高橋裕紀がラストアタックでポールポジションを獲得! ストップ・ザ・高橋に燃える井筒仁康、生形秀之も上々の仕上がり J-GP2史上最長の22周で争われる戦いの結末は!?
全日本ロードレース選手権第5戦となる今回のレースから、シリーズ後半戦に突入。J-GP2クラスは、2010年にMotoGPロードレース世界選手権Moto2クラスに通じ、ST600クラスのステップアップクラスとして登場。6年目を迎え年々、そのレベルは上がってきている。特に、昨年は世界から戻って来た高橋裕紀が圧倒的な速さでチャンピオンを獲得。今シーズンも開幕から負け無しの3連勝と2連覇に向け驀進中だ。今回も高橋を中心に予選が展開されたが、決して楽な展開ではなかった。8月上旬に筑波で行われたテストで高橋は転倒し、肋骨を骨折していたからだ。「まだ痛みはありますが、それほどライディングに影響はありません。でもイヤな違和感はありますが…」と高橋。そんな状態ながらも予選では、セッション最後にタイムを出し、今シーズン4回目のポールポジションを獲得。昨年の最終戦を含めると5戦連続のトップグリッドとなる。 「自分の感覚と1秒ぐらいタイムがずれている感じですね。タイム的には満足ではないですが、路面温度とフォーミュラマシンとの併催レースというコンディションを考えれば仕方がないですね。井筒選手、生形選手を始め、多くのライダーが迫ってきていることは感じますし、自分も、もっと頑張らないといけないと思っています」と高橋。アスリートらしく、決して満足せず油断しない姿勢を貫いている。 2番手につけた井筒仁康は、ようやくトップを狙える条件が整ってきた。昨年は、雨のSUGOで優勝を飾っていたが、その後は転倒が続いた。今年は勝つためにオリジナルフレームを投入したが、開幕前のテストで転倒し負傷してしまう。5月末にツインリンクもてぎで行われた第3戦では、3位に入るものの高橋に17秒もの差をつけられたことを悔しがっていた。ただ、このときは、まだ傷が癒えていない状況だったことを考えれば健闘したと言えるだろう。そして前戦は、マシンがまとまってきていたが、オープニングラップで転倒している。今回は、体調もよくマシンもまとまってきているだけに、どんなレースを繰り広げるか楽しみなところだ。 3年連続ランキング2位となっている生形秀之も虎視眈々と勝利を狙っている。初日に足回りにビッグトラブルが発生するも、その問題が出たパーツを交換し、マシンをセットアップしてきている。予選では、ブリヂストンが新たに投入した予選タイヤを使うが、事前に試せていなかった部分で遅れを取ってしまい攻めきれなかったと言う。それでも1分53秒台に入れているだけに、仕上がりはまずまずと言ったところだ。 決勝は、高橋のペースに井筒と生形がどこまでついていけるかがカギとなるだろう。最高速が劣っていながらもライダーの調子はいい関口、元気のいい渥美心、長島哲太、石塚健、予選でアタックのタイミングを失敗したという岩田悟などもトップグループに絡んでくるかもしれない。 22周というMotoGPロードレース世界選手権Moto2クラスと同じ周回数というJ-GP2クラスでは、長丁場となる今回のレース。高橋がいつものように逃げるか? ライバルが追いすがるか?? Moto2マシンと市販ベースマシンの激突の結末は!?。