全日本ロードレース選手権は、今回のSUGOラウンドで4戦目を迎えた。第2戦鈴鹿、第3戦オートポリスとスーパーフォーミュラとの2&4レースが続いたこともあり、JSB1000クラス以外は、4月の開幕戦ツインリンクもてぎ以来、約2カ月振りのレースとなる。 今回のSUGOラウンドも2レース制で行われており、土曜日に公式予選とレース1、日曜日にレース2というスケジュール。最高峰のJSB1000クラスは、前回のオートポリスラウンドで中須賀克行の4連勝を渡辺一馬が止めたが、2週間前に行われた事前テストでは、中須賀が自身の持つコースレコードを大幅に上回る1分25秒950をマーク。これにチームメイトの野左根航汰も1分26秒フラットで続きヤマハファクトリーの2人が、3番手以下を約1秒も引き離す圧倒的な速さを見せていた。それだけに、今回も、この2人が今回のSUGOラウンドもリードして行くと思われた。 レースウイーク初日となった金曜日は、午前中はもつかと思われた天気も、1本目から雨模様となり、それぞれの思惑が交錯する。土曜日は、朝から雲が覆い、気温も上がらず肌寒い一日となる。路面は、前日まで降っていた雨の影響でウエットからスタート。時折霧雨も舞い、スッキリ乾くことなくセッションは進んで行く。MFJ CUP JP250、J-GP3に続いて行われたJSB1000クラスの公式予選は、ウエットパッチが所々に残る路面コンディションで行われた。この難しいコンディションの中、中須賀は、1分26秒670と正式にコースレコードを更新。レース2のグリッドを決めるセカンドタイムでも1分26秒957をマークし、ダブルポールポジションを獲得。今シーズンは、ここまですべてポールポジションを獲る驚速振りを見せている。 レース1が始まるころにも霧雨が時折パラつくコンディション。ダミーグリッドを離れ、ウォームアップランで渡辺一樹、高橋裕紀、星野知也が転倒するアクシデントが発生。渡辺一樹と高橋裕紀は、再びグリッドに着くことができたが、星野はマシンのダメージが大きく、修復に時間がかかり、レースがスタートしてから3周目にピットアウトすることになってしまっていた。 25周で争われた決勝。好スタートを見せたのは、3番手グリッドの高橋巧。これに清成龍一、中須賀、高橋裕紀、加賀山就臣、津田拓也、渡辺一樹、渡辺一馬と続いて行く。オープニングラップは、清成が制し、中須賀、高橋巧と続き、高橋裕紀は、やや遅れて行く。健闘していた清成だったが、3周目に3番手に後退すると、トップ争いは、中須賀と高橋巧の一騎打ちとなって行く。トップを走る中須賀は、霧雨が降る中、リスクを承知でペースアップし、高橋巧を突き放すと独走体制を築く。高橋巧も単独走行となり、2番手をキープ。その後方では、一時は8番手までポジションを下げていた野左根が追い上げを見せ15周目には、3番手に浮上。これに呼応するように水野涼も順位を上げてくる。さらに後方では、予選でアクシデントに遭い、18番手グリッドから追い上げて来た秋吉が、渡辺一馬、清成とバトルを繰り広げる。 トップを走る中須賀は、終始安定した走りを見せ、そのままゴール。今シーズン5勝目を挙げ、ポイントランキングでのリードを広げる結果となった。2位に高橋巧、3位に野左根航汰と続き、表彰台に上がった。4位には、JSBルーキーの水野が入り自己最高位。満身創痍ながら追い上げのレースを見せた秋吉が5位。以下、渡辺一馬、清成、高橋裕紀、津田、渡辺一樹、加賀山と続いた。 レース1で表彰台に上がった3人が、レース2でもカギを握っている。中須賀の速さに高橋巧が、どこまで迫れるか? 野左根も序盤からペースを上げることができればトップ争いに絡んで来るだろう。コンディション次第では、他のライダーがトップ争いに加わってくる可能性もあるか!? レース2の行方に注目しよう!