2015年シーズンの開幕戦が三重県・鈴鹿サーキットで行われた。今年も開幕戦は4輪フォーミュラの国内最高峰・スーパーフォーミュラと併催となる2&4レースとして2輪の国内最高峰JSB1000クラスが競演した。
公式予選は55台がAグループ、Bグループに分かれて出走。ヨシムラの津田拓也とTeam GREENの渡辺一樹がコースレコードを更新する走りで、それぞれポールポジション、2番手につけ事前テストからの好調を維持。これに昨年タイトル争いを繰り広げた高橋巧、中須賀克行と続き、この4台がトップ争いを繰り広げられることが予想された。
決勝日は、朝から雨が降り始めウォームアップ走行はレインコンディションとなった。ここで2年振りのフル参戦となる秋吉耕佑がトップタイムをマーク。2番手に中須賀、3番手に加賀山就臣、4番手に山口辰也、5番手に津田とドライコンディションとは違うポジションとなっていた。
しかし、その後雨は止み、スタートするころには路面は乾き気温18度、路面温度は28度のコンディションで20周のレースはスタートした。
ホールショットを奪ったのは、ポールポジションからスタートした津田。予選2番手の渡辺一樹、予選3番手の高橋巧とフロントロウの3台が続き、4番手に山口、5番手に中須賀、6番手に柳川明、7番手にジョシュ・フック、8番手に加賀山、9番手にトロイ・ハーフォス、中冨伸一と1コーナーをクリアして行く。2コーナーでは、渡辺が津田をかわしてトップに浮上すると、そのままオープニングラップを制し、2周目に突入して行く。レース序盤は、渡辺を先頭に津田、高橋の3台がやや抜け出し、山口、中須賀、柳川が追う展開。前の3台に離されまいと中須賀がシケインで山口をかわして4番手に浮上しトップグループを追う。3周目にはダンロップコーナーで渡辺のインに入った津田がトップに出るが、その直後のデグナーカーブ進入で渡辺が抜き返す。その後方では、ジョシュ、中冨、スタートで出遅れた野左根、加賀山と続いていたがデグナーカーブの進入で加賀山が痛恨の転倒。そのままリタイアとなってしまう。
トップグループは、渡辺を先頭に、津田、高橋、中須賀、山口と5台にふくれ上がり、やや間隔を空けて柳川が続く。3周目のシケインでは、中須賀が高橋をかわして3番手に、さらに4周目のシケインでは津田をかわして2番手に浮上する。この辺りから山口が遅れ始め、トップグループは4台となる。続く5周目のバックストレートでは、津田が中須賀を抜き返して2番手に返り咲くと、6周目のダンロップコーナーで渡辺をかわしてトップに浮上する。これを見た高橋は"ペースが上がると思ったのでボクもペースを上げようとしたのですがタイヤのフィーリングが急に変わってしまいペースを上げることができませんでした"とレース後に語るようにジリジリとトップグループから脱落してしまう。
積極的にレースをリードして行く津田は、10周目にファステストラップとなる2分07秒049をマークすると2番手以下を引き離して行く。津田のテールが離れていくのを見ながらも渡辺をなかなかかわせずにいた中須賀は、13周目の110Rで現れたバックマーカーのアウト側にいった渡辺の動きを見ると、ラインをイン側に取りズバッとヘアピンで前に出て行く。続くバックストレートでは渡辺が再び前に出るが、シケインへのブレーキングで中須賀が2番手に浮上する。必死に津田を追う中須賀だったが、津田も全力の走りで逃げて行く。
その後方では、スタートで出遅れていた野左根がポジションを上げ5番手を走る山口のテールに近づいてくる。さらに中冨も続き、三つ巴のバトルとなっていた。12周目のデグナーカーブの進入で山口をかわして5番手に浮上。中冨も続き山口をかわして6番手となる。さらに後方からジョシュが追い付き混戦となる。
トップを走る津田は、中須賀の接近を許さず約2秒のアドバンテージを保ったままチェッカー。独走で久しぶりの優勝を飾った。ニューマシンのデビューウインを狙った中須賀は悔しい2位。3位渡辺、4位高橋、5位野左根と続き、6位争いは、ジョシュが制し、山口、中冨、柳川と僅差でゴールした。以下、浦本修充、秋吉、今野由寛、生形秀之、渡辺一馬、酒井大作、寺本幸司、トロイ、小島一浩、高橋英倫、吉田宏光の順でチェッカーフラッグを受けポイントを獲得した。 |