全日本エンデューロ選手権 Rd.3 村田SUGO2DAYSエンデューロ大会 DAY2「緊迫したIAクラスのトップ争い、着実な走りで馬場亮太が2勝目」

天気予報ではDAY2の日曜日は雨と出ていて、レース関係者たちは週の前半から気をもんでいた。若干ながら週末が近づくにつれて快方へ向かってはいたものの、やはり日曜未明から村田町では雨が降り注いだ。およそ時間雨量1mm、朝方の路面は濡れていたものの、物陰は乾いている程度。ひどいマディコンディションにはならず、難易度はDAY1より若干上がった形。選手会では前日から対応策を上申しており、彼らの希望通り難しくなることが予想されたクロステストは逆周回に変更。コース変更をおこなった場合は安全上の理由からサイティングラップがおこなわれるが、これも選手会が「逆回りであれば十分に下見はできているものと考える」判断が採用されたことでサイティングラップは不要とされ、フルスケジュールで開催となった。

 

スポーツランドSUGOは赤土が多く、少しの雨でも影響は大きい。馬場もDAY1後に「明日は雨の影響があるので、DAY1のラインからは大きく外しながら走る必要がありそう」と発言。路面ミューが極端に低くなるため、コーナーアウト側の縁やワダチをうまく活用してラインをつなぐことが求められる。エンデューロの経験年数に勝る釘村や渡辺に分があるか否か。満を持して若手が台頭するのか。スピードだけでなく、対応力が問われるDAY2である。

 

エンデューロテストは馬場、クロステストは釘村が好タイム

渡辺学はDAY1で傷めた足が調子が悪く、早々にこのDAY2をリタイア。トップ争いは馬場・釘村の両名に絞られた形である。1周目は、DAY1と変わらず馬場がどちらもファステストを奪う形だったが、2周目には釘村がこれを逆転。走行ラインが定まっていく最中、二人は急激にペースを上げながらタイムアップを続けていく。3周目からは馬場がエンデューロテスト、釘村がクロステストで1番時計をマーク。

ラスト2周の段階では釘村が馬場に6秒差まで迫っており、釘村はエンデューロテストで見つけていた下りの勝負ラインで一気にタイムを詰めにかかる。しかし、この勝負ラインを一本外してしまったことでリズムを崩してしまい転倒、大きく馬場から離されてしまう。ファイナルクロス前には、馬場がトップ、釘村が30秒弱のビハインドで2位、3位に保坂修一が1分18秒でつける形であった。ファイナルクロスは元ファクトリーライダーの意地をみせて釘村がインを締めたまま逃げ切ったが、差は埋まらず馬場の勝利に。

馬場亮太

「1周目にそこそこのタイムが出ていたので、あまり2周目に攻める気になれなかったのですが、釘村さんがエンデューロテストで10秒縮めてきているのをみて、やばいなと思っていました。3周目で釘村さんが転んでいたので、そこで差がつきましたが、現状維持ではダメだなと思います。ほんのちょっとの数秒を稼ぐために様々なことを考えつくさないといけません。そういう競技だなと思っています」

 

釘村忠

「ラスト2周までのところで、あと亮太と6秒というところまで来ていたのに、自分のミスで逃してしまった感じです。転んでからは亮太の後ろについてテストを走ったのですが、すごく面白かったです! やっぱりとてもラインの組み立て方がうまくて、勉強になりましたね。次戦こそは負けないよう、取り組んでいきたいと思います」

 

保坂修一

「3位なんですが、やはり上に速い2人がいてだいぶ差も離れてしまっているので、これではダメだと思っています。最低でも1分差くらいまでにとどめることができないと、勝負になりません。とにかく離されないように少しずつでも食らいついていきたいです。開幕戦の広島から、コーナーの処理をあまりアグレッシブにしない方向でまとめてきて、少しタイムが伸びてきているのは実感しています」

 

IBクラスを超えた走りで高橋吟が2連勝

IAと同様雨の色濃い影響を受けたIBクラスだったが、DAY1と同じように高橋吟がIAに引けを取らないタイムを連発して圧勝を決めた。ファイナルクロスでは星野利康が2位でフィニッシュし、それまでの2番手であった藤村昂矢は11位で差が広まる形に。実力のあるライダーが順当に表彰台を獲得している。

 

高橋吟

「どの周回でもクリアラップがなかなかとれず、大変な2日間でした。今年はIAになるという目標があったのですが、今日走ってみてIAクラス換算でどのくらい走れるかにも挑戦してみたいと思いました。今年は富山と日高に参戦する予定です」

NAは加藤浩介と出口隼飛が熾烈な争いを繰り広げる展開。エンデューロテストでは加藤に分があり、ファイナルクロス前に27秒の差で加藤がリード。モトクロス国際A級で活躍していた出口からすればファイナルクロスは格好の巻き返しが期待できる展開で、出口はオープニングラップからぐいぐい後続を引き離しにかかるが、加藤も負けず2番手をキープ。結果的に加藤はテストで築いたリードを守り切ってDAY2で勝利した。NBクラスはDAY1同様に原國翼が圧勝、ウィメンズは和田綾子が連勝を遂げている。

 

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