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'19全日本モトクロス選手権第7戦 HSR九州大会

↑'19スケジュール




全日本モトクロス選手権シリーズは、いよいよシーズン終盤戦。開幕の地として定着している熊本県のHSR九州で、第7戦が実施された。
2014年のフルリニューアルにより、ダイナミックなレイアウトが取り入れられたコースは、今回も細部の仕様が変更された。阿蘇の火山に由来する黒土が本来の土質だが、これまでも山砂や川砂などを搬入してきた実績があり、今大会前にも一部セクションに山砂を取り入れながらメンテナンスが施された。
大会が開催された週末には、台風19号が日本列島に甚大な被害を及ぼしたが、熊本県は影響が非常に少なく、路面は土日ともドライコンディション。両日とも風は強く、土曜日は曇天だったが、日曜日は爽やかな秋晴れに恵まれた。日曜日の最高気温は25度。観客数は2日間で6,934名となった。






地元九州での凱旋レースで
最高峰クラス初優勝の古賀太基

ヒート2では強さをみせた山本鯨が
28点リードのランキングトップに!



ケガにより欠場が続いていたカワサキトップチームの小方誠(#4)が、3戦ぶりに復帰。これまで米国AMAモトクロス選手権にフル参戦してきたホンダファクトリーチームの富田俊樹(#718)が、前戦に続いてスポット参戦した。さらに昨年のIA2チャンピオンで、今季はマシンをカワサキにスイッチしながらステップアップし、活動の拠点を富田と同じく米国AMAに移した古賀太基(#922)も、地元九州のレースに凱旋した。ランキングトップで今大会を迎えたホンダファクトリーチームの成田亮(#114)は、9月末にオランダで開催されたモトクロス・オブ・ネイションズで膝を負傷し、かなり厳しいコンディションでの参戦。この成田を、同じくホンダファクトリーチームから参戦する山本鯨(#400)が、わずか4点差で追って今大会に臨んだ。

決勝ヒート1は、富田がホールショット。これをすぐに古賀が抜き、1周目を古賀、富田、少し離れて山本、小方、ヤマハトップチームから出場する岡野聖(#8)の順でクリアした。2周目以降、富田はトップの古賀を僅差でマーク。この2台に山本が追いつき、トップ集団は一時3台となった。しかし5周目あたりから富田のペースが落ちはじめ、これを見て山本が翌周に逆転。抜かれた富田はその後もペースダウンを続けた。一方、2番手に浮上した山本は再びペースを取り戻し、トップの古賀に接近。9周目には背後につけ、翌周には逆転に成功した。

一方、同じ周には小方が富田をパス。これで表彰台圏内まで順位を上げた。富田のペースダウンはこの周あたりで落ち着き、むしろ翌周からは若干ながら回復傾向。とはいえラップタイムは小方のほうが速く、両者の間隔は開いていった。トップ争いは、山本が先頭に立ってからも古賀が僅差でマークを続ける状態。そしてラスト2周となった15周目、古賀がレース序盤と同じレベルまでラップタイムを再び上げて、再逆転に成功した。これで勝負を断念した山本はスピードを緩め、古賀の全日本最高峰クラス初参戦初優勝が決まった。山本が2位、小方が3位でゴール。富田は最後まで粘って4位、岡野は単独走行を続けて5位となった。


午後の決勝ヒート2は山本のホールショットで幕を開け、これに古賀と富田が続いた。さらにその後ろには、スズキのマシンを駆る深谷広一(#51)、岡野、カワサキを操る北原岳哲(#41)らがつけたが、上位勢はレース序盤から徐々に縦長の隊列となっていった。序盤の5周を終了した段階で、3番手の富田は2番手の山本から5秒近くのビハインド。さらに約3秒ずつ間隔を開けて深谷と岡野が続いた。山本は、トップを守る古賀との差を3秒程度に保って走行。しかし7周目あたりから古賀のラップタイムが落ちはじめ、これで古賀と山本は接近していった。

迎えたレース後半の10周目、山本が逆転に成功。前の周にベストラップタイムを記録した富田は、両者がバトルを繰り広げる間にも距離を詰め、2番手に後退した古賀の約4秒後方まで近づいた。山本に抜かれた古賀は、遅れることなくマークを続け、ヒート1と同様に接近戦。残り3周となった14周目には、再び古賀が先行した。しかし翌周、今度は山本が再逆転。最終ラップには、古賀がこのヒートのファステストラップタイムを叩き出して猛追したが、山本もほぼ互角のタイムを記録し、0.334秒差で逃げ切った。富田はこの2台に再び引き離されて3位。深谷が4位、岡野が5位となった。ケガをかばいながらの走行を続けた成田は、ヒート1が14位でヒート2が13位に終わり、2位と優勝で大量ポイントを得た山本が、成田と28点差のランキングトップに躍り出た。


「約1年ぶりの全日本で優勝できて、とてもうれしく思っています。AMAは全日本よりも厳しい世界ですが、来年はスーパークロスにも挑戦します。またいつか、さらに成長した姿を日本の方々にも見せたいです」と古賀。ポイントリーダーとなった山本は、「チャンピオン争いのことも考えながらの難しいレースでしたが、古賀選手とクリーンなバトルができて、ヒート2はチャンピオンを獲るのにふさわしい走りもできたと思うので満足しています」と振り返った。




大倉由揮はヒート1の優勝により
一時は横山遥希と6点差に迫った

スポット参戦した渡辺祐介は
ヒート2で実力をみせつけて優勝



ヒート1は、ポイントリーダーの横山遥希(#386)がホールショット。9点差で横山を追う大倉由揮(#36)がすぐに抜き、ランキング3番手の平田優(#81)が両者に続いた。2017年のIA2チャンピオンで、この2年は米国AMAモトクロス選手権に挑戦してきた渡辺祐介(#110)が、AMAのシーズン終了を受けてスポット参戦。しかしその渡辺はスタートで大きく出遅れ、1周目9番手からのレースとなった。レース序盤、横山がトップの大倉に肉迫するが、大倉も必死に順位を守って周回。この2台に、地元出身の森優介(#54)を振り切った平田が近づき、トップ集団は3台になった。

レース中盤、渡辺が6番手から4番手まで順位を上げ、横山がわずかにミスして大倉から離れたことから、9周目の段階ではトップの大倉から4番手の渡辺までが、2〜3秒ずつ間隔を開けた縦長のトップ集団化。レース終盤、ここから横山が再び大倉との差を削り取り、接近戦となった。3番手の平田も、11周目からペースアップ。さらに渡辺も追い上げた。14周目、さらにラップタイムを短縮した平田が、大倉を攻略できずにいた横山をパス。抜かれた横山には渡辺が迫ったが、ここは横山が守った。そして最終ラップとなった16周目に、横山がファステストラップタイムで逆襲。平田をパスすると、最後は大倉に迫った。しかし0.841秒差で逃げ切った大倉が優勝。横山が2位、平田が3位、渡辺が4位となった。森は8周目から順位を守って5位。一時は8番手まで後退した鳥谷部晃太(#37)が、盛り返して6位に入賞した。


決勝ヒート2では、渡辺がホールショット。ヒート1はスタートの失敗と途中の転倒が響いて7位に終わった地元の石浦諒(#954)が、1周目2番手につけた。その後方には平田と手操将志(#49)。横山と大倉は大きく出遅れ、オープニングラップを横山が9番手、大倉が13番手でクリアした。レースは、序盤から渡辺が徐々にリードを拡大。一方、石浦と平田は僅差の2番手争いを展開した。6周目、平田が石浦をパス。この段階で渡辺のアドバンテージは約7秒となっていたが、翌周以降もその差は開いていった。

横山は、5周目に4番手へ浮上すると、その後も必死の追い上げを続けて、9周目には石浦をパス。勢いを保ったまま今度は平田に迫り、翌周には逆転を果たした。しかしこのときすでに、トップの渡辺は12秒以上も先行。15周のレースは渡辺の独走優勝となり、横山が2位でフィニッシュした。レース終盤、石浦は数秒差で3番手の平田をマーク。最終ラップに入った段階では3秒差がついていたが、最後にこれを逆転し、石浦が3位表彰台に上がった。平田が4位、大倉が5位、手操が6位。今大会の結果、横山のポイントリードは12点に拡大した。


昨年最終戦以来の全日本スポット参戦となった渡辺は、「久しぶりの全日本で緊張していて、ヒート1はスタートで大失敗。その後もペースがつくれずに終わりましたが、ヒート2はそれらの課題を修正できました。最終戦にも出場します」と、表彰台の頂点で笑顔をみせた。また両ヒート2位でランキングトップを守った横山は、「ヒート2はスタートで出遅れてしまいましたが、最後まで諦めずに走れた点はよかったと思います」と、自分のレースを冷静に評価していた。




レースでは両ヒートで負けたが
年間タイトル獲得を決めた中島漱也

両ヒートで圧倒的な速さを披露して
初優勝&ピンピンの村野晟弥



土曜日に実施された決勝ヒート1は、村野晟弥(#12)がホールショットを奪った。岩崎優(#90)と西元気(#3)、予選総合トップ通過の近藤雄紀(#10)らがこれに続くと、小笠原大貴(#1)が近藤をパス。1周目だけで村野は約3秒リードし、2番手以下には岩崎、西、小笠原、近藤、佐々木優(#7)が続いた。ポイントランキングを独走する中島漱也(#215)は大きく出遅れたが、スタート直後から積極的に順位を上げて、阿部佑基(#5)に次ぐ8番手で1周目をクリアした。2周目、小笠原が西を抜いて3番手に浮上。西の後方には10台以上が数珠つなぎとなり、この大集団の中で中島が、阿部と佐々木と近藤を抜いて順位を上げた。

この2周目、トップを走る村野のリードは早くも約6秒にまで拡大。さらに翌周、村野のアドバンテージは約9秒にもなった。この3周目、中島は西をパス。2番手岩崎と3番手小笠原と4番手中島の間隔は、それぞれ3秒ほどという状態になった。レースが中盤に入った4周目、西は転倒により大きく後退。中島から5秒ほど遅れた5番手は岩崎、そこから少し離れて牟田口侑大(#9)や近藤らが6番手争いの集団を形成した。レース後半、トップの村野は完全に独走状態。一方で岩崎と小笠原と中島の距離は詰まり、2番手争いがスタートした。すると8周目、岩崎がミスにより4番手にポジションダウン。同じ周に中島は小笠原を抜いた。この段階で村野のリードは20秒近く、ラップタイムも圧倒的。そのまま独走した村野が勝利を収め、中島が2位、小笠原が3位となった。レース終盤、4番手の岩崎に1周目16番手から追い上げてきた佐野雄太(#4)と佐々木が迫ったが、最終ラップの11周目に佐野が転倒。これで岩崎が4位、佐々木が5位、最終ラップに牟田口を抜いた近藤が6位となった。ランキング2番手だった袴田哲弥(#34)がマシントラブルで予選落ちし、同3番手だった佐野が19位に終わったことから、ヒート1終了時点で中島のシリーズタイトル獲得が決まった。


日曜日最初の決勝となったヒート2は、再び村野のホールショットで幕を開けた。オープニングラップで順位を上げた中島がこれに続き、さらに岩崎と小笠原と近藤が追って1周目をクリア。しかし2周目に入ると岩崎以下はやや遅れ、早くも村野と中島の争いに絞られた。3周目には3番手走行中だった岩崎が転倒。これで順位を上げた小笠原と近藤の3番手集団は、すでに2番手の中島から約12秒も遅れていた。一方、村野と中島のトップ争いでは、5周目終了時点で2番手の中島がトップの村野に対して約5秒遅れと粘っていたが、翌周から中島のペースが落ち、これで一気に村野のリードが拡大した。

終わってみれば、村野は再び約20秒のアドバンテージを築く完全独走。全日本初優勝と同じ大会で、両ヒート制覇も達成した。中島は最終ラップの11周目まで単独走行を続けて、再び2位でゴールした。一方、3位争いは終盤まで混戦。6周目に小笠原を抜いた近藤が3番手に浮上したが、その後方には1周目9番手から追い上げてきた佐野が迫った。10周目、近藤がコースアウトしかけるミスにより佐野が先行。しかしラストラップで近藤が抜き返して、近藤が全日本初表彰台登壇となる3位、佐野が4位となった。最終ラップに4台となったバトルを制した小笠原が5位、阿久根芳仁(#49)は一歩届かず6位となった。


最終戦を待たずにチャンピオンを決定した中島は、「このコースでの開幕戦では、不甲斐ない走りで両ヒート2位でしたが、それ以降はマシントラブルで予選落ちした第3戦を除けば勝ち星を積み重ねられました。チャンピオンが決まってうれしいですが、村野選手にぶっちぎられて悔しいですし、来年はIAルーキーとして暴れてやるという気持ちも強いです」と、チャンピオン獲得の喜びと同時に、負けた悔しさと来年への想いについても語った。一方、両ヒート制覇の村野は「まさか両ヒートとも勝てるとは思いませんでした。カッコいい走りができたんじゃないかと思います」と、絶叫で感謝を述べて喜びを表現した。




竹内優菜との直接対決を制して
ポイントリードを拡大した本田七海



ポイントリーダーの本田七海(#6)がホールショット。これを久保まな(#5)とランキング2番手の竹内優菜(#4)が追ってレースがスタートした。さらにその後ろには、ランキング3番手の川井麻央(#2)、そのチームメイトとなる小野彩葉(#10)、今季は世界選手権に挑戦した昨年度女王でスポット参戦の畑尾樹璃(#1)が縦長に続いて、1周目をクリアした。2周目、本田と久保と竹内が接戦を繰り広げ、3秒ほど遅れて川井が4番手をキープ。翌周、6番手の畑尾はミスにより後退し、木下宙(#42)がひとつ順位を上げた。4周目、竹内が久保を抜いて2番手にポジションアップ。同じ周、トップグループとの距離を詰めはじめていた川井が転倒を喫して、小野の後ろで復帰した。

5周目以降、久保はトップ2台についていけず、これで優勝争いは本田と竹内のマッチレースに。周回遅れが多数発生する状況でもバトルが続き、5周目に竹内が先行した。しかし抜かれた本田も遅れることなく竹内をマーク。残り2周となった7周目に、再び本田が先行した。最終ラップは、竹内が本田に肉迫。ゴール直前までパッシングを試みたが、最後まで本田が守り、0.404秒差で逃げ切って今季4勝目。これで本田は、ポイントリードを11点に拡大して次の最終戦に臨むことになった。久保は単独走行の3位でゴール。川井は、転倒から復帰してすぐに小野を抜いて4位。小野が5位、木下が6位に入賞した。


優勝した本田は、「前戦からチャンピオンを意識しすぎてしまい、今大会の予選もうまく走れず、決勝に向けてとても緊張した状態でした。でもチームの支えで勝つことができて、とてもうれしく思っています。残り1戦、気を抜くことなくシリーズタイトル獲得に向けて走ります」と宣言した。




終盤に接戦を制した石松栞太が
総合2位でAクラス優勝


キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、1周1分ほどのショートカットコースを使用して、8分+1周で競われた。2ストロークマシンで参加できるBクラスは1名のみで、4ストローク50ccマシンが走るAクラスには12名が出場。レースは、唯一のBクラスとなる清水雷土(#2)がホールショットを奪うと序盤から完全に独走して、そのままトップでチェッカーを受けた。

総合2番手争いは黒木翔太(#45)、羽田悠馬(#49)、桑津理仁(#95)、石松栞太(#41)が1周目から集団を形成した。2周目には羽田が先頭に立ち、レースが中盤に入った4周目あたりから黒木がやや遅れたが、レース後半になっても3台による接戦が続き、羽田を石松と桑津が僅差で追った。そして10周目のラストラップで、石松が羽田を逆転。約0.8秒差で石松が逃げ切ってAクラス優勝に輝き、羽田が総合3位でAクラス2位、最後に数秒離された桑津が総合4位でAクラス3位となった。