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'20全日本モトクロス選手権第3戦 SUGO大会

↑'20スケジュール




今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、8月下旬から11月下旬までの3ヵ月間に4戦で競われる。改訂版スケジュールで9月中旬に設定されていた第2戦近畿大会が中止されたことから、この第3戦がシーズン2番目の大会。開幕戦に続いて、宮城県のスポーツランドSUGOにあるインターナショナルモトクロスコースでの戦いとなった。
ただしコースは、基本レイアウトを踏襲しながらも各セクションの見直しが図られ、前戦以上の完璧なメンテナンスも施された。散水も十分で、粘土質の路面には多くの水分が含まれ、走行により深いワダチが刻まれるコンディション。このワダチをどう攻略するかも、勝負のカギとなった。土曜日は終日曇り空だったが、各クラスの決勝が繰り広げられた日曜日は曇りのち晴れで、最高気温は23度となった。今大会は、2日間で3,800名の来場者数を記録している。





ヒート1および総合成績で
勝利を収めた王者・山本鯨

今季から最高峰クラスに挑む
渡辺祐介がヒート2で優勝


地元での現役最終レースで
今季初優勝を挙げた成田亮



最高峰クラスのIA1は、今大会および次戦に決勝3ヒート制を導入。通常のレースが30分+1周の1日2レースなのに対して、15分+1周で1日3レースが設定される。その決勝ヒート1で好スタートを決めたのは、ヤマハファクトリーチームの富田俊樹(#317)。ホンダサポートの山本鯨(#400)と能塚智寛(#555)、カワサキファクトリーチームの小方誠(#10)らが続いた。1周目、山本が富田を先行したがすぐに富田がやり返して、富田、山本、能塚、小方、ヤマハファクトリーチームの渡辺祐介(#110)、ホンダに乗る成田亮(#982)の順でクリア。2周目には山本が再びトップに立ち、渡辺と成田が小方を抜いた。

3〜4周目にかけて山本は約3秒のリードを築き、富田は2番手をキープ。渡辺は能塚に迫ると、4周目に逆転して4番手に浮上した。5周目以降、能塚は渡辺からやや遅れ、逆に渡辺は前を走る富田に接近。チームメイト同士による2番手争いが繰り広げられた。山本のリードは2〜3秒のまま変わらず。そしてレースは9周でチェッカーとなり、ヒート1は山本が優勝、富田が2位、渡辺が3位となった。能塚は前後に間隔の開いた4位でフィニッシュ。4周目に成田を抜いた小方が5位、成田は小方に引き離されて6位となった。


決勝ヒート2では、渡辺と山本が好スタート。3番手につけていた小方は転倒で順位を落とし、1周目は渡辺と山本のトップ2、約3.5秒遅れて3番手に富田、さらに約2.5秒の間隔を開けて成田や能塚やKTMを駆る池谷優太(#793)らがつながる展開となった。2周目には、渡辺から池谷までのトップ6が縦に長く続いたが、山本だけは渡辺との距離を詰めてしっかりマーク。3周目には山本が渡辺をパスしたが、ここはすぐに渡辺が抜き返した。このバトルが繰り広げられている間に、富田が接近。トップグループは3台となった。

4周目、山本が再び渡辺を逆転してトップに浮上。しかし、抜かれた渡辺は僅差で山本をマークし、富田もこれに続いた。6周目、山本と渡辺のトップ争いは再び激しさを増し、渡辺が先行。その直後、再逆転を狙った山本が単独で転倒して、3番手に後退した。再び視界が開けた渡辺は、7周目にスパート。これで富田を引き離し、渡辺が全日本最高峰クラス初優勝を挙げた。富田は2位でフィニッシュ。転倒から復帰した山本はその後、直前を走るライダーの出現で息を吹き返した成田に攻め立てられたが、ここはしっかり守り切って3位。成田が4位、能塚が5位、1周目9番手から追い上げたホンダを駆る大塚豪太(#155)が6位となった。


決勝ヒート3は、成田のホールショットで幕を開けた。小方と能塚がまずはこれに続き、後方からはやや出遅れた渡辺が追い上げ。1周目は成田、小方、渡辺、山本、能塚のオーダーとなった。富田は出遅れ、1周目10番手からの追い上げを強いられた。レース前半、成田、小方、渡辺、山本がトップグループを形成。この4台から4秒ほど遅れて、能塚と3周目には6番手まで順位を回復した富田が5番手争いを展開した。レースが後半に入った5周目、渡辺が小方を抜いて2番手に浮上。トップグループと能塚&富田のセカンドグループが近づき、上位集団は6台に。翌周には、成田と渡辺、小方と山本、能塚と富田がそれぞれ接近戦となった。

その中で渡辺は、トップの成田に猛攻を仕掛けたが、7周目に転倒して6番手まで後退。同じ周、山本が小方の攻略に成功して2番手まで順位を上げた。この段階で、成田と山本は約4秒差。残り2周で山本が距離を詰めたが、バトルに持ち込むところまでは近づけず、逃げ切った成田が今季初優勝を挙げた。山本は2位でフィニッシュ。最終ラップで強引に小方をパスした能塚が3位、小方が4位、富田が5位でゴール。渡辺は6位となった。


3ヒート総合成績では、すべてのレースで表彰台に登壇した山本がトップ。しかしヒート2とヒート3で優勝を逃した山本は、「シリーズタイトル防衛は自分に課された使命ですが、今年はそれと同時に一戦ごと勝利にこだわっていきたいと思っているので、本当に悔しいです。今大会で自分に足りない部分も見えたので、残りの2大会5ヒートはすべて勝つつもりで集中していきます」と士気を高めた。また、今季限りでの引退を表明している成田は、出身の東北地方ではこれが現役最後の大会。その最終レースで勝利を収め、「今季は市販車でレースを戦っていて、厳しい部分も多いのですが、自分を信じて一生懸命やれば達成できないことはないということを証明できたと思います」と、表彰式で多くの地元ファンにメッセージを送った。




ヒート1では王者らしい走りで
大倉由揮に競り勝った横山遥希

予選とヒート2で転倒を喫するも
両ヒート制覇を達成した横山



開幕戦ヒート1で優勝して、ランキング2番手で今大会に挑むはずだった内田篤基(#39)は、練習中のケガにより今大会を欠場。決勝ヒート1は、鈴村英喜(#35)の好スタートで幕を開けたが、すぐに大倉由揮(#31)や横山遥希(#1)が先行した。1周目には、この2台に石浦諒(#35)が続いたが、その石浦は2周目以降に後退して8周でリタイヤ。3番手に返り咲いた鈴村を森優介(#43)らが追った。序盤からトップ2台がリードを広げ、4周目の段階で2番手横山と鈴村を抜いた森の差は9秒近くまで拡大。早くもマッチレースとなったトップ争いは、猛プッシュする横山を大倉が抑え続けた。

森は6周目まで3番手をキープしたが、7周目には1周目8番手から追い上げてきた西條悠人(#47)が逆転。さらに、その後方には浅井亮太(#41)が迫った。8周目、森は浅井に抜かれて5番手に後退。翌周にも順位を落とした森は、最終的に9位となった。同じころ、トップ争いはさらに激しさを増し、10周目にはついに横山が先行。しかし抜かれた大倉も、遅れることなく横山をマークした。2番手の大倉と3番手の西條は、この段階で約18秒差。西條は4番手の浅井に対しては約11秒のリードを築いていて、単独走行となった。レース終盤、大倉は再逆転を狙って激走。しかし横山も安定して速いラップタイムを刻み続け、16周のレースは横山が優勝、大倉が2位、西條がIA初表彰台登壇となる3位という結果になった。浅井は4位フィニッシュ。5位には1周目10番手から一時は浅井を抜いて4番手まで浮上した岸桐我(#52)、6位には1周目11番手から粘った小川孝平(#912)が入賞した。


決勝ヒート2では、横山がホールショット。大倉は1周目15番手と大きく遅れ、2番手にはヒート1をスタート失敗により7位と落とした大城魁之輔(#36)がつけた。この大城を池田凌(#60)がパスし、1周目は横山、池田、大城、浅井、町田旺郷(#54)、西條、鈴村のオーダー。2周目、池田と大城と浅井が僅差の2番手争いを展開し、西條と鈴村は町田をパス。後続がバトルを繰り広げる間に、横山は6秒以上のアドバンテージを築いた。3周目には、大城と浅井が先行。抜かれた池田の背後には西條が迫り、4周目には逆転に成功した。大城が2番手に浮上した3周目、横山のリードは約9秒にまで拡大。大城はこの差を詰めるべく奮闘したが、7周目までその差はほとんど変化しなかった。

ところが8周目、トップ独走中だった横山が転倒。これにより、横山と大城のギャップは約1.5秒にまで詰まった。するとここで動いたのは浅井。9周目に大城を抜くと、トップの横山に迫った。しかしレース終盤、思うようにペースが上がらない横山以上に浅井がラップタイムを落とし、これで横山が逃げ切りに成功。前戦ヒート2から3連勝となる勝利を手にした。浅井は2位、3番手後退後に引き離された大城は3位。西條は単独走行を続けて4位となり、終盤まで追い上げを続けた大倉が5位でチェッカーを受けた。6位には、ラスト3周となった14周目に池田をパスした鈴村が入賞した。


両ヒート制覇の横山は、「予選では1周目に転倒。やってはいけないミスだったので、チームにはだいぶ怒られました。決勝のヒート1では冷静な走りができましたが、ヒート2はまたしても自分のミスで転倒してからペースが上がらず、浅井選手の追撃を許すことになりました。とはいえ最後はなんとかリズムを取り戻すことができて、ほっとしました」と大会を振り返った。。




米田海斗の転倒にも助けられ
ヒート1で勝利した福村鎌

福村が転倒を喫したヒート2で
ヒート1の雪辱を果たした米田



土曜日に実施された決勝ヒート1では、米田海斗(#49)がホールショット。この米田を先頭に岩崎優(#3)、福村鎌(#6)、阿久根芳仁(#9)がまずはトップ4を形成し、1周目から早くも5番手以下を引き離しはじめた。5番手以下は、鈴木大将(#19)を先頭に数珠つなぎ状態。鈴木は2周目でリタイヤしたが、これによって5番手に浮上した齋藤銀汰(#54)や児玉暁斗(#88)が蓋をするカタチとなり、その間にトップ4はさらにリードを広げた。2周目の段階で、4番手の阿久根と5番手の児玉は約10秒差と、早くも優勝争いは4台に絞られはじめた。

3周目、そのトップ集団では3番手を走行していた岩崎がミスにより後退。4番手でレースに復帰したが、岩崎は3番手の阿久根から8秒近く遅れた。これでトップ集団は米田、福村、阿久根の3台に。7周目には、集団から阿久根が遅れだし、逆に福村はトップの米田との距離を詰めた。そして8周目、米田が転倒。これで福村がトップに立ち、阿久根は2番手に浮上した。米田は3番手で復帰。この段階でトップ3はそれぞれ単独走行状態で、そのまま11周を走り切って福村が優勝。阿久根が2位、米田が3位となった。4位には、1周目9番手から大集団がばらけた5周目までの間に順位を上げた佐竹涼冴(#72)が入賞。同じく、1周目10番手から追い上げた西元気(#10)が5位、同12番手からレース前半にポジションアップを果たした上原巧(#11)が6位となった。


日曜日のヒート2は、福村のホールショットで幕を開けた。これに米田、岩崎、阿久根、佐竹、小林大治朗(#38)、鈴木楓(#71)、八巻翔吾(#61)らが続いてレースがスタート。ところが、今大会前に新設された低速S字カーブでトップの福村が転倒。これにより米田がトップに立ち、後続には混乱も発生した。1周目をトップでクリアしたのは米田。これに佐竹と阿久根が続き、岩崎が阿久根から3秒ほど遅れた4番手、5番手以下は岩崎から約3秒遅れた鈴木を先頭に大集団となった。福村は18番手で1周目をクリアした。レース序盤、米田と佐竹と阿久根の3台は、後続を引き離しながらバトルを展開。岩崎はこれについていくことができなかったが、後続とは差を拡大して単独走行となった。5番手争いは、小川永資(#21)と小林と齋藤が繰り広げていたが、4周目に齋藤が脱落し、代わりに驚異的な追い上げでこの集団に追いついた福村が加わった。

トップ争いは何度となく順位が入れ替わる三つ巴のバトルを繰り広げた後、5周目からは米田がトップを守り、これに佐竹と阿久根が僅差で続く展開となった。福村は、小川と小林を抜きあぐねていたが、6周目には次々に両者を抜いて5番手浮上。しかしこの段階で、4番手の岩崎とは約10秒の差があった。レース終盤、3台によるトップ争いはさらに激化。ラスト3周となった9周目には、その中で阿久根が佐竹を抜いた。阿久根はさらに、この周のフィニッシュジャンプで米田をパス。しかし勢い余ってコースアウトを喫し、2番手の佐竹から2秒ほど遅れた3番手に後退した。ラスト2周、米田はトップを死守。佐竹も必死に追うが逆転には至らなかった。そしてレースは、米田が全日本初優勝。佐竹が2位、阿久根が3位となった。岩崎が4位、福村が5位でゴールし、終盤に小林康志郎(#76)の追撃を振り切った小林大治朗が6位に入賞した。


開幕戦ヒート2に続いて今大会ヒート1で勝利した福村は、「本当はスタートからトップを走りたかったのですが、とはいえ優勝できてよかったです」と笑顔で表彰台の頂上へ。しかし、ヒート2は悔しい結果となった。またヒート2で優勝した米田は、「開幕戦は転倒もあって調子が悪かったのですが、ようやくここに立てました。次戦も勝利します!」と宣言した。




レースの大半を単独で走り
開幕2連勝の川井麻央



ホールショットを奪ったのは、同じくスポーツランドSUGOで開催された前戦で優勝している川井麻央(#3)。昨年度チャンピオンの本田七海(#1)、小野彩葉(#5)や久保まな(#4)らが続くと、本田が川井のインに飛び込んでトップを奪った。5番手には楠本菜月(#18)が浮上。コース中盤で再び川井が先頭に立ち、1周目は川井、本田、小野が縦長のトップ集団を形成し、4秒ほど間隔を開けて久保、楠本、木下宙(#9)、井川実乃里(#6)がセカンドグループとなった。2周目、小野が転倒。再スタートに時間を要し、2周目終了時点で16番手まで後退した。さらに本田も転倒を喫して5番手へポジションダウン。これで久保がふたつ順位を上げ、トップの川井と2番手の久保は約10秒のギャップとなった。

レース序盤で大量リードを奪った川井は、ここから最終ラップの8周目まで完全に一人旅。誰も寄せつけることなくトップチェッカーを受け、開幕2連勝を達成した。2周目の段階で、久保も後続から約6秒のリードを奪っており、そのまま単独走行を続けて2位フィニッシュ。転倒した2周目は5番手だった本田は、翌周には3番手まで順位を回復したが、その後は7秒ほど前を走る久保とほとんどペースが変わらず、3位でチェッカーを受けた。2周目には木下に先行された楠本が、翌周に逆転すると逃げ切って4位。木下が5位、井川が6位に入賞した。


優勝した川井は、「1周目にトップを奪われたときも冷静で、なんとかなると思っていました。2周目に、後ろの選手たちが次々に転倒してしまったのが残念。次戦は、もっとバトルがある楽しいレースの中で自分が優勝したいです」と余裕のコメント。2位で今季初表彰台の久保は「開幕戦で不甲斐ない走りをしてしまいましたが、この1ヵ月間は本当に多くの人たちに支えられながら練習を続け、2位になることができました。コロナ禍での応援ありがとうございます」と感謝を述べた。




終盤にリードを拡大して
総合優勝を決めた永澤匠真



同じSUGOでの今季開幕戦は、路面状況の悪化により超ショートコースが用いられたチャイルドクラス。しかし今回は、全日本コースの一部区間を使用しながらベストラップが1分30秒ほどになるように設定されたコースが使われ、8分+1周で競われた。レースには、4ストローク50ccマシンが走るAクラスに6名、2ストロークマシンで参加できるBクラスに4名が出場。Bクラスの永澤匠真(#66)がホールショットを決めると、伊良皆龍翔(#25)と佐藤吉弥(#448)と上野琥楠(#23)のBクラス勢が続いた。Aクラス勢のトップに立ったのは佐藤光空(#1)。これを石垣蒼大(#14)や熊谷夏空(#2)が追った。

1周目から、永澤と伊良皆と佐藤吉弥は後続を大きく引き離しながらトップ集団を形成。しかし伊良皆は、1周目に転倒を喫すると2周目に入ったところで再び転んで大きく後退し、永澤と佐藤吉弥のマッチレースになった。総合3番手の上野を挟んだAクラスの先頭争いでは、2周目に佐藤光空がミスする間に石垣が先頭。しかし3周目に今度は石垣が遅れ、これで熊谷が4番手に順位を上げた。トップ争いは、4周目に佐藤吉弥が永澤まで2秒圏内のところまで迫ったが、終盤は永澤が突き放して、7周したところでチェッカー。永澤が総合優勝、佐藤吉弥が同2位、上野が同3位でBクラス勢が総合上位を独占した。3位の上野以下は周回遅れで、総合4位にはAクラス優勝となる熊谷、総合5位でAクラス2位には佐藤光空、総合6位でAクラス3位には石垣が入った。