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MOTO NEWS 2023 Hertz FIMトライアル世界選手権第3戦 大成ロテック日本グランプリ レポート

開催日:2023年5月20日(土)-21日(日)
大会名:2023 Hertz FIMトライアル世界選手権第3戦 大成ロテック日本グランプリ
観客数:2,300人(20日)/3,800人(21日)
天候:曇り一時雨24.6℃(20日)/晴れ26℃(21日)

TrialGPクラストップ争いは大混戦、日本勢も大活躍!!

3年間のコロナ禍を経て、4年ぶりの開催となった2023 Hertz FIMトライアル世界選手権第3戦 大成ロテック日本グランプリ(以下日本GP)。久々に日本で観られる世界の走りとあって、モビリティリゾートもてぎの会場には熱心なトライアルファンが駆けつけた。

天候は一時雨もあったが、傘も必要ない程度で観戦には絶好のコンディション。しかし金曜日にかなりの雨が降り、土曜日のコンディションはなかなか難度の高いものとなった。路面コンディションは土曜日午後にはかなり改善し、日曜日は天候が回復するということでセクション難度も高められたが、世界のトップライダーにとっては最小減点で切り抜けるべき設定となり、神経戦としての難しさとなって現れた。

リザルト https://trialgp.com/2023-results/

〈Trial GPクラス〉
土曜日の勝利は王者トニー・ボウ(#1/Honda)。1ラップ目は3位と苦戦をしたが、2ラップ目に驚異のベストラップを叩き出して今シーズン3勝目。ランキング単独トップに躍り出て喜びに浸った。

ところが日曜日、ボウはミスが多く、ハイメ・ブスト(#69/GASGAS)を突き放せず、逆にリードを奪われて試合は進む。ブスト勝利の流れがほぼ確定的となった試合終盤、ブストが連続減点5点! ボウが逆転勝利かと思われたが、最終セクションでのわずか1点の足つきが勝負を決めた。同点となった二人は、競技時間30秒の差で勝敗を分けあい、ブスト勝利、ボウ2位となる。3大会6戦を終わって、ブスト3勝、ボウ3勝、両者同点。今年のトライアルGPは、いつになく熾烈だ。3位は両日ともアダム・ラガ(#68/TRRS)が入った。

DAY1で優勝、DAY2は2位を獲得したトニー・ボウ


王者トニー・ボウ選手と熾烈なチャンピオン争いをしているハイメ・ブスト


ベテランのアダム・ラガは両日とも3位を獲得

〈Women GPクラス〉
女子クラスの頂点を争うウイメントライアルGPは、こちらもチャンピオン争いが熾烈。女王エマ・ブリスト(#101/Sherco)がシーズン序盤に失速していて、若いベルタ・アベラン(#121/SCORPA)にランキングトップの座を譲っての日本GP。ブストとボウのタイトル争い同様、こちらも大きな注目カードとなった。

土曜日は、ブリストの圧勝だった。ウェットコンディションではイギリスライダーの走りが光る。スペイン人のアベランは大差で2位。これでランキングトップはブリストのものとなった。
日曜日、今度はアベランが本領を発揮する。1点が勝利を決定づける神経戦で、1ラップ目は両者が同点。勝負が決まる2ラップ目、両者は最小限点を競うが、わずか2点差でブリストが逃げきり。日本で2勝して、4点の選手権ポイントリードをとったブリスト。これが流れを決める一戦となったのかどうか、今後も目が離せない。

女王の強さを見せつけたエマ・ブリスト

〈Trial2クラス〉
藤波貴久が引退し、TrialGPクラスに参戦する日本勢が皆無となったのに対し、今年はTrial2が注目のクラスとなった。エントリーした日本勢は11人。トライアル2クラスの強豪を相手に、日本勢がどこまで食い込めるか、特に黒山健一(#279/Yamaha)は、母国GPで初めてエレクトリックマシンでの参戦となる。

土曜日、5位に入って好調をアピールしたのが野﨑史高(#291/Yamaha)だった。2ラップともに確実にセクションを走破し、持ち時間に遅れることなくゴール。日本勢はポイント獲得がまず大きな壁になるとの事前予測からうれしい想定外となった。これに続いたのは昨年、トライアル世界選手権に全戦参加した小川毅士(#278/Beta)。8位に入り、柴田暁(#292/TRRS)12位、氏川政哉(#290/Honda)13位までがポイントを獲得した。電動トライアル車で出場した黒山は1点差でポイントを逃して16位だった。

翌日は、路面コンディションだけでなく戦況もがらり一変。黒山が別人のように好調だ。小川も好調をキープしているが、調子に乗った黒山は表彰台にも手が届く勢い。結果、惜しくも3点差で表彰台は逃したものの、エレクトリック歴代タイの4位を得た。小川は終盤に順位を落として10位。それでも、昨年1年間の実績を遺憾なく発揮できたようだ。日曜日にポイントを獲得したのは、この他11位の氏川政哉。2日間で、5名の日本勢かトライアル2クラスのポイントランカーとなった。

勝利は2日間ともスペインのアルナウ・ファルレ(#291/Sherco)。実績のある強豪ライダーだが、日本では初勝利となる。ランキングトップを行くビリー・グリーン(#214/SCORPA)とジャック・ビース(#207/Sherco)のイギリス勢もがっちり上位をキープして、このクラスもタイトル争いは大接戦。これに今回2勝したフェルレがどうからんでいくかが、今後の注目となる。ランキングテーブルでの日本勢は、小川が15位、黒山が16位、野﨑が17位と並んでいる。

DAY1で5位入賞した野崎史高


DAY2にて表彰台まであと一歩の4位を獲得した黒山健一


昨年世界選手権に全戦出場した小川毅士はDAY1/8位、DAY2は10位


DAY1トップバッターでスタートした氏川政哉。DAY1/13位、DAY2は11位と順位を上げた


全日本トライアル選手権でランキング3位につけている柴田 暁はDAY1/12位、DAY2/18位


2023年から世界選手権に全戦出場中の廣畑伸哉。DAY1で左足を負傷し、27位、DAY2/22位という結果となった


今年はマシンを乗りかえて全日本に参戦中。久岡孝二はDAY1/21位、DAY2/28位


DAY1/28位、DAY2/24位と順位を上げた武井誠也


Trial2クラスに出場した日本人ライダーのなかで最年長の岡村将敏は両日31位


全日本ではIAクラスに参戦している高橋寛冴。両日とも33位だったが世界戦を走り切った


全日本のIAスーパークラスのルーキー・福留大登。DAY1/30位だったが、DAY2にて負傷。残念ながらリタイヤ