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'18全日本モトクロス選手権第1戦 九州大会

↑'18スケジュール




今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、昨年と同じく年間9戦で競われる。昨年は春夏秋に実施された宮城県・スポーツランドSUGOでのレースが春と秋の2回、春と秋に開催された埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジでの関東大会が春のみとなり、代わりに熊本県のHSR九州と広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で2戦ずつが設定されている。

開幕戦の舞台は、7年連続で熊本県のHSR九州。熊本市内と阿蘇の中間付近に立地するコースは、2014年の大幅なコース改良によって、阿蘇の雄大な地を思わせるダイナミックなレイアウトが取り入れられている。大会に向けて山砂の搬入やジャンプの仕様変更などが施されたコースは、阿蘇の火山に由来する本来の黒土と良質なサンドが、セクションによって切り替わったり混ざったりした路面となっている。予選およびIBオープン決勝ヒート1が実施された土曜日は、天候に恵まれず降雨もあったが、日曜日は最高気温が14度で風は強めながらも晴天に恵まれ、2日間で8,100名が今年最初の全日本を楽しんだ。







チームメイトとのバトルを制して
H1でIA通算150勝達成の成田亮

成田は16年以来の両ヒート制覇で
その速さが健在であることを証明



ファクトリーチームの活動休止などで参加台数の減少が心配されたが、ふたを開けてみれば今季開幕戦のエントリー台数は27台と、昨年平均を上回る状況となった。ただし、シーズンオフに負傷した深谷広一(#7)がリタイアしたことから、決勝出走台数は26台となった。ファクトリーチームとしてはホンダが唯一の存在で、昨年同様となる山本鯨(#1)と成田亮(#982)の布陣。ファクトリーマシンを使うカワサキトップチームの小方誠(#2)と新井宏彰(#331)のコンビも変わらず、ヤマハ勢ではIA2からステップアップした岡野聖(#30)やKTMからスイッチした星野優位(#166)が参戦し、スズキは深谷に加えてIA2からステップアップした池本凌汰(#35)が有力選手となる。昨年までスズキファクトリーチームに在籍した小島庸平(#44)は、マシンをホンダにスイッチして、自身の新チームからフル参戦する。KTM勢は、スズキからマシンを変更した池谷優太(#793)と昨年のIA2から参戦クラスを変更したハドリー・ナイト(#777)の2台体制となった。


この開幕戦の決勝ヒート1で好スタートを決めたのは成田。これに小方が続き、序盤から積極的に勝負を仕掛けたが、2周目に小方は大転倒を喫し、6周目を終えたところでリタイアとなった。小方に代わりトップの成田に迫ったのは、昨年度チャンピオンの山本。3周目の1コーナーでは、成田を抜いて山本が先頭に立った。3番手には新井がつけ、4周目にはホンダに乗る大塚豪太(#155)やカワサキを駆る星野裕(#8)とのバトルを制した星野優位が、4番手に浮上。上位勢は、縦に長い隊列となった。

レースが後半に入った8周目、トップの山本がペースを落とし、これで成田が逆転。3番手の新井は、この段階で山本の約6秒後方を走行していた。山本は成田を後方からマークする作戦に切り替え、レース終盤まで1〜2秒差を保ったが、ラスト2周となった14周目あたりからラップタイムが落ち、逆に成田は最後までハイペースをキープ。これにより成田が逃げ切り、9年連続となる開幕戦ヒート1優勝と、IA通算150勝を挙げた。山本は2位、新井は3位、レース中盤からは単独走行となった星野優位が4位でゴール。一時は7番手まで順位を下げた大塚は、後半に盛り返して5位に入り、1周目最後尾から激しく追い上げた岡野が6位となった。


決勝ヒート2は、大塚と山本、成田がスタート直後からトップ争い。まずはこれを山本が制した。しかし2周目、大塚は順位を落とし、成田は山本をパス。翌周は成田をマークした山本は、4周目になるとペースが落ち、新井と小方の接近を許した。3台による2番手争いが繰り広げられている間に、トップの成田は少しずつリードを拡大。新井と小方が山本の攻略に成功した6周目の段階で、成田は2番手の新井に対して約6秒のアドバンテージを築いた。

レースが後半に入っても、成田は後続との差をほぼキープ。10周目に小方が新井をパスした時点でも、約5秒のリードを確保していた。レース終盤、2番手に浮上した小方は徐々にトップの成田に近づいたが、バトルに持ち込む前にレースは16周でチェッカー。成田が逃げ切り、16年第7戦以来となる両ヒート優勝を挙げた。小方が2位、新井が再び3位でゴール。レース中盤に山本は星野優位に抜かれて5番手に後退したが、最終ラップで逆転して4位。星野優位が5位、一時は4番手争いに加わった星野裕が6位となった。


両ヒート制覇で勝利数を150勝からさらに伸ばした成田は、「昨年はとても悔しいレースが続き、応援してくれる方々にも悔しい思いをさせてきたので、年始からキツいトレーニングを続けて雪辱に燃えていました。160勝に向け、まだまだがんばります」と宣言した。




クレバーなレース展開で
ヒート1の勝利を収めた能塚智寛

新チームで臨む今シーズンの
初戦で総合優勝を飾った古賀太基



昨年度チャンピオンの渡辺祐介が、今季は本場アメリカのレースにチャレンジするため、このクラスは今季も王者不在のシーズンとなる。ファクトリーチームでの参戦は1台。16年にこのクラスでシリーズタイトルを獲得し、昨年は世界選手権に挑戦するもシーズン序盤で負傷した能塚智寛(#828)が、ホンダファクトリーチームから参戦する。有力選手やチームでは、鳥谷部晃太(#37)と大倉由揮(#46)を擁してのヤマハ若手育成チーム復活、昨年最終戦まで渡辺とチャンピオンを争った古賀太基(#922)の新チーム移籍、昨年4勝を挙げた小川孝平(#912)のホンダからカワサキへのマシンスイッチなどが、おもな話題となっている。また、数年前に渡米して米国で腕を磨いた横山遥希(#66)のスピードも、事前から注目を集めていた。


迎えた決勝ヒート1は、それらの注目選手のうち古賀と能塚と小川が、スタート直後からレースをけん引していった。まずは古賀が先頭に立ち1周目をクリア。能塚と小川がこれを僅差で追ったが、3周目以降は小川が少し遅れ、レースが中盤に入るころには能塚も古賀との距離を開け、それぞれが2〜3秒ほどの間隔となった。さらに、レースが後半に入ると小川は前の2台から遅れ、これで優勝争いは古賀と能塚にほぼ絞られた。

レース終盤、能塚は古賀との距離を再び詰め、残り3周となった13周目から接近戦を開始。そして翌周、ついに能塚が先行した。迎えた最終ラップ、勝負を諦めない古賀は能塚を猛追。能塚も、これを巧みにケアしながらトップを守った。そして最終コーナーを、能塚はしっかりイン側を押さえてターン。無理にそのイン側へマシンをねじ込もうとした古賀は転倒し、能塚が優勝、再スタートした古賀が2位となった。小川は3位を守ってゴール。1周目8番手から追い上げた内田篤基(#38)が4位、前半にミスで10番手まで順位を下げた横山が5位、1周目9番手からレース前半に追い上げた馬場亮太(#64)が6位となった。


決勝ヒート2では、古賀がホールショット。これが地元大会となる森優介(#39)が続いた。能塚は4番手あたりの好位置を確保したが、直後に転倒してオープニングラップは16番手。さらに、ヒート1で3位に入った小川は1周目を17番手でクリアすると、翌周にもミスがでて29番手の最後尾となった。横山は1周目に3番手へ浮上すると、森を猛追。2周目が終わるころには早くも、古賀と森と横山が、大倉を先頭とする4番手以下の大集団を引き離しだした。3周目、横山は森の攻略に成功。2〜3秒ほどの差で、古賀のマークを開始した。

レースが中盤に入っても、古賀と横山のトップ争いは膠着状態。一方、粘りをみせていた森は少しずつ遅れ、その後方には5周目に大倉をパスして順位をさらにひとつ上げた能塚が、約9秒の差を跳ね返して近づいた。そして10周目、ついに能塚は森を捉え、3番手に順位を上げた。古賀と横山のトップ争いは、レースが後半に入ったところで横山のペースがわずかに落ち、この間に古賀がリードを拡大。そのまま古賀が15周目のラストラップまで逃げ切って勝利を収め、横山が2位、能塚が3位となった。森は、能塚からは大きく遅れながらも4位でフィニッシュ。大倉が5位、集団での混戦で粘った安原志(#31)が6位となった。


総合優勝をもぎ取った古賀は、「シーズンオフにアメリカで様々なことに取り組んできた成果がでたと思います。今季はチャンピオンと、モトクロス・オブ・ネイションズへの出場を狙います」と宣言。総合2位の能塚は、「勝って当然というつもりで走っているので、まるでうれしさはありません」と、作り笑いで悔しさを隠した。




250ccで初めて走る雨のレースで
まずは全日本1勝を挙げた岸桐我

ドライとなった決勝ヒート2でも
終盤まで続いた接戦を制した岸



今季は土曜日の最終レースとして実施されることになった決勝ヒート1。予選を圧倒的な速さでトップ通過した瀬川開生(#98)は、スタート直後の混戦で転倒を喫し、最後尾からの追い上げを強いられた。1周目をトップでクリアしたのは矢野大介(#13)。しかし矢野は2周目に転倒で順位を大きく下げ、これで岸桐我(#84)が先頭に立った。岸の背後には岩嵜優(#20)と上岡聖志朗(#12)が続き、3台によるトップグループを形成。3周目には上岡が岩嵜を抜いたが、3台が僅差で並ぶ先頭争いはなおも続けられた。

レースが後半に入った6周目、ミスを喫した岩嵜が先頭グループから遅れ、岩嵜は翌周にも転倒してトップ10圏内から脱落。これで優勝争いは、岸と上岡のマッチレースになった。その後方では、1周目11番手からレース中盤に追い上げてきた川上龍司(#45)と、2周目だけで10台を抜くなど驚異的なリカバリーをみせた瀬川が、3番手争いを展開。8周目に瀬川が先行すると、この段階で7秒ほど前を走る上岡と、さらに約1秒先行する岸との差を詰めていった。迎えた最終ラップ、上岡と瀬川が激しいバトルを繰り広げ、両者が接触転倒。これにより岸は順位を守ってトップチェッカー、川上が順位を上げて2位となった。瀬川は再スタートして3位。レース後半に内藤龍星(#2)と僅差の争いを続けた真野凌輔(#1)が、最後まで内藤を抑えて4位となり、内藤が5位、上岡が6位でゴールした。


日曜日最初の決勝として実施されたヒート2では、阿部佑基(#88)が好スタート。上岡と岸がすぐにこれを抜き、阿部の背後には矢野と近藤雄紀(#79)が迫った。2周目、上岡と岸は後続をやや引き離し、接近戦の3番手争いでは矢野と近藤が先行。3周目には、トップ争いで岸が、3番手争いでは近藤が前に出た。瀬川は1周目12番手と再び出遅れたが、2周目には9番手、3周目には6番手、4周目には5番手に浮上して、この段階で4秒近く前を走る4番手の矢野を追った。

岸と上岡は3番手以下を5秒ほど引き離しながら、距離感を保ったトップ争いを展開。レースが後半に入ると、両者は再び1秒台の差まで近づいた。しかし岸は、ヒート1に続いて冷静な走りで安定したラップタイムを刻み、わずかなアドバンテージを最後まで死守。再びトップチェッカーを受けた岸が、全日本IBクラス参戦初大会で両ヒート制覇を達成した。上岡が2位でゴール。ラスト3周となった8周目に矢野、翌周に近藤を抜いた瀬川が3位表彰台となった。近藤は4位、矢野は5位、1周目13番手から追い上げた川上が6位に入賞している。


総合優勝に輝いた岸は、「初めてのIB参戦で、しかも両ヒートとも接戦になったので、かなり緊張やプレッシャーを感じるレースでしたが、スタートが両ヒートとも決まったことで優勝できました。次はもっと後ろを引き離して勝ちたいです」と今後の抱負を語った。




序盤からキレのある速さをみせて
本田七海が全日本初優勝



昨年度のチャンピオンに輝いた竹内優菜(#1)は、好スタートを切りながらも直後から前輪のトラブルに見舞われ、1周を終えたところでリタイアとなった。レースは、本田七海(#3)がスタート直後からトップに立ち、これをこの熊本が出身地の畑尾樹璃(#4)、勝股七海(#8)、川井麻央(#8)のホンダ勢と、ベテランの安原さや(#5)が追う展開。しかし3番手を走っていた勝股は、マシン不調の影響で順位を落とし、これで川井が3番手、安原が4番手、小野彩葉(#13)が5番手、久保まな(#2)が6番手となった。2周目、トップの本田は後続との距離を拡大。2番手の畑尾から数秒遅れた3番手争いは混戦となり、久保が小野と安原を抜いた。

3周目、川井がエンストにより5番手に後退。レース前半が終わる4周目の段階で本田、畑尾、久保、安原、川井、小野のトップ6となった。レースが後半に入ると、トップの本田は若干ペースを落としたが、前半だけで約7秒のアドバンテージがあり、しかも畑尾との差はほとんど縮まることなくレース終盤へ。本田がそのまま逃げ切って、全日本初優勝を挙げた。畑尾は2位でフィニッシュ。最終ラップの後半まで諦めることなく追い上げを続けた川井が、ややミスがあり失速した安原を抜いて、3位表彰台に立った。安原は4位、粘りの走りを続けた小野が5位、一時は3番手を走りながらラスト3周の6周目に転倒した久保が6位となった。


開幕戦で全日本初優勝を挙げた本田は、「シーズンオフにアメリカでトレーニングさせてもらった成果だと思います。支援してくれている方々に感謝です。次戦からも、応援してくれる方々と自分のためにがんばります」と宣言。今大会ではスピードで負けた畑尾は、「フープスでの差が大きかったですが、チャンピオン争いをするためには確実にポイントを取ることが大切なので、開幕戦での2位という結果には満足しています」と振り返った。。




序盤からトップを走り続けて
総合優勝を挙げた清水雷土


キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、ベストラップが1分程度になるようショートカットしたコースを、5分+1周する方式で競われた。国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスに10名、海外ブランドが力を入れる2ストロークマシンで参加できるBクラスに1名と、合計11名がエントリー。レースは、唯一のBクラスライダーとなる清水雷土(#2)のホールショットで幕を開けた。

清水から少し間隔を開けて、石松隼太(#14)と川上真花(#42)と今岡陸駆斗(#17)が僅差の総合2番手争い。3周目には今岡がミスにより集団から遅れ、石松と川上の距離はやや開いた。しかし石松は最終ラップにミスして、川上と今岡が逆転。レースは、スタート直後から逃げ切った清水が総合優勝を収め、川上が総合2位でAクラス1位、今岡が総合3位でAクラス2位、石松が総合4位でAクラス3位に輝いた。