【レース1】 ウエットパッチが残るものの、ほぼドライと言えるコンディション。当然、各ライダーはスリックタイヤをチョイスしてグリッドに着いていたがウエット宣言が出ていたためレース1の周回数は2周減算され13周で争われた。 フロントロウ2番手グリッドから得意のスタートダッシュを見せた加賀山就臣がホールショットを奪い、高橋巧が2番手、ポールポジションの中須賀克行は、やや出遅れたものの2コーナーで3番手につける。以下、柳川明、山口辰也、津田拓也、藤田拓哉、ジョシュ・フック、中冨伸一、渡辺一樹と続いていく。オープニングラップのMCシケイン進入では、中須賀が高橋をかわして2番手に、シケインでは山口が柳川をかわして4番手と、それぞれポジションを入れ換える。2周目にも山口と柳川はダンロップコーナー、ヘアピンと順位を入れ換えた後、柳川は津田にもかわされ6番手に後退する。その後は、タイトル争いを繰り広げる2人のバトルにゴングが鳴る。3周目の逆バンクで高橋が中須賀をかわすと、続くダンロップコーナーで加賀山もかわしトップに浮上する。すかさず中須賀も加賀山をかわすと高橋のテールをマークし130Rで前に出ていく。高橋も負けずと2コーナーで抜き返すが、バックストレートで中須賀が前に出る。 トップ2がバトルを繰り広げている間にペースを上げた山口が加わってくる。山口は、その勢いのまま5周目のスプーンカーブで高橋をかわし2番手に浮上。後方から津田と柳川も追い付き、トップグループは5台にふくれ上がる。7周目には1コーナーで高橋が津田と柳川の2台にかわされ5番手に降順してしまうが、逆バンクで柳川を、ヘアピンで津田を抜き返し3番手に戻ると、8周目のシケインで山口をかわし2番手に上がり中須賀を追う。後方からは、渡辺もトップグループに加わり6台の集団となるが、10周目になるとバックマーカーが出始める。この辺りから中須賀がスパートをかけ始める。11周目には、このレースのファステストラップとなる2分08秒365をマークし、後続を引き離しにかかる。高橋も2分08秒台に入れ、中須賀を必死に追うが、その差はジリジリと開いて行き、中須賀がレース1を制した。高橋は悔しい2位。 3位争いは山口、津田、柳川、渡辺のバトルとなっていたが、10周目のシケインで津田がオーバーランし6番手に後退。山口が、このバトルを制し、2戦連続で3位表彰台を獲得した。以下、柳川、渡辺のカワサキコンビが続き、6位に津田が入っている。序盤、トップを走った加賀山は7位でゴールし、スポット参戦のジョシュ・フックが8位、中冨伸一が9位、野左根航汰が10位でゴールした。以下、酒井大作、今野由寛、藤田拓哉、寺本幸司、須貝義行と続いた。 【レース2】 レース2の前に行われたJ-GP2クラスの決勝から雨が降り出し、ウエットコンディションとなり、周回数もさらに10周に短縮されてスタートが切られた。 ホールショットは、2番手グリッドからスタートした山口が奪い、高橋、中須賀、加賀山、柳川、藤田と続いて行く。東コースで高橋と中須賀は山口をかわし、それぞれポジションを上げる。2周目のシケインでは、中須賀が高橋をかわしてトップに浮上。レース1と同じく、タイトルを争う2人がバトルを繰り広げるかと思われた。しかし4周目のヘアピンを立ち上がった高橋のマシンにトラブルが発生してしまい、MCシケインでストップ。そのまま悔しいリタイアとなってしまう。これで単独トップとなった中須賀の後方からは、2分17秒台までペースを上げた加賀山が迫ってくる。 完全に勢いに勝る加賀山だったが、中須賀も易々とトップの座は譲らない。130Rかシケインに勝負ポイントを絞った加賀山は、8周目の130Rで豪快に中須賀をパス。これがウイニングパッシングとなったが、加賀山はアクセルを緩めず9周目にファステストラップをマーク。一気に中須賀を突き放し、2014年シーズン最後のレースをトップで締めくくった。加賀山は、第4戦SUGO以来、今シーズン2勝目を挙げた。中須賀は2位でゴールし、3年連続5度目のJSB1000クラスチャンピオンを決めた。3位争いは津田が制し、ランキングも3位となった。以下、山口、中冨、渡辺、柳川、藤田、ジョシュ、今野と続くトップ10となった。