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'19全日本モトクロス選手権第8戦 第57回MFJグランプリモトクロス大会

↑'19スケジュール




全日本モトクロス選手権シリーズは今季最終戦を迎え、第57回MFJグランプリモトクロス大会が宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
金曜日に降った猛烈な雨は、各クラスの予選やIBオープンクラスの決勝ヒート1などが実施された土曜日の朝までには止んだが、コースはマディコンディション。このため土曜日は、大坂やヨーロピアンセクション、リズムセクションなどをショートカットした非常に短いコースレイアウトを用いて、決勝日に向けた路面状況回復を図った。
日曜日の天候は曇りで、朝には小雨も降ったが、前日夜間の懸命な整備も実り、かなりコンディションは改善。ラインは午前中からドライに近く、IAおよびIBはフルコースでのレースで実施され、午後にはベストコンディションとなった。日曜日の最高気温は18度。観客数は2日間で5,200名となった。






250から450に乗り替えても
最圧倒的に速かったミッチ・エバンス

昨年の雪辱を果たした山本鯨が
最高峰クラスで2度目の王者に!



ホンダファクトリーチームから、今季はモトクロス世界選手権MX2に参戦していたオーストラリア人ライダーのミッチ・エバンス(#143)がスポット参戦。同チームからは、3戦連続でAMAライダーの富田俊樹(#718)も出場した。ポイントランキングでは、このホンダファクトリーチームから年間参戦する山本鯨(#400)が、チームメイトの成田亮(#114)を28点リードし、順位によってはヒート1で山本のチャンピオンが決定する状況で今大会を迎えた。


決勝ヒート1は、富田がホールショット。これに成田、ヤマハトップチームの岡野聖(#8)、そしてエバンスが続くと、ここからエバンスがいきなり実力を発揮して、オープニングラップでトップに浮上した。そして1周目はエバンス、富田、成田、岡野、今季限りで全日本フル参戦に区切りをつけるカワサキマシンの北原岳哲(#41)、山本のトップ6となった。2周目、ハイペースのエバンスに対して富田も必死に喰らいつくが、両者の間隔は約4秒に拡大。富田と成田のギャップは約9秒に拡大し、成田の後ろには岡野、北原、山本が数珠つなぎとなった。翌周も、エバンスと富田と成田の間隔はそれぞれ拡大。成田の後ろでは、山本が北原と岡野を抜いて順位を上げ、北原は7番手まで後退した。

4周目、山本が成田を抜いて3番手に浮上。翌周には岡野も成田を攻略した。レースが中盤に入ると、エバンスと富田はそれぞれ単独走行。16周目のファイナルラップまでその状態が続き、エバンスが優勝、富田が2位でゴールした。一方で3番手争いは、7周目になってそれまでより3秒ほどラップタイムを削った成田が、まずは岡野を再逆転して山本に接近。9周目には、成田が3番手に返り咲いた。その後、山本は僅差で成田をマーク。ちなみに山本が3位、成田が4位なら、ヒート1で山本のチャンピオンが決定する状況だった。そして14周目、一度は山本が再び成田を抜いたが、ここは成田が気迫の走りで抜き返した。昨年、ポイントリードを得ていながら転倒リタイアによりタイトルを逃した山本は、勝負を急がない戦略を選択。これにより成田が逃げ切って3位、山本が4位でゴールし、チャンピオン決定はヒート2に持ち越された。ホンダのマシンに乗る大塚豪太(#155)が、1周目9番手から追い上げて5位。岡野が6位となった。


今季最後の全日本決勝となったヒート2は、カワサキのマシンを駆る安原志(#45)のホールショットで幕を開けた。1周目は安原が順位を守り、これに富田、成田、岡野、エバンス、山本が続いてコントロールラインを通過。さらに2周目も安原がトップをキープし、エバンスは3番手まで順位を上げた。3周目、富田がトップに浮上。安原とエバンスが僅差で続き、成田は岡野を抜いて4番手に順位を回復したが、エバンスとの差は約6秒に広がった。冷静にレースを組み立てるエバンスは無理をせず、4周目に安原をパスしてまずは2番手に浮上。前が開けたことで今度は一気にペースを上げ、3秒近かった富田との距離を翌周だけで詰めて、トップに立った。

一方、4番手争いでは成田と岡野が接戦を演じ、4周目に岡野が再び先行。すると翌周、靭帯を断裂している膝を再び痛めた成田は大きく遅れ、9番手に後退した。レースが中盤に入ると、エバンスと富田の距離は徐々に拡大。レースは再びエバンスが勝利を収め、富田が2位となった。7周目、ペースが落ちた岡野を山本が捉えて逆転。これで4番手に浮上した山本は、4秒ほど先行する安原との距離を縮めていった。山本は、ポイントが獲得できる20位以内でゴールすれば、成田の順位に関わらずチャンピオンが決定できる状況だったが、このヒートでは表彰台圏内でのゴールを目指して力走。11周目に安原を抜いた山本は、16周目の最終ラップまでに安原を引き離して、3位で2017年以来2度目の全日本最高峰クラスタイトル獲得を決めた。安原が4位、2周目9番手からこのヒートでも追い上げた大塚が5位、岡野が6位となった。


「楽しく走れました。コースも日本も好きです。そして山本選手、チャンピオンおめでとうございます」とエバンス。堅実な走りでシリーズタイトル獲得を決めた山本は、「昨年のこともあったので、とにかく緊張しましたが、いい日になったと思います。日本のIA1も簡単に勝てるカテゴリーではなく、今季はケガの影響でマシンに乗りはじめてすぐに開幕を迎えたので、厳しい戦いが続きましたが、周囲の支えにより乗り切ることができました。みんなでつかみ取ったチャンピオンです」と感謝を述べた。




スポット参戦した渡辺祐介が
地元東北での大会で両ヒート制覇

ヒート2で激しいトップ争いを演じて
チャンピオンに輝いた横山遥希



この2年間は米国AMAプロモトクロス選手権に挑戦してきた渡辺祐介(#110)が、前戦に続いてスポット参戦。決勝ヒート1では、その渡辺がホールショットを奪ったが、すぐに鳥谷部晃太(#37)が先頭に立った。1周目は鳥谷部、渡辺、小川孝平(#912)、大木汰一(#48)、ポイントリーダーの横山遥希(#386)、そして12点差のランキング2番手につけていた大倉由揮(#36)のトップ6。しかし2周目、横山が大木を抜いて4番手に浮上する一方で、大倉は転倒により平田優(#81)に次ぐ8番手まで順位を落とした。3周目、渡辺がトップに浮上。鳥谷部と小川と横山は2番手争いを繰り広げ、大木と平田と大倉がそれぞれ間隔を開けて続いた。

4周目、小川が鳥谷部を抜いて2番手に浮上した。ここからしばらく、渡辺が3〜4秒ほどのアドバンテージをキープし、小川と鳥谷部が2番手争いを演じ、数秒離れて横山と平田が4番手争いを展開。大倉は6周目に6番手まで浮上したが、この段階で前とは約9秒差になっていた。7周目に小川はミスで5番手に後退し、鳥谷部およびこれに追いついた横山と平田が、2番手争いをスタート。この中で平田が順位を上げ、ラスト5周となった11周目に2番手の位置を手に入れた。このとき、渡辺は5秒ほど先行。平田は後続を振り切りつつその距離を縮めたが勝負には持ち込めず、渡辺が優勝、平田が2位となった。終盤に横山を引き離した鳥谷部が3位。横山が4位、大倉が5位、小川が6位に入賞した。


横山のポイントリードが14点に拡大して迎えたヒート2。横山は9位以内でゴールすれば、大倉の順位に関係なく自力でチャンピオンが決定できる状況だったが、ホールショットを奪ってトップに立つと、積極的にレースをけん引していった。これに続いたのは渡辺、大木、内田篤基(#38)、鳥谷部、西條悠人(#04)。しかし2周目に大木は転倒して、大きく順位を下げた。3周目、内田と接戦の3番手争いを繰り広げていた鳥谷部も転倒。横山と渡辺がトップ2を形成し、内田が前後に間隔のある3番手となった。5台ほどによる4番手争いでは、1周で一気に9番手からポジションを上げた大倉が、集団の先頭に。翌周以降、大倉は内田との約5秒差を削っていった。そして6周目、大倉は内田の攻略に成功。しかしこのとき、2番手の渡辺は約11秒も先行していた。

トップ2では、渡辺が横山を1秒ほど後方でマークし続けていたが、10周目に勝負を仕掛けて渡辺が逆転。翌周、渡辺はペースを上げて横山を引き離しにかかったが、これに横山が対応して、接近戦が継続された。ラスト4周となった13周目、渡辺のミスを見逃さずに横山が逆転。翌周には渡辺が再び先行したが、今度はすぐに横山が抜き返した。このバトルが繰り広げられている間に、大倉は前との距離を詰め、加えて15周目にはこのレースのファステストラップタイムを叩き出して、最終ラップには横山と渡辺と大倉による三つ巴の優勝争いとなった。そのコース終盤、渡辺が横山をパス。横山は最終コーナーでさらなる逆転を狙ったが、ここは渡辺に阻まれて横山はバランスを崩し、その背後にいた大倉が転倒した。そしてレースは渡辺が再び勝利を収めて、横山が2位、大倉が3位。これで横山のシリーズタイトル獲得が決まった。レース中盤に内田を抜いた平田が4位、内田が5位、西條が6位に入賞している。


両ヒート制覇の渡辺は、「AMAの今季最終レースでケガをしてしまい、バイクに乗れていないまま全日本の前戦にスポット参戦しましたが、状態はよくなっています。とはいえヒート2は横山選手が速くて、ちょっと情けない優勝になってしまい申し訳ありません」と、地元東北のファンに笑顔で挨拶。チャンピオンに輝いた横山は、「ヒート1はプレッシャーからカラダが動かず、表彰台にも乗れなかったので、ヒート2は思いっきり走ろうと誓っていました。でも渡辺選手に負けてしまったので、明日からまた努力します」と、すでに来シーズン以降を見据えていた。




ヒート1は袴田哲弥との接戦を制し、
ヒート2は独走で勝利した中島漱也

中島はヒート2でも勝ったことで
シーズン10勝の大台に



決勝ヒート1は土曜日に実施されたことから、大幅にショートカットされた1周1分ほどのコースで競われた。ホールショットは岩崎優(#90)。これに西元気(#3)が続いた。スタート直後のコーナーでは、5台のマシンがクラッシュ。前戦で両ヒート制覇を達成した村野晟弥(#12)や、地元大会に燃える阿部晴基(#75)らがこれで出遅れた。岩崎も1周目にミスで大きく後退し、西がトップに浮上。これを袴田哲弥(#34)と、前戦でシリーズタイトル獲得を決めた中島漱也(#215)、小笠原大貴(#1)、堀越秀鷹(#33)が追った。2周目、袴田が西を抜いてトップを奪取。これに中島も続き、西の背後には小笠原と堀越が迫った。3周目に小笠原、4周目に堀越が西を抜き、トップ5は縦長の隊列に。しかし5周目になると3番手以下は遅れはじめ、先頭争いは袴田を3秒ほどの差で中島が追うマッチレースとなった。

レース中盤、袴田は少しずつリードを拡大。10周目の段階で、両者の間隔は約6秒に広がっていた。しかし11周目から中島が少しずつ接近し、16周目に一度は中島が逆転。ここはすぐに袴田が抜き返したが、翌周に再び中島が先行した。袴田も最終ラップの21周目まで中島を僅差で追ったが、再び逆転することはできず。中島が優勝、袴田が2位となった。3位争いはレース後半、1周目8番手から追い上げてきた佐野雄太(#4)を含めた4台による接近戦。ここで順位を落とした堀越は、その後に転倒して大きく遅れ、佐野が15周目に西を抜いた。そして佐野が3位、佐野と同じ周に西を攻略した小笠原が4位でゴール。5位には1周目10番手から追い上げた阿部佑基(#5)が入り、スタート直後の転倒から巻き返した阿部晴基が最終ラップに西を抜いて6位となった。


日曜日の決勝ヒート2は、フルコースでのレース。岩崎がホールショットを奪い、阿部晴基と佐藤沙弐(#21)、そして中島が続いた。ここから一気に順位を上げたのは中島。オープニングラップでトップまで浮上し、阿部晴基と岩崎、袴田、佐藤、阿部佑基、西が追った。2周目、中島は早くもリードを約10秒に拡大。2番手には岩崎が浮上し、これに袴田が僅差で迫った。翌周、袴田が岩崎をパスし、3番手に後退した岩崎の背後には阿部佑基。やや間隔を開けて佐藤が5番手を確保し、1周目2番手の阿部晴基はミスにより6番手まで順位を下げた。トップの中島は、レースが中盤に入った段階ですでに完全な独走状態。最後までその速さを惜しみなく披露して、トップチェッカーを受けた。

袴田が5周目にミスで5番手に下がり、これで阿部佑基が2番手。すでにトップの中島は完全に先行していたが、後続ともこの段階で約11秒の間隔が広がっていて、阿部佑基はポジションを守って2位でゴールした。この5周目には岩崎、佐藤、袴田が接近戦を繰り広げていたが、翌周には袴田が再びミスを喫して完全に後退。代わって小笠原が5番手に浮上したが、その小笠原と佐藤は7周目に同じ場所でマシンを一時ストップさせ、佐藤は7番手、小笠原は14番手と遅れた。これで阿部晴基が4番手に上がったが、後方からは西も迫り、レース終盤は岩崎と西と阿部晴基による表彰台争い。最終ラップとなった10周目に西は大きく遅れ、岩崎が順位を守り切って初表彰台となる3位でフィニッシュした。阿部晴基が4位、佐藤が5位、1周目11番手から追い上げた佐野が6位に入賞した。


両ヒート制覇を果たした中島は、「前戦でチャンピオンは確定させられましたが、レースでは両ヒートで2位と悔しい思いをしたので、この最終戦は絶対に両ヒートとも勝つと誓って臨みました。来年はIAで上を目指します」と宣言した。




レースでは前半にトップを走り、
全日本初タイトル獲得の本田七海



11点リードのランキングトップでこの最終戦を迎えた本田七海(#6)がホールショット。2番手以下はスタート直後から順位を入れ替え、川井麻央(#2)と久保まな(#5)、ランキング2番手の竹内優菜(#4)、今季はウィメンズモトクロス世界選手権に挑戦した昨年度女王でスポット参戦の畑尾樹璃(#1)が続いて、1周目をクリアした。ここまでの5台がトップグループを形成し、6番手に浮上した楠本菜月(#9)は7秒ほど後方。2周目に入るとトップグループは縦に長くなり、3周目にはトップの本田が2番手の川井に対して約5秒までリードを拡大した。

すると4周目、ここまで久保に肉迫するもパスできずにいた竹内がペースを上げ、久保と川井を次々にパス。これで2番手に浮上した竹内は、4秒以上あった本田のアドバンテージを翌周だけでほぼ削り取り、背後に迫った。そして6周目に竹内が先行。抜かれた本田はここから急激にペースアップして、竹内を僅差でマークしたが、ラストラップとなった8周目に竹内がファステストラップタイムを叩き出して逃げ切り、竹内が優勝、本田が2位となった。3番手以下は、レース後半になってそれぞれ単独走行になり、川井が3位、久保が4位、畑尾が5位、楠本が6位でチェッカーを受けた。

この結果、シリーズタイトルは本田が獲得。初めてのチャンピオンに輝いた本田は、「緊張してカラダが動かず、本当は最終戦も勝って決めたかったので悔しいですが、長い間みなさんをお待たせして、いろんな方々に支えられながらようやくチャンピオンになれたのでうれしいです」と、これまでのサポートと応援に感謝。また竹内は、「目指していたのはチャンピオンなので、優勝したのに今年一番悔しい気持ちですが、本田選手におめでとうと言いたいです」と祝福した。




序盤に一度は転倒を喫したが
清水雷土が圧倒的速さで総合優勝



キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、1周1分30秒ほどのショートカットコースを使用して、8分+1周で競われた。4ストローク50ccマシンが走るAクラスに9名、2ストロークマシンで参加できるBクラスには7名がエントリー。レースは、ホールショットの清水雷土(#2)に佐藤吉弥(#448)と清宮楓矢(#229)が続き、Bクラス勢が上位を占めてスタートした。ところが1周目の後半で、トップの清水が転倒。これを避けようとした清宮も転倒を喫した。

これによりトップには佐藤が立ち、復帰した清水が2番手で1周目を通過。清宮も3番手でレースに復帰したが、清水からは12秒ほど遅れてしまった。4番手以下は、Aクラスの門岡亜珠(#91)、Bクラスの永澤匠真(#66)、Aクラスの酒井隆成(#1)、Bクラスの阿部一斗(#3)の順。2周目、佐藤がストップした間に清水がトップに返り咲いた。3周目以降、清水は快調にトップをキープ。そのまま後続を大きく引き離してチェッカーを受け、総合優勝に輝いた。レース終盤、2番手を守っていた佐藤の背後に阿部、清宮、酒井、永澤、門岡が僅差で続き、6台による2番手争い。最終ラップに佐藤を抜いた阿部が総合2位、佐藤が総合3位、清宮が総合4位でフィニッシュした。そして、Bクラス勢に混ざって接近戦を演じた酒井が、総合5位でAクラス優勝を果たした。