2017年全日本ロードレースシリーズ開幕戦の決勝レースが茨城県・筑波サーキットで開催された。金曜日から、ぐずついた空模様が続き、決勝日も朝から小雨が降る天候。J-GP2クラスのウォームアップ走行あたりから雨脚が強くなり、J-GP3クラスの決勝レースが始まる頃には本降りの雨となった。
25周による決勝レースがスタート。ホールショットは小室旭が奪うが、2コーナー立ち上がりで初ポールポジションからスタートした長谷川聖がトップに浮上。2番手中島元気、3番手小室の順で第1ヘアピンに進入する。しかしその先のアジアコーナー立ち上がりでなんとトップを走る長谷川が転倒、早くも戦列を離れてしまう。
オープニングラップは中島が制し、2番手に伊達悠太、3番手に小室、以下、船田俊希、太田虎之進、古市右京、白石玲菜、山本恭裕、岡崎静夏、宇井陽一の上位10台。2周目の1コーナーで伊達が中島をかわしてトップに立つと小室、中島との差を広げる。ここで小室が3周目の1コーナーで中島のインから2番手に浮上すると、前を行く伊達を追い上げる。中島の1分7秒台に対して伊達と小室は1分6秒台、8周目にはトップ2台と中島の差は3秒81まで広がる。
トップ伊達と小室の差は5周目に0.927秒差であったが0.1秒から0.2秒速いペースでラップする小室がその差を縮め、最終コーナーではピタリと背後につけてスリップからサイドバイサイドで1コーナーのインを伺い揺さぶりをかけてプレシャーを与える。そして13周目にはその差が0.000秒差と表示されるほどの接近戦を演じる。
中島は単独3位走行、その後方の4番手争いから宇井が抜け出し単独走行となる。9周目には古市、佐野勝人、船田、太田、山本、白石の6人が一つの集団となって5番手争いを展開。古市がこの集団を引っ張っていたが、佐野が8番手からジワジワと順位を上げついに14周目に古市をかわして5番手に上がる。しかし、14周目の最終コーナーで転倒を喫してしまう。代わってその集団から抜け出したのが船田と太田、レース終盤まで5番手争いを展開する。
先頭争いの伊達と小室の2台、16周目のラップタイムは全く同じ1分6秒564。その差は0.114秒と超接近戦を展開する。レース終盤、バックマーカーが出始めた19周目、小室が第1コーナーで仕掛けてトップに浮上、伊達が後ろから追う展開となる。21周目の第2ヘアピンで伊達がトップに浮上するもホームストレートから1コーナーで小室が抜き返す。23周目の同じく第2ヘアピンで前に出た伊達が小室をおさえトップに浮上、この二人の一騎打ちはいよいよ最終ラップを迎える。
1コーナーは小室が前、しかしその先の第1ヘアピンで伊達がインを刺してトップを奪い返す。第2ヘアピンも伊達がおさえてバックストレートから最終コーナーへ進入、そのままチェッカーが振られ、伊達が全日本初優勝を飾る。2位には小室、1位と2位の差は0.000秒という接近戦であった。3位には全日本デビューの中島、4位に宇井、5位に船田、6位太田、7位山本、8位安村武志、9位古市、10位福嶋佑斗の上位10位となった。 |