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INFORMATION 2021全日本スーパーモト開幕戦は王者・日浦が制す!- 開催レポート

今季の全日本スーパーモト選手権シリーズは、地震被害の影響により第3戦(福島県・エビスサーキット)が中止となったことから、全6戦で競われる。

開幕戦の舞台は、千葉県房総半島にある茂原ツインサーキット。その名のとおり、クルマの走行にも対応した全長1270mの東コースと、カートやミニバイクのためにレイアウトされた西コースという、ふたつのコースを持つ。今大会には、このうち東コースをベースに、2ヵ所のダート区間を追加した特設コースが用いられた。

天候は、薄日が差すものの朝から雲が多めで、公式練習の段階から雨が降りはじめたが、これは一時的。再び曇り空となり、最終レースまでドライコンディションが保たれた。

王者・日浦大治朗が2レースとも逆転で勝利!

全日本最高峰となるS1プロクラスは、タイムアタック予選を経て、決勝は12周の2ヒート制で競われた。17台が出走した予選では、ディフェンディングチャンピオンの日浦大治朗(#1)が52秒934のトップタイムをマーク。長谷川修大(#4)が53秒419で予選2番手、新井誠(#3)が53秒446で同3番手、金子和之(#7)が53秒559で同4番手となり、決勝レース1のフロントローに並んだ。

午前中最後の走行として実施された決勝レース1。ロードレース出身の日浦と長谷川はスタートでやや出遅れ、新井がトップで最初のダートに突入。金子、日浦、長谷川、予選10番手からジャンプアップした小原堅斗(#9)、予選5番手だった森田直樹(#8)が続いた。1周目は新井がトップを守り、新井、金子、日浦、長谷川、小原、森田、予選8番手だった吉田雄一(#6)、さらに金児伸二(#11)、川留健一(#14)、西村泰樹(#19)まで10台が連なってコントロールラインを通過。2周目に入ると、ここから吉田以下がやや遅れ、トップグループはまず6台に絞られた。3周目、日浦が金子を抜いて2番手に浮上。新井と日浦、金子と長谷川、小原と森田がそれぞれ接近戦となった。

4周目、日浦は新井をパスしてトップに浮上。長谷川も金子の攻略に成功し、小原はエンストにより大きく後退した。これにより上位勢は日浦、新井、長谷川、金子、森田のオーダー。すると5周目以降、日浦は新井を引き連れながらも逃げはじめた。新井は必死に日浦のマークを続けたが、レースが後半に入った7周目に遅れ、これで日浦は独走状態。一方、新井の背後には長谷川、金子、森田が迫った。この4台から大きく遅れた4台による6番手争いの集団では、吉田がなおもその先頭をキープ。2番手争いでは、長谷川が新井に迫ると、9周目に入ったところで攻略に成功。抜かれた新井、さらに金子と森田も必死に喰らいついたが、再び順位が変動することはなかった。そしてレースは日浦が勝利。2位に長谷川、3位に新井、4位に金子、5位に森田、6位に吉田となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位でスターティンググリッドへ。4番手スタートの金子は、ウォームアップラップで転倒を喫したが、すぐに再スタートしてスタートラインについた。ホールショットを奪ったのは長谷川。日浦が2番手で続いたが混戦の中で順位を落とし、1周目は長谷川、新井、金子、日浦、金児、レース1は1周目に転倒して11位だった榎本優(#12)、森田、吉田、小原の順となった。レース序盤、トップの長谷川は1周につき1秒ほどリードを拡大。すると3周目、それまで様子を見ていた日浦が動き、まずは金子を抜いて3番手に浮上した。さらに翌周、日浦は新井の攻略にも成功。これで2番手に浮上した。金児と榎本と森田は、僅差の5番手争いを展開。4番手の金子とこのグループの差は1~2秒と、まだ上位が見える位置にいた。一方、吉田を先頭とした8番手以下は、前との間隔が拡大。そして4周目、ダートで吉田が転倒して小原らが順位を上げた。

2番手に浮上した日浦は、3秒ほど差があった長谷川の追撃を開始。当初はそれほど差が詰まらなかったが、6周目あたりからその距離は縮まりはじめた。一方、新井と金子は僅差の3番手争いを継続。5番手争いでは、5周目に森田が先行した。そして8周目、ついに日浦は長谷川の背後へ。日浦が追い上げたことで新井は遅れ、そのすぐ後ろで金子が逆転のチャンスを狙った。5番手は森田がキープ。ほんの少し間隔をあけて榎本と小原が続いた。レース終盤、トップに立った日浦はややリードを拡大。そしてそのまま逃げ切り、日浦が開幕戦の予選・決勝をすべて制した。長谷川は2位でフィニッシュ。3位には金子の猛攻をしのいだ新井が滑り込んだ。4位に金子、5位に森田。榎本と小原は終盤に激しい6番手争いを繰り広げ、11周目に両者が接触して転倒。これにより金児が6位となった。

開幕戦から王者の貫禄をみせた#1日浦が2レース勝利

2レースとも2位で存在感をみせた#4長谷川

#3新井誠も日浦にプレッシャーをかけたが及ばず3位

Team S.T.F.でワンツーフィニッシュを飾った日浦と長谷川

■日浦大治朗(ヒート1・優勝/ヒート2・優勝)

「予選はポールポジションでしたが、決勝はどちらのレースも序盤は慎重に走ろうと心がけていました。レース1は、それが戦略どおりにすべてうまくいったのですが、レース2は2番手に浮上してからトップを走る長谷川選手との差がなかなか詰まらず、ちょっと焦りました。このままでは終われないと思って猛プッシュした結果、なんとか逆転できたのでうれしいですし、結果的に観客の方々には楽しんでもらえたのではないかと思います。自分自身の次戦は、4月24~25日に実施されるNGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース。桜井ホンダから参戦します。お時間ある方やお近くの方は、ぜひこちらにも応援に来てください!」

■長谷川修大(レース1・2位/レース2・2位)

「レース2は序盤からトップを走っていましたが、後ろのことはあまり気にせず、とにかく自分の走りをして逃げ切ることだけ考えていました。途中で新井選手が2番手にいるのが見えたので、日浦選手はスタート直後にアクシデントか何かで出遅れたのかな……とも思いましたが、まるでそんなことはなくて、やはり追い上げられてしまいました。とはいえ、自分が今年から新型マシンに乗り替えてやや苦労するなか、チームでワン・ツーフィニッシュすることを目標にシーズンオフを過ごしてきたので、開幕でそれが実現できてうれしいです。第2戦以降も、チームで上位を独占できるよう取り組んでいきます」

 

ベテラン三苫進が4台のバトルを制して優勝!

開幕戦のエントリーマシンは4スト450ccマシンのみとなったS1オープンクラスには、13名が出場。タイムアタック方式の予選、5周の予選レースを経て、決勝は10周で競われた。タイムアタック予選では、森田嵐(#41)が58秒041でトップ。佐々木啓介(#9)が58秒551で2番手、三苫進(#39)が58秒606で3番手、新沼伸介(#10)が58秒884で4番手となり、ここまでが58秒台をマークした。

予選レースのスタートでは、森田がトップを守ってホームストレートの延長線に設けられた第1ダート区間に進入。これに新沼と三苫が続いた。1周目のコース中盤、新沼がスリップダウン。これにスタートで遅れていた佐々木が巻き込まれ、両者とも大きく遅れた。トップ争いでは三苫が森田を抜いてトップ浮上。1周目は三苫、森田、川崎雄大(#36)、松本和資(#16)、薄井保彦(#24)のオーダーとなった。3周目、2番手を守っていた森田が第2ダートで転倒。これにより、前の周に川崎を抜いた松本が2番手に浮上し、先頭の三苫は独走状態となった。そして三苫がトップでゴールし、決勝ポールポジションを獲得。2番手に松本、3番手に川崎、4番手に豊田肇(#18)となった。佐々木は5番手、新沼は6番手まで追い上げて、決勝に望みをつないだ。

10周の決勝レースで好スタートを決めたのは松本。まずはホールショットを奪い、佐々木と新沼と三苫が続いた。第1ダートではマルチクラッシュがあり、予選3番手だった川崎をはじめ、予選4番手だった豊田、決勝でのジャンプアップを狙っていた森田が大きく遅れた。松本から三苫までの4台は、トップグループを形成しつつ1周目から5番手以下を大きく引き離していった。その5番手争いでは、2周目に久谷哲郎(#42)をパスして馬場悠介(#38)が先頭に。さらに、3周目には薄井が6番手に浮上した。一方の先頭集団では、三苫が新沼を抜いて3番手浮上。ただし、上位4台による混戦はなおも続いた。

4周目、三苫は佐々木をパスして2番手にポジションアップすると、翌周には松本の攻略にも成功してトップ浮上。これでトップグループは三苫、松本、佐々木、新沼の順となった。5番手の馬場はこの4台から完全に遅れて単独走行の5番手。また6番手の薄井も前後に間隔がある走行となった。レース後半、三苫から新沼までの4台はそれぞれ1秒近い差に広がりかけたが、8周目あたりから差を詰め。9周目が終わる段階では再び4台が接近戦となった。迎えた最終ラップ、松本が逆転を狙って三苫に迫ったが、これは三苫が死守。2番手松本と3番手佐々木の間隔はやや広がり、佐々木の背後には新沼が迫ったが、こちらも順位変動はなかった。そしてレースは三苫が優勝、松本が2位、佐々木が3位、新沼が4位、レース序盤から順位を守った馬場が5位、薄井が6位となった。

ベテラン三苫がポールトゥウィン

#16松本が惜しくも2位

TOPグループで終始バトルを繰り広げた#9佐々木

 

全日本デビューレースで川島颯太が初優勝!

4スト250ccマシンと2スト125ccマシンが使われるS2クラスは、タイムアタック方式の予選と決勝2レースのスケジュール。西村智人(#18)が終盤にマークした55秒141がポールタイムとなり、川島颯太(#17)が56秒637で予選2番手、小鹿翼(#3)が56秒762で同3番手、唯一2スト125ccマシンを駆る藤田友貴(#20)が56秒955で同4番手となり、ここまでが決勝レース1のフロントローかつ56秒台となった。

決勝レースは10周の超スプリント。そのレース1は、モトクロスでレース経験を積んできた若手の川島が絶好のスタートを決め、ホールショットを奪った。小鹿が2番手で続き、ポールポジションスタートの西村は3番手。予選は6番手だった土橋亮一(#21)が4番手まで順位を上げ、これに藤田が続いた。2周目、土橋が藤田を抜いて4番手に浮上。トップの川島から5番手の藤田までがトップグループとなった。しかし3周目、3番手の西村が最終コーナーで激しく転倒。これでトップグループは4台となった。

4周目、土橋と藤田は少し遅れはじめ、トップ争いは川島と小鹿のマッチレースになるかと思われたが、5周目に再び4台が接近。しかしレースが後半に入った6周目以降、再び川島と小島が逃げはじめた。小鹿は川島に肉迫し、逆転のチャンスを狙ったが、ときに激しくテールをスライドさせながらコーナーに進入する川島を抜くには至らず。2台の接近戦は最後まで続いたが、川島がトップを守り切って優勝を果たした。小鹿が2位、土橋が3位、藤田が4位、タイムアタック予選の順位と同じく勝谷仁(#5)が5位となった。

決勝レース2は、レース1のゴール順位がスターティンググリッドの並び順。川島がポールポジションにつけた。周回数は同じく10周。川島と小鹿が並んで最初のダートに突入したが、ここは川島がトップを死守した。オープニングラップは川島、小鹿、藤田、勝谷、西村、土橋のトップ6。川島と小鹿は、レース1の続きとばかりに接近戦を繰り広げ、早くも後続を少し引き離しはじめた。2周目、川島と小鹿はさらに抜け出し、7番手以下が遅れたことから3番手争いは藤田、西村、勝谷、土橋の4台に絞られた。3周目、川島と小鹿が接近戦を継続する一方で、3番手集団では西村が勝谷をパス。4周目、勝谷は少し離され、背後に土橋が迫った。

ところが5周目、パッシングを試みた土橋が前を走る勝谷に追突して、土橋のみ転倒。これで5番手の勝谷、6番手で復帰した土橋とも単独走行となった。レースが後半に入っても、川島と小鹿は接近戦を継続。すると7周目の最終コーナーで、川島がスリップダウンにより転倒し、小鹿は難なくトップの座を手に入れた。これで2番手争いに昇格した藤田と西村のバトルは、同じ周に西村が先行。川島は4番手でレースに復帰した。トップに立った段階で、小鹿は完全に独走状態。一方、西村に抜かれた藤田はそこから粘り、2番手争いはなおも続いた。さらに、最終ラップには4番手を走る勝谷の背後に川島が接近。しかしいずれも最後まで順位は変わらず、小鹿が優勝、西村が2位、藤田が3位、勝谷が4位、川島が5位に入賞した。

レース1で小鹿を抑えてうれしい初優勝を飾った#17川島

レース2で全日本初勝利の#3小鹿

次戦以降もトップ争いが期待される#18西村

若手の活躍が目覚ましいS2クラス

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第2戦は、5月16日(日)熊本県・HSR九州で開催予定。