文部科学大臣杯　2004年 MFJ R2-1 全日本ロードレース選手権シリーズ第7戦 TIスーパーバイクレース
主催：TIサーキット(3,703m)
決勝レポート
DATE:2004-10-17
■開催日/予選：10月16日(土)、決勝：10月17日(日) 　■天候/予選：晴れ　決勝：晴れ
■開催場所/岡山県・TIサーキット(3,703m)　■観客数/決勝：29,800人

　辻村猛と安田毅史のタイトル争いに注目が集まった最終戦。予選では、辻村が3位、安田が6位につけ、運命のスタートを迎える。ポールポジションは、TIサーキット英田をホームコースとしている酒井大作。酒井は、事前テストで転倒し、左足のくるぶしを骨折していながらも激走を見せトップタイムをマークしていた。

　その酒井がホールショットを奪い、辻村、沼田憲保、宮崎敦、安田、八木孝弘と続く。オープニングラップのバックストレートからヘアピンの進入で辻村が酒井をかわしてトップに立つと、そのままレースをリードしていく。辻村は2周目に早くも1分34秒台に突入。酒井はピタリとついていくが、沼田はついていけない。3周目にペースの上がらない沼田を宮崎がかわして3位に浮上。安田も4周目に沼田をかわしていく。トップグループに追いつきたい宮崎だったが、約1秒後方まで迫るが、それ以上は差を詰めることができない。同じく辻村に追いつきたい安田は、8周目のヘアピンで宮崎をパスし3位に上がると、34秒台に入れるが、トップグループも変わらないハイペースのため、追いつくことができない。

　レース終盤に入ると、辻村を必死に追走していた酒井が僅かに遅れ始め、辻村がリードを広げる。辻村は最後まで全力で走りきり、今季3勝目を挙げ、見事にチャンピオンを獲得した。酒井は追走およばず2位。安田は3位に入りランキング2位となった。宮崎はトラブルを抱えながらも4位でゴール。以下、沼田、八木、手島雄介、和泉美智夫、生形秀之、清成健一の順でゴールラインを通過している。

優勝／シリーズチャンピオン　辻村猛
メカニックの家族の方に、いろいろあって大変だったのに、マシンをきっちり仕上げてくれていた。その思いに応えるためにも頑張ることができました。最初からチェッカー降られるまで全開で走ることを決めていたし、後続は気にしてなかった。安田選手に3秒差がついた時点で勝ったと思った。去年は楽しくできたし、去年の成績がよかったので、それ以上のことを今年はしなければならなかった。結婚して子供もできたし、守っていかなければならない存在がいることで、いい感じで自分を奮い立たせていけた。今はうれしいと言うよりホッとしている。プレッシャーはすごくあったし、昨日もなかなか寝られなかった。つらいレースでしたけど、終わってみれば結果がついてきたのでよかった。来年もダブルエントリーしたいと思っています。

2位／酒井大作
もっと多い台数で接戦になると思っていた。スタートで前に出て、バックストレートで引っ張られたと思ったら、スリップストリームを使われて前に出られた。その後は、ずっと辻村さんの後ろについていた。ライダーもマシンも速かったので、もしケガをしてなくても勝てなかったと思う。とにかくスキがなかった。来年こそ、勝てるように頑張りますよ。

3位／安田毅史
テストの段階で調子がよかったので、いけるかなと思っていた。辻村さんを特に意識はしていなくて、ベストを尽くして、いつものレースをすることを考えていました。でも金曜日に辻村さんの調子よくて、意識しないつもりでも、どこかで意識していたのかもしれない。それで焦ったのか転倒してしまい、ちょっと落ち込みました。3位上がってから集中力が乱れてしまい、コーナーでタイヤをすべらせ過ぎてしまった。レース後半は、ミスをなくして集中することができた。ランキング2位という結果が今の実力だと思う。今回も精一杯走れたし、悔いはないです。ここまでこれたのも、チームのおかげだと思う。来年はもっと成長できるように頑張ります。

決勝レース、#39酒井大作と#2辻村猛が絶好のスタートを決めた。その後辻村は酒井をかわして、トップでオープニングラップを終えた。この2台を追う3位グループには、#23沼田憲保、#72宮崎敦、辻村とタイトルを争う#3安田毅史が。

残り数周、辻村はややペースを上げると、少しずつ酒井との差は広がり、結局辻村が2秒弱の差で逃げ切って今季3勝目、自身にもチームにとってもこれが初めてとなる全日本チャンピオンの栄冠をつかんだ。

優勝：辻村猛、2位：酒井大作(左)、3位：安田毅史(右)

チャンピオン表彰で、F.C.C. TSRチームスタッフ記念撮影。