不安定な天候となった決勝日。JSB1000クラスのスタートが切られたころには、雨はほとんど止み、路面は所々乾いているところもあるコンディション。グリッドでタイヤを交換するライダーも少なくなく、タイヤチョイスも難しい状況となっていた。
ホールショットを奪ったのは、ポールポジションからスタートした柳川明。これに加賀山就臣、中須賀克行、秋吉耕佑、渡辺一樹、高橋巧と続いていく。決勝日朝のウォームアップ走行で息を吹き返した秋吉は、オープニングラップの第1ヘアピンで中須賀を、複合コーナーで加賀山をかわし2番手に上がると、3周目の第2ヘアピンで柳川をかわしてトップに浮上する。この時点で早くもトップ争いは、秋吉、柳川、中須賀の3台に絞られてくる。一方、加賀山は、右コーナーで問題が発生してしまいペースを上げられず、3周目に10番手までポジションを落としてしまう。「トップが見えなくなるほど離されてしまったし、危ない状況だったのでピットインしようかと思ったほどでしたが、5周目ぐらいから症状が治ってきたので、徐々にペースを上げていきました」と加賀山。
レースは、秋吉が引っ張り、柳川をかわしたい中須賀が、何度も第1ヘアピンで仕掛けていくが、前に出ることができない。その後、5周目の1コーナーで中須賀が2番手に上がるが、7周目には、柳川が再び2番手に上がると、8周目の100Rから250Rで中須賀がはらんだところをインから前に出ていく。そして9周目のホームストレートから1コーナーで秋吉をかわし柳川がトップに立つ。秋吉は、第2ヘアピンで仕掛けるが、ジェットコースターストレートで柳川が前をおさえる。しかし、11周目の100Rから250Rで柳川のインに入った秋吉が再びトップに浮上。そのまま逃げに入りたいところだったが、中須賀も、そうはさせじと12周目の第1ヘアピンで柳川をかわし追撃態勢に入る。一方、2人についていきたい柳川だったが、ペースを上げることができず、徐々に遅れてしまう。
レース終盤となり、秋吉と中須賀の一騎打ちとなったトップ争いは、14周目の1コーナーで秋吉をかわした中須賀が、そのままスパート。一気に秋吉を引き離し、今シーズン初優勝を飾った。秋吉は約3.5秒差の2位、柳川が3位に上がり、九州勢が表彰台を占めた。
一時は、10番手まで順位を落としていた加賀山は、徐々にペースを上げ、残り2周となった15周目にファステストラップをマークし、4位でゴールした。その背後には、スポット参戦の出口修が続いた。以下、津田拓也、山口辰也、アズラン・シャー・カマルザマン、高橋、今野由寛、藤田拓哉、吉田光弘、渡辺一樹、須貝義行、北口浩二と続いた。 |