タイトルに王手をかけた山田誓己のホールショットでスタートしたJ-GP3クラスの決勝は、1周目のシケインで鳥羽海渡と菊池寛幸が接触し転倒、長尾健吾もここに追突。後続の水野涼も回避しようとしてコースアウトを喫する多重のアクシデントとなり、トップグループが2周目のシケインに差しかかったところで赤旗が提示される。菊池はこのアクシデントでダメージを負い、リタイアとなってしまう。鳥羽はマシンの修復に時間を要し、グリッドにつくことができない。
仕切り直しとなったレースでも山田がホールショットを奪い、宇井陽一、國峰啄磨、仲城英幸、大久保光、小室旭らが続く。大久保はS字コーナーで仲城を抜き4番手に上がると、その後、國峰、宇井を次々とパス。シケインで山田を捕らえ、トップに浮上する。
オープニングラップは大久保、山田、國峰、仲城、宇井、小室、亀井雄大、佐野優人、長尾、水野の順にコントロールラインを通過。2周目に入るメインストレートで大久保は2つポジションを落とし3番手となるが、西ストレートで2番手に挽回。早くもトップグループは山田、大久保、國峰、仲城の4台に絞られ、小室、宇井、亀井、佐野がセカンドグループを形成する。
3周目のメインストレートでは仲城が大久保の前に出るも、ヘアピンで大久保がポジションを奪い返すなど、バトルが続く。130Rでは國峰が山田を交わしトップに浮上。仲城も大久保を抜き3番手でメインストレートに戻ってくる。5番手を争うセカンドグループは3周目に宇井が集団のトップに立つが、翌4周目には亀井が前に出るなど、ここでも、ポジションを入れかえるバトルが続いていた。
トップ争いは、山田が5周目にレースのベストタイムとなる2分17秒120をマークすると、6周目の1コーナーで國峰をかわしトップを奪い返す。その後方で仲城と大久保がバトルを繰り広げているうちに、山田と國峰はハイペースで逃げトップ争いは一騎打ちとなっていく。
宇井を筆頭にした4台による5番手争いも抜きつ抜かれつのバトルが続いていたが、11周目のスプーンカーブの立ち上がりで宇井が転倒、リタイアとなってしまう。
山田をしっかりマークし、チャンスをうかがっていた國峰は、ラストラップの西ストレートでスリップストリームに入ると130Rで前に出る。國峰は山田の前でシケインに進入するも、山田が國峰のインを突き、勝負は決まった。山田は今シーズン4勝目を挙げ、國峰が僅差の2位。ラストラップのシケインで仲城の前に出た大久保が3位表彰台を獲得。この最終戦が引退レースとなった仲城は、4位で全日本最後のレースを終えた。5位争いは小室が制し、亀井、佐野と続いてゴールしている。
山田は自身初の年間チャンピオンをポールポジションから優勝という最高の形で決め喜びを爆発させた。國峰がランキング2位、大久保がランキング3位を獲得した。 |