2016 FIM トライアル世界選手権第2戦 STRIDER 日本グランプリ レポート

日付:2016年4月23日(土)〜24日(日) 場所:栃木県・ツインリンクもてぎ

DAY1はアダム・ラガ選手が優勝。藤波貴久選手が3位に入る!!

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4月23日(土)〜24日(日)まで、栃木県・ツインリンクもてぎにて2016 FIM トライアル世界選手権 第2戦 ストライダー 日本グランプリが開催されます。

DAY1となる23日(土)。最高峰となるGPクラスは、TRSに乗るアダム・ラガ選手が優勝。2位には今年インドアトライアル選手権で10連覇を果たしたトニー・ボウ選手、そしてトライアル世界選手権に参戦し始めて21年目となる藤波貴久選手が3位を獲得しました。

GPクラスは1ラップ目からアダム・ラガ選手が絶好調な走りをみせ、他のトップライダーたちが手こずるセクション(採点区間)もなんなくクリアしていき、2位に12点差をつけて1ラップ目を終了しました。一方、トニー・ボウ選手は、開幕戦前に肩を負傷し、万全の状態ではないなかでのトライとなりました。1ラップ目、150mの崖を駆け上がっていく3セクションでは途中にある岩を走破するのに失敗。肩を押さえて痛みにこらえます。また、母国GPでいつも以上に気合十分、果敢にトライしていた藤波選手は3セクションの岩盤で転倒。マシンが大きなダメージを受けてしまい、1ラップ目は以後のセクションで思うようなトライができなくなってしまいます。

2ラップ目以降も、助走距離がないまま大岩を上るような7セクションを、流れるような走りでクリーン(減点0)するなど、思わず観客が感嘆の声を上げるほど、難所を快調に走るアダム・ラガ選手。その勢いのまま減点数52点でTRSに初の勝利をもたらしました。「藤波、フジガス、がんばれ!!」というたくさんの声援が送られていた藤波選手は1ラップ目終了後にマシンを修復。2ラップ目以降、気迫ある走りで日本のファンを魅了し、表彰台へと上りました。

また、今回の日本グランプリには、ワイルドカードで全日本トライアル選手権に参戦している日本人ライダーたちも多数参戦。DAY1はGPクラス藤波選手以外で、小川友幸選手が日本人最高位の9位、トライアル2クラスでは岡村将敏選手が12位で日本人最高位、そしてトライアル125クラスでは高校生ライダーの山崎頌太選手が3位表彰台を獲得しています。


アダム・ラガ選手

アダム・ラガ選手

「TRSにとっての初めての勝利(アウトドア選手権において)なので嬉しいです。日本のセクションはとてもテクニカルですが、そういうところでミスが起きるのは当然のこと。今日はそういったところで私はミスが少なかったのでこのような結果になったと思います。12セクションはコースの状況を確かめる時間が少ないですが、クリーンは不可能でないと思います」

トニー・ボウ選手

トニー・ボウ選手

「2位という結果はうれしいですが、ケガの影響もあり、テクニカルなセクションに挑んだので疲労を感じています。12セクションはとてもスリッピーでしたが、クリーンすることは不可能ではないと思います。テーピングなどをして、体の調子を整えて明日備えたいと思います」
※12セクションは全ラップを通して、クリーンできた選手はいなかった

藤波貴久選手

藤波貴久選手

「今日の3位はとても嬉しいです。3セクションのクラッシュでマシンに大打撃を受け、それによって思うように走れず、けっこうな減点となってしまいました。しかし、2ラップ目に入る前に修復して、本来の自分の走りに戻れました。熊本で被災されているみなさんに元気を与えられるような、大きな3位だと思っています」

サイン会

サイン会

毎年大人気なのがトップライダーたちのサイン会。DAY1のみの開催だが、サインはもちろん、憧れのライダーたちと写真を撮ったりすることもできた

藤波貴久選手世界選手権参戦300戦目、3位獲得!! 優勝はトニー・ボウ選手

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2016 FIM トライアル世界選手権 ストライダー 日本グランプリのDAY2は、夜間から早朝にかけて降った雨の影響でセクションの土はたっぷりと水分を含み、ぬかるんだ状態となりました。そのためセクションコーディネーターが早朝から修復をほどこすとともに、DAY1より難易度が低い設定となりました。

試合前には雨も上がり、約8000人のファンが見守るなかDAY2を制したのはホンダのトニー・ボウ選手でした。2位にはDAY1で優勝したアダム・ラガ選手、そして3位にはDAY1に続き、藤波貴久選手が入りました。藤波選手はこの日、世界選手権に参戦し始めて300戦目となる記念の日、しかも母国GPにて3位表彰台と自身もファンにとっても嬉しい結果となりました。

ボウ選手、ラガ選手、藤波選手は1ラップ目、ミス少なく快調に試合を進めていきますが、DAY1で苦戦した12セクションで揃って減点5点となります。この12セクションも難易度がDAY1より下がりましたが、それでも目の前にそびえ立つ岩を攻略することができません。ボウ選手にいたっては、トライに失敗して再び肩を痛めてしまいました。

その状況のなかでもボウ選手は果敢にトライを続け、ライバルたちに差を付けていきます。2ラップ目に入るとミスも少なくなり、3ラップ目にいたっては10セクションで減点1となっただけで、トータル減点数14で優勝を決めました。

一方、ラガ選手と藤波選手との差は僅差で、2ラップ目終了時点でその差は4ポイント。藤波選手が2位を獲得する可能性もありましたが、3ラップ目の9・10・12の失敗が響いてしまい、ラガ選手に2位を譲ることになりました。ゴール直後には「あ〜、悔しい!!」と叫んでいましたが、2日間を通して藤波選手の走りは”フジガス”(ガスはアクセル全開という意味)というニックネームを表すような勢いのある走りで、多くのファンを魅了しました。

また、DAY1に続きトライアル125クラスでは、スポット参戦した山崎頌太選手が3位表彰台を獲得。世界の舞台で結果を残した山崎選手は全日本でも活躍している高校生ライダーで、今後のさらなる飛躍が期待できます。


トニー・ボウ選手

トニー・ボウ選手

昨日は1位にはなれなかったけれど、今日は悠々と走れたので、それが結果につながりました。レースに関しては難しいレースもあれば心地よく走れるレースもあって、今日は心地よいレースでした。コンディションがすごくよくて、選手権のなかでも日本は難しいコースでしたが、いいレースだったと思います

アダム・ラガ選手

アダム・ラガ選手

全体的にはよい週末でした。今日はミスを3つしてしまい、それが要因となって1位から遠のいてしまいました。でも個人的には全体的にはいいライディングができたと思うので、次に向けて調整していきます

藤波貴久選手

藤波貴久選手

今日の300戦で表彰台に上るのは夢でもあったので嬉しいです。今シーズン、とくに今日は本来の僕に戻ったような走りができていると感じました。3位という成績にはすごく満足していますが、通過点だと思っているので、まだまだこれから頑張っていきます。

トライアル125クラス

トライアル125クラス

DAY1に続き3位表彰台を獲得した山崎頌太選手。この春から高校生になったライダーで、2015年は全日本トライアル選手権IBクラスでチャンピオンを獲得。今年からIAクラスに参戦しており、将来のトライアル界を担う期待の若手の一人だ

藤波選手世界選手権参戦300戦目セレモニー&トークショー

記念プレート贈呈トークショー

世界選手権参戦300戦目となる藤波選手へMFJの大島会長から記念のプレートが贈られた。また、表彰式後にはトークショーが行なわれ、会場にはあふれんばかりのファンがつめかけた

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