栃木県・ツインリンクもてぎでシリーズ第3戦を迎えた全日本ロードレース選手権。開幕戦筑波は、J-GP2、J-GP3、ST600クラス、第2戦鈴鹿2&4レースは、JSB1000クラスのみの開催となっていたため、今回が2016年シーズンで初めて4クラスそろってのラウンドとなった。 JSB1000クラスの公式予選は、TOP6サバイバルで行われた。まず30分間の計時予選(Q1)で11番手以下のグリッドが決定。トップ3が6台で争われるQ3に進出。Q1の4番手から10番手までの7台でQ2が行われ、上位3台がQ1に進出し、6台によって争われるQ3でトップ6が決まるというものだ。 レースウイーク初日となった金曜日は朝方から雨模様となり、1本目はウエット、2本目もハーフウエットという不安定なコンディション。今シーズンよりイクイップメントを変更したり、マシンがモデルチェンジしていたりするチームにとっては、特にドライでの走行が絶対的に足りない状況となっていた。昨年のツインリンクもてぎラウンドの予選もサバイバル方式で行われたが、トップ10だった。今年は、トップ6となり昨年よりは周回数が少なくなるためタイムは出しやすくなった。 そんな中、速さを見せたのは、やはり中須賀克行だった。Q1では、ドライのセットを進めるために長めの走行を行い、その中で1分48秒838をマークし、この時点でコースレコードに匹敵するタイムを出していた。Q3でも、計測1周目で1分48秒796をマークしコースレコードをブレイク。2周目に1分48秒503、3周目に1分48秒854、4周目に1分49秒035となったが、最終アタックで1分48秒460をマークし、堂々のポールポジションを獲得した。「金曜日が雨だったので、ドライのセットができなかったので、昨年のレースデータをベースにしてセミロングを行い、バイクの状態を確認できました。1分48秒台アベレージで走ることができていますし、理想は、独走ですが、周りもタイムアップしてきているので足もとをすくわれないように勝利を目指して行くだけです」と中須賀。 2番手にはヨシムラの津田拓也がつけた。 「トップ6サバイバルは一発タイムだけではないので決勝を想定しながら走っていました。ある程度コントロールして1分49秒フラットで走ることができたので、決勝では1分48秒台に入れられると思います。とにかく中須賀選手を逃がさないように、鈴鹿のようなミスをしないようにしたいですね」と津田。セクター1では、最速タイムをマークしていただけに、その辺に勝機があるのか!? フロントロウ最後の3番手には、渡辺一樹がすべり込んだ。 「新型になってからツインリンクもてぎを、たくさん走ることができていませんが、事前テストでは、ドライは1日のみでしたがセットアップが進んでいました。Q1では、すぐに事前テストでマークしたタイムが出ていたので、セットを変更しましたが、いい方向に行かず、戻してQ3に臨みました。1分48秒台も出ましたし、悪くはないと思うので、決勝日のウォームアップ走行を使って前の2人を抜けるようにバイクを作ってレースに臨みたいです」と自信をのぞかせた。 Team GREENが続き、4番手に柳川明がつけた。「まだ新型ZX-10Rの特性をつかめきれていないのが現状です。スロットルの開け方や走らせ方などを考えながら自分に合わせて行けば、まだまだ行けると思います」と柳川。 以下、野左根航汰、中冨伸一とヤマハ勢が続き、7番手の渡辺一馬がHonda勢最上位という状況。BMWを駆る酒井大作が8番手と健闘し、今野由寛、藤田拓哉と続くトップ10だった。11番手に山口辰也、12番手に高橋巧、13番手に秋吉耕佑、14番手に加賀山就臣、15番手に高橋裕紀と、そうそうたるメンバーが並んだ。 トップグループは、中須賀がどんなペースで走るかによって決まるはず。津田、渡辺一樹、柳川明が、どこまで中須賀についていけるか!? それとも後方から山口や高橋巧が追い上げてくるか!? 長丁場の23周で行われる決勝レースの行方に注目だ!