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開催概要
リザルト
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開催レポート
2008シリーズ

ロードレース


大会名
アジア国別対抗ロードレース第3戦 中国・珠海大会
開催日
2008年10月11日、12日
会場
中国・珠海市・珠海国際サーキット

珠海は、広東省珠江デルタの南西に位置しており、年間平均気温22.4℃と過ごし易い気候に恵まれた土地にある。コースは1周4.3Kmあり、世界耐久選手権を1度開催している大規模な施設である。
日本代表ライダーは、中木亮輔選手と丸山隼一選手の2名で9カ国の代表ライダー(全17名)で争われた。

使用マシンは、宋申ピアッジオZS150-39。昨年も使用したマシンであり、特に問題なく、イコールコンディションで行われるものと思い、珠海に到着した。
マシン抽選会で、まず最初に問題となったのが、抽選順であった。基本的に前大会までのランキング順に抽選が行われることが慣例となっていたが、なんと、最初に中国、マカオ、香港、台湾と中華系順とされており、早速クレームを入れるが、前大会までのランキング表すら手配されていない状態で、且つ、抽選時間に間に合わないチームの抽選を代理でアジアロードレース委員長が真っ先に行うという不可解な中、抽選が始まってしまった。イコールコンディションならば、良いがという不安を抱えつつ、丸山選手が11番、中木選手が19番を引いた。なんとその番号がその大会のスターティングナンバーとしてそのまま使用された。
マシンの状態は、とても良好とは言えず、また、宋申から派遣されていたメカニック約10名もやる気が全くなさそうだった。驚いたのは、整備しながら喫煙、転がっている空き缶はなんとビール。あきれ果て、オーストラリア人のテクニカルディレクターに進言した。
1週間前に使用したままの車両には、レースでは考えられないような汚れ(一般道を走行した後のような)があり、タイヤも磨り減ったまま。チームマネージャーミーティングにおいて、安全上、タイヤは前後新品に入れ替えるよう要望し、競技監督もそれを承諾した。

翌朝、急遽、チームマネージャーが召集され、いやな予感がよぎる。やはりタイヤの件であり、1カ国2台出場しているにも関わらず、新品及び新古品のタイヤは、全部でフロントが7本のみしか手配できず、中国、マカオチームが使用を辞退したため、その他各国にフロントタイヤが1本だけ支給されることになったが、逆向きに取り付けることでそれをリヤタイヤとして使用しろということであった。勿論、中木、丸山に相談し、腐りかけのフロントタイヤを履いていた中木選手のフロントに取り付けることにした。朝、すでにピットに届いていると言っていたタイヤは、影も形も無く、第1回、第2回のフリープラクティス各30分間、公式予選30分間ともに、磨り減ったタイヤで走行した。各国のライダー共に磨り減ったタイヤではあったが、第1回フリープラクティスではインドネシアが2分29秒、30秒代、中国も30秒台をたたき出していた。中木選手は31秒、丸山選手は35秒であった。2回目のフリープラクティスでは、インドネシアが27秒代に入れ、丸山選手が28秒台前半、中木選手は29秒台に入れてきた。その後の予選ではインドネシア27秒513、中国27秒579、続いて日本の丸山28秒013、中木28秒185で終了し、グリッド3番手、4番手を獲得した。そこでタイヤが到着。メカニックには19番車両のフロントに取り付けるよう筆談で指示を出し、翌日の決勝日を迎えた。

早速、ガレージにて、タイヤを確認。新品タイヤは床に置かれたまま。テクニカルディレクターにリヤのみ交換可能と言われたらしい。しかし、前日、タイヤをフロント、リヤのどちらにつけるかは、チーム及びライダーが決定できるようディレクターに強く抗議し、その許可をもらっていたため、ディレクターを呼び出し、再度抗議した。ディレクターもそのように指示を出していたらしいが、その指示をきいたメカニックは他のメカニックにそれを伝えておらず、スリランカも新品タイヤを放置されていた。埒が明かないため、ディレクター自らがタイヤ交換を行うこととなった。何とか第1レースまでにタイヤ交換が終了したものの、スリランカのタイヤは結局交換してもらえなかった。

午前9時30分、第1レースがスタート。10周で争われた。
インドネシア(2台)、中国(1台)、日本(2台)、タイ(1台)の6台が1周目からトップ集団を形成し、1周目のトップは丸山が2分29秒023で通過、中木が3位。しかし2周目、3周目とインドネシアに交わされた。4周目には、1位中木、2位丸山で通過。このまま引き離せればよかったが、6台の集団は常に抜きつ抜かれつを繰り返し、コーナーへの突っ込みで優位にたつもの、コーナリングで優位に立つものという形で、常に順位を変え、周回を重ねていった。5周目、前の周に2位で通過した丸山が6位にまで落ちてしまう。しかし、8周目に3位に浮上。中木は6周目からインドネシアとのバトルを展開し、2位、1位とめまぐるしく順位が変わった。9周目インドネシア1位、2位中木、3位丸山での順に通過し、ファイナルラップを迎えた。ゴール直前に中木はインドネシアに交わされ2位でゴール、丸山は中国に交わされ、4位でゴールとなった。この時点で日本は、2位に2点差でランキング1位を維持していた。12時10分、開会式が行われ、各国チームは、国旗を掲げ、グランドスタンド前を行進した。日本チームの紹介の場面では、以外にも歓声が上がった。

開会式終了直後の1時に第2レースがスタートとなった。第1レース同様、インドネシア、中国、日本、タイでトップグループを形成、1秒内のバトルを7名が展開した。2周目、インドネシア、中木、中国、丸山の順に通過。中国選手は、3周目にただ一人25秒台をたたき出した。5周目には、中国、インドネシアが25秒台中木が26秒168、丸山が25秒711と追い上げを見せ始めた。6周目、中木が3位、丸山が5位で通過。この時点で中木を含め上位3台は24秒台に入れていた。しかし、8周目には中木5位、丸山6位と順位を落とし、その間にインドネシア、中国が徐々に後続を引き離しにかかった。9周目丸山が3位、中木4位と追い上げたものの、ファイナルラップのゴール直前にもう一人のインドネシアに交わされ、中木4位、丸山5位という結果となった。インドネシア、中国の選手の技量向上は目覚しく、益々アジアの国別対抗戦は面白味を増していくと思われる。残念ながら、ランキングは、インドネシアに交わされ、日本は2位に後退。しかしポイント差は1点。最終戦インドネシア大会での結果次第で念願の初優勝が眼前に迫っている。

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