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INFORMATION 【レースレポート】最高峰クラスの日浦は、いまだ無傷の今季8レース全勝!全日本スーパーモト第5戦SUGO

今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、地震被害の影響で6月に開催予定だった第3戦(福島県・エビスサーキット)が中止となったことから、全6戦で競われる。

実質的にはシーズン4戦目となる第5戦の舞台は、宮城県のスポーツランドSUGO。国際格式のロードコースやモトクロスコースがある複合モータースポーツ施設の中で、レーシングカートやミニバイクなどの走行を前提に設計された全長984mの西コースが使用された。

大会当日は朝から強めの雨が降り、路面はウェットコンディション。このため、インフィールドのグリーンゾーンに設けられたダートセクションの使用はキャンセルされ、フルターマックでのレースとなった。日中は雨が強まったり弱まったりと、状況が刻々と変化。路面は非常にスリッピーで転倒者続出の大会となった。

 

日浦大治朗がレース1は独走、レース2は転倒後の挽回で勝利!

全日本最高峰となるS1プロクラスは、タイムアタック予選を経て、決勝は15周の2レース制で競われた。19台が出走した10分間の予選は、開始から5分が経過したころ、転倒者により赤旗中断。この段階でトップタイムをマークしていた、開幕からここまで無傷の6連勝を挙げているディフェンディングチャンピオンの日浦大治朗(#1)は、再開後の5分間を走ることなく47秒450でポールポジションを獲得した。予選2番手には、スポット参戦した地元ライダーの森田一輝(#2)が47秒972でつけたが、その森田は予選終盤に転倒。これで再び赤旗となり、予選は終了された。予選3番手は48秒240の長谷川修大(#4)。以下4番手に48秒970で金児伸二(#11)、5番手に49秒175で佐藤友之(#23)、6番手に49秒422で吉田雄一(#6)が入った。

迎えた決勝レース1。森田は負傷により決勝に出場できず、2番グリッドが空いたままスタートが切られた。ホールショットを奪ったのは日浦。3番手スタートの長谷川は、1コーナーで日浦に一瞬並びかけて2番手を確保した。3番手以下は金児、吉田、金子、予選8番手だった広瀬彰信(#16)、同14番手からジャンプアップした小原堅斗(#9)、スタートで3つ順位を下げた佐藤、予選13番手だった西村泰樹(#19)までが、前半分となるトップ9。2周目、広瀬はミスで大きく遅れた。3周目には、トップの日浦が早くも2~3秒のリードを奪い、2番手の長谷川も後続に対して約2秒のアドバンテージを確保。3番手以下は金児、吉田、金子、小原、佐藤、西村までが数珠つなぎで、さらに川留健一(#14)や野田龍樹(#24)らも僅差で続いた。

4周目以降も、トップの日浦はじわじわとアドバンテージを拡大して、徐々に独走態勢へ。長谷川もさらなるリード拡大を狙った。3番手金児と4番手吉田の間隔は一時1~2秒に広がったが、6周目あたりに再び接近。日浦と長谷川が単独走行する一方で、金児から8番手西村までの6台が、僅差で続くことになった。レース後半、し烈を極める3番手争いでは随所で接戦が繰り広げられ、10周目には小原が金子をパス。その後も、激しいバトルが最後まで続いた。そしてレースは15周でチェッカー。ホールショットからそのまま逃げ切った日浦が独走で勝利し、長谷川が2位、5台に追われながら最後まで順位を守った金児が3位表彰台に上がった。4位に吉田、5位に小原、6位に金子が入賞している。

 

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。長谷川がホールショットを奪い、日浦と吉田、金児、小原の順で続いた。しかし、1周目途中で長谷川は転倒を喫して、ほぼ最後尾まで後退。さらに2周目には、3番手を走っていた金児も転倒により順位を大きく落とした。これで上位勢は日浦、吉田、小原、金子、川上祥史(#10)、野田、中島俊介(#21)のオーダーに。ところが3周目には、後続を引き離しはじめていたトップの日浦が転倒し、新井誠(#3)に次ぐ8番手までポジションを落とした。4周目、トップグループは吉田と小原と金子の接近戦となり、ここから約3秒の間隔を開けて川上、野田、中島、新井、日浦がセカンドグループを形成。するとここから、日浦が怒涛の追い上げを開始した。

5周目、日浦はなんと4台を次々にパスして、4番手まで浮上。この段階ではまだ、トップグループとは3秒ほどの差があったが、その後の2周でギャップを削り取り、7周目にはトップグループに追いついた。そして日浦は、8周目に金子、9周目には小原と吉田を抜いてトップに返り咲いた。レース終盤、日浦は後続を徐々に引き離して独走。終わってみれば、途中の転倒が嘘だったかのように、日浦が余裕のトップチェッカーを受けて再び勝利を収めた。吉田と小原と金子の2番手争いは、最後まで接近戦に。しかし順位に変動はなく吉田が2位、小原が3位、金子が4位となった。最後尾からの追い上げとなった長谷川は、混戦の集団をパスするのにやや手間取ったが、それでも着実に追い上げ、ラスト2周で川上をパスして5位。抜かれた川上が6位となった。

 

■ 日浦大治朗(レース1・優勝/レース2・優勝)

「最近は、全日本ロードレース選手権の参戦もあったので(※7月中旬の第53回MFJグランプリスーパーバイクレースin鈴鹿では、最高峰のJSB1000でレース1、2とも3位表彰台!)、スーパーモトのマシンはレースのときしか乗っていないのですが、そのワリには最初からうまくコントロールできました。予選は最初にいいタイムが出せたので、赤旗中断後はムリせず走るのを止めました。決勝は、残念ながら森田選手がケガで出場できず……。予選タイムも拮抗していたので、森田選手がいたら優勝できたかわかりません。自分が勝利したことよりも、長谷川選手が2位に入って、チームでワン・ツーフィニッシュできたことがとてもうれしいです。レース2は、いきなりフロントがなくなり焦りましたが、おかげでおもしろいレースを見せられたと思っています」

■ 長谷川修大(レース1・2位/レース2・5位)

「レース1は、3番グリッドからいいスタートが切れて1コーナーではあわや日浦選手の前に出られるかと思ったのですが、同じくウェットコンディションだった昨年のSUGOでスタート直後に他車と絡んで出遅れた苦い経験があるので、ちょっと引いてしまいました。そこからはやはり日浦選手が速く、じわじわと引き離されてしまいましたが、今季開幕戦レース2以来となるチームでのワン・ツーフィニッシュができたのでうれしいです。レース2はスタートが決まり、これはイケるかなと思ったのですが、路面の水量が少ないことでかえって非常にスリッピーな状態になり転倒。すぐ追い上げたかったのですが、前が集団で最初のうちはなかなかチャンスがなく、5位が精一杯でした」

強敵・森田一輝の負傷リタイアにより、ライバル不在状態でレース1を完勝した日浦大治朗

 

タイムアタック予選3番手から、決勝レース1では2位の座を確保した長谷川修大

 

決勝レース1では、5台の猛攻に耐え抜いた金児伸二が久々の3位表彰台登壇

 

転倒からの驚異的な追い上げで、レース2でも勝利を手にした日浦大治朗

 

ポイントリーダーの松本和資が今季初優勝&2勝目!

今大会は4スト450ccマシンのみのエントリーとなったS1オープンクラスは、20名が出走。いつもは決勝1レースで競われるが、今大会はタイムアタック方式の予選を経て決勝2レース制が採用された。タイムアタック予選では、ポイントリーダーの松本和資(#16)が2番手以下を1秒以上引き離す48秒919でポールポジションを獲得。2番手には50秒388で瀧川貴士(#11)、3番手には50秒398で呉本朝也(#37)、4番手には50秒459で豊田肇(#18)、5番手には50秒718で森田嵐(#41)、6番手には50秒778で馬場悠介(#38)が入った。

決勝は12周の戦い。そのレース1では、松本がホールショット。瀧川と新沼、森田、呉本、馬場、豊田、千葉智(#5)が続いた。2周目、トップの松本は早くもリードを約2.5秒に拡大。3周目にはさらに後続を引き離し、トップの松本と2番手の瀧川は約4秒差となった。瀧川の後方には、新沼や森田ら6台が数珠つなぎ状態。しかし、少しずつ瀧川が引き離し、レース前半が終わる6周目の段階では、瀧川が3秒ほど先行した。この段階で、トップの松本は5~6秒のアドバンテージを築いていた。

レース後半、トップの松本と2番手の瀧川がそれぞれ単独走行を続ける一方で、新沼を先頭とした3番手争いは白熱。森田と呉本が新沼を僅差で追うと、一度は少し離れた馬場と豊田もこれに近づき、9周目には再び5台によるバトルとなった。10周目、全体では5番手で3番手争いの中では3番目を走っていた呉本がやや遅れたが、11周目には再び接近。ラストは、再び接近戦となった。しかし最後まで順位は変わらず。レースは松本が後続を約11秒も引き離して勝利を収め、瀧川が2位、最後まで順位を守った新沼が3位、チームメイトを僅差で追うも逆転のチャンスを得られなかった森田が4位、呉本が5位、馬場が6位、豊田が7位となった。

 

決勝レース2は、レース1の順位でスターティンググリッドへ。再び松本のホールショットで幕を開けた。新沼と瀧川、森田、千葉、呉本、豊田が続いて1周目をクリア。3周目あたりから隊列はややばらけはじめて、まずは松本が抜け出し、2秒ほど遅れて新沼と瀧川が僅差の2番手争い、さらに2秒ほど間隔を開けて森田から豊田までの4台が4番手争いを繰り広げた。さらに、一度は遅れかけたように見えた薄井保彦(#24)と高部充陽(#17)が再び接近し、この4番手集団は6台に膨れ上がった。

レース中盤、トップの松本はじわじわとリードを拡大。8周目には、4~5秒のアドバンテージを築いた。新沼と瀧川の接近戦はなおも継続。4番手争いでは、6周目に森田をパスして千葉が先頭に立ったが、後続を引き離すことができず6台数珠繋ぎの状態が継続された。レース終盤、松本は独走状態に。そのまま逃げ切り、再び勝利を収めた。2番手争いは最後まで新沼が順位を守り、新沼が2位で瀧川が3位。注目の4位争いは、最終ラップで森田が千葉に仕掛けたが、逆に呉本がややバランスを崩した森田をパスして、4位に千葉、5位に呉本、6位に森田となった。

レース1、レース2ともに独走で勝利を収めたポイントリーダーの松本和資

 

決勝レース1で、最後までポジションを守って2位に入賞した瀧川貴士

 

レース1のお返しとばかりに、レース2では新沼伸介が瀧川貴士を抑えて2位

 

ふたつのレースで勝利して、ポイントリードを拡大した松本和資

 

ランキングトップの小鹿翼が両レース勝利でリード拡大!

4スト250ccマシンと2スト125ccマシンが使われるS2も、タイムアタック方式の予選と決勝2レースのスケジュール。予選には11台が出走して、古川和由(#9)が50秒055でポールポジションを獲得。2番手には50秒273でランキングトップの小鹿翼(#3)、3番手には50秒407で西村智人(#18)が入って、決勝レース1のフロントローに並んだ。ただし、2列目4番手スタートの藤田友貴(#20)も50秒571でトップ3とは僅差。5番手の土橋亮一(#21)、前戦を完全制覇した6番手の川島颯太(#17)、7番手の勝谷仁(#5)は51秒台後半で、トップ3からは1.5秒前後離された状態だった。

決勝レース1は、2番グリッドの小鹿が好スタート。これに古川、川島、勝谷、西村が続いた。4番手スタートの藤田は、コース前半で転倒して最後尾まで後退した。レース序盤、トップの小鹿から5番手の西村までが、6番手の土橋を引き離しながらトップグループを形成。5周目に西村が勝谷を抜いて4番手に浮上したが、なおもトップ5台は接戦となった。とくに、トップの小鹿と2番手の古川は僅差のまま。川島は周回によってコンマ数秒程度のばらつきがありながらも、しぶとく喰らいついた。

レースが後半に入った7周目、小鹿と古川と川島は再び接近戦。この周、4番手の西村は1秒ほど遅れたが、翌周にはすぐにその差を詰め、これで5番手の勝谷は前を走る西村から1~2秒ほど遅れた。9周目以降、勝谷は先頭争いから脱落し、これでトップグループは4台に。そしてラスト2周となった11周目には、小鹿と古川、0.5秒ほど遅れて川島と西村のドッグファイトになった。その最終ラップ、古川はパッシングポイントを見いだせないまま小島を追走。西村はコース後半の左90度ターンで川島に仕掛けたが、ここは川島が巧みに守った。そしてレースは小鹿が勝利。2位に古川、3位に川島、4位に西村、5位に勝谷となった。

 

決勝レース2は、レース1のゴール順位がスターティンググリッドの並び順。ポールポジションの小鹿がホールショットを奪い、これに川島、古川、西村、勝谷、藤田、青田魁(#13)、土橋が続いた。しかし勝谷はジャンプスタートの判定により、2周目にストップ&ゴーペナルティ。これで3周目終了時点のオーダーは小鹿、川島、西村、古川、藤田、青田、土橋となった。4周目あたりから、藤田以下はトップグループから遅れはじめ、5周目にはその差が3~4秒に。これでトップ争いは4台に絞られた。

小鹿はトップを快走するが、そのリードは0.5秒ほどしかなく、川島と西村と古川は接近戦を繰り広げながら小鹿を猛追。しかし、8周目には川島がほんの少し遅れ、小鹿のリードは1秒ほどに広がった。レース終盤、コンマ数秒という神経戦の中で小鹿はさらにアドバンテージを築き、小鹿と川島の差は約2秒に。結局、最後まで逃げ切った小鹿が再び勝利を収めた。川島は小島に離されたが、西村と古川の猛追は最後まで抑えて2位。西村が3位、古川が4位となった。ここから遅れた5番手争いでは、10周目に藤田が転倒。これにより青田が5位、土橋が6位となった。

雨が強めの中で実施されたレース1は、4台のトップ争いが最終ラップまで続いた

 

決勝レース1は、川島颯太と西村智人の表彰台争いも最後まで白熱

 

決勝レース2では、小鹿翼がレース後半に築いた1~2秒のわずかなリードを守り抜いた

 

2レース勝利の小鹿翼が、ランキング2番手の川島颯太に対してポイントリードを19点に拡大

 

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次戦は第6戦  9月19日(日)奈良県・名阪スポーツランドで開催予定。