グリッド3番手の長島哲太がスタートダッシュを決め、真っ先に1コーナーへ進入するが、ブレーキングで突っ込み過ぎてしまい、その隙にデチャ・クライサー、野左根航汰、井筒仁康が長島の前に出て行く。その後には関口太郎、高橋英倫、浦本修充、生形秀之らが続いていたが、ボブスコーナーの立ち上がりで関口がハイサイドで転倒。後続の高橋も関口に接触し転倒し、オープニングラップで早くも2台がリタイアとなってしまう。
オープニングラップを制したのは野左根。デチャ、井筒、長島までの4台がトップグループを形成。アクシデントの影響で5番手の浦本との差は1秒761と広がっていた。セカンドグループは浦本を先頭に、生形、星野知也、大木崇行、岩田悟、津田一磨と続いていた。
トップ争いは、2周目の1コーナーで井筒がデチャを抜き2番手に浮上。さらにヘアピンで野左根をかわし井筒がトップに立つ。一方、デチャはヘアピンで長島にもかわされ、4番手に後退する。続く3周目には、長島がヘアピンで一気に2台を抜きトップを奪うと、レースをリードし始める。4周目のバックストレッチで2番手にポジションを挽回した野左根が長島を追うが、コンマ8秒前後の差をなかなか縮めることができない。デチャも野左根に続くが、井筒は徐々に2番手争いから離され、後ろから来た浦本と生形に追いつかれてしまう。6周目の1コーナーで浦本を抜き5番手につけた生形は、9周目のヘアピンで井筒をかわし4番手に浮上。前を行くデチャを追うが、その差はすでに4秒近くまで広がっていた。
トップをキープしていた長島は12周目に、このレースのファステストラップとなる1分32秒606をマーク。後続を引き離そうとするが、野左根も離されまいとペースを上げる。3番手のデチャは徐々に野左根から離され、単独走行となって行く。その後方では生形がペースを上げ、デチャとの差を縮めていく。
2番手を走行する野左根は、一時は1秒余りあった長島との差を詰め、16周目には長島の背後に迫る。しかしリアブレーキにトラブルが発生してしまい勝負を仕掛けることができない状況に追い込まれてしまいトップ2台の差は、また広がっていく。
その後も2台の差は縮まらず、今季からJ-GP2クラスへスイッチした長島は初の表彰台を優勝で飾った。約1秒半の差で野左根が2位を獲得。単独走行となったデチャの背後には、生形が迫っていたが、デチャが逃げ切り3位でゴールした。生形は、2秒足らず届かず4位となった。以下、浦本、井筒、大木、岩田の順にチェッカーを受けている。その後方では、ラストラップのダブルヘアピン進入で星野のインを狙った津田が入りきれずに転倒。星野も巻き込まれてしまう2台とも転倒。完走扱いとなり、それぞれ15位、16位となっている。
ポイントリーダーの野左根は135ポイント、ランキング2番手の生形は127ポイントとなり、その差は、8ポイントまで広がった。タイトル獲得の可能性はこの2人に絞られたが、最終戦はボーナスポイントが加わることもあり、チャンピオンシップの行方はまだわからない。 |