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 '16全日本モトクロス選手権第2戦 関東大会 
             
                                                        ↑'16スケジュール




全日本モトクロス選手権シリーズの16年第2戦となる春の関東大会埼玉トヨペットカップは、例年どおり埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジが舞台。荒川と入間川の間に位置する河川敷のコースは、高低差がないフラットな土地に、バリエーション豊かなジャンプやリズムセクションと、タイトターンを中心としたコーナーを配してある。

予選が行われた土曜日の天候は、晴れ時々曇り。最高気温は20度で、絶好の観戦日和となった。しかし決勝が開催された日曜日は、朝から雲が空を覆い、猛烈な強風が吹き続ける異常気象に見舞われた。それでも午後は少し風が弱まり、晴れ間が見えるようになると、気温は25度にまで達した。あいにくの天候にもかかわらず、関東地方での大会ということから、2日間で7,200名のモトクロスファンが会場を訪れた。






全戦優勝を目標に掲げる成田亮が
開幕戦に続いて両ヒートを制覇

以前から得意とするコースで
余裕のある走りを披露した成田



今季からカワサキ系のチームでファクトリーマシンを駆る小方誠(#4)が、予選の段階で出場をキャンセルしたことから、22台によるレースとなった。その決勝ヒート1で好スタートを決めたのは、開幕戦で両ヒート優勝を達成したホンダファクトリーチームの成田亮(#982)。これに、今季からKTMにマシンをスイッチした地元出身の星野優位(#166)、この星野とチームメイトになる北居良樹(#100)、スズキファクトリーチームの熱田孝高(#2)、今季からスズキを駆る深谷広一(#13)、ヤマハファクトリーチームに移籍した三原拓也(#6)が続いた。一方で、スタート直後の1コーナーで発生したマルチクラッシュにより、ヤマハファクトリーチームの平田優(#99)や今季は再びカワサキに乗る星野裕(#9)が、大きく出遅れることになった。レース序盤、上位勢は縦に長い集団に。2周目に三原の後方に浮上したカワサキファクトリーチームに所属する新井宏彰(#331)までの7台が、後続を離していった。成田は、6周目にこのヒートのファステストラップタイムを記録したが、2番手の星野優位も大きく遅れることなく、3秒以内の差でマークを続けた。

レースが中盤に入ると、上位集団から深谷と新井が少し遅れたが、依然として7台が縦に長いグループを形成。各ライダーの差は3〜5秒ほどと、息の詰まる展開となった。レース前半が終わる10周目、それまで前後と約3秒の間隔を保っていた3番手の北居が、ミスによりややタイムを落とし、これで4番手の熱田と5番手の三原が接近。11周目、北居は熱田と三原の先行を許した。翌周、北居は三原を抜き返したが、その直後に転倒して、スタートで出遅れたスズキファクトリーチームの小島庸平(#1)に次ぐ8番手に順位を落とした。バトルが演じられている間に、深谷と新井は前方との差を詰め、これにより熱田、三原、深谷、新井が僅差の3番手集団に。成田と星野優位は、やや抜け出したカタチとなった。そして14周目、三原がついに熱田の攻略に成功して、3番手に順位を上げた。レース終盤、それまで成田のマークを続けていた星野優位が少し遅れ、これで成田が独走。星野優位は単独走行に近い2番手となった。三原は熱田に対して数秒のリードを守り、4番手を走る熱田の後方には深谷を抜いた新井が接近。深谷は新井から遅れ、背後には小島が迫った。しかしその後、順位が変動することはなく、成田が優勝、星野優位が2位、三原が3位、熱田が4位、新井が5位、深谷が6位となった。


決勝ヒート2は、再び成田のホールショットでレースがスタート。ヒート1はスタート直後の転倒などで12位に終わった平田が、今度はしっかりスタートを決めてこれに続いた。一方で、新井と小島はオープニングラップの混戦で転倒を喫し、下位からの追い上げを強いられた。1周目の上位勢は成田、平田、星野裕、星野優位、三原のオーダー。序盤から逃げ切りを図ろうとする成田に対して、平田と深谷、星野優位と三原らが追撃を開始して、レースが少し落ち着いた4周目の段階では成田、平田、深谷、三原、星野優位、星野裕、熱田が縦に長いトップ集団となった。6周目、6番手を走っていた星野裕が、転倒により8番手に後退。平田のすぐ背後には、深谷と三原が迫った。

レースが中盤に入っても、成田は平田と2〜3秒の差を保ちながらトップを走行。深谷は、平田との間隔を少し開けながらも3番手をキープしていたが、その背後からは三原が激しくプレッシャーを与えていた。星野優位は5番手、熱田は6番手を守って周回を続けた。レースが動き出したのは、終盤に入ってから。なおもハイペースを保つ成田に対して、平田がじわじわと遅れ、これで成田のリードが拡大。平田と4秒ほどの差で3番手をキープしていた深谷を、ラスト4周となった17周目に三原がパスすると、その直後に深谷が再逆転を狙うも転倒。これで深谷は8番手まで後退し、平田は後続から7秒ほどのリードとなった。さらに、星野優位の後方には熱田と新井が接近して、ラスト3周あたりから三つ巴のバトルに。残り2周となった19周目、熱田は星野優位を抜いた。そしてレースは20周で終了。後続のバトルとは無縁でトップを快走した成田が再び勝利を収め、平田が2位、三原が3位、熱田が4位、星野優位が5位、新井が6位となった。


開幕戦に続いて両ヒートで勝利を収めた成田は、「このコースはパッシングポイントが少ないので、両ヒートともスタートで前にいられるように集中して臨みました。熊本で大震災があり、とても心配しています。アグレッシブなレースを通じて、みなさんに勇気をわけられると信じているので、少しでも想いが届くようにと思って走りました」と、ホンダの二輪車生産工場もあり、わずか2週間前に開幕戦が行われた地でもある熊本の状況を心配していた。




ホンダファクトリーに新加入した
能塚智寛が今大会も両ヒート優勝

転倒の多さなどの課題も残したが
驚異的な速さも印象づけた能塚



決勝ヒート1、ホールショットを奪ったのはホンダファクトリーチームの能塚智寛(#28)。これに田中雅己(#113)、小川孝平(#912)、道脇右京(#39)、古賀太基(#122)、岡野聖(#31)が続いた。レース序盤、道脇は徐々に順位を落とし、能塚はコンマ数秒ずつリードを蓄積。4周目ごろには、能塚が3秒ほどリードを奪い、田中と小川と古賀が僅差の2番手争いを演じ、この3台から3秒ほど遅れて岡野が5番手となった。その後も、能塚はアドバンテージを少しずつ拡大。次第に独走態勢となっていった。2番手争いからは、古賀が少し遅れ、一方で小川は田中を猛追。レースが中盤に入った7周目には、ついに小川が田中のパッシングに成功した。さらに翌周、古賀も小川に続き、これで2番手以下は小川、古賀、田中の順。その後方には、岡野が少し近づいた。

レースが後半に入ると、小川から岡野までの2番手争いは、その距離が縮まり、より白熱した展開に。この中で、腕上がりの症状に苦しめられた古賀は13周目と14周目に順位を落として5番手に後退すると、その後は集団から遅れていった。3台に絞られた2番手争いでは、16周目に岡野が田中をパス。勢いを保った岡野は小川に迫り、逆に田中は少し遅れた。そしてラスト3周となった18周目、岡野が逆転に成功。抜かれた小川も粘り、2台のバトルは最終ラップまで続いた。しかし最後まで順位は変わらず、最後はタイムを落とす余裕を見せながらトップチェッカーを受けた能塚に続いて、岡野が2位、小川が3位でゴールして表彰台に登壇した。田中は4位、古賀は5位でフィニッシュし、6位には1周目16番手から追い上げたスズキファクトリーチームの竹中純矢(#29)が入賞した。


決勝ヒート2は古賀、田中、横澤拓夢(#36)、道脇、大塚豪太(#34)らが好スタート。ところが能塚は、そもそもの出遅れに加えて混戦の中で転倒を喫し、1周目24番手からのレースとなった。2周目から3周目にかけ、トップを走る古賀がハイペースで後続を引き離しにかかったが、4周目からはこれに田中が対応して、5周目には再び古賀と田中が接近戦を演じることになった。またこのふたりから数秒遅れて、横澤と道脇も3番手争いを展開。5番手には、竹中が1周目10番手から追い上げてきた。一方の能塚は、パッシングポイントが少ないとされるコースとは思えない、驚異的な追い上げを披露。2周目に16番手、3周目には11番手、4周目には8番手、そして5周目には前との距離はあるものの6番手まで順位を回復してきた。

田中に追いつかれてからも、古賀はしぶとくトップを守り、この2台が徐々に3番手以下との差を拡大。8周目の段階で7秒ほどの間隔を開けた3番手集団では、依然として横澤が順位を守ったが、その後方には竹中と、この周に道脇をパスした能塚が迫った。そして翌周、能塚は竹中と横澤を次々に攻略して、3番手に順位を上げた。10周目には、竹中も横澤をパス。さらに翌周、トップ争いではついに田中が古賀を抜いた。12周目、4番手を走っていた竹中のマシンがエンジンストップ。これで竹中はリタイアとなった。また、能塚は古賀をパスし、今度は田中の背後に迫った。そして13周目、能塚は田中をあっさりとパス。終盤は一気にリードを拡大して、再び勝利を収めた。田中は2位、古賀は3位でそれぞれ単独フィニッシュ。終盤には横澤の背後に大塚が迫るも順位は変わらず、横澤が4位、大塚が5位となり、6位には1周目23番手とこちらも大きく出遅れていた渡辺祐介(#32)が入った。


ホンダに乗ってからの全日本決勝4ヒートを、すべて勝利で飾った能塚は、「ヒート1は最初から最後までトップで、久々に気持ちがいいレースでした。ヒート2は転倒で出遅れましたが、本当によく乗れていたと思います」と、表彰台の頂上で笑顔を見せた。




開幕戦に続いて圧倒的な速さで
両ヒート優勝を決めた大倉由揮

地震で被災した熊本が地元の
石浦優がヒート2で2位表彰台に



決勝ヒート1でホールショットを決めたのは山田仁(#36)。これに柳橋翼(#19)、大石一斗(#79)、森永彩斗(#10)、開幕戦両ヒート制覇の大倉由揮(#1)、小野千成(#40)らが続いて、1周目をクリアした。しかし2周目、3番手の大石はエンストによりほぼ最後尾まで後退。トップの山田も転倒を喫して順位を下げた。大倉は森永をパスし、これで柳橋、大倉、小野のトップ3。さらに大城魁之輔(#65)、森永、竹野拓実(#41)、藤田勇(#7)、高橋虎支郎(#58)が僅差で続いた。3周目、大倉は柳橋をパスしてトップに浮上。さらに、後続から2秒ほどのリードを奪った。これを追って、小野と大城も柳橋をパス。翌周、大城が小野を抜くと、大倉の独走を阻止するかのようにすぐ背後に迫った。

レース中盤、大倉と大城は後続を引き離しながら激しいトップ争いを展開。6周目には大城がトップを奪ったが、すぐに大倉が抜き返した。3番手は小野、4番手は柳橋、5番手は1周目15番手と出遅れていた西垣魁星(#28)がキープ。6番手以下は、藤田を先頭に縦長の集団となった。トップ争いは、大倉を大城が2秒ほど後方でマークした状態が継続。レースが後半に入った8周目、小野の背後に柳橋が迫り、翌周に逆転。両者の後方には西垣も近づき、10周目には西垣も小野をパスすると、今度は柳橋と西垣による接近戦が開始された。6番手集団からは、藤田と高橋が少し抜け出た。11周目、逆転のチャンスをうかがっていた大城が転倒。すぐに再スタートしたが、大倉のリードは約7秒に拡大した。同じ周、西垣は柳橋をパス。さらに翌周、高橋は藤田の攻略に成功した。そしてレースは14周でチェッカー。大倉が優勝、大城が2位、西垣が3位、柳橋が4位、小野が5位、高橋が6位となった。


決勝ヒート2は、西垣の好スタートで幕を開けると、1周目から激しい上位争いが繰り広げられ、松本直人(#5)、根岸瑞生(#15)、飯塚翼(#29)、大倉、西垣、高橋、柳橋、ヒート1は15位に終わった石浦優(#4)の順で1周目をクリア。ヒート1で2位となった大城は、スタートで出遅れると、序盤に転倒してリタイアとなった。大混戦となった序盤のトップ争いで、3周目にトップ浮上を果たしたのは大倉。これを3秒ほどの差で西垣が追い、さらに2秒ほど間隔を開けて松本、根岸、高橋、飯塚、石浦が激しい3番手争い。これに続いて、西元気(#26)や小野、大石らが大混戦を演じた。4周目、上位集団の中から西垣と飯塚が転倒で姿を消し、この間に大倉がリードを約7秒に拡大。2番手争いは根岸、石浦、高橋の接近戦となった。

5周目、石浦が2番手グループの先頭に立ったが、根岸や高橋、追い上げてきた西も粘り、接近戦が継続された。そこから2秒ほど遅れ、小野と下村里駆(#62)と大石が6番手争い。7周目には、石浦が集団からややリードし、小野が西に接近したことから、根岸を先頭に6台の3番手争いに発展した。レース後半、ここからまず抜けたのは高橋。石浦のすぐ背後に迫った。根岸は徐々に順位を落とし、大石らがポジションアップ。終盤には、大倉が独走を続ける一方で、石浦と高橋と大石が僅差の2番手争いを演じた。そして最終ラップ、大石が高橋をパスして3番手に。さらに大石は石浦にも迫ったが、こちらは大石が順位を守り、13周のレースは大倉が再び勝利し、石浦が2位、大石が3位、高橋が4位、西が5位、小野が6位となった。


開幕戦に続いて両ヒートを制した大倉は、「ヒート2は思っていたほどタイムが伸びず、納得の走りではありませんでした」と、開幕戦に続いて勝利の中にも課題を見いだしていた。またヒート2で2位となった石浦は、「地震で被災した地元の熊本のことを思うと、今回はどうしても表彰台に立ちたいと思っていました」と心境を語った。




先行逃げ切りを図った中野洋子が
開幕戦に続いて勝利を収めた



強風で土ボコリが発生するのを抑止するため、レース直前に大量の散水が実施されたことから、水分を含んだ泥が飛ぶ路面コンディションとなった。ホールショットは、開幕戦勝者の中野洋子(#3)。これに続いた竹内優菜(#2)を高橋絵莉子(#25)がパスして、1周目を中野、高橋、竹内、畑尾樹璃(#14)の順でクリアした。レースは序盤から、トップ4台が後続を引き離していく展開。第2グループは3周目あたりから4台で構成され、その先頭に開幕戦3位の久保まな(#5)が浮上した。一方、ディフェンディングチャンピオンの安原さや(#1)は、1周目15番手と大きく出遅れた。4周目から5周目にかけ、それまで僅差でチームメイトをマークしていた高橋のペースがやや落ち、これで中野のリードが4秒超に拡大。高橋のすぐ背後には竹内が迫り、さらに畑尾も続いた。

レースが後半に入った6周目、捨てレンズの取り外しでミスをしていた竹内がゴーグルを外す間に、畑尾が先行。2番手争いは高橋、畑尾、竹内のオーダーとなったが、なおも接近戦が続けられた。7周目エンドの段階で、中野は7秒以上のアドバンテージを確保していた。迎えた8周目、前走車が跳ね上げた泥の影響で前が見えなくなった竹内が転倒。これにより2番手争いは高橋と畑尾に絞られ、この2台から大きく離れて久保、安原、本田七海(#4)、竹内が4番手争いを展開することになった。そして最終ラップで、畑尾が高橋の攻略に成功。本田や安原の転倒により竹内は順位を上げた。これによりレースは、中野が開幕連勝を達成。畑尾が2位、高橋が3位、久保が4位、竹内が5位、本田が6位となった。


「散水でスリッピーだったので、スタート前はとても不安だったのですが、『練習どおりの走りができれば勝てる』という東福寺保雄監督の言葉を信じて走りました」と中野。2位の畑尾は、「地元の熊本が直前の大地震で被災して、いろんな方々から気遣う言葉をいただいたので、優勝してそれに応えられなかったのは残念ですが、表彰台に上がれてよかったです」と、やや複雑な表情をみせた。




羽賀駿登の猛追を抑え切って
Aクラス優勝を獲得した瀬尾柚姫


キッズライダーが参加するチャイルドクロスは、1周1分ほどになるようにショートカットしたコースを、5分+1周する方式で行われた。レースは、予定どおり昼に一度開催されたが、事前説明と異なるサイティングラップなしの進行に対する抗議の結果、同日の夕方にやり直しとなった。この影響で、国内メーカー製となる4ストローク50ccマシンが走るAクラスは3名がDNSとなり、14名の出走となった。また、海外ブランドが力を入れる2ストロークマシンで参加できるBクラスには、1名のみがエントリーした。

レースは、好スタートを切った赤松樹愛(#38)を、唯一のBクラスライダーとなった生嶋竜樹(#19)が抜いて、序盤からリードを拡大。Aクラスのトップ争いは、赤松を先頭に瀬尾柚姫(#70)や高師来駆(#34)、水野零埜(#80)、羽賀駿登(#1)らによって繰り広げられた。4周目を終えた段階で生嶋は完全に独走し、瀬尾は2番手に浮上。以下は赤松、高師、水野、羽賀のオーダーとなったが、ここから羽賀が追い上げ。残り3周となった5周目には、瀬尾の背後に迫った。さらに、高師も赤松を猛追。瀬尾と羽賀は最後まで順位を守り、高師は残り2周のところで赤松をパスした。そしてレースは、生嶋が独走で総合優勝。瀬尾が総合2位でAクラス優勝、羽賀が総合3位でAクラス2位、高師が総合4位でAクラス3位となった。




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