2015年全日本ロードレースシリーズ第4戦、J-GP3クラス3戦目となるレースが宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。予選日から降っていた雨は決勝日の朝には止んでいたが朝のウォームアップ走行までに完全には乾かずハーフウエット路面で行われた。その後JSB1000クラスのウォームアップ走行終了後から落ちだした雨のためJ-GP3決勝レースはウエット宣言が出された。雨は大粒ではなく霧雨程度、微妙なコンディションの中で20周の決勝レースが行われることになった。スタート進行が始まったがポールポジションの宇井陽一はウォームアップ走行前のグリッド整列に並べずヒヤリとしたが、ピットからウォームアップ走行に出て決勝レースのグリッドについた。そして午前10時、20周の決勝レースが予定通りスタート! ホールショットは宇井が奪い、栗原佳祐、水野涼、國峰啄磨と続いて第1コーナーに進入する。ハイポイントコーナーで水野が宇井のインをついてトップに浮上。レインボーコーナーでは國峰が、続く馬の背コーナーで栗原が宇井をパスする。さらにシケインで真崎一輝が宇井をパス、オープニングラップは、水野が制し、國峰、栗原、真崎、宇井、ゲリー・サリム、渋田晨央、徳留真紀、関野海斗、岡崎静夏と続いて行く。2周目に入ると水野、國峰、栗原、真崎の4台が一歩抜きん出てトップグループを形成していたが、3周目には栗原が遅れ出し3台によるトップ争いとなる。その栗原の背後には、徳留が迫ってくる。 4周目の3コーナーでは、真崎が國峰をパスして2番手浮上、さらにバックストレートから馬の背コーナーへの進入で水野をかわしてトップを奪う。5周目の1コーナーで水野が真崎のインをつくがラインがクロスして2コーナーで真崎が抜き返す。しかし水野は4コーナーで真崎をかわして再びトップを奪うなど目まぐるしく順位が変わる。この2台の後方に國峰と遅れていた栗原が追いついて二つのグループを形成。その後方に徳留が単独5番手走行となっていた。その直後の馬の背コーナーで國峰が痛恨のスリップダウン、再びコースインするが順位を7番手まで落として6周目のコントロールラインを通過して行く。 そんな國峰を尻目にバックストレートから馬の背コーナーにかけて真崎が水野をかわして再びトップを奪う。その後方では、単独3番手になった栗原の背後に再び徳留が迫ると8周目のホームストレートで徳留が栗原をかわして3番手に浮上する。しかし、10周目の馬の背コーナーで徳留が転倒してしまい戦線を離脱してしまう。 トップを走る真崎は1分39秒台にペースを上げ、水野を引き離しに入るが水野も39秒台に入れて食らいつく。レース折り返しを過ぎた11周目、トップ真崎と水野の差は0.514秒、水野と栗原の差は8.3秒に広がる。ここで4番手争いが接近してきた。ゲリー・サリム、三原壮紫、そして転倒で順を落としていた國峰の3台が接近戦を繰り広げる。そこに宇井、安村武志も加わり5台による4番手争いとなる。 12周目にはトップ争いをする2台の前にバックマーカーが出てくると水野が真崎との差を詰め始め、テールtoノーズのバトルを展開。14周目の両者の差はわずか0.066秒。両者共に1分39秒台のペースで周回、16周目の1コーナーで水野が前に出るがやや膨らみラインがクロスし真崎が抜き返す。 そしてレースも残り3周となるとトップ争いをする2台の前に5台のバックマーカーが見えてきた。真崎と水野の間に2台バックマーカーが入って4コーナーを立ち上がる。シケイン進入では3台のバックマーカーが入りファイナルラップを迎える。真崎と水野の差は1秒7まで開いてしまっていた。何とか、その差を詰めたい水野だったが最後の1台のバックマーカーを抜くのに手間取ってしまい逆に間隔が開いてしまう。真崎がそのままトップでチェッカーを受け、今シーズン2勝目を挙げた。水野は悔しい2位。3位には栗原が入り、3戦連続表彰台に上がった。激しい4位争いはゲリー・サリムが制し、宇井が5位、安村が6位、三原が7位、8位が國峰で決着がついた。以下、9位澁田、10位岡崎のトップ10であった。
レーススタート