最終ラップのシケインで岩崎が無念の転倒! デチャが3連勝を飾る!! |
ホールショットを奪ったのは、3番手グリッドからスタートしたデチャ・クライサー。これにポールポジションの岩崎哲朗、津田拓也、チャランポン・ポラマイ、稲垣誠、横江竜司、小林龍太、渡辺一馬、中冨伸一、アズラン・シャー・カマルザマン、モハド・ザムリ・ババ、伊藤勇樹と続いていく。オープニングラップは、そのままデチャが制し、岩崎、チャランポン、津田と続く。2周目には、チャランポンが馬の背コーナーで岩崎をかわし2番手に浮上。早くもタイヤマハ勢が1-2態勢を築く。3周目には、小林が稲垣をかわしトップグループに食らいつく。デチャを逃がしたくない岩崎は、4周目の1コーナーでチャランポンをかわし2番手に浮上。2コーナーから3コーナーの切り返しでは、津田がチャランポンをかわし3番手に上がる。様子を見ようかと思ったけれど、トップを走る経験もしたかったとレース後に語った岩崎は、5周目の1コーナーでデチャをかわしてトップに上がると、そのままレースをリードしていく。その後方では、8番手を走っていた渡辺がペースアップしようとしていたが、SPインコーナーでフロントから無念の転倒を喫してしまう。
トップグループは、岩崎、デチャ、津田、チャランポンの4台に絞られ、小林、中冨、稲垣、伊藤、アズランと続いていく。レース中盤になると暑く厳しいコンディションからか、転倒が多くなってくる。9周目には小林、12周目には横江も転倒し、サバイバルレースの様相を呈してくる。レース終盤になると井筒仁康が後方から追い上げトップグループに迫ってくる。15周目にはトップグループにつけていたチャランポンが1コーナーでフロントから転倒。まだ、オートポリスで負ったケガからは完全に復調しておらず、フィジカルトレーニングができていなかったと言う。さらに3コーナーでは稲垣が転倒し、戦列を離れてしまう。
トップ争いは、依然、岩崎がリードし、デチャがピタリとマーク。その後方には、津田をかわした中冨が上がってくる。井筒も19周目の馬の背コーナーで津田をかわし4番手に浮上。アウト側にいた津田は、そこで転倒を喫してしまう。
迎えた運命のファイナルラップ。岩崎はラストスパートをかけ、ややリードを築くことに成功。1コーナーでは、中冨がデチャを抜き2番手に上がる。しかしデチャも馬の背コーナーで中冨を抜き返し、このまま勝負はあったかと思われた。しかしトップでシケインに入った岩崎がまさかの転倒!
マシンをすぐに起こし再スタートするが…。10%勾配を登り切り、チェッカーフラッグをトップで受けたのはデチャで3連勝を飾る。2位に中冨が入り、3位に井筒、4位に伊藤と続いた。ほぼ勝利を手中にしていた岩崎は、無念の5位。以下、アズラン、手島雄介、國川浩道、篠崎佐助、岡村光矩というトップ10となった。 |
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優勝:#30 デチャ・クライサー/Yamaha Thailand Racing Team
『今日のレースは、本当にいろいろなことがありました。ポイントを考えると絶対に転んではいけないレースでした。もちろんチャンスがあれば勝ちを狙おうと思っていました。トップを走る岩崎選手についていくのも大変でしたし、中冨選手に抜かれて、抜き返すことができたし、とても勉強になりました。ラッキーな部分がありましたけれど、最後に勝つことができてよかったと思います。残り2戦も取りこぼしのないように、ベストを尽くしたいと思います』 |
2位:#43 中冨伸一/HiTMAN RC甲子園ヤマハ
『厳しいレースでしたが、何とかトップグループについて行けて表彰台に上がれたことはよかったと思いますが、デチャ選手を一度抜いたのに、抜き返されてしまったのは悔しいですね。ポイント的には、かなり離されてしまっているので、残り2戦はポイントのことよりも勝ちにこだわって集中してレースをしたいと思います』 |
3位:#77 井筒仁康/RS-ITOH&ASIA
『前回のオートポリスラウンドが終わった後、このままでは勝つことができないとチームに言って改善された部分もあるのですが、今回は、去年からSUGOで問題になっている部分があり、その解決に時間がかかってしまいました。それでもメカニックが頑張ってくれて、決勝朝のウォームアップでいい状態にしてくれました。ただ、レースがスタートしてからブレーキが入ってしまい、10周ぐらいブレーキを思うように使えない状態でした。そこから追い上げて行こうと思いましたが、みんな厳しい状態でしたし、実際転倒車も多かったですね。チームメイトの岩崎選手が勝ってくれると思ったのですが…。残り2戦、チャンスはあると思うので一緒にいいレースをしたいですね』 |
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トップの岩崎とデチャ |
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優勝:デチャ・クライサー(写真中)、2位:中冨伸一(写真左)、3位:井筒仁康 |
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