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INFORMATION 全日本スーパーモト選手権シリーズ第2戦 HSR九州大会 レースレポート

 

開幕戦から約1ヶ月後の開催となった全日本スーパーモト選手権シリーズ第2戦の舞台は熊本県・HSR九州のロードコース。1周2.35kmのロードコースの一部とコース内側の未舗装路部分を使用しての大会となった。雨という天気予報も出されていたため、土曜日はターマック(ロードセクション)のみの走行だったが、日曜日は2連ジャンプ、テーブルトップなどが設置された2つのダート区間を追加。そのテクニカルなダートコースは勝負どころとなり、苦戦するライダーも多かった。日曜日はフリー走行前に雨がポツポツと降り始め、その後も雨粒が落ちることはあったがドライコンディションのなかでのレースとなった。観戦無料の今大会はバイクに乗って観戦に訪れる人の姿も目立った。

 

日浦大治朗逆転で両ヒート制覇!

前日のスポーツ走行にて負傷し、第2戦への出場が危ぶまれたディフェンディングチャンピオン・日浦大治朗(#1)選手だったが、朝のフリー走行を予定通りこなし、予選では1分19秒109のトップタイムでポールポジションを獲得。チームメイトの長谷川修大選手(#2)が1分19秒975の0.8666秒差で2番手。3番手には金子和之選手(#4)が入り、決勝レースの最前列に並んだ。2列目は第1戦で総合2位を獲得している小原堅斗選手(#6)、川上祥史選手(#11)、森田直樹選手(#5)。

10周の決勝レース1、好スタートを切ったのは長谷川。そのすぐあとに日浦、第1ダートのコーナーで金子をパスした小原が3位に浮上し、金子、川上、森田が続く。上位集団は3周目までは大きな差は開かず団子状態だったが、4週目以降、徐々に差が開き始め、3位の小原が必死に食らいついていったがトップ争いは長谷川と日浦の2人に。日浦は長谷川との距離を詰めるが、なかなか前に出ることができずに苦戦する。だが8周目、第1ダートのコーナーで長谷川がアウト側のラインを選ぶと日浦はインを差して逆転。長谷川はすかさず前に出ようとするも膨らんでしまいコースアウトしてしまう。その間に日浦はスピードを上げ、長谷川を引き離し逆転優勝を飾った。チェッカーとともに大きく腕を上げ勝利を喜んだ。長谷川は必死で日浦のあとを追ったが追いつけず2位。2位と2秒324の差で小原が3位。4位に金子、5位に川上、6位に森田と、予選6番手までのライダーが決勝も好成績を残した。

 

第2戦最後のレースとなった決勝レース2。日浦と長谷川が好スタートを切るも、長谷川がバランスを崩し、転倒を避けようと体制を整えるも川上と接触して互いに失速。森田もそれを避けようとして出遅れてしまう。一方、日浦はダート区間をスムーズに抜け出すと、ターマック区間でスピードを上げ2位との差を広げていく。5周目に入るころには2位の小原に5~6秒の差をつけ独走状態となる。12~13番手まで順位を落としていた長谷川は、周を重ねるごとに前を行くライバルたちをパスし、5周目には3位まで浮上。しかし、第2ダートの出口にて西村泰樹(#9)に逆転を許してしまう。だがあきらめず粘りのある走りを見せた長谷川は、最終ラップのダート区間にて再び西村をパス。その西村は直後にエンストを喫してしまい、長谷川に3位の座を明け渡すことになった。最初から最後まで日浦がトップを譲ることはなく、レース2でも勝利。小原が2位でゴールした。

 

■ 日浦大治朗(レース1・優勝/レース2・優勝)

「レース1は前に出られて先頭集団でのレースができましたが、長谷川選手と僕とでは、速い区間と遅い区間が違うので抜きどころがなかなかなくて苦戦しました。抜くなら第1ダートの最初のコーナーのところしかないかなと考えていたので、そこでしかけました。ちょっと強引ではあったかもしれませんがパスすることができてよかったですし、久しぶりの勝利なので本当に嬉しかったです。レース2はうまくスタートを切れたおかげで、トップをキープでき、レースをコントロールできていたと思います。第1戦は転倒してしまったのでランキングも13位でした。今回の勝利でチャンピオン獲得の可能性はまだありますし、残りの大会もきちんと成績を残してタイトルを手に入れたいです。」

2レースともに優勝を飾った日浦

 

プッシュし続けたがあと一歩およばず総合2位の小原

 

安定した走りでシリーズチャンピオンを狙う総合3位 長谷川

 

 

 

田所 隼が2レースともトップを譲らず勝利

4ストローク290~450cc以上、2ストローク175~250cc以上、市販車状態で4ストローク460cc以上のマシンが参加可能なS1 OPENクラス。第1戦で両レースを制覇した三苫進(#4)、総合2位の馬場悠介(#6)は出場していなかったが12台がエントリー。予選では、ダート区間で転倒を喫したものの1分22秒997で田所 隼(#35)がトップマークを記録し、次いで高部充陽(#5)、3番手には菅野景介(#17)が入り、フロントローに並んだ。

第2戦最初の決勝レースとなったS1 OPEN決勝レース1は8周で行なわれ、ポツポツと雨粒が落ちていたがスタートする頃にはほぼ止み、12台がグリッドに着いた。好発進を見せたのがポールポジションの田所、やや出遅れて高部、菅野、大坪正之(#12)がその後に続く。スタートすぐに設置している第1ダートにて田所は後続との差をつけたが、対照的にコーナー部分で渋滞状態となった高部、大坪、菅野、佐々木啓之(#8)は遅れてしまう。2周目に入ってもオープニングラップと順位は変わらず、田所がレースをリードし、約2秒の差で高部、大坪、菅野、佐々木が追う。レース後半になるとトップ集団と、森田嵐(#7)や松本信二(#15)などの中盤集団との間に大きな開きができ始め、優勝争いは田所、高部、大坪を中心とした戦いに。高部、大坪に追われるなか、慎重な走りで約3秒の差をつけて田所が勝利を収めた。2位には高部、7周目に大坪をパスした佐々木が3位となった。

 

レース2でもホールショットを奪ったのは田所。その勢いのままトップに立つとヒート1と同じく終始レースをリードする。2番手には佐々木、3番手には高部、4番手には菅野の順で僅差の順位争いを見せるが、3ラップ目に大坪が菅野をパスして4位に浮上。前を行くライバルたちをそれぞれが追い続けるが、周を重ねるごとに2~4秒の差がつき始め、田所は後続に3秒差をつけて2レースを制覇した。2位は佐々木、3位は高部。

 

■ 田所 隼(レース1・優勝/レース2・優勝)

「土曜日の前日走行ではターマックのみの走行だったので、日曜日に追加されたダート区間に苦戦しました。予選の時に、ダート区間で着地を失敗して前のめりに転倒してしまったので、少しだけ恐怖感がわいてしまいなかなか予選は責められませんでした。その状況でもでもポールポジションを取ることができたのはよかったのですが、決勝は余裕のない走り…、ベストタイムからも4秒ぐらい遅いので、自分のなかでは課題の残るレースでした。来年S1 PROクラスで戦うことを見すえ、モタードの攻め方をもっと勉強したいと思います。そして次戦以降は納得のいく走りで優勝を勝ち取りたいです」

2レースとも優勝した田所が暫定ポイントリーダーに躍り出た

 

 

開幕戦に続き原島 剛が強さを見せる

S2クラスは4ストローク175~250cc、2ストローク100cc~125ccのマシンで争われ、第2戦では13台がエントリーした。フリー走行のあとに行われた予選では西村智人(#3)が1分23秒036でトップタイム。0.008の差で予選2番手は小野一馬(#30)。第2戦で両ヒートを制覇した原島 剛が3番手となった。

8周で行なわれた決勝レース1は、西村が好スタートを切ってトップでダート区間に進入するが、そのすぐ背後についていた小野が西村をパス。小野、西村、原島、今大会唯一の女性ライダーである鈴木優那(#12)の順で2周目に入ると、原島が西村を抜き2位に浮上する。鈴木は転倒を喫してしまい後退してしまう。3周目、小野の後ろにピッタリとついた原島が逆転。小野はくらいついていくものの、その差は詰まらず2秒ほど小野を離して原島がレースをリードしていく。3位は西村がキープし、レース終盤になってもその構成は変わらず。川島が開幕から3連勝を飾った。4位には、7周目に入ると2周目で転倒した鈴木が順位を上げ7周目に5番手を走っていた土橋亮一(#4)を、最終ラップでは4番手の勝谷 仁(#5)パスしてフィニッシュした。

 

決勝レース2は、抜群のスタートを切った原島が、安定した走りとスピードを見せてオープニングラップからファイナルラップまでトップを維持。第1ダートの進入で数台が滞留したがそれをクリアして、2位に小野、3位に西村、4位に鈴木と予選・レース1とも上位に入ったライダーたちが、レース2でも上位争いを繰り広げた。トップの原島と2位の小野は独走状態になったが、大きな注目をあびたのは序盤から繰り広げられた3位争い。前を行く西村を鈴木が抜くと、すかさずすぐに西村が抜き返すという手に汗握る展開をみせ、特にダート区間では激闘を繰り広げた。3位争いが決まったのは最終ラップのダート区間。鈴木が前を行く西村に食らいつき、西村をパス。するとそれを追おうとした西村がなんとエンスト。ここで勝負が決まり、鈴木が3位に入った。なお、2位でゴールした小野は、スーパーモト競技規則25-1-2(ショートカット)によるペナルティとして結果に30秒が加算され6位に後退。2位は鈴木、3位は西村という結果となった。

S2は原島が開幕から4連勝を飾った

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第3戦は6月12日(日)福島県・エビスサーキットで開催されます。