2015年シーズンの全日本ロードレース選手権が今年も鈴鹿2&4レースで開幕した。金曜日の1本目は直前に降った雨のためウエットコンディションとなったが、2本目からドライとなり2分07秒045をマークした中須賀克行がトップタイムを記録。事前テストから好調な渡辺一樹と津田拓也が続き、結成されたばかりのヤマハのユースチームの藤田拓哉、野左根航汰と2分07秒台で続いていた。しかし、藤田はこの日、2度転倒。セッション終盤には、3コーナーで転倒し、左ひざを痛めてしまう。この影響で土曜日の公式予選はメディカルでストップがかかってしまい走ることができなかった。
公式予選は、Aグループ26台、Bグループ27台に分かれ、快晴となった鈴鹿サーキットでタイムアタックが繰り広げられた。まず行われたAグループのセッションでは、中盤過ぎにアタックに入った津田が中須賀の持つコースレコード(2分06秒226)を上回る2分06秒103をマークしトップタイム。その直後には渡辺も赤マークをつけ区間タイムで最速タイムをマークして行くが、コントロールラインを通過すると2分06秒181と津田に届かず2番手と。Aグループでは、事前テストをリードした若い2人のライダーがコースレコードを上回る速さを見せた。Bグループでは、高橋巧が自己ベストとなる2分06秒494をマークし組トップにつけるものの、津田と渡辺のタイムには届かない。この結果、津田が開幕戦のポールポジションを獲得。渡辺が2番手、高橋が3番手となり、フロントロウに並ぶ3台が2分06秒台をマークした。
「2分05秒台に入れたかったのですが調子は悪くないですし、レコードも更新できたので2分05秒台は鈴鹿8耐のときに取っておきます。みんな速いですが20周を走り切ったときにトップにいられるように頑張ります」と津田。
渡辺もコースレコードを更新しセカンドグリッドにつけた。
「テストからいい調子なので、4輪が走って路面コンディションがどう変わるか警戒していました。どうしてもスキッドパッドのあとが視覚的に気になった部分がありましたが、それ程、影響はありませんでした。自分の走りができれば一番高いところに上がれると思うのでリズムを崩さないようにしたいですね」とコメント。昨年も速さを見せていたが、今年はライディングスタイルをコーナリングスピードを上げる方向に変更。走りの派手さは影を潜めたがラップタイムは上がってきているだけに、JSB1000クラスで初優勝を飾る可能性も十分あるだろう。
3番手につけた高橋は「金曜日はセットを外してしまい散々な結果だったので予選で自己ベストを更新できてホッとしています。マシンは昨年から全く変わっていませんが、タイムを上げることができたのでよかったです。レースは、ここ数年にないぐらいハイレベルな戦いになると思うので、開幕戦を勝って勢いをつけたいですね。スタートが苦手なので、まずはそこからです」とコメント。マシン面では、ライバルに比べて進化はないがライダーが成長することでタイムを上げ勝負しようとしているのだ。
一方、フルモデルチェンジされたYZF-R1をライディングする中須賀克行は産みの苦しみを味わっている。タイムは、2分07秒043と2分07秒台を切れずに2列目4番手グリッドからスタートする。
「2台の仕様違いのマシンでセットアップをしながら予選を戦いましたが、まだまだマシンがまとまらない状態です。決勝日朝のウォームアップも使って現状でベストな状態でレースに臨もうと思っています。一列目の3台は、いいペースで走ると思いますが、ニューR1のデビューウインを狙って最後までもがきますよ!」と中須賀。
事前テストをリードした津田と渡辺、昨年タイトルを争った中須賀と高橋を中心にレースは展開されそうだ。この4人に山口辰也、柳川明、中冨伸一、野左根航汰、加賀山就臣といった面々がどこまでついていけるかによってトップ争いの行方が決まってくるだろう。誰が、このバトルを制するのか!?
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