前人未踏の4連覇を狙う中須賀克行が完璧なレース展開を見せた。公式予選では、自分自身の持つコーレコードを1秒2も更新。決勝でも一人旅になるかと思われたが、その大方の予想通りのレース展開となった。 ポールポジションから好スタートを見せた中須賀は、ホールショットを奪うとオープニングラップから2番手以下を引き離して行く。予選3番手スタートの高橋巧もスタートはよかったが、1コーナーを突っ込み過ぎてしまい遅れてしまう。2列目4番手グリッドの柳川明が2番手に、スタートに定評のある加賀山就臣は、3列目から3番手に上がり、津田拓也、中冨伸一、山口辰也、野左根航汰、浦本修充、渡辺一樹、伊藤勇樹と続いて行く。オープニングラップのヘアピンでは、中冨が加賀山をかわし3番手に浮上。久しぶりに上位に顔を出してくる。 中須賀は2周目に1分28秒592をマークすると、3周目に、このレースのファステストラップとなる1分28秒532をたたき出す。他のライダーが1分29秒を切れない状況の中、何と7周も1分28秒台を記録。あっと言う間に独走体制を築いて行った。その後、レース中盤に入ると、柳川の背後に高橋が迫ってくる。そして13周目に高橋が柳川をかわして2番手に浮上すると、こちらも単独走行となって行く。さらに柳川の背後には野左根が迫ると、17周目のダブルヘアピン進入で柳川のインを突いた野左根が前に出て行く。 レース終盤に入ると、中須賀と2番手の差は約20秒もの大差となり、まさに一人旅。バックマーカーのパスも冷静にこなし、他を圧倒する速さでチェッカーフラッグを受け第2戦オートポリスから5連勝を飾った。また、岡山国際サーキットでは、5年連続でポールポジションから優勝を達成。前人未踏の4連覇、そして自身6度目のタイトル獲得に王手をかけた。 2位には、高橋が入り第3戦以来の表彰台となった。3位には野左根が入り今季3度目の表彰台。以下、柳川、中冨、山口、浦本修充、加賀山、渡辺、藤田拓哉と続くトップ10だった。津田は、5番手を走行していたが、18周目のリボルバーコーナーで転倒しリタイアに終わっている。 ランキングでは、中須賀が147ポイントに伸ばし、暫定ランキング2番手は107ポイントの高となった。最終戦MFJ-GP、レース1で勝てば文句なしでチャンピオン決定となる。3番手には野左根が92ポイント、渡辺が91ポイント、今回ノーポイントとなった津田が79ポイント、山口が79ポイントで並んでいる。