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2016全日本トライアル選手権シリーズ第4戦中国大会
2016年全日本選手権第4戦は中国大会。去年までの2年間は岡山での開催だったが、会場を鳥取県HIROスポーツランドに移しての開催となる。シリーズ名称は第4戦だが、第3戦九州大会が7月に延期となっているため、今シーズン3戦目の全日本選手権となる。
■国際A級スーパークラス
4月末に開催された世界選手権日本大会で負傷した武井誠也(ホンダ)を欠いて、15名の参加による戦いとなったこの大会。今回は12セクションを2ラップと、スペシャルセクション(SS)が2セクション。SSの第1は専用で、第2は第3セクションを手直ししてSSとされる。
ここまで開幕2連勝をした小川友幸(ホンダ)。ここで勝利をすれば、開幕3連勝とともに、ランキング争いでもぐっと優位に立つ。シーズンはまだ長いので、まだまだ安心はできないが、ライバルとすれば、限りなく厳しい戦いとなることだろう。小川自身、そういう思いを持って大会に臨んだという。
第2セクション、小川友幸と小川毅士(ベータ)の二人がクリーン、黒山健一(ヤマハ)が2点となる。これで、この日の戦いも小川友幸に流れが傾くかと思われたのだが、この日は黒山の気合いの入り方が尋常ではなかった。
この日は難所セクションが次々に用意されていた。第4セクションではつるつるの斜めの岩を横切ってアウトしなければいけない。第7セクションもまた、坂の頂点にある鏡餅のような岩を越えて、すぐ右に進路をとらなければいけない。8セクションも、滑る斜めの岩を抜けなければいけない。この3つでクリーンをとるのは、なかなか至難だった。
黒山は第2セクションで2点となった後は、この難所でこそ減点するものの、他のセクションでは見事にクリーンを重ねた。1ラップ目の14点は、2位小川毅士を5点引き離してトップだ。
2ラップ目。追い上げを狙う小川友幸を突き放すように、黒山はさらに素晴らしい走りっぷりを見せる。減点したのは難所の3つのセクションに加え、第5セクションでの1点のみ。しかも2ラップ目は、5点が一つもない。この日唯一の一桁減点をマークして、勝利にまっしぐらだった。
2ラップ目を終えて、黒山のリードはちょうど10点。このあと、SSがふたつおこなわれるが、黒山には10点のリードの他に、クリーン数で5個のリードもあった。10点のリードは、勝利を決定づけていることを意味する。
黒山にとって、2015年北海道大会以来の勝利だった。そして小川友幸に傾きかけていた2016年シーズンの流れも、大きく自分に戻した1戦となった。
勝利を決定的としてのSS。おりから降り始めた雨のため、難易度はさらに高まっている。SS第1は全員が5点。そしてSS第2。これも走破はきわめて困難と思われたが、柴田暁(ヴェルティゴ)の3点に続いて、黒山は見事な走りを見せて2点で走破した。SS第2をアウトまで走ったのは、この二人だけだった。
カミソリの刃のよう切れ味が持ち前だった黒山。その走りが帰ってきた。
【黒山健一のコメント】
本当に久しぶりの勝利で、よかったです。このところ、トップを走っていても逆転で負けているので、今日もとにかく逆転されないようにと、それを考えて走りました。クリーンできるかもしれないポイントでも、足を出してリスクを減らしたりということもしました。この流れで、今シーズンを戦っていきます。ランキング争いについては、まだ話をするのは早いです。
【小川友幸のコメント】
ふりだしに戻りましたね。細かい減点が多かったのですが、3連勝を意識して、安全をとりすぎたということもあったような気がします。むずかしいセクションでしたが、ベストの走りができれば、1ラップ2点くらいでおさえられる感じでしたが、現実はむずかしいです。次は、走りを戻します。
【野崎史高のコメント】
今日はいいところがなかったですね。ぜんぜんだめでした。これで3位となれたことが今日のいいところでした。でも第7セクションはよかったですね。1ラップ目も抜けられたのはぼくだけで、2ラップ目はクリーンラインを狙ってみたところ、ばっちりでした。
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開幕戦で不本意なリタイヤをしていた小林直樹(TRS)が再び登場。今度は見事な勝利をおさめた。
出るからにはしっかりした戦いをしたいという小林は、戦い方のお手本となるような真剣なトライを見せ、1ラップ目5点、2ラップ目9点と、2ラップをともに一桁減点でまとめる素晴らしいスコアを残した。
ランキングトップの13歳、氏川政哉(ガスガス)は、1ラップ目を8点と小林に次ぐ好スコアをマークしたが、今回はベテランにしてやられた感じで2位となった。
3位には、第2戦名阪で勝利した池田蓮(ベータ)。ランキングでも、この二人が1位と2位に並んでいる。
4位には、名阪に続いて出場した大ベテラン、和田弘行が入った。1位と4位が大ベテラン。それ以外は上位陣は若手ライダーに独占された鳥取大会だった。
【小林直樹のコメント】
感触として、自分のベスト以上の実力が出せたように思います。沢のセクションなど、これは無理じゃないかと思えるところをクリーンできたりして、うれしかったです。でも逆に、このどろどろのコンディションで、もっと離れるかと思っていた政哉くんがこの成績を上げているというのがすごいと思いました。ぼくにとっても、うれしいです。
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今回は5名が参加したレディースクラス。2セクションをパスして、10セクション2ラップで行われた。
勝利は西村亜弥(ベータ)。西村の実力は別格だから、誰が西村に土をつけるか、というよりどこまで西村に近づけるか、がレディースライダーの課題となっている感があるが、西村もさらに上を目指す。今回も前回同様、1ラップ目をオールクリーンして、2大会連続のオールクリーンに期待がかかった。
しかし2ラップ目はライン上に岩が落ちているなどコンディションが変わったことに加え、ミスもあった。トータル7点は圧勝なのだが、本人としてはやや納得のいかない試合となったようだ。
2位は小玉絵里加(ホンダ)が2戦連続で入っている。3位小谷芙佐子(スコルパ)は小玉と3点差。この二人がしのぎを削りながら、西村の独擅場に近づいてくれるだろうことが楽しみなレディースクラスである。
【西村亜弥のコメント】
勝利を目指すのはもちろんですが、まずは自分の走りができることを第一に考えて、その上で勝てればいいなと思っています。1ラップ目にオールクリーンしているので、簡単そうに見えるかもしれませんが、けっして簡単ではないです。よくからだが動いていたり、そういう結果です。次も、集中力を切らさないようにがんばりたいと思います。
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