第8戦岡山終了時点のポイントリーダーは中島元気が111ポイント、2番手岡谷雄太が107.5ポイント、3番手小室旭が89ポイントとなっており、J-GP3クラスのチャンピオン争いは、事実上、中島と岡谷の一騎打ちとなっており、公式予選が終わった時点では、中島が2番手、岡谷が8番手と中島に流れが傾いていた。しかし、決勝日は土曜日までと一転し朝から雨。このウィークで初めてのウェットコンディションとなっていた。 12周の決勝レースはウェット宣言のため2周減算の10周で争われることになった。ホールショットはポールポジションの長谷川聖が奪う。中島、菅原陸、小室が続いて1コーナーに進入する。2コーナーのアウト側から菅原がスーッと伸びてきてS字の進入で一気にトップに浮上する。小室も2コーナー立ち上がりで長谷川と中島の間に割って入り、2番手に浮上、鈴木大空翔もS字進入で小室に続く形で予選7番手から3番手に浮上する。 オープニングラップは、菅原がトップ、西ストレートで小室をかわして2番手に浮上した鈴木、3番手小室、4番手長谷川、5番手中島、6番手宇井陽一、7番手には14番グリッドからジャンプアップした藤井謙汰、8番手福嶋佑斗、9番手にチャンピオン争いを展開している岡谷、10番手に有田光のトップ10。 1周目で1.187秒離してアタマひとつ抜け出した菅原は、後続との差を広げていく。鈴木、小室、長谷川の2番手グループが入れ替わり立ち替わりのバトルを展開する。3台が2番手争いをしている間に藤井が5番手に浮上する。トップ菅原に小室、長谷川が背後まで迫ってきた。4周目には3台による先頭集団を形成、テールtoノーズのバトルを展開する。シケイン進入で菅原のインを伺う小室、そこへアウト側からかぶせてきた長谷川が小室の前に出て2番手浮上。菅原、長谷川、小室の順。5周目のホームストレートでスリップから抜けた小室が一気に2台抜きでトップに立つがアウトに膨らんだ隙に菅原が抜き返す。しかし、その先のデグナーひとつめでトップを走る菅原が転倒、リタイアとなってしまう。 これでトップに立った小室は、5周目にファステストラップの2分31秒038を出すと、これに長谷川が呼応し、翌周に2分31秒331で応じ、超接近戦がファイナルラップまで展開する。その差は0.1秒。長谷川は小室の背後から執拗に揺さぶりをかける。藤井も同じようなラップタイムペースで走行するものの、トップの二人から約1秒後方で単独走行を強いられる。 そして迎えたファイナルラップ。長谷川は小室の背後にピタリとつける。小室はキッチリとラインを抑えて長谷川につけいる隙を与えない。バックストレートで小室のスリップに入るが前には出られない。そして最終シケイン、アウト側から進入した長谷川、切り返しのインを閉めた小室の内側をこじ開けようと突っ込むが接触! 二人同時にグラベルに飛び出すが、真っ先にコース復帰した小室が今季初優勝を飾る。長谷川がコース復帰する間に藤井が前に出て2位チェッカー、長谷川は3位でチェッカーを受ける。4位に福嶋、5位に鈴木と続き、中島が6位に入り、2018年のシリーズチャンピオンを決めた。7位にルーキーながら3勝を挙げてランキング2位となった岡谷、8位に宇井、9位に山本恭裕、10位に村田憲彦となった。
シリーズチャンピオン/#4 中島 元気 TEAM SRS-Moto 『チャンピオンを獲れたことは非常にうれしいですが、1勝しかしていなくて岡谷選手は3勝していています。自分も1戦1戦の結果にこだわっていたので自分の方が2勝少なく、1勝しかしていない中でチャンピオンを獲ったことは悔しいです。一番嬉しかったレースは初優勝したオートポリスです。今年の自分の戦績は勝利数が少なかったことを差し引いて90点です。前半戦では最後の駆け引きなど競り負けているレースが多く、自分のキャパシティを超えたことが勝利数の少なかった理由だと思います。去年アジアタレントカップを経験したことと、今年鈴鹿8耐を走ったことなど今までに無い経験をしたことで自分の走りの引き出しが増えた事はよかったと思います。このチャンピオンがこの先のステップアップの糧になればいいな、と思っています』
レーススタート