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'16全日本モトクロス選手権第7戦 近畿大会 
    
                                                     ↑'16スケジュール



今季は年間9戦が設定されている全日本モトクロス選手権は、約1ヵ月半の夏休みを終えて、第7戦近畿大会を迎えた。その舞台は、例年と同じく奈良県の名阪スポーツランド。名古屋と大阪を結ぶ名阪国道に隣接する、バイクやクルマでのアクセス性に優れるコースだ。山の斜面を利用してレイアウトされたコースは、やや砂に近い性質で、レイアウトは昨年の基本構成とほぼ同様。アップダウンがあり、低速から高速まで数々のテクニカルなコーナーを備える。
大会数日前には降雨の予報もあったが、晴天の予選日に続いて決勝日も午前中を中心に青空となり、路面は両日ともドライコンディション。最高気温は30度に達して、ライダーにとっては暑さとの戦いにもなった。昨年までと同じく、近畿大会は年1回の開催。今大会には、2日間で4,722名のファンが訪れた。






序盤に田中教世とのバトルを制して
ヒート1で今季8勝目の成田亮

レース後半には田中に迫られるも
ヒート2でも勝利を挙げた成田



ヤマハファクトリーチームの平田優(#99)は、第5戦レース後の暴言および威圧的行為に対する裁定の結果、今大会は出場停止。シーズン中に負傷した平田のチームメイトとなる三原拓也(#6)やKTMを駆る星野優位(#166)なども欠場し、決勝出走台数は20台となった。

迎えた決勝ヒート1、ホールショットを奪ったのはポイントリーダーを守るホンダファクトリーチームの成田亮(#982)。昨年度王者でスズキファクトリーチームに所属する小島庸平(#1)が追ったが、ややミスする間にカワサキファクトリーの田中教世(#8)が先行。スズキを駆る池谷優太(#14)、前戦に続いてスポット参戦したヤマハライダーの安原志(#7)、カワサキのマシンを操る星野裕(#9)、カワサキファクトリーチームの新井宏彰(#331)、スズキを駆る深谷広一(#13)、KTMプライベーターの北居良樹(#100)、スズキファクトリーチームの熱田孝高(#2)まで、10台が僅差で続いた。2周目、田中はトップの成田に肉迫。翌周には、成田をパスしてトップに立った。3番手以下も、小島と池谷と安原、1秒ほど間を開けて新井と星野、さらに2秒ほど遅れて深谷と熱田と北居が、大接戦を繰り広げた。

4周目、成田が田中を抜いてトップ再浮上。5周目までの間に、上位グループから熱田、北居、深谷が遅れて、縦に長い集団は7台による構成となった。レース中盤、トップを走る成田を、小島は1〜2秒ほど後方でマーク。ほぼ同じような距離感で、田中は2番手の小島に続いた。4番手の安原は、田中に迫るシーンもあったが、レースが後半に入ると少し遅れ、逆に新井の追撃を許す展開。新井の後方には星野が続いた。14周目、新井が安原を抜いて4番手に浮上。成田と小島と田中は、縦に長いトップ集団を形成し続けた。しかし16周目に成田が小島を、ラスト2周となった18周目には小島が田中を離したことから、順位は変わらず。成田が今季8勝目を挙げ、小島が2位、田中が3位、新井が4位、安原が5位、星野が6位となった。


決勝ヒート2は、小島のホールショットでスタート。すぐに成田が先頭に立ち、成田、小島、北居、星野、田中、熱田の順で1周目をクリアした。序盤、成田と小島と田中は、2秒程度の間隔を開けながらトップ集団を形成。その後方では、北居を先頭に星野、熱田、カワサキファクトリーマシンを駆る小方誠(#4)の4台による接近戦が繰り広げられ、ここに1周目11番手と遅れていた新井も近づいてきた。レース中盤にかけ、小島は成田や田中よりも少しタイムが悪く、徐々に成田がリードを拡大して、田中は小島の背後に。7周目から、両者は接近戦となった。大きく遅れた4番手争いでは、なおも北居が先頭を守ったが、これを熱田が激しく攻め立てた。

8周目、田中は小島を攻略。熱田も北居をパスして、レースが動き出した。この段階で、成田は約4.5秒のリードを築いていたが、その後に田中が差を詰めだした。9周目、5台の4番手集団で4番目を走っていた小方が転倒して後退。熱田は少しずつ後続を引き離し、11周目には星野、12周目には新井が北居を抜いた。この周あたりから、トップを走る成田のペースが落ち、これで田中が一気に接近。13周目後半あたりから、両者は接近戦となった。しかし、粘る成田を田中は抜くことができず。逆に、ラスト4周の16周目から、田中のペースが大きく落ちた。そしてレースは、再び成田が逃げ切って優勝。田中が2位、最後まで順位を守った小島が3位、熱田が4位、星野が5位、新井が6位となった。


両ヒート優勝により、新井とのポイント差を47点に拡大した成田は、「ここのスタートはあまり得意ではないので、かなり集中して臨みました。ヒート1で油断して一度は抜かれた田中選手に、ヒート2でも迫られてちょっと焦りましたが、とにかく一生懸命走りました。2週間後のモトクロス・オブ・ネイションズでは、日本代表の名に恥じない走りで、予選通過を目指します」と笑顔で語った。




地元の名阪で初めて勝利して
ファンの声援に応えた岡野聖

今回の両ヒート制覇によって、
ランクトップと11点差に迫った岡野



決勝ヒート1のスタートで好スタートを切ったのは道脇右京(#39)。ポイントリーダーの能塚智寛(#28)を21ポイント差で追うランキング2番手の岡野聖(#31)、神島央佐(#70)、古賀太基(#122)、田中雅己(#113)、前戦ヒート2で今季初優勝を挙げた渡辺祐介(#32)、北原岳哲(#43)、竹中純矢(#29)が続いた。能塚は大きく出遅れ、1周目13番手からの追い上げを強いられた。2周目、上位勢では古賀が神島をパス。翌周には、岡野が道脇を抜いてトップに立ち、神島は大きく順位を落とした。4周目、渡辺は古賀を抜くと、道脇の背後に接近。翌周には攻略に成功して、2番手に浮上した。この間に、トップの岡野は約5秒のアドバンテージを確保。3番手以下は、6台による混戦で、この中には能塚も含まれた。

6周目、前が開けた渡辺はハイペースを守り、トップ奪取に向け追い上げ開始。道脇が8番手に後退して、竹中が3番手集団の先頭に立ち、これを古賀、池本凌汰(#38)、古賀、田中が追った。渡辺の勢いは緩むことなく、8周目にはついに岡野の背後に。遅れた3番手グループでは、古賀が転倒で順位を下げ、竹中の背後に能塚が迫った。迎えた10周目、渡辺が岡野をパスして、ついにトップ浮上。さらに、岡野を少し引き離しだした。3番手は、竹中と古賀と田中が、やや縦長の集団。それぞれの差を変化させながら、逆転のチャンスをうかがった。13周目、渡辺は転倒とマシントラブルによりリタイア。これで岡野が、単独走行のトップとなった。終盤、上位勢に変動はなく、このまま岡野が勝利。竹中が2位、能塚が3位、田中が4位、池本が5位、3周目の転倒後退から挽回した小川孝平(#912)が6位となった。


決勝ヒート2で、好スタートを決めたのは渡辺。これに岡野と横澤拓夢(#36)が続くと、渡辺がややミスする間に先行。1周目を岡野、横澤、渡辺、古賀、田中、竹中、能塚の順でクリアした。2周目、渡辺は横澤、能塚は竹中をパス。3周目以降、岡野と渡辺が後続を引き離しながら、トップ争いを演じていった。3番手争いでは、横澤を古賀と能塚が僅差で追い、少し離れて田中と竹中も接近戦。5周目、能塚は古賀と横澤の攻略に成功したが、この段階ですでに2番手を走る渡辺との差は約8.5秒にまで広がっていた。翌周以降、能塚は後続を引き離しながらさらなる追い上げ。遅れた4番手争いでは、横澤に田中が迫った。

レースが中盤に入っても、岡野と渡辺のテール・トゥ・ノーズ状態はハイペースのまま続き、能塚との差は縮まらず。7周目、田中は横澤を攻略すると、徐々に能塚との距離を詰めていった。レースが後半に入ると、能塚と田中も接近戦となり、ここから遅れた横澤の背後には竹中が迫る展開。トップ争い、3番手争い、5番手争いがそれぞれ2台によるバトルとなった。迎えた15周目、それまで岡野をマークし続けていた渡辺が、痛恨の転倒。すぐに再スタートしたが、これで岡野が独走して、渡辺は単独走行の2番手となった。終盤、能塚は田中を離し、竹中は横澤を攻略。レースは岡野が勝利し、渡辺が2位、能塚が3位、田中が4位、竹中が5位、横澤が6位となった。


両ヒート優勝で能塚とのポイント差を11点に縮めた岡野は、「地元の名阪で、初めての優勝できて、しかも両ヒートで勝てたので、本当にうれしいです。チャンピオンはまだ諦めていないので、次も勝ちます!」と宣言した。




ヒート1では数秒の差を守り切り
タイトル獲得に王手の大倉由揮

ヒート2では圧倒的な速さを見せ
優勝で年間王者を決めた大倉



決勝ヒート1で好スタートを切ったのは大澤雅史(#16)。これに児玉伯斗(#74)と下村里駆(#62)が続いたが、下村はコース中盤で転倒。児玉が大澤を抜き、1周目を児玉、大澤、ポイントリーダーの大倉由揮(#1)、佐々木麗(#93)、ランキング2番手の大城魁之輔(#65)、手操将志(#53)の順でクリアした。2周目、大倉は大澤を抜いて2番手に浮上。3周目、大倉はトップを走る児玉の背後に迫った。同じ周、3番手には大城がポジションアップ。以下は大澤、佐々木、手操、尾崎大二郎(#45)、西垣魁星(#28)、大石一斗(#79)らが、縦に長い集団となった。

4周目、大倉は児玉を抜いて先頭に立つと、すぐさまリードを拡大。翌周には、それが5秒近くにまで拡大した。大城は児玉に肉迫して、4番手以下は大澤を先頭に9台が列をつくる大混戦となった。6周目、大城が児玉を抜いて2番手に。大澤を先頭とする激戦はなおも続いた。7周目、大城は児玉を完全に引き離して、トップの大倉を猛追。4番手争いでは手操が先頭に立ち、佐々木と西垣が続いた。さらに翌周、4番手集団では西垣が前にでて、全体的に前後間隔が拡大。大倉と大城の差は、3〜4秒のこう着状態となった。10周目、5番手だった手操がリタイアして、佐々木が順位アップ。ラスト3周となった11周目には、大石が大澤を抜いた。この周、大倉は2秒ほどリードを拡大。そのまま逃げ切って大倉が優勝、大城が2位となった。児玉は最後まで単独走行で3位。西垣が4位、佐々木が5位、大石が6位となった。


決勝ヒート2は、大倉が大城を121点リードして迎え、大城が12点以上縮めない限り、大倉がシリーズタイトル獲得を決定する状況で迎えた。その1周目、大倉は小野千成(#40)に次ぐ2番手で1周目をクリア。一方の大城は、下村と林憂人(#69)を間に挟んだ5番手からのレースとなった。2周目、大倉が転倒を喫して、大城の背後に。林が順位を下げたことから、大城が3番手、大倉が4番手となった。翌周、2番手の下村がミスで順位を落とし、これで大城が2番手、大倉が3番手に。翌周、ふたりは揃ってトップの小野を抜いた。5周目以降、大城と大倉が僅差のトップ争いを演じる一方で、小野は大きく遅れ、2台によるマッチレースに。3番手争いでは、小野に代わってまずは手操がその先頭に立ち、6周目には松本直人(#5)、森永彩斗(#10)、西垣、鴨田翔(#128)も小野を抜いて上がってきた。

レースが後半に入っても、大倉は大城のマークを続け、8周目に逆転。すると、レース終盤にかけて一気にリードを拡大していった。これにより、大城は単独走行の2番手に。大きく遅れた3番手の手操は、後続を引き離して、こちらも単独走行となった。4番手争いは混戦で、松本を森永と西垣と鴨田が猛追。そして10周目、松本はついに順位を下げ、西垣が一気に4番手まで浮上した。レースは、圧倒的な速さを見せた大倉が優勝して、ベストラップタイムではこれに迫った大城が2位。3位以下は、ベストラップタイムではこのふたりから5秒前後離され、3位に手操、4位に西垣、5位に鴨田、6位に森永が入賞した。


今大会の結果、シリーズタイトルを獲得した大倉は、「両ヒート優勝でチャンピオンを決められて本当にうれしいです。でも、まだシーズンは終わっていないので、残り2戦も気を引き締めていきます」と笑顔。一方の敗れた大城は、「情けない走りをしてしまいました。残り4ヒートは全勝するつもりで臨みます」と決意を言葉にした。




今後のタイトル争いを有利にする
今季5勝目を挙げた中野洋子



オープニングラップでトップに浮上したのは、今季これまでに4勝を挙げてシリーズランキングトップを守る中野洋子(#3)。ここがホームコースとなる昨年度女王の安原さや(#1)、地元大会となる久保まな(#5)、勝股七海(#7)、13ポイント差のランキング2番手で今大会を迎えた竹内優菜(#2)、こちらも地元大会の本田七海(#4)が続いた。2周目、勝股は順位を下げ、久保が安原をパス。これで上位勢は中野、久保、安原、竹内、本田のオーダーになり、縦長のトップグループを形成した。この集団で、竹内は3周目に安原、4周目に久保をパスして、2番手に浮上。この段階で約2.5秒前を走る中野を追った。

翌周、竹内のペースが中野を上回り、これで中野と竹内はほぼテール・トゥ・ノーズの状態。一方で3番手以下は、このふたりから5秒ほど遅れ、久保を先頭に安原と本田が僅差で続く展開。夏休みにはレディースライダーの世界選手権にスポット参戦した畑尾樹璃(#14)は、ここから完全に遅れて6番手キープとなった。レース後半、トップの中野と2番手の竹内との間隔はわずかに広がったが、それでもその差は2秒ほど。緊迫の展開が続いた。一方の3番手争いは、ラスト2周となった9周目に、まず久保が転倒して順位を下げ、これで安原が3番手。続いて本田も転倒して、大きく順位を下げた。そしてレースは、中野が最後までリードを守り切って優勝。竹内が2位、安原が3位で表彰台に登壇した。4位は畑尾、5位は久保。6位には、1周目11番手から追い上げた鈴木優那(#18)が入賞した。

「応援のおかげで、最後まで耐えられて勝てました」と、優勝した中野。一方、僅差で敗れた竹内は、「昨年、このコースでケガをして恐怖心もあったのですが、それに打ち勝って走り切ることができてよかったです」と、誇らしげに感想を述べた。




総合5位以下を周回遅れにして
総合優勝を決めた生嶋竜樹


5〜9歳のキッズライダーが参加したチャイルドクロスは、1周1分ほどにショートカットしたコースを、5分+1周する方式で競われた。決勝には、国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスに29名、海外ブランドが力を入れる2ストロークマシンで参加できるBクラスに5名が出場。総勢34名と盛況なレースとなった。

ホールショットを奪ったのは、パワーに勝るBクラスの生嶋竜樹(#19)。これに、同じくBクラスの守大夢(#9)と高師来駆(#6)と楠原歩(#32)、Aクラスの瀬尾柚姫(#78)や大石義人(#31)らが続いた。午前中の走行で路面が荒れたセクションも多く、レースはスタート直後から各所で転倒者が続出する展開。2周目には、守も転倒で順位を下げた。この中、トップの生嶋は驚異的な安定感とスピードを披露してトップを快走。一度もその座を譲ることなく、総合優勝を収めた。総合2位には高師が入賞し、こちらがBクラスの2位。中盤に3番手に浮上した大石が、瀬尾の追撃を振り切り、総合3位でAクラス優勝となった。瀬尾が約3秒差で、総合4位かつAクラス2位。トップと同一周回はこの瀬尾までで、生嶋の速さが光るレースとなった。