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'20全日本モトクロス選手権第5戦 第58回MFJ GP-MX大会

↑'20スケジュール




今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、8月下旬から11月下旬までの3ヵ月間に4戦で競われる。改訂版スケジュールの発表後も開催が検討されていた第4戦が、結果的に開催断念となったことから、この第5戦がシーズン3度目の大会。第58回MFJ GP-MX大会として、熊本県のHSR九州で熱い戦いが繰り広げられた。
阿蘇の外輪山を望むコースは、高低差がほとんどないフラットな土地にレイアウトされ、広くて長い雄大なスケールを誇る。これまでの基本レイアウトをある程度のベースとしながらも、各セクションのコーナーやジャンプが大幅に見直されたコースは、土日とも絶好の秋晴れに恵まれたことからドライコンディションが保たれた。各クラスの決勝が繰り広げられた日曜日の最高気温は23度。来場者は2日間で2,951名となった。





ヒート1で全日本最高峰クラスの
初勝利を手にした富田俊樹

ヒート2こそ独走に近かったが
山本鯨にとってタフな戦いが続いた


ヒート2とヒート3の優勝で
タイトル防衛に大きく近づいた山本



最高峰クラスのIA1は、前戦に続いて決勝3ヒート制を導入。15分+1周で1日3レースが設定された。その決勝ヒート1で好スタートを決めたのは、ホンダサポートライダーの山本鯨(#400)。これにヤマハファクトリーチームの富田俊樹(#317)が続くと、すぐにトップを奪った。1周目は富田、山本、ホンダを駆る能塚智寛(#555)と道脇右京(#38)、ヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#110)、カワサキのマシンを駆りスポット参戦したAMA挑戦中の古賀太基(#929)、ヤマハのマシンに乗る星野優位(#166)、カワサキファクトリーチームの小方誠(#10)、スズキを駆る小林秀真(#12)が連なった。2周目に道脇は順位を落とし、富田と山本と能塚がトップグループを形成。4番手には古賀が浮上した。

3周目、山本が富田を僅差でマークする一方で能塚はこの2台からやや離され、さらに5秒ほど間隔を開けて古賀、その2秒ほど後方を渡辺が走行。レース前半が終わる4周目、山本が富田を抜いて再びトップに立ったが、その直後に抜き返しを図った富田の激しいアタックにより、山本が転倒した。トップを死守した富田には、5周目にペースを上げた能塚が2秒ほどのところまで近づいた。山本は4番手で復帰し、前を走る古賀を猛追。すると6周目、古賀が転倒により7番手まで順位を落とした。能塚は、6周目以降にややペースダウン。古賀の転倒後、3番手争いは山本を先頭に渡辺、星野、小方が縦に長く続いた。そして8周のレースは、富田が能塚を振り切って全日本最高峰クラスでは自身初、ヤマハ移籍後初となる優勝。2位に能塚、大きく離れた3位に山本となった。4位には最終ラップの低速コーナーで渡辺を抜いた星野が入り、その後にミスした渡辺に代わり小方が5位。古賀は7位、渡辺は14位に沈んだ。


決勝ヒート2は、ホールショットの道脇をすぐに抜いた山本が先頭に立ち、古賀が道脇を攻略するまでの間に3秒以上もアドバンテージを築いた。道脇は2周目以降に大きく後退し、2周目の段階で山本、古賀、ホンダを駆る小島庸平(#44)、能塚、渡辺、スタートで大きく出遅れていた富田というトップ6。3周目には小島が6番手まで順位を下げた。トップを走る山本は着実にリードを拡大して、レース前半が終わる4周目の段階で約6秒先行。能塚は2番手の古賀を4秒ほど後方で追い、その後ろには渡辺と富田が僅差で迫った。

レース後半、山本はトップを快走。リードをさらに少し拡大し、2番手の古賀は前後に間隔がある単独走行に近い状況が続いた。3番手の能塚はなおも渡辺に猛追され、加えてその後ろには富田もマークしていたが、能塚は逆転のチャンスを与えず。そして再び8周で終了となったレースは、まず山本がチェッカーを受け、古賀、能塚、渡辺、富田、小島が上位6台となった。しかしレース後の車検で、排気音量規定値をオーバーしていたことから古賀が失格扱いに。これで能塚以下の順位がひとつずつ繰り上がり、能塚が2位、渡辺が3位、富田が4位、小島が5位となった。


決勝ヒート3は、山本がホールショット。これに能塚と渡辺と富田が続いた。2周目、山本と能塚が激しいトップ争いを展開。何度か横に並ぶなどして、3周目に入るところでは能塚が先行した。5番手の小方は序盤のペースが上がらず、これでトップグループは4台に絞られた状態。能塚に先行されてからも山本は僅差でマークを続け、さらに渡辺と富田も接近戦を演じながら僅差で迫った。レースが後半に入った5周目、山本が能塚を抜いて再びトップ。すると今度は、能塚が再逆転を狙った。ところがここで山本との距離を詰めた能塚のマシンが、山本のマシンと接触。これにより能塚のみ転倒して5番手に順位を下げた。

トップに立った山本には、能塚に代わって渡辺と富田が肉迫。しかしパッシングのチャンスを得られないまま、レースは終盤を迎えた。そして、三つ巴のバトルは最終ラップまで継続。3番手の富田も渡辺のパッシングを試みるなど、激しい争いが最後まで続いたが、最終的には山本がポジションを守ってフィニッシュ。優勝は山本、2位は渡辺、3位は富田となった。後半にペースを上げた小方は、3番手の富田から約4.5秒遅れの4位。転倒再スタート後は星野に迫られながらも、能塚は5位でゴールした。


ヒート1で優勝した富田は、「本当は開幕から勝つつもりでいたのですが、なかなか思うようにいかず、チームで肩身の狭い思いをしていました。ヒート2とヒート3はスタートが決まらず、厳しい戦いになってしまいましたが、次こそヤマハのワン・ツーフィニッシュを果たします」と宣言。ヒート2とヒート3で優勝した山本は、「素晴らしいコースを最高のチームで走らせてもらい、自分としては優勝することが使命だと思っています。モトクロス界を少しでも盛り上げるため、自分をより高めて貢献していきたいです」と気を引き締めていた。




両ヒートともホールショットを奪い
そのまま独走で優勝した横山遥希

開幕戦ヒート1こそ落とした
その後は5連勝を記録している横山



決勝ヒート1は、ディフェンディングチャンピオンでランキングトップの横山遥希(#1)が好スタートを決め、これに小川孝平(#912)や大城魁之輔(#36)らが続いてスタートした。2周目、大城は小川を抜いて2番手に浮上。3〜4秒ほど前を走る横山を追った。小川は大城から遅れ、背後には大木汰一(#42)が接近。そこから少し間隔を開けて、中島漱也(#01)と大倉由揮(#31)が接近戦を繰り広げた。レース序盤、大城はトップの横山に離されまいと喰らいつき、その差はほとんど変わらず。一方、4周目には大木が小川、大倉が中島をパスして、3番手には大木が浮上する一方で、4番手に後退した小川には大倉や中島らが迫った。

レースが中盤に入ると、大城のラップタイムがわずかに落ち、これにより横山が1周につきコンマ数秒ずつリードを拡大。レース時間が残り10分となったところで、その差は約8秒にまで拡大した。一方、大城から大きく遅れた3番手争いでは大木が徐々に後退し、代わりに大倉がその先頭に。IAルーキーの中島が背後をマークし、さらにその後ろからは2周目にミスを喫して10番手まで後退していた内田篤基(#39)が近づいてきた。そして12周目、大倉から少し離された中島を内田が逆転した。レースは15周でチェッカーとなり、横山は危なげなくトップを守って優勝。最終ラップに転倒を喫した大城は、それでも順位を守って2位。大倉が3位、内田が4位、中島が5位、1周目13番手から追い上げた岸桐我(#52)が6位に入賞した。


決勝ヒート2でも、好スタートを決めたのは横山。これに内田、中島、浅井亮太(#41)が続くと、オープニングラップは横山、内田、大木、中島、大城、浅井のオーダーとなった。レース序盤、横山を内田がマークしながら、3番手以下を引き離す展開。2周目に中島、3周目に大木をパスして大城が3番手に浮上した段階で、内田と大城のギャップは6秒以上に拡大していた。このヒートでも、横山はレース序盤のスピードを中盤になっても維持。これにより、5周目あたりから横山と内田の距離が広がっていった。

そしてレース中盤には、トップの横山、2番手の内田、3番手の大城がそれぞれ単独走行に近い状態に。一方で4番手争いは、浅井に1周目10番手から追い上げてきた大倉が迫って、8周目には接近戦となった。そして翌周、大倉が逆転に成功。さらに浅井の背後には岸も近づいた。そして岸は、ラスト4周となった12周目に浅井をパス。レースは横山が独走で再び勝利を収め、内田が2位、大城が3位で表彰台に登壇。4位に大倉、5位に岸、6位に浅井が入賞した。


前戦に続いて両ヒートを制した横山は、「事前テストの段階から調子がよく、HSR九州は好きなコースでもあるので、もちろん優勝を狙っていました。最終戦もふたつ勝って、シーズンを締めたいと思います」と余裕のコメント。一方、総合成績2位となった大城は、「横山選手の連勝をなんとか止めたいと思っていましたが、実力が及びませんでした」と悔しさをにじませた。




佐竹涼冴のリタイヤにより
ヒート1で全日本初優勝の橋本俊平

ヒート2では強い走りを続けて
独走で勝利を収めた福村鎌



土曜日の最終レースとして実施された決勝ヒート1では、渡谷歩夢瑠(#24)がホールショット。有山大輝(#13)、児玉暁斗(#88)、橋本俊平(#15)らが続くと、渡谷を先頭に橋本、児玉、福村鎌(#6)、有山、米田海斗(#49)、阿部仁(#17)の順で1周目をクリアした。2周目に入ったところで、3番手だった児玉のマシンがストップしてそのままリタイヤとなり、渡谷と橋本、ここから2秒近い間隔を開けて福村と米田と有山が、それぞれ接近戦を展開。集団から抜け出した福村はトップ2台に迫り、米田から1秒ほど遅れて5番手を走る有山の背後には、1周目9番手から追い上げてきた佐竹涼冴(#72)が接近した。さらにその後方では、岩崎優(#3)と阿部が7番手争い。3周目になると、渡谷と橋本と福村のトップ争いはさらに激しさを増し、これに有山と米田を抜いた佐竹も追いつき、トップ集団は4台になった。

そして4周目、佐竹が3台を一気に抜いてトップに浮上。さらにこの周だけで3秒以上のアドバンテージを築いた。混戦の間に福村が2番手に上がり、その後方には橋本と米田と渡谷と岩崎が数珠つなぎ。しかし5周目、この中で米田がミスにより大きく順位を落とし、橋本と岩崎が福村を抜いた。レースが後半に入ると、トップの佐竹は独走状態。2番手の橋本を、2〜3秒後方で岩崎がマークし、福村は上位勢から遅れて4番手。その背後に有山が迫った。ラスト2周となった9周目、1コーナーの立ち上がりで岩崎が転倒して6番手に後退。これで橋本も単独走行となった。レースは、このまま佐竹が独走優勝と思われたが、残り約200mのところでまさかのガス欠。これで橋本が優勝、福村が2位、有山が3位となった。4位には、1周目15番手から追い上げた上原巧(#11)が入賞。5位には岩崎、6位には1周目22番手と大きく出遅れながらも追い上げた富岡寿弥(#7)が入った。


決勝ヒート2はいつものような日曜最初のレースとしてではなく、午後にスケジュールが組まれた。児玉、板垣周佑(#34)、福村、米田、有山らが好スタートを切ると、1周目前半で福村がトップに立ち、児玉は転倒により最後尾となった。1周目は福村、板垣、米田、阿久根芳仁(#9)、岩崎、西元気(#8)、有山、佐竹のオーダー。上位勢はレース序盤から縦に長くなる傾向で、トップの福村は着実にリードを拡大していった。3周目、6番手まで浮上していた佐竹がミスにより15番手まで後退。これで福村、板垣、米田、阿久根、岩崎のトップ5になると、翌周には2番手の板垣に米田、5番手の岩崎に西と有山が近づいた。

そして5周目、米田が板垣を抜いて2番手に浮上。この段階で、トップの福村は約9秒も先行していた。また同じ周、西が岩崎をパスして5番手にポジションアップ。米田に抜かれて3番手に後退した板垣はかなりペースが落ち、6秒以上後方にいた阿久根が徐々に接近した。レース終盤、トップの福村と2番手の米田は完全に単独走行。一方で3番手は8周目に板垣を抜いた阿久根に代わった。また6番手を走る岩崎の背後には、再び追い上げてきた佐竹が迫った。そしてラスト2周となった9周目には、4番手の板垣に西、さらに岩崎を抜いた佐竹が接近。ラストラップで西と佐竹が板垣を抜いた。そしてレースは、福村が独走で勝利し、米田が2位、阿久根が3位、西が4位、佐竹が5位、板垣が6位となった。


ヒート1で優勝して全日本初表彰台が優勝となった橋本は、「最後の最後でトップになって本当にうれしい。スタートが決まったのが大きかったです」と、表彰台の頂上で満面の笑み。ヒート2で勝利した福村も、「スタートで前にいられたことが勝因。あと2ヒート勝って今シーズンを締めくくりたいです」と抱負を語った。




再び圧倒的な速さを披露して
3連勝を達成した川井麻央



ホールショットを奪ったのは本田七海(#1)。開幕から2連勝で今大会を迎えた川井麻央(#3)、小野彩葉(#5)や久保まな(#4)らが続くと、1周目は本田と川井、小野と久保がそれぞれ接近戦を展開した。予選2番手の楠本菜月(#18)は出遅れ、1周目に挽回するも7番手。2周目、川井が本田を抜いてトップに浮上すると、さらに約2秒のリードを築いた。2番手に後退した本田と3番手を走る小野の間隔は、約8秒に拡大。小野と久保のギャップは約3秒に広がり、5番手には楠本が浮上したが、この段階で4番手の久保は6秒以上先行していた。3周目以降、トップの川井は2番手の本田より約3.5秒も速い最速ラップタイムを叩き出し、一気に独走態勢を築いた。

これにより2番手の本田も単独走行に。小野と久保の間隔は3周目に約4秒差まで広がったが、レースが後半に入った4周目以降に久保がペースを上げ、これで両者の間隔は縮まった。そして7周目のファイナルラップを迎えるころには、2台が完全に接近。久保が小野のインを刺して3番手に浮上した。抜かれた小野は、久保が周回遅れの処理に手間取る間に再逆転を狙ったが、ここで久保のマシンと接触。小野のみが転倒した。そしてレースは川井が開幕から負けなしの今季3勝目を挙げ、本田が2位、久保が3位で表彰台に立った。楠本は4位、転倒後に再スタートした小野は5位、1周目9番手から追い上げた井川実乃里(#6)が6位となった。


「3連勝のプレッシャーはありましたが、本田選手を確実に抜き、引き離せたのでよかったです。最終戦は確実に走ってチャンピオンを決めたいです」と、優勝した川井。一方、またも序盤に先行しながら川井の逆転を許した本田は、「前戦で川井選手につまらないレースだったと言われ、今度こそと思っていましたが、まだまだ実力が足りていませんでした」と悔しさをにじませた。





最終ラップにに永澤匠真を抜き
総合優勝を決めた青木一馬



大幅にショートカットされたコースを使用して、8分+1周で競われたチャイルドクラスには、4ストローク50ccマシンが走るAクラスに12名、2ストロークマシンで参加できるBクラスに5名がエントリー。レースは、ホールショットの伊良皆龍翔(#25)を青木一馬(#12)や永澤匠真(#66)といったBクラス勢が追ってスタートした。1周目は伊良皆、永澤、青木、江藤彪之介(#83)がトップ4を形成。8秒ほどの間隔を開けて、安藤龍太郎(#24)がAクラス勢のトップを確保した。

2周目、トップを走行していた伊良皆が転倒。上位勢は青木と永澤がトップ争い、3秒ほど間隔を開けて江藤と伊良皆の3番手争いとなった。Aクラス勢は安藤がトップを守り、その数秒後ろでは三輪風太(#38)と桑津理仁(#95)と杉本朗人(#11)が接近戦。この3台のバトルは、何度か順位を入れ替えながら最終ラップまで続いた。一方の総合優勝争いは、3周目に青木が永澤を抜いたが、レースが後半に入った6周目には再び永澤が逆転。永澤を青木が僅差でマークしたまま、10周目の最終ラップを迎えた。そしてここで再びパッシングに成功した青木が総合優勝。永澤が2位、5周目に江藤をパスした伊良皆が3位となった。Aクラスは、安藤が最後まで逃げ切って勝利。3台によるバトルを制した桑津が2位、三輪が3位となった。