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INFORMATION 最高峰クラスは日浦大治朗が再び完全制覇! 全日本スーパーモト選手権第2戦レースレポート

最高峰クラスは日浦大治朗が再び完全制覇

今季の全日本スーパーモト選手権は、昨年と同じく全6戦のシリーズ。その第2戦が、熊本県のHSR九州で5月21日(日)に開催された。

安全運転およびモータースポーツに関するホンダの複合施設として運営され、モトクロスコースを含む複数のコースを備えるHSR九州。今大会は、その中でオンロード系の最長となる、全長2350mのサーキットコースが舞台となった。ただし、コース後半は大幅にカットされ、1コーナーの先には連続ジャンプとふたつのタイトターンなどで構成された100mほどのロングダートセクションがプラスされている。

天候は晴れで、路面はドライコンディション。最高気温は28度まで上がり、初夏を思わせる暑さとなった。

 

日浦大治朗が優勝、小原堅斗が2位、長谷川修大が3位

全日本最高峰となるS1プロクラスは、5分間の公式練習から連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、決勝は10周の2レース制で競われた。15台が出走した予選では、一昨年まで3年連続でシリーズタイトルを獲得した日浦大治朗(#2)が、2番手以下を1秒以上引き離す1分12秒747でトップ。チームメイトの長谷川修大(#3)が、1分14秒032で2番手となった。川上祥史(#20)が1分14秒259で3番手となり、ここまでが決勝レース1のフロントロー。2列目には、1分14秒625で金児伸二(#13)、1分14秒981で昨年度王者の小原堅斗(#1)、1分15秒212で金子和之(#5)が並んだ。

決勝レース1でホールショットを奪ったのは日浦。スタートと1コーナーの先に続くダートセクションの序盤で順位を上げた小原が2番手までジャンプアップし、3番手に長谷川、4番手には金子が続いた。予選3番手の川上は、転倒により大きく順位を落とした。1周目、日浦と小原が激しいトップ争いを繰り広げ、一度は小原が先行。しかしすぐに日浦が抜き返し、オープニングラップは日浦、小原、長谷川、金子、金児、中島俊介(#6)、西村泰樹(#9)、田所隼(#16)の順でクリアした。2周目、日浦が2秒ほどリードを奪う一方、長谷川と小原は接戦の2番手争い。一度は小原が前に出たが、この周は長谷川が再び抜き返した。このバトルは3周目も続き、ダートセクションで再び小原が先行するが、ターマックで再び長谷川がパス。しかし4周目、長谷川がダートでややミスし、これで決着がついた。

この結果、2番手に小原が浮上。この段階で、トップの日浦は4秒ほどのアドバンテージを築いていた。長谷川は小原から1~2秒遅れ、その後方には金子が肉迫。5周目以降、2番手の小原は後続を引き離し、トップの日浦はこの小原よりもさらに速いペースで周回を重ねたことから、トップ2は単独走行となった。一方、長谷川と金子のバトルは続き、ターマックでやや長谷川が離し、ダートでは金子が迫る展開。この2台からかなり遅れて、中島と西村と広瀬彰信(#10)と田所が、僅差の5番手争いを繰り広げた。しかし7周目に田所、ラスト2周となった9周目に広瀬が転倒により後退した。そしてレースは日浦が勝利を収め、小原が2位。最後まで続いたバトルを制した長谷川が3位、金子がわずかに届かず4位、中島が5位、西村が6位となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。日浦がホールショットを奪い、小原と長谷川が続くと、スタート直後から小原が積極的に仕掛けた。しかしここは日浦が抑え、逆に後方から長谷川が小原に接近。この3台が、早くも後続を2秒ほど離して、オープニングラップをクリアした。5番手スタートの中島は転倒で順位を下げ、4番手には9番手スタートの川上がジャンプアップ。以下に新沼、金子、西村が続いたが、西村は2周目にリタイヤとなった。3周目の段階で、トップの日浦は約2秒のアドバンテージ。2番手の小原を約1秒差で長谷川が追い、そこから3秒離れて川上が4番手、さらに4秒ほど間隔を開けて新沼と金子が僅差の5番手争いを展開した。

4周目、日浦はさらにリードを広げ、後続との差は約3秒。長谷川はややミスし、これで前を走る小原とのギャップが約2秒に拡大した。金子は新沼を抜き5番手に順位を上げ、2秒ほど遅れた新沼の背後には金児が接近。5周目には、金児の後ろに6台が連なり、6番手争いは新沼を先頭に8台となった。レース後半、トップの日浦は約4秒のリードをキープ。小原は2番手を守り、これを長谷川が必死で追うも、約2秒のギャップにはほとんど変化がなかった。4番手の川上は長谷川から大きく遅れ、その背後に金子が近づいた。また6番手争いでは、7周目に金児が先行した。そしてレースは、日浦がリードを守り切って優勝。小原が2位、最後まで約2秒差で小原を追い続けた長谷川が3位となった。最後まで続いた接戦を制した川上が4位となり、金子は5位。金児が6位となった。

■ 日浦大治朗(レース1・優勝/レース2・優勝)

「レース1、レース2ともに序盤はやや慎重になりすぎました。とはいえ、自分のペースがかなりいいことはわかっていたので、それほど焦る必要はないとも思っていました。自分のペースで走れば、トップに立ってすぐに後続を離せると確信していたので、途中で一度スパートをかけ、どれくらい離れるかをチェック。あとは後ろのペースを見ながら、調整してうまく走れたと思います。ロードレースのほうは、Honda Dream RT SAKURAI HONDAから参戦した鈴鹿2&4レース(全日本スーパーモト開幕戦の翌週に開催)でも、レース1は表彰台まであと一歩の4位でゴールできました。スポット参戦ですが、スーパーモトのほうが繊細な操作を求められるシーンも多く、これをやっている成果が発揮できたと思います」

■ 小原堅斗(レース1・2位/レース2・2位)

「開幕戦と比べればリザルトはいいのですが、まだ完璧と言えるような状態ではなく、まだいろいろ悩んでいます。自分ひとりで練習するのとレースのときでは、やっぱり皆さんのペースも違うので、前日練習やレース本番で得るものがかなり大きく、今回もそういう積み重ねの中でマシンを煮詰め、セッティングに関してもだいぶいい方向には進められたと思います。決勝は両レースとも、序盤に日浦選手とバトル。自分の中では『勝てるのではないか……』という勢いでしたが、抑えることはできませんでした。そこをもう少し耐えて、離されずついていければ、勝機はあると思います。自分の中では、コーナー立ち上がりでの車速が課題。もっとうまく加速させられるよう、練習を重ねます」

ターマックのスピードレンジが高いコースで、開幕戦に続いて2レース優勝を飾ったロードレース出身の日浦大治朗(#2)

今季からマシンメーカーをチェンジして、開幕戦は苦戦したが、今大会では2レースとも2位となった小原堅斗(#1)

開幕戦に続いてレース1、レース2ともに3位の長谷川修大(#3)。レース1の終盤は僅差で順位を守ってゴールした

レース1、レース2ともにトップ3は同じ。写真中央が優勝の日浦大治朗(#2)、同左が2位の小原堅斗(#1)、同右が3位の長谷川修大(#3)

 

レース1は古高智也、レース2は原島剛が優勝

田所隼がS1プロクラスにステップアップしたため、チャンピオン不在となるS1オープンクラス。公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選が実施され、高山直人(#31)が1分15秒247で決勝レース1のポールポジションを獲得。2番手には1分15秒792で原島剛(#38)、3番手には1分16秒234開幕戦に続いてS2クラスとダブルエントリーの古高智也(#36)が入り、ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。また2列目には大坪正之(#10)、呉本朝也(#4)、山下知晃(#46)が並んだ。

迎えた決勝レース1。ポールスタートだった高山は、体調不良により出走をキャンセル。これにより、1番グリッドが空いた状態となった。スタート直後に待つダートセクションに、真っ先に飛び込んだのは原島。ところがここで原島がエンストしてストップし、後続は大混乱となった。原島は再始動に時間がかかり、最後尾でレースに復帰。一方、先頭は6番手スタートの山下が奪い、これに古高が続いた。オープニングラップだけで、この2台が5~6秒も後続を引き離し、3番手以下は高部充陽(#6)、呉本、菅野景介(#16)、納冨桂(#20)、千葉智のオーダー。2周目、山下と古高は僅差のトップ争いを繰り広げ、3番手には高部を抜いて呉本が浮上した。1周目に驚異の追い上げで12番手まで順位を回復していた原島は、この周もパッシングを続けて8番手。3周目、なおも3番手以下を6秒ほど離した状態のトップ争いでは、古高が先行した。

4周目、山下が抜き返して先頭に返り咲いたが、古高が再逆転してトップ。5周目には、古高が山下を2秒ほど離した。この山下から6~7秒遅れて、呉本と高部と原島と菅野が僅差の3番手争い。この中で原島は、6周目に高部、ラスト2周となった7周目には呉本の攻略に成功した。この段階で、2番手の山下はトップの古高から完全に遅れたが、原島に対しては3秒ほどのアドバンテージ。原島は諦めることなく前を追ったが、ラスト1周ではその差が完全に詰まることはなかった。そしてレースは古高が勝利し、山下が2位、原島が3位。終盤に逆転を許した呉本は4位、高部は5位、菅野は6位となった。

午後のレース2は、レース1のゴール順でスターティンググリッドに整列。ポールスタートの古高は、レース前に発覚したマシントラブルを応急処置して、なんとかグリッドに並んだ。ホールショットは原島が奪い、1周目を制したが、2周目に入ったところで納冨が転倒し、レースは赤旗仕切り直しとなった。そして1周減算の7周となった2度目のレース2スタートでは、2番手スタートの山下がホールショット。これを4番手スタートの呉本が抜き、呉本、山下、古高、原島、6番手スタートの菅野、5番手スタートの高部のオーダーでオープニングラップをクリアした。2周目のダートセクション後半、古高を抜いた原島が2番手の山下に仕掛けたが、ここで接触して両者転倒。原島は6番手で復帰したが、山下は17番手まで大きく順位を落とした。

これにより上位勢は呉本、古高、高部、菅野のオーダー。3周目には、呉本と古高が僅差のトップ争いをスタートする一方で、3番手の高部はこの2台から約2秒、4番手の菅野も高部から3秒ほど遅れた。4周目、古高が呉本を抜いてトップに浮上。原島は菅野の攻略に成功して4番手に順位を上げた。5周目、トップ争いは再び呉本が先行。しかし翌周、ターマック区間でもう一度古高が前に出た。またこの6周目、原島は高部をパスして3番手に順位を上げた。迎えた最終ラップの7周目、ダートセクションのコーナー立ち上がりでトップの古高がバランスを崩し、これを抜こうとした呉本が接触して両者転倒。この間に、後続が次々に2台をパスした。そして、このアクシデントでトップに立った原島が優勝、高部が2位、菅野が3位となった。4位には千葉智(#13)、5位には大坪、6位には呉本、7位に古高となった。

レース1では序盤から山下知晃(#46)とトップ争いを繰り広げ、これを制して勝利を収めた古高智也(#36)

レース1は序盤からトップ争いを繰り広げて2位獲得も、レース2はバトル中の転倒に泣いた山下知晃(#46)

レース1はスタート直後のエンストが響いて3位も、レース2は最終ラップの波乱を尻目に優勝を獲得した原島剛(#38)

レース1の表彰台。写真中央が優勝した古高智也(#36)、同左が2位の山下知晃(#46)、同右が3位の原島剛(#38)

 

ダブルエントリーの古高智也が2レース制覇!

11名のライダーが4スト250ccまたは2スト125ccマシンでエントリーしたS2クラスも、公式練習の5分経過後に連続して10分間のタイムアタック予選を実施。決勝は8周の2レースが設定された。タイムアタック予選では、前戦に続いてS1オープンクラスとのダブルエントリーを果たした古高智也(#9)が、1分17秒443でトップ。2番手には古高と僅差の1分17秒488をマークした大金歩夢(#4)、3番手には古高と0.1秒差の1分17秒543を叩き出した佐藤瑞城(#21)が入り、ここまでが決勝レース1のフロントロースタートとなった。また2列目には、いずれも1分18秒台で藤田友貴(#10)、高津戸義彦(#12)、勝谷仁(#7)が並んだ。

決勝レース1は古高がホールショット。大金が順当に続いたが、1コーナーの先に待ち構えたダートセクションで転倒が相次ぎ、藤田や勝谷らが大きく出遅れ、オープニングラップは古高、大金、高津戸、予選10番手だった佐藤省吾(#6)、ダートで転倒しながらもすぐにリカバリーした佐藤瑞城、予選7番手だった土橋亮一(#5)、本門凌(#22)のオーダーとなった。1周目だけで約2秒のリードを奪ったトップの古高は、2周目には後続とのギャップを約3秒に拡大。3周目には、2番手の大金も3番手の高津戸を約2秒リードし、佐藤省吾を抜いた佐藤瑞城が4番手に順位を上げた。

4周目、佐藤瑞城は3番手の高津戸に迫ると、翌周には逆転。5周目以降、佐藤瑞城は約3秒先行する2番手の大金を追い、4番手の高津戸は佐藤瑞城から引き離されて単独走行の4番手となった。レース終盤、トップを快走する古高は3~4秒のリードをキープ。2番手の大金も、一時は佐藤瑞城に2秒ほどまで迫られたが、その後は3秒程度のアドバンテージを守った。そしてレースは、8周でチェッカー。古高が勝利を挙げ、大金が2位、佐藤瑞城が3位で表彰台に上がった。4位には単独走行を続けた高津戸、5位にはこちらもレース中盤から単独走行となった佐藤省吾が入った。

レース1のゴール順でスターティンググリッドに並んだレース2は、再び古高がホールショット。大金はスタート直後のダートセクションで転倒して大きく遅れ、2番手に佐藤瑞城、3番手に佐藤省吾、4番手に高津戸が続いてオープニングラップをクリアした。2周目、古高と佐藤瑞城が僅差のトップ争い、2秒ほど離れて佐藤省吾と高津戸が同じく接戦の3番手争いを繰り広げたが、佐藤瑞城は転倒を喫し、5番手を走っていた勝谷も巻き込まれた。これによりトップの古高は約3秒のリードを奪い、佐藤省吾と高津戸がなおも接戦の2番手争い、さらに2秒ほど遅れて佐藤瑞城が4番手、数秒離れて藤田と追い上げてきた大金が5番手争いとなった。3周目、上位勢は順位をキープ。しかし4周目のダートセクションで、2番手の佐藤省吾がバランスを崩して転倒し、避けようとした高津戸も転倒した。

これによりトップを走る古高のリードは約7秒にまで拡大し、完全に独走状態。2番手には佐藤瑞城が返り咲き、2~3秒の間隔を開けて大金が3番手、高津戸が大金と僅差の4番手、さらに佐藤省吾、藤田、土橋が続くことになった。レース後半、トップの古高は危なげなくトップをキープ。3番手まで順位を回復した大金は、後続をやや離しながら2秒ほど先行する佐藤瑞城を追った。また高津戸と佐藤省吾は、接戦の4番手争いを繰り広げた。迎えた8周目のラストラップ、佐藤省吾がダートで転倒して後退。最終コーナーで、大金は佐藤瑞城を抜いた。そしてレースは、古高が再び勝利。大金が2位となった。佐藤瑞城は3番手でチェッカーを受けたが、コースショートカットの違反によりゴールタイムに30秒の加算。これで高津戸が3位、藤田が4位、転倒から再スタート佐藤省吾が5位となった。

予選こそ2位と僅差だったが、決勝ではライバルを圧倒。結果的に全セッションでトップとなった古高智也(#9)

どちらのレースも古高智也(#9)には逃げられたが、鋭い走りを続けて2位を獲得した大金歩夢(#4)

決勝では2レースとも3番手でチェッカーを受けたが、レース2はペナルティで降格。とはいえレース1は3位の佐藤瑞城(#21)

レース2の表彰台。写真中央が優勝の古高智也(#9)、同左が2位の大金歩夢(#4)、同右が繰り上げで3位となった高津戸義彦(#12)

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第3戦は6月11日(日)に福島県 エビスサーキットで開催されます。