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'20全日本モトクロス選手権第6戦 関東大会

↑'20スケジュール




新型コロナウイルスの影響により、今季は全4戦で競われることになった全日本モトクロス選手権シリーズ。その最終戦となる第6戦関東大会が、埼玉トヨペットカップとして埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催された。

荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられたコースは、大会直前に大幅な改修が施され、タイトターンが多いこれまでのスーパークロス風という特徴は踏襲しながらも、コース幅の拡大やジャンプの追加などが施された。決勝が実施された日曜日の天候は晴れ一時曇り。夜の気温が一桁台まで落ち、日中の最高気温も12度までしか上がらなかったが、強風が吹いた土曜日ほどは寒くなかった。各クラスのチャンピオンが決まる最終戦とあって、今大会は2日間で4,500名の来場した。







走り込んでいる地元のコースで
3年ぶりの優勝を挙げた星野優位

ヒート1で確実に連覇を決めると
ヒート2は全開で優勝した山本鯨



決勝ヒート1で好スタートを決めたのは、31点差のランキングトップで今大会を迎えたホンダサポートライダーの山本鯨(#400)。ヤマハのマシンに乗る星野優位(#166)が続くと、一度は山本の前に出たが、ここはすぐに山本が再逆転した。1周目は山本、星野、ヤマハファクトリーチームの富田俊樹(#317)、ホンダを駆る能塚智寛(#555)、カワサキファクトリーチームの小方誠(#10)というトップ5のオーダー。2周目、先頭は再び星野に代わり、富田も山本を抜いた。3周目には能塚も山本をパス。4周目には小方も山本を先行した。5周目には能塚が富田を抜き、翌周には星野の攻略にも成功してトップ浮上。この段階で能塚、星野、富田、小方が僅差のトップ争いを演じ、わずかに離れて山本とホンダを駆る大塚豪太(#155)とヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#110)が5番手を争った。

レースが中盤に入った8周目には、能塚から小方までのトップ4が1〜2秒のほぼ等間隔で続き、翌周には山本が前との距離を少し詰めたことで、やや縦に長い5台のトップ集団となった。11周目には富田が星野を抜いて2番手に浮上したが、翌周には星野が再逆転して、富田は4番手に後退。13周目には3番手の小方が転び、これを避けた富田と山本が接触して、山本が転倒した。これによりトップグループがばらけ、能塚と星野が接近戦を繰り広げ、5秒ほどの間隔を開けて3番手以下は富田、渡辺、大塚、小方、山本の順。15周目には星野が能塚をパスしたが、ここはすぐに能塚が抜き返した。17周目、再び星野が能塚を抜いてトップ浮上。その後方では、チームメイトバトルを制した渡辺が3番手に順位を上げた。18周目、ジャンプでバランスを崩した能塚が転倒。これで7番手に後退した能塚はペースを落とした。能塚の転倒で約3秒リードすることになった星野は、最後まで力走。そのまま逃げ切って、2017年最終戦以来となる勝利を挙げた。渡辺が2位、小方が3位、大塚が4位、富田が5位、山本が6位でゴール。これにより山本の連覇が決まった。山本はIA1で通算3度目、IA2を含むと4度目のシリーズタイトル獲得となった。


ヒート1の転倒で足を負傷した能塚は、決勝ヒート2の出走をキャンセル。レースは山本のホールショットで幕を開けた。山本の参戦チーム母体で監督兼ライダーを務める小島庸平(#44)が2番手を確保すると、レース序盤に小島が後続を抑える間に、山本はリードを少しずつ拡大。小島を猛追していた渡辺は5周目に転倒して6番手に後退し、6周目には小方と富田が小島を抜いたが、この段階で山本は約6秒のアドバンテージを築いていた。しかしここから、小方が1周につきコンマ数秒ずつ差を詰め、14周目には両者の間隔が約2.5秒。さらに翌周、山本が少しタイムを落としたことで、その差は1秒近くまで縮まった。

しかし、ここからのレース終盤で粘りをみせたのは山本。最後の力を振り絞ると、わずかながら再びペースを上げ、小方をそれ以上は近づけさせなかった。そして再び21周で終了となったレースは、山本が勝利。今季6勝目で、シリーズ連覇を果たしたシーズンを締めくくった。小方は山本と約2秒差の2位。レース中盤に小方から少しずつ遅れた富田が3位、序盤の転倒に泣いた渡辺が4位、1周目11番手から追い上げた大塚が5位、好スタートを決めた小島が6位となった。


「ヒート1はチャンピオン決定を最優先する走りでしたが、レース中は勝利を狙いたいという葛藤もあり、複雑な感情が湧いていました。だからこそヒート2は、とにかく全力で走ると誓い、勝利を目指しました」と昨年に続いてチャンピオンに輝いた山本。また、ヒート1で3年ぶりの全日本優勝を手にした星野は、「今季はうまく噛み合わないレースを続けてしまっていたので、走り込んでいる地元での大会に勝つことだけを考えて準備してきました。本当にうれしいです」と、レース直後に喜びの涙を流した。




スタートで大きく出遅れながらも
優勝で連覇を決めた横山遥希

ヒート2ではスタート直後から逃げ、
今大会も両ヒートを制覇した横山



決勝ヒート1は、スタート直後のアクシデントで赤旗仕切り直し。この再スタートでは平山力(#931)がホールショットを奪い、内田篤基(#39)、袴田哲弥(#02)、岸桐我(#52)、大倉由揮(#31)、大城魁之輔(#36)らが続いた。ランキングトップの横山遥希(#1)は大きく出遅れ、1周目18番手からのレースとなった。2周目、平山が3番手に後退して内田がトップ、袴田が2番手に。3周目には袴田が内田に代わって先頭に立ち、岸も平山を抜いた。5番手を走行していた大倉は、転倒により12番手まで後退。横山はこの周、13番手を走行していた。トップに立った袴田を、抜かれた内田が猛追。すると5周目に入ったところで袴田が転倒し、これで内田が再びトップに立った。この周、大城は平山を抜いて3番手に浮上。翌周には岸と接近戦を繰り広げ、7周目に先行した。

この段階で、トップの内田と2番手の大城は約3秒差。レース中盤、大城は内田への接近を図ったが、その差はほとんど変わらず、むしろわずかに内田がリードを広げた。このころ、驚異的な追い上げを続けていたのは横山。5周目に10番手まで浮上していた横山は、6周目からほぼ1周につき1台というペースで順位を上げ、13周目には3番手までポジションを上げてきた。横山が3番手に浮上したとき、2番手の大城は約3秒先行していたが、それでも横山はわずか1周で追いついて逆転。約5秒離れた内田に追いつくまではさすがに数周を要したが、それでも17周目には逆転を果たした。横山に抜かれたことで逆にリズムを取り戻した大城は、内田に追いついて19周目にパス。レースは21周でチェッカーとなり、横山が優勝でシリーズ連覇を決めた。大城が2位、内田が3位、岸が4位、一時は4番手を走行していた西條悠人(#47)が5位、1周目11番手から追い上げた浅井亮太(#41)が6位に入賞した。


決勝ヒート2では、横山がホールショット。1コーナーの先にあるジャンプではガッツポーズする余裕もみせた。そのまま横山がオープニングラップを制し、内田と中島漱也(#01)、平山、大倉、大城、大木汰一(#42)らが続いた。2周目、大木が5番手に順位を上げ、平山は6番手、大城は7番手に後退。翌周には大城が平山を抜き、これで上位勢は横山、内田、中島、大木、大倉、大城、平山のオーダーとなった。レース序盤、上位勢は早くも縦に長くなり、横山から5番手の大倉まではそれぞれ2〜3秒間隔。大倉の背後では大城が僅差のマークを続けた。横山と内田と中島の間隔は、その後も少しずつ拡大。一方で、大倉と大城は大木との距離を詰め、8周目には3台による4番手争いがスタートした。

しかし大木は必死に順位を守り、レースが中盤に入っても3台による4番手争いが継続。すると12周目、大倉が転倒により脱落した。これで5番手に浮上した大城は、大木に肉迫。14周目には攻略に成功した。この段階で、トップの横山は約9秒のリード。2番手の内田も、3番手の中島を8秒近く離していた。中島と4番手に上がった大城のギャップも6秒近くあったが、ちょうどこの14周目から中島のラップタイムが落ちはじめ、これで両者が接近。そして18周目に、大城が中島を抜いた。結局、スタートでトップに立った横山は、一度もその座を脅かされることなくトップを独走。21周終了時点でトップチェッカーを受け、今大会でも両ヒート制覇を達成した。2位に内田、3位に大城が入って表彰台に登壇。中島は悔しい4位、大木は5位、スタート直後の転倒により1周目26番手から追い上げた岸が6位に入賞した。


横山は全8ヒートとなった今季、開幕戦ヒート1以外の全レースで優勝。シリーズタイトル決定がかかった今大会ヒート1でも、「スタートに失敗して出遅れてしまいましたが、確実にタイトル獲得を決めるというよりは、とにかくこのレースに勝ちたくて、全力で走り続けました」と、勝利にこだわる姿勢を貫いた。




ヒート1で勝利を収め、最後まで
タイトル争いを白熱させた米田海斗

ヒート2を4位でゴールして
チャンピオンに輝いた福村鎌



決勝ヒート1では、板垣周佑(#34)がホールショット。1コーナーではマルチクラッシュが発生して、有山大輝(#13)や児玉暁斗(#88)、小川永資(#21)や渡谷歩夢瑠(#24)、雨宮厚太(#77)、ランキングトップで今大会を迎えた福村鎌(#6)が転倒で大きく遅れた。1周目をトップでクリアしたのは笹島克久(#29)。板垣や橋本俊平(#15)、岩崎優(#3)、阿部仁(#17)、赤堀尚央(#47)らが続いた。14点差のランキング2番手で今大会を迎えた阿久根芳仁(#9)は1周目14番手。トップの福村と22点差のランキング3番手につけていた米田海斗(#49)は同10番手、そして福村は同26番手と、ランキング上位勢はいずれも出遅れた。

しかしここから米田が鋭い追い上げを開始して、5周目には4番手まで順位を上げ、岩崎と橋本の2番手争いに加わった。一方、福村は2周目にも転倒を喫して、5周目の段階で20番手。阿久根は4周目に転倒し、再スタートに時間を要して周回遅れとなった。7周目、米田が2番手に浮上し、直前まで米田を僅差で追っていた橋本がエンストにより7番手まで後退。これで2番手が米田、3番手が岩崎、4番手が阿部となった。そして8周目、米田が笹島を抜いてトップに浮上。同じ周、1周目12番手から追い上げてきた西元気(#8)が、5番手に順位を上げた。レース終盤、トップの米田は大量リードこそ奪えなかったが首位をキープ。2番手の笹島を、一時は岩崎が僅差で追ったが、11周目にラップタイムを落とすと、翌周には西が阿部と岩崎を順に抜いて、表彰台圏内に浮上した。そしてレースは14周で終了。米田が優勝、笹島が2位、西が3位で表彰台に登壇した。岩崎は4位、1周目13番手から追い上げた富岡寿弥(#7)が5位、阿部が6位、福村が7位となった。


決勝ヒート2は、福村が米田を11点リードした状態でスタート。このふたりだけにチャンピオンの可能性が残された。レースは富岡のホールショットでスタート。コース前半でこれを抜いた笹島がトップに立ち、富岡、米田、阿久根、小川、齋藤銀汰(#54)、阿部、岩崎、福村、佐竹涼冴(#72)と続いた。2周目、笹島と富岡は僅差のトップ争いを繰り広げ、米田と阿久根はこの2台から2秒ほど遅れて3番手争い。1周目9番手の福村は思うように順位を上げられず、10番手に下がった。3周目、米田がペースを上げ、一気にトップ浮上。抜かれた富岡が2番手、阿久根が3番手、ペースの落ちた笹島が4番手に後退した。この段階で福村は8番手。ところが翌周、米田と2番手に浮上した阿久根がトップ争いを繰り広げながら後続を3秒ほど離す一方で、福村は転倒により18番手まで順位を下げた。

米田が優勝なら6位以内、2位なら10位以内というのが、福村がタイトルを獲得する条件。4周目の段階では、米田が逆転チャンピオンという計算だった。5周目、米田と阿久根はトップ争いを継続。上位集団は縦に長くなりはじめ、3番手を富岡、4番手を齋藤が確保した。福村はこの周を15番手でクリアした。7周目、僅差でのマークを続けていた阿久根が、米田を抜いてトップに浮上。さらに、それまでより約3秒もラップタイムを縮め、2秒ほどのリードを奪った。富岡は単独走行に近い3番手。これを3秒ほどの差で齋藤が追い、5番手以下は大きく遅れた。8周目以降、阿久根は前の周ほどではないもののハイペースをキープ。これで確実にリードを拡大していき、最終的には10秒近く後続を引き離して優勝。米田が2位、富岡が3位となった。福村は驚異の追い上げで4位入賞。これにより福村のシリーズタイトル獲得が決まった。5位に齋藤、6位に佐竹が入った。


チャンピオンに輝いた福村は、「途中で転んでしまい、タイトル争いがどうなるのかわからない状況のまま、とにかく最後まで諦めずに走りました。支えてくれた方々に、とにかく感謝しかありません」と、レース直後に喜びと感謝のコメントを残した。




驚異的なラップタイムをマークして
全勝でチャンピオンの川井麻央



小野彩葉(#5)と本田七海(#1)がホールショットを競い、まずは本田がトップ。これに小野、開幕戦から全勝中の川井麻央(#3)、久保まな(#4)、楠本菜月(#18)が続いた。オープニングラップから、本田と小野と川井は4番手の久保を引き離しつつトップグループを形成。2周目には、川井が小野を抜いて2番手に浮上。久保は3番手に後退した小野から6秒近く遅れ、6番手には井川実乃里(#6)が浮上した。3周目、川井は本田を1〜2秒ほど後方でマーク。小野はこの2台についていけず、この周以降は単独走行になっていった。4周目、川井が本田との距離を詰めて、トップ争いは接近戦に。翌周、川井が逆転に成功した。

6周目、今度は本田が川井を抜き、これで再び本田がトップ、川井が2番手。とはいえ両者はなおも接近した状態だったが、7周目に川井がバックマーカーと接触してエンストを喫し、これで6秒ほど遅れた。するとここからのラスト3周で、川井が本田を圧倒するラップタイムを連発。エンストからわずか2周ほどで6秒の差を削り、9周目には再び川井がトップに立った。ラストラップの10周目には、川井がベストラップタイムを記録。本田もベストラップで対抗したが、その差は約2秒もあり、逃げ切った川井が優勝、本田が2位でフィニッシュして、川井がシーズン全勝で自身初のシリーズタイトル獲得を決めた。単独走行を続けた小野が3位表彰台に。久保が4位、楠本が5位、井川が6位に入賞した。


全勝でチャンピオンに輝いた川井は、「昨シーズンはまるで勝てず、目標としていたチャンピオンも逃し、悔しいシーズンオフを過ごしてきました。今季は大会数が少なかったとはいえ、全勝で初めてのチャンピオンになれてうれしいです。エンストしたときは、正直なところ逆転はムリかもと思いましたが、前を走る本田選手の背中が意外とすぐに近づいてきたので、これは優勝を狙うしかないと思いました。チャンピオンは支えてくれた方々のおかげです」と、感謝の言葉を述べた。




総合優勝争いは最終ラップまで
佐藤吉弥と伊良皆龍翔の接近戦



ホールショットの伊良皆龍翔(#25)を、堀田新(#88)や佐藤吉弥(#448)らの同じくBクラス勢が追ってスタートした。1周目、伊良皆と2番手に浮上した佐藤は接近戦を展開しながら後続を引き離しはじめ、堀田が3番手をキープ。その3秒ほど後方に、Aクラス勢の清宮楓矢(#229)を先頭にBクラスの上野琥楠(#23)らが続いた。

2周目以降も、伊良皆と佐藤の接近戦は継続。また、堀田と清宮と上野の総合3番手争いも続き、3周目にはAクラスの清宮がBクラスの堀田を抜いた。ここは翌周に堀田が抜き返したが、その堀田は5周目にミスして5番手まで後退。これで清宮と上野が3番手を争うことになったが、レース終盤に上野は順位を下げた。トップ争いは、6周目に佐藤が先行。しかしラスト2周となった9周目に、伊良皆が再逆転した。そして迎えたラストラップは、佐藤が伊良皆を猛追。ゴール直前に佐藤が再びパッシングに成功して、佐藤が総合優勝、伊良皆が2位となった。清宮が総合3位でAクラス優勝。堀田は総合4位でBクラス3位となった。1周目12番手から追い上げた三輪風太(#38)が総合5位でAクラス2位。スタート直後からほぼ順位をキープした脇田大治椋が、総合7位でAクラス3位に輝いた。