩夢(#4)と古高智也(#9)の大接戦となり、大金がこれを制してランキングトップを守った

レース1、レース2ともにトップ3の顔ぶれと順位は同じ。写真中央が優勝した原島剛(#1)、同左が2位の佐藤瑞城(#21)、同右が3位の大金歩夢(#4)

▼正式リザルトはこちら

▼ポイントランキング  Coming soon

第5戦は9月17日(日)に奈良県 名阪スポーツランドで開催されます。