鈴鹿2&4レースで全日本ロードレース選手権の2014年シーズンが始まった。金曜、土曜と天候に恵まれ、各ライダーは、今シーズン最初の戦いのためにマシンのセットアップに勤しんだ。その中で、いい流れをつかんだのが、ディフェンディングチャンピオンの中須賀克行だ。中須賀は、3月3日のファン感謝デー後のテストを細心の注意を払って臨んでいた。ここ2年ほど、この時期のテストで転倒し負傷していたからだ。この"鬼門"とも言えるテストを無難にこなした中須賀は、今回のレースウイークに入っても慎重にコンディション、そして自身のマシンの調子を見ながらタイムを着実に縮めてきた。金曜の2セッションでトップ。そして予選でも、ただ一人2分06秒台に入れる2分06秒832をマークする。 「マシンは、変わっていませんが今回は季節的なコンディションが大きいと思いますがストレートの伸びがいいですね。3月のテストからマシンに乗る機会がなかったので、金曜日は、まずは走り込みから始めました。タイムも、そこそこ出ていましたし、予選でも、もちろん自分の持つコースレコードを更新することが目標でしたし、常に高いところを見て走っているので、もう少しタイムを出しておきたかったというのが正直なところですが、アベレージもいいですし、20周をどう戦うかが重要ですね」と中須賀。 2番手には、ヨシムラで2年目のシーズンを迎える津田拓也が2分07秒088でつけた。「今までとは違う方向のセットで臨んでいるのですが、チームのおかげで、いいフィーリングになってきています。ただ、勝負するには、アベレージをもっと上げないといけないので、決勝朝のウォームアップ走行で詰めておきたいですね」と津田。 高橋巧、秋吉耕佑のHonda勢が3、4番手と続いているが、マシンセットを詰め切れていないようだ。また、金曜日に2番手タイムを出していた渡辺一樹は、それまでは、好調だったものの予選では、不発の6番手。 「クリアラップを取りたかったので、真っ先にコースインしたのですが、最初はマシンの調子がいま一つでタイムを出せませんでした。2回目のアタックでは、ペースの違う人に会ってしまいタイムを伸ばせませず不完全燃焼な予選になってしまいました。フロントロウに並んでおきたかったので悔しいです。テストは調子がよかったので気持ちを切り換えて決勝でうまく走りたいですね」と渡辺。チームメイトの柳川明が5番手につけているが、実は、約2カ月前にケガをしており、まだ体調が完璧ではない状態。決勝は、自分自身との戦いになりそうだ。 今回のレースは、1周約5.8kmの鈴鹿サーキットを20周と、スプリントレースにしては長い戦いとなるため、タイヤマネジメントが重要となる。今のところ中須賀の仕上がりがよく、レースも中須賀が引っ張る展開となりそうだ。中須賀としては、レース序盤で、ある程度、台数を減らし、ついてくるライバルがいれば、相手の出方を見ながら様子を見て、レース終盤に勝負という展開になるだろう。中須賀が逃げるか!? ライバルが最後まで食らいついていけるか!? 最終コーナーをトップで駆け下りてくるのは、果たして!?