2016年全日本ロードレース選手権シリーズ開幕戦が茨城県・筑波サーキットで開催された。この週末は好天に恵まれ、決勝日も朝から雲が多めながら穏やかなコンディションとなった。
ST600クラスの決勝レースは午前11時25分にスタート! ホールショットは全日本初ポールポジションを獲得した中山真太郎が奪い、榎戸育寛、岩戸亮介、チャランポン・ポラマイ、そして予選9番手のデチャ・クライサーが好スタートを切り5番手まで順位を上げる。オープニングラップは中山が制した。2周目に岩戸が榎戸をかわして2番手浮上する。3周目の第2ヘアピンで榎戸は中山のインに入るがクロスラインとなり、立ち上がりで振られてしまう。榎戸が失速したところをチャランポンとデチャがかわそうとした際、榎戸とデチャが接触。榎戸がバックストレートで転倒してしまい戦列を離れてしまう。同じく3周目の最終コーナーで岩戸が中山をパスしてトップに浮上する。4周目にチャランポンとデチャが中山をかわして2番手、3番手に浮上、先頭集団は岩戸、チャランポン、デチャの3台、中山以下4番手グループとの差を少しずつ広げ6周目には約1秒の間隔が空く。中山の後方から名越哲平がペースを上げて追い付くと7周目に4番手に浮上、8周目に第1コーナーでデチャが転倒すると3番手に上がってきた。しかし、11周目の第1ヘアピンで和田留佳が転倒、コース上にマシンが残っていたため赤旗中断。10周終了時のリザルトを第1レースとして扱い、その順位を第2レースのグリッドとして15周で争われることとなった。
第2レースのポールポジションは、チャランポン、2番手岩戸、3番手名越、4番手前田恵助、5番手中山、6番手清末尚樹、7番手和田留佳、8番手高橋英倫、9番手松崎克哉、10番手津田一磨の上位10台でスタートが切られるが、ホームストレートで亀井雄大が他車と接触転倒したため再び赤旗中断となる。
そして3回目のスタートが切られる。ホールショットはチャランポンが奪う。8番グリッドの高橋が好スタートを切り、オープニングラップで3番手まで浮上する。3番グリッドの名越は5番手に後退するが、3周目の第1コーナーで前田をパスすると、チャランポン、岩戸、高橋、名越、の4台によるトップグループを形成し、5番手前田との差が徐々に開く。6周目名越が58秒482の第2レースのファステストラップで高橋をパス、3番手に浮上する。その後トップ3台は約0.5秒の中に等間隔で走行を続け、11周目に岩戸がチャランポンを捕らえてトップに浮上。この辺りから名越が遅れ始める。しかし、ラスト2周となった14周目の第1コーナーで岩戸のインにチャランポンが入り込んでいくが何と転倒。そのまま岩戸をすくう形で2台とも戦列を離れてしまう。これでトップに立った名越がそのままトップでチェッカー。劇的な形で全日本初優勝を飾った。2位には前田、3位に高橋が入った。以下、4位津田、5位中山、6位松崎、7位伊藤和輝、8位清末、9位田所準、10位名越公助と続く結果となった。
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