今年もツインリンクもてぎで開幕戦を迎えた全日本ロードレース選手権。3月27日(水)から行われた公開テスト、そして木曜日から走り始めたレースウイークでセッションをリードしてきた中須賀克行と高橋巧が公式予選からガチンコ勝負を繰り広げた。 45分間で行われた公式予選では、セッション前半で中須賀と高橋がランデブーでタイムアタック。お互いの調子を探り合いながらも2人とも1分47秒フラットまでタイムを詰めていた。一度ピットインし、リアタイヤを交換した中須賀は、うまくクリアラップを取り、何とただ一人1分46秒台に突入! 自身の持つコースレコードを大幅に塗り替える1分46秒878をマーク。レース2のグリッドを決めるセカンドタイムでもトップとなりダブルポールポジションを獲得した。一方、高橋も両レースとも2番手グリッドを確保し、2人が抜きん出ている存在となっていた。 23周で争われたレース1。中須賀がポールポジションからホールショットを奪い、渡辺一樹、高橋、水野涼、加賀山就臣、秋吉耕佑、野左根航汰、渡辺一馬、津田拓也、津田一磨、岩戸亮介、前田恵助、羽田太河と続いていた。トップの中須賀は、高橋が渡辺一樹に引っかかっている間にリードを広げるべくペースを上げるが、予選のときより路面温度が上がっておりスタート時で41度となっていた。その影響からか、フィーリングが変わっており、思うようにペースを上げることができない。高橋は、そんな中須賀を見ながら"それほど離れていかないな"と思い、冷静に前にいる渡辺一樹を3周目の5コーナーでパスし2番手に上がると、その差を詰めて行く。健闘していた渡辺一樹は、徐々に遅れ、トップ争いは中須賀と高橋の一騎打ちとなって行く。後方では、出遅れていた野左根が水野をS字コーナー進入でパスし4番手に上がってくる。水野の後方には、渡辺一馬、秋吉が迫って来ていた。 トップ争いは、中須賀のテールに高橋が迫り、3番手の渡辺一樹の背後には野左根が迫り、6周目のV字コーナーでインを突き前に出て行く。後方では渡辺一馬が水野をかわし5番手に浮上していた。 マッチレースとなったトップ争いが動いたのは9周目だった。S字コーナーの進入でインを奪った高橋だが、中須賀も負けじと切り返しでかぶせていくが、コーナー立ち上がりで高橋が前に出て行きトップに浮上する。セカンドアンダーブリッジ過ぎの左高速コーナー進入で中須賀は、高橋をかわすが、クリッピングポイントから切り返しで高橋が前に出て行きトップでコントロールラインを通過するが、レース1では、高橋がトップでホームストレートを走るのは、このときが最初で最後だった。中須賀は、2コーナーで高橋のインから前に出るとレースをリード。高橋もピタリと中須賀のテールをマークし、最後のスパートに備えていた。そして、その予想通り中須賀はラストスパートをかける。高橋も呼応し、ペースを上げ、ファステストラップをマークするが、ラストラップに1分47秒台に入れた中須賀が、高橋に勝負するすきを与えずトップでゴール。2019年シーズン最初のレースを制した。高橋は悔しい2位だが、開幕前のトレーニング中にケガをした昨年に比べれば、事前テストからの流れは悪くない。レース2での巻き返しを誓っていた。 3位には、単独走行となっていた野左根が入り、4位に渡辺一樹、5位に渡辺一馬、6位に水野、7位に秋吉、8位に加賀山、9位にザクワン・ザイディ、10位に岩戸亮介というトップ10となった。 セカンドタイムで決まったレース2のグリッドだが、4列目まではレース1と全く同じメンバーとなっている。日曜日の天気予報は、やや気温が下がるもののドライコンディションでのレースとなりそうだ。やはりレース2も中須賀と高橋の戦いになるだろう。事前テストから野左根と一緒に走りペースアップを計っていた中須賀としては、高橋との間に野左根が入ってくれることが理想だ。野左根が、どこまで2人に迫ることができるか!? レース2もハイレベルな戦いになることは間違いない。