全日本ロードレース選手権は、宮城県・スポーツランドSUGOでシリーズ第3戦を迎えた。第2戦鈴鹿2&4レースは、JSB1000クラスのみの開催となったため、ST600クラス、J-GP2クラス、J-GP3クラスは、開幕戦以来、約2カ月振りのラウンドとなる。逆にJSB1000クラスは、第4戦筑波の開催がないため、今回のSUGOラウンドがシリーズ前半戦の最後のレースとなり、これが終われば鈴鹿8耐に向けて一気に舵をとって行くことになる。 開幕戦ツインリンクもてぎ、第2戦鈴鹿2&4、そして今回のSUGOラウンドとJSB1000クラスは、土曜日に公式予選とレース1、日曜日にレース2という2レース制で行われてきた。開幕戦は、中須賀克行が高橋巧との一騎打ちを制しダブルウインを飾ったが、第2戦では、高橋が2レースとも独走で制し、一気に流れが変わった。一方の中須賀は、レース1で痛恨の転倒を喫し、レース2では、マシントラブルを抱えながらも2位争いを制したが、ノーポイントは大きく第2戦終了時の暫定ランキングは、トップの高橋が94ポイント、中須賀は22ポイント差のランキング4位となっていた。 2週間前に行われた事前テストでも高橋の速さは変わらず非公式ながらサーキットベストを更新。中須賀は、高橋に対抗するために、今までと違うセットを試してレベルアップをすべく、いろいろ試していたのだが…。 レースウイークは、金曜日から快晴となり、気温も上昇。初夏を思わせる陽気となり、予想以上に路面温度が上がったため、事前テストのときに比べてグリップがよくない、と多くのライダーがコメントしていたように、タイムは伸び悩んでいた。その中でも高橋は、セッションをリードして行く。一方、中須賀は、セッション毎に違うセットを試し、なかなかセットをまとめられずにいた。 土曜日に行われた公式予選でも高橋の速さは変わらず、ただ一人1分25秒台に入れる1分25秒641の新コースレコードをマーク。セカンドタイムも1分25秒718をマークしダブルポールポジションを獲得した。中須賀はチームメイトの野左根航汰に続く3番手と思うように高橋との差を縮められないままレース1を迎えることになっていた。 路面温度が48度と5月にしては、かなり高めのコンディションの中、25周先のゴールを目指してスタートが切られた。ポールポジションの高橋は、スタートを決めホールショットを奪い、5番手グリッドの加賀山就臣が2番手、渡辺一馬、野左根、中須賀、水野涼、渡辺一樹、岩戸亮介、前田恵助、羽田太河、秋吉耕佑、生形秀之、関口太郎と続いて2コーナーを立ち上がって行く。高橋は、オープニングラップから飛ばし、2番手以下を引き離して行く。2周目に野左根と中須賀は加賀山をかわし、それぞれ2番手、3番手に浮上し、前を追うが、高橋は、4周目にベストラップをマークし、さらに引き離し独走態勢を確実なものにして行く。2位争いを野左根と中須賀が繰り広げ、その後方では、またも渡辺一馬、渡辺一樹対決となっていたが、今回は、ここに水野が加わる。14周目のシケインでは、渡辺一樹が痛恨の転倒。再スタートするもののピットインし戦列を離れている。 トップを走る高橋は、コンスタントに1分26秒台で周回し、ポールtoフィニッシュで3連勝を飾った。2位争いは、中須賀が制し、野左根が3位。4位には、水野が渡辺一馬とのバトルを制してゴール。6位に加賀山、7位に岩戸、8位に前田、9位に秋吉、10位に関口と続いてゴール。15位までがトップと同一周回でチェッカーフラッグを受けた。 日曜日は、さらに気温が上がり真夏日になる予報となっている。ライダーにとってもマシンにとっても厳しいコンディションとなりそうだが、高橋の優位は変わらないか!? ヤマハファクトリーが一矢を報いるか!? JSB1000クラスのレース2は、14:00スタート!