最高峰クラスであるJSB1000は、今年も鈴鹿2&4レースで開幕した。鈴鹿8耐に向けたトライアウトを兼ねており、レース距離も200kmとセミ耐久で争われた。
ライダーがマシンに駆け寄るル・マン式スタートで始まった鈴鹿2&4レース。真っ先に1コーナーに入って行ったのは予選4番手グリッドからスタートした渡辺一馬。これに高橋巧、山口辰也、津田拓也、中須賀克行、濱原颯道、清成龍一、野左根航汰、渥美心、酒井大作、加賀山就臣と続いて行く。中須賀は、S字、ヘアピンとポジションを上げ、3番手に浮上。その直後のスプーンカーブ立ち上がりでは、清成と濱原が接触。清成は激しく転倒し、マシンが舞うが、後続はうまく避けて行く。清成にケガはなかったが、このアクシデントのためにセーフティーカーが導入される。
波乱のオープニングラップは、渡辺を先頭に高橋巧、中須賀、山口、濱原、津田、野左根とホームストレートを通過。セーフティーカーは、しばらくコース上に留まったため、各ライダーは、マシンを蛇行させタイヤを暖めていたが、3周目のシケイン立ち上がりで、何と中須賀がまさかの転倒。何とかピットに戻り修復するものの遅れは大きく、レース序盤でトップ争いから脱落してしまう。
4周に渡って行われたセーフティーカーランは、解除されると1コーナーで渡辺を高橋巧がかわしてトップに浮上。そのまま2番手以下を引き離し、独走体制を築いて行く。2番手争いは、渡辺の背後に津田、野左根、山口が迫る。この中で勢いがあったのがル・マン帰りの野左根だった。10周目に渡辺をかわし2番手に上がると単独走行となって行く。これに続きたい津田だったが、スタート直後から右側のステップが緩んでいるトラブルに見舞われ、思うような走りができなかった。後方には、秋吉耕佑がつけ、その背後には、リスタートで出遅れた藤田拓哉が迫ると、12周目に秋吉をかわし7番手に、さらに15周目には、濱原をかわし6番手に上がってくる。この辺りからピットに入るライダーが多くなり、チームも素早い作業でバックアップする。トップを走る高橋巧は、20周目にピットイン。そのタイミングで野左根にトップを受け渡すものの、野左根が22周目にピットインすると、再び高橋巧がトップに浮上。その高橋巧を再び追いたい野左根だったが、何とアウトラップのダンロップコーナーで痛恨の転倒。そのまま戦列を離れてしまう。中須賀も再スタートし、ファステストラップをマークしたもののピットインしリタイア。ヤマハファクトリーレーシングにとっては、悔しい2017年シーズン初戦となってしまう。
野左根の転倒で2番手に浮上したのは津田だった。津田は、相変わらず右側のステップに不具合を抱えながらも、何とかライディングを続けポジションをキープ。3番手争いは、渡辺、藤田、山口が展開するが、ペースのいい藤田が前に出て行き、単独走行となって行く。山口もペースの上がらない渡辺をかわし4番手に浮上する。
トップを走る高橋巧は、思うようにペースを上げることができなかったとレース後に語るが、十分なマージンを築き、そのままトップでゴール。35周の長丁場で争われた2017年シーズン開幕戦を制し、2014年第3戦ツインリンクもてぎ以来の勝利を飾った。2位に最後は完全にステップが折れてしまったと言う津田が入賞。藤田が3位に入り、単独ではJSB1000クラス初となる表彰台に上がった。4位に山口、5位に渡辺、6位に濱原、7位に秋吉、8位に酒井、9位に中冨伸一、10位に生形秀之と続いた。 |