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'19全日本モトクロス選手権第3戦 中国大会

↑'19スケジュール




全日本モトクロス選手権シリーズの2019年第3戦中国大会は、広島県南東部にある世羅グリーンパーク弘楽園が舞台。2017年の全日本開催前に大規模なレイアウト変更などが施されたコースは、標高400mほどの高原エリアにあり、丘陵の起伏を生かしたアップダウンと、ハイスピードなセッティングで知られてきた。一昨年の改修時には、この特徴を踏襲しながら、よりテクニカルなセクションが盛り込まれ、その後に連続ジャンプの個数削減やフープスの廃止などが施された。そして今年は、この基本レイアウトを踏襲しながら、細部の仕様が見直されている。
天候は、土曜日が晴れで日曜日が曇り時々晴れ。土曜日は午後からとくに日差しが強く、最高気温26度の汗ばむ陽気となったが、日曜日の最高気温は23度にとどまった。今大会の観客数は、2日間で3,307名となった。





タイム差が少ない神経戦を制して
ヒート1で今季2勝目の成田亮

最終ラップに巡ってきたチャンスを
優勝という結果につなげた深谷広一



決勝出走は22台。ヒート1では、ホンダのマシンを駆る広島出身の長門健一(#23)が好スタートを決め、これをホンダファクトリーチームの山本鯨(#400)と成田亮(#114)がパス。3番手に後退した長門の背後に、ホンダに乗る横澤拓夢(#322)、カワサキトップチームから参戦する小方誠(#4)、ホンダのマシンを操る大塚豪太(#155)、ヤマハトップチームの岡野聖(#8)らが続いた。2周目、山本を抜いた成田がトップに浮上。長門はミスにより順位を落とし、上位勢は成田、山本、横澤、小方、岡野が縦に長く続いた。4周目に入ったところで、小方が横澤をパスして3番手。成田と山本と小方が後続を引き離して、トップグループを形成した。横澤は岡野の接近も許し、5周目に岡野が4番手に順位を上げた。

この段階で、トップ3は岡野よりも6秒ほど先行し、それぞれの間隔が1秒ほどの接近戦。しかし互いに勝負の決定打が見つからず、3台が1〜2秒ほどの間隔で続く膠着状態となった。7周目、トップグループの中で山本が小方を先行させ、これで成田、小方、山本のオーダー。すると9周目、リズムを掴んだ成田が1秒ほどペースを上げた。小方と山本もこれに対応してペースアップを図ったが、速さを維持する成田に対して、1周につき小方はコンマ数秒から1秒ほど遅れていった。また山本も、小方に対してコンマ数秒ほどラップタイムで遅れる周が多数となった。そしてレースは17周でチェッカーとなり、最後まで逃げ切った成田が優勝。小方が2位、山本が3位となった。岡野は4位を守ってフィニッシュ。スズキのマシンを駆り広島のチームから参戦する深谷広一(#51)が、1周目16番手と出遅れながらも激しい追い上げをみせ、ラスト2周で横澤をパスして5位となった。


午後の決勝ヒート2は、ヤマハのマシンに乗る星野優位(#166)がヒート1のスタート直後に6連ジャンプで転倒して負傷したことから、21台の出走となった。ホールショットは小方。これに山本と大塚が続き、深谷やこちらもチームの地元が広島となるKTMライダーの池谷優太(#793)がオープニングラップで順位を上げた。1周目は小方、山本、深谷、池谷、大塚、岡野、ホンダに乗る星野裕(#6)、成田のオーダー。2周目に入ったところで、山本が小方を抜いてトップに浮上し、この山本から4番手の池谷までが集団からやや抜け出すカタチとなった。星野裕と成田は岡野を抜き、3周目には星野裕が5番手の大塚に接近。一方で成田は、前を走る大塚と星野裕から、1秒ほど離れて周回を続けた。しかし5周目、成田はまず星野裕を攻略。翌周には大塚もパスして、成田が5番手に浮上した。

この段階で、トップ集団はそれぞれ2〜3秒ほどの間隔を開けた縦に長い展開。成田は、4番手の池谷から約5秒遅れだった。レース中盤、山本と小方と深谷は再び距離を詰め、ペースが落ちた池谷はトップグループから脱落。8周目には、この池谷を成田が抜いた。これで勢いに乗った成田は終盤にかけてペースを上げ、トップグループに接近。ラスト3周となった15周目、3番手を走っていた深谷をパスした。成田は、翌周に小方の攻略にも成功。最終ラップに入る段階で、トップの山本をコンマ数秒差で成田が追い、この2台から3秒ほど離れて小方と深谷も接近戦となった。すると激しい優勝争いにより、山本と成田が接触して両者転倒。この間に小方と深谷が先行した。ここで勝負に出た深谷が、コーナー進入でやや強引に小方のインにマシンをねじ込み、逆転に成功。深谷が2016年第5戦ヒート2以来となる全日本最高峰クラス優勝を挙げ、小方が2位となった。転倒から再スタートした成田が3位、山本が4位でゴール。大塚に競り勝った星野裕が5位となった。


ヒート1で勝利した成田は、「ヒート1は、小方選手と山本選手があまり乗れていなかったことで得られた勝利」と謙遜。ヒート2で自身2度目の全日本最高峰クラス優勝を手にした深谷は、「チームの地元なので表彰台には立ちたいと思っていましたが、思いがけず優勝が狙えることになり、ちょっと強引でしたが勝ちにいきました。ラッキーもありましたが、言葉にならないくらいうれしいです」と表彰台中央で声援に応えた。




ヒート1で鋭い速さを披露して
IA初優勝を挙げた大城魁之輔

2位を重ねてきた大倉由揮が
ヒート2でついにIA初勝利を獲得



決勝ヒート1で好スタートを決めたのは道脇右京(#43)。これに続いたポイントリーダーの横山遥希(#386)は混戦の中で遅れ、2番手には大城魁之輔(#40)、3番手には2016年に全日本フル参戦からは引退したスポット参戦の田中教世(#85)、大木汰一(#48)が続いて1周目をクリアした。大倉由揮(#36)もスタート直後に好位置を走行していたが、ふたつ順位を落として1周目6番手。ランキング2番手の平田優(#81)が大倉に続き、横山は同9番手からのレースとなった。2周目、大城が道脇をパスしてトップに浮上。3周目には、大城と道脇と田中がやや縦に長いトップグループを形成したが、翌周以降に田中は後退した。

これで大城と道脇が2秒ほどの差でトップ争い、そこから約6秒の間隔を開けて大倉と大木が3番手争いという展開。道脇は大城のマークを続けたが、レース中盤になって大城がじわじわとアドバンテージを拡大していった。10周目以降、道脇のペースがやや落ち、大城のリードは約7秒に。道脇の背後には、大木を振り払った大倉が迫った。7周目には、この大木を抜いた平田が4番手、横山が5番手に浮上。その後、平田と横山の差は詰まったり広がったりを繰り返した。道脇は、大倉のマークを受けながらも粘り強く順位を守ったが、ラスト2周となった16周目に大倉が逆転に成功。レースは、大城が最後は独走して全日本IAクラス自身初の優勝を手にし、大倉が2位、道脇が3位となった。終盤に平田を抜いた横山が4位、平田が5位。1周目15番手から追い上げた内田篤基(#38)が6位となった。


決勝ヒート2は、大城の好スタートで幕を開けた。これに続いた大木を、すぐに大倉がパスして、1周目は大城、大倉、大木、西條悠人(#04)、横山、石浦諒(#954)のオーダー。2周目、西條と石浦が接触転倒し、石浦がその場で負傷リタイア、西條もその後にリタイアとなった。大城は、ヒート1に続いて逃げ切りを図ったが、1〜2秒差で大倉がしっかりマーク。3周目、横山が大木をパスして3番手に浮上して、5秒ほど前を走る大倉を追った。ヒート1で3位の道脇はスタートでやや出遅れ、1周目8番手からの追い上げレース。4周目には4番手に浮上したが、この段階で3番手の横山は8秒ほど先行していた。

5周目、大倉が大城を抜いてトップに浮上。大城も必死に喰らいついたが、じりじりと離されていった。そしてレースが後半を迎える8周目には、大倉と大城と横山がそれぞれ3秒前後の間隔を開けた、縦に長いトップグループが形成された。4番手争いでは、7周目に浅井亮太(#42)と内田が道脇を抜き、両者を道脇が僅差で追った。9周目以降、ややペースが上がらない大城が大倉に離され、逆に大城の背後には横山が接近。11周目に、横山が大城を抜いた。この段階で、トップの大倉は7秒以上のアドバンテージを築いていた。そしてレースは、大倉がIAクラスでは自身初となる全日本優勝。一度は横山に離された大城は、ラスト2周となった15周目にペースを上げて横山の2秒後方まで迫ったが、最後は横山が逃げ切って2位、大城が3位となった。ラスト4周で浅井を抜いた内田が4位、その翌周に浅井を攻略した道脇が5位、浅井が6位となった。


ヒート1で優勝した大城は、「これまで2戦は情けないレースを演じてきました。ようやく勝てましたが、まだ1勝しただけなので、これから勝利を重ねていきたいです」とコメント。ヒート2で勝利を収めた大倉は、「やっと勝てました。ずっと悔しい思いをしてきて、必死に練習してきました。いまはとてもうれしいですが、気を引き締め直して、次は両ヒート制覇を狙います」と、両者とも早くも次戦以降を見据えていた。




激しいトップ争いを制して
ヒート1で全日本初優勝の袴田哲弥

ヒート2では大差を逆転した袴田が
今季3人目のIB両ヒート優勝者に



予選レースでは、ここまでランキングトップだった中島漱也(#215)が、マシントラブルにより組別15位で決勝進出を逃す波乱が起きた。土曜日の最終レースとして実施された決勝ヒート1では、小笠原大貴(#1)がホールショットを奪い、これに上原巧(#31)や中島とわずか2点差のランキング2番手につけていた佐野雄太(#4)、矢野大介(#6)らが続くと、まずは矢野がトップへ浮上。3番手に後退した小笠原は転倒を喫し、これに榊流星(#45)が巻き込まれて大きく出遅れた。1周目のトップグループは佐野、上原、高師永潤(#53)、岩崎優(#90)、袴田哲弥(#34)、矢野、牟田口侑大(#9)のオーダー。2周目、ここから矢野が遅れた。3周目、袴田が岩崎と高師を抜いて3番手に浮上。6番手の牟田口までが縦に長い集団を形成すると、4周目には上原が集団の一番後ろまでポジションを落とし、2番手に浮上した袴田はトップの佐野に迫った。また、同じ周に牟田口は高師をパスして、4番手に浮上した。

レースが後半に入った6周目、岩崎が転倒により6番手へ後退。これでトップ6は、佐野と袴田が僅差の先頭争いを演じ、4秒ほど遅れた3番手の牟田口を、高師が2秒ほどの差で追い、5秒ほど離れて上原が5番手、約4秒離れて岩崎が6番手となった。7周目、佐野と袴田のトップ争いが激しさを増すと、8周目に入るところで袴田が先行。レース終盤、トップに立った袴田は後続を引き離し、11周目終了時点でチェッカーを受けて全日本初優勝を挙げた。佐野が2位、最後まで佐野をほぼ同じ間隔で追った牟田口が3位で表彰台に登壇。7周目に牟田口のアドバンテージ拡大を許した高師が4位、9周目に上原を再逆転した岩崎が5位、上原が6位に入賞した。


日曜日最初の決勝レースとなったヒート2は、スタート直後のコーナーでマルチクラッシュが発生。ヒート1終了時点でランキングトップに立っていた佐野が、このアクシデントで指をケガしてリタイアとなった。さらに、ヒート1で3位に入賞した牟田口は、大きく遅れた最後尾でレースに復帰。榊と関根凄太(#15)も完全に出遅れた。ホールショットを奪ったのは高師。小笠原と袴田がこれに続き、4番手の矢野は袴田から3秒ほど遅れた。2周目、トップの高師はリードを拡大。小笠原の背後には袴田が肉迫し、矢野が転倒で大きく順位を落とし、代わって4番手に浮上した岩崎、5番手の阿部晴基(#75)、6番手の崎原太樹(#62)は前後の間隔が開いた状態で走行し、小川永資(#16)を先頭とした7番手争いは大混戦となった。

3周目、小笠原と袴田が激しい2番手争いを演じ、コースアウトと転倒を喫するアクシデントが発生。両者とも同じ順位でレースに復帰したが、この間に高師のリードは約20秒にまで広がった。岩崎は大きく後退し、阿部が4番手に浮上。その後方では大嶋康聖(#19)が浮上してきた。4周目、袴田は小笠原をパスして2番手に浮上。レース前半が終わる5周目の段階で、高師のアドバンテージは約16秒だった。しかしこの周あたりから、高師のペースが落ち、逆に袴田はスピードをほぼキープ。8周目の段階で両者の差が約10秒に縮まると、これで勢いづいた袴田は再び追い上げのギアを上げ、その後の2周で一気に高師の約1.4秒後方まで近づいた。迎えた最終ラップの11周目、袴田はあっさり高師をパス。そのまま逃げ切った袴田が勝利を収め、高師は2位となった。小笠原が3位、阿部が4位、大嶋が5位でゴール。6位には、1周目13番手から追い上げた佐々木優(#7)が入賞した。


両ヒート制覇の袴田は、「両ヒートとも完璧な走りではなかったのですが、優勝できてうれしいです。ヒート2は途中でアクシデントがあり、トップに追いつくのは厳しいかもと思いましたが、応援が励みになり、レース後半に差が詰まっていることが確認できたことで波に乗れました」と振り返った。




相性が良い広島のコースで
今季初勝利を手にした竹内優菜



ホールショットを奪ったのは川井麻央(#2)。これに続いた勝股七海(#7)を、竹内優菜(#4)や本田七海(#6)、小野彩葉(#10)がパスした。抜かれた勝股は転倒により後退し、これで5番手に浮上した久保まな(#5)が小野の攻略にも成功し、1周目は川井、竹内、本田、久保、小野のオーダーとなった。6番手以下はすでに大きく遅れ、雨宮舞美(#18)を先頭に縦長の第二グループを形成。2周目、川井と竹内が先頭争いを繰り広げ、竹内がトップに立った。本田は転倒を喫し、小野に次ぐ5番手に後退。3周目、トップの竹内はリードを拡大し、2番手の川井には久保が僅差で迫り、小野はコーナーでエンストして遅れ、この間に本田が4番手に浮上した。

レース前半が終わる4周目の段階で、2番手の川井に対するトップ竹内のアドバンテージは約7秒となり、久保は川井を2秒弱後方でマーク。4番手の本田と5番手の小野は、それぞれ前後の間隔が10秒程度開いた単独走行となった。5周目、久保は再び川井に迫ったが、粘る川井が順位をキープ。翌周、川井が一気に3秒ほどラップタイムを削って久保から数秒のリードを奪い、これで竹内に約6秒差と迫ったが、7周目には竹内がファステストラップタイムを刻んで再びリードを拡大した。そしてレースは8周で終了。竹内が今季初優勝を挙げ、川井が2位、久保が3位となった。本田は4位、小野は5位でフィニッシュ。6位には、レース中盤に清水夕稀(#19)と神田橋芽(#14)と田端紗名(#16)に僅差で追われながらも順位を守った雨宮が入った。


優勝した竹内は、「開幕戦と第2戦で勝利を逃して、バイクが嫌いになりそうでしたが、私の目標はチャンピオンになることなんだと気を取り直して臨み、得意な広島のコースで最高の結果を残すことができました」と笑顔をみせた。




圧倒的な速さを披露して
総合優勝を獲得した清水雷土


キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、ベストラップタイムが1分30秒程度になるようコースをショートカットして、8分+1周で競われた。国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスに7名、海外ブランドが力を入れる2ストロークマシンで参加できるBクラスに3名の、合計10名がエントリー。レースは、清水雷土(#2)がホールショットを決め、これに太田結馬(#35)と伊良皆龍翔(#25)が続き、パワーに勝るBクラス勢がまずは上位を占めた。しかし伊良皆と太田は、転倒などで1周目に相次いで大きく後退。これで清水が早くも独走状態となり、約15秒遅れて山根拓士(#64)と黒木翔太(#45)と熊谷春輝(#86)が、接近戦の2番手争いを繰り広げた。

2周目、熊谷はミスによりAクラスのトップグループから遅れ、山根と黒木は接戦を継続。清水は、さらにリードを拡大した。3周目以降、清水はペースアップを果たしながら完全な一人旅状態。黒木は山根のマークを続けていたが、徐々にその差は広がった。そしてレースは7周でチェッカーとなり、清水が総合4位以下を周回遅れにする圧倒的な速さで総合優勝。山根が総合2位でAクラス優勝、黒木が総合3位でAクラス2位、周回遅れながら熊谷が総合4位でAクラス3位となった。