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 '12全日本モトクロス選手権 第8戦中国大会 
                     ↑'12スケジュール



前大会から約1ヵ月のインターバルを再び挟み、全日本モトクロス選手権の今季ラスト2となる第8戦中国大会が、広島県のグリーンパーク弘楽園で開催された。今季第3戦の舞台ともなったコースは、県南東部の海沿いにある観光都市の尾道から北西方向約30kmに位置する、世羅高原の山中にある。「花とフルーツと駅伝のまち」をうたい、マツタケの産地としても知られる世羅町は、山陽自動車道とつながる尾道自動車道が昨年開通したことで、クルマでのアクセスが飛躍的に向上した。

自然の地形を利用したアップダウンに富むコースは、全日本屈指のハイスピードレイアウトを誇り、テクニカルなジャンプも多く、かなり見ごたえがある。これまで、走行によるホコリの発生が問題となることが多かったことから、今大会では入念な散水作業を実施。決勝が行われた日曜日は朝から秋晴れとなり、2日間で5400名のモトクロスファンが来場した。






今季、成田亮以外では唯一の
ウィナーとなっている新井宏彰

ヒート2で今季13勝目を挙げて
タイトル獲得に王手をかけた成田亮

決勝ヒート1。2番手の新井宏彰(#331)と46ポイント差のランキングトップで今大会を迎えた成田亮(#1)がホールショット。ところがその直後、後方で複数のクラッシュが発生したことにより、赤旗が提示されてレースは仕切り直しとなった。10分後に再びスタートが切られると、今度は新井がホールショット。成田はスタートで出遅れ、大幅にショートカットされた設定の1周目を10番手でクリアする、追い上げレースとなった。フルコースとなった2周目の段階で、上位勢は新井、熱田孝高(#2)、増田一将(#7)、深谷広一(#14)、小島庸平(#44)、成田の順。翌周以降、トップの新井はじわじわとリードを拡大した。成田は3周目に小島、4周目には深谷を抜き、増田は5周目と6周目に順位をダウン。レースが中盤に入る6周目エンドには、新井、熱田、成田、深谷、小島、増田のオーダーとなった。

トップを走行する新井が、すでに約7秒のアドバンテージを築いたのに対して、2番手の熱田と3番手の成田は僅差の接近戦を展開。しかしレースが後半に入ると、成田のペースがやや落ち、熱田はポジションをキープした。11周目、小島が深谷を抜いて4番手に浮上すると、翌周には成田をパスして3番手にポジションアップ。成田は、12周目に深谷を攻略して5番手に順位を上げた増田や、1周目15番手から追い上げてきた島崎大祐(#52)の接近を許した。レース終盤、4番手以降は8台ほどのマシンによる大混戦に。この中、増田が17周目に転倒してリタイア。島崎と深谷が成田を抜いて順位を上げた。そしてレースは、19周でチェッカー。最初から最後まで危なげない走りでトップの座を守った新井が優勝し、2位に熱田、3位に小島が入賞して表彰台に登壇した。4位以降は、島崎、深谷、成田の順となった。

「スタートからぶっち切ることができて、本当に気持ちがいいです。チャンピオン争いは厳しい状況ですが、とにかく残りの全レースで勝つつもりで臨みます」と、優勝した新井選手は表彰台の上でファンの声援に笑顔でアピール。「予選を2番手で通過し、このコースで速い新井選手がトップじゃなかったので、勝てるかもと思いましたがムリでした」と、2位に入賞した熱田も笑顔。3位の小島は、「今年は苦戦が続いていますが、最終戦までになんとか1勝したい」と誓った。

また決勝ヒート2では、熱田が好スタートを決め、成田、島崎、小島、深谷がこれを追う展開に。フルコースとなった2周目から、成田は積極的な走りで熱田を攻め立て、3周目にはトップに立った。しかし熱田も粘りをみせ、すぐさま再逆転に成功。深谷の後方には、スポット参戦の納屋望(#24)、ヒート1は8位でゴールした小方誠(#40)を挟み、1周目11番手と出遅れた新井が上がってきた。4周目、3番手の島崎が成田に迫り、熱田と成田の差はやや拡大。その後、成田と島崎の間隔も少し広がり、6周目には熱田、成田、島崎、深谷、小島の5台がやや縦に長いトップ集団を形成した。その後方では、納屋が順位を下げ、小方と新井が接近戦の6番手争いを展開。8周目には瞬間的に新井が前に出たが、小方が粘って6番手をキープした。

レース後半、トップ集団から小島が遅れ出し、これでトップ争いは4台に。すると12周目、熱田がマシントラブルによりリタイア。これにより成田がトップに浮上した。その翌周、深谷が島崎を抜いて2番手にポジションアップ。その後方では、小島に小方と新井が迫った。そして、レースが残り2周となった18周目、新井の追撃をかわしてきた小方が小島を抜いて4番手に浮上。ラストラップには、新井も小島を抜いた。これによりヒート2は、成田が優勝、2位に深谷、3位に島崎、4位以降は小方、新井、小島の順に。これにより成田は、最終戦ヒート1を11位以内でゴールすれば、自力でシリーズタイトル防衛が決定できることになった。

「ヒート1は、一度切れてしまった集中を取り戻すのが難しく、タイトル争いのことも意識して走りがカタくなってしまいました。ヒート2は気持ちを切り替えて臨み、若手ライダーが元気よくて苦労しましたが、無事に勝利を収めることができました。残り2ヒートも確実に勝って、チャンピオンにふさわしい走りでタイトル獲得を決めたいです」と成田。また2位入賞の深谷、3位入賞の島崎はいずれもこれが全日本最高峰クラスでの初表彰台。深谷は「IA-1に昇格した昨年の中盤に大ケガして、今年もケガがあり、やっとこの第8戦で表彰台に立てました。サポートしてくれているみんなに感謝します」と、また島崎は「IA1ルーキーでまだまだ実力が足りず一番低い場所ですが、地元大会で表彰台に立てました」と、笑顔を見せての表彰台登壇となった。





最後まで続いた激しいバトルを制して
今季3勝目を手にした田中雅己

ヒート2で勝利した星野優位は
ランキング2番手で最終戦に臨む


決勝ヒート1は、スタート直後に発生したクラッシュにより、赤旗再スタートとなった。この2度目のスタートで、ホールショットを奪ったのは近藤祐介(#64)。フルコースとなった2周目、この近藤を岡野聖(#61)が抜き、3周目以降に佐藤亮(#70)を先頭とした超接近戦の2番手争いが展開されている間に、岡野はリードを4秒ほどにまで拡大していった。5周目、山本鯨(#55)が佐藤を抜いて2番手に浮上。翌周には田中雅己(#113)も佐藤の攻略に成功して3番手に浮上し、山本と田中は接近戦を演じながら岡野へと接近していった。

そして8周目、田中はまず山本のパッシングに成功すると、フィニッシュジャンプで岡野を抜いて一気にトップへと浮上。さらに、この3台の後方では竹中純矢(#57)が佐藤を攻略して4番手にポジションアップを果たすと、翌周には山本が岡野をパスし、田中、山本、岡野、竹中によるトップ集団が形成された。しかし岡野は、その後もハイペースを取り戻すことができず、10周目には4番手へと後退。岡野を抜くのにやや時間を使ったこともあり、竹中は前の2台から3秒ほど遅れ、その後ろにはディフェンディングチャンピオンの三原拓也(#1)が迫ってきた。

レース終盤の15周目、接戦のトップ争いでは山本が田中を抜き、このバトルでややペースが落ちた間に竹中が接近。3台によるドッグファイトが繰り広げられた。そしてラスト2周となった18周目、田中と竹中が山本をパス。しかしラストラップで山本は竹中を再逆転して、田中、山本、竹中の順でゴールした。田中は、今季3勝目を達成。山本は、ランキング2番手の星野優位(#166)がスタートで出遅れて5位となったことから、ランキングトップをキープ。竹中はIA昇格2年目で初表彰台登壇となった。4位には三原、6位には岡野が入賞。勝利を収めた田中は、「昨日から乗れていなくて、どうなることかと思いましたが、まわりが全力でサポートしてくれて、走りが改善しました。最後までバトルの連続だったので、観戦していて楽しいレースができたと思います」と、このヒートを振り返った。

また決勝ヒート2では、星野がホールショット。佐藤や上田康平(#60)らがこれを追った。2周目、佐藤は序盤から逃げ切りを図った星野をしっかりとマーク。ヒート1で勝利を収めた田中はスタートでやや出遅れて、2周目の段階で12番手。ヒート1で2位の山本は同9番手、3位の竹中は同7番手、4位だった三原は同14番手からの追い上げを狙った。レース序盤は星野に肉迫した佐藤は、5周目になると急激にペースが落ち、逆に星野はこの周にベストラップタイムを記録。これにより両者の差は、一気に3秒ほどまで拡大した。さらに翌周以降も佐藤のペースは上がらず、背後に上田と斉藤嵩(#911)が接近。山本、竹中、田中も差を詰め、レースが中盤に入ると激しい2番手争いが繰り広げられた。

佐藤はこの集団の中で順位を落とし、10周目には上田、山本、竹中、佐藤、斉藤、田中のオーダー。11周目には山本が2番手、翌周には竹中が上田、田中が斉藤と佐藤を抜き、2番手以降は山本、竹中、上田、田中の順となった。この段階でトップの星野は、約12秒の大量アドバンテージを確保。竹中は山本に迫り、田中は14周目に上田を抜いて4番手に浮上した。そして、ラスト4周となった14周目、竹中が山本をパスして2番手に浮上。ところがラストラップ、山本がアタックをしかけて竹中と接触し、竹中のみ転倒。これによりレースは、星野、山本、田中、竹中の順で終了することになった。シリーズランキング3番手の三原は5位まで追い上げてフィニッシュ。上田が6位入賞を果たし、斉藤は7位でゴールした。

「スポーツランドSUGOでの第4戦以降、ずっと勝てないレースが続いていたのですが、ようやく自分らしい展開で勝つことができました。スタートで前に出られた段階で、勝利を確信しました」と笑顔の星野。一方の山本は、「またしても2位。最終戦はとにかく頑張ります」と、悔しさをにじませた。なお今大会の結果、ポイントランキングでは山本が星野を5点リードし、三原が星野と16ポイント差の3番手に着けて、2週間後の最終戦を迎えることになった。





午前に行われたIB-2に続いて
勝利を手中にした北原岳哲



スタート直後の1コーナーで、優勝すれば自力でのシリーズタイトル獲得が決められる能塚智寛(#70)が転倒。これにより能塚は、1周目28番手からの追い上げを強いられた。オープニングラップでトップに立ったのは、エントリーライダーの中でただひとり2ストマシンを駆る佐々木雅哉(#1)。これに、植田翔太(#64)、森地槙之介(#126)、早川太一(#13)、北原岳哲(#72)らが続いた。シリーズランキング2番手で、このレースで2位以内に入らないと能塚にタイトルを献上することになる渡辺祐介(#5)は、1周目11番手からの追い上げレースとなった。

2周目、北原が2番手まで浮上し、渡辺は一気に6番手までポジションアップ。3周目には、北原が佐々木を抜いてトップとなり、3番手の植田が4番手の早川と接触転倒したことなどから、渡辺は4番手に順位を上げた。この段階で能塚は、早くも12番手まで順位を回復。4周目と5周目にもふたつずつポジションをアップすると、その後の3周では1周にひとりのペースで攻略し、8周目には5番手に浮上した。

一方、トップに立った北原は、レース中盤になってもその座をキープ。後方では、5周目に佐々木を抜いた渡辺が、じわじわとその差を詰めてきた。そしてレース終盤、両者の差は約2秒に。しかし最後は北原が意地をみせてトップでゴール。午前に行われたIB-2に続いて全日本での勝利を収めた。2位には渡辺が入賞し、シリーズタイトル決定は最終戦へと持ち越し。3位には佐々木が入った。4位は、1周目15番手から前半で一気に順位を上げた渡邊涼太(#2)。能塚は5位となった。

「後半は腕がパンパンになってしまい、とても苦しいレースでしたが、たくさんのひとが応援してくれたので最後まで頑張れました」と北原。また、多くのライダーがオープンでも250マシンを使う中で450を駆る渡辺は、「スタートで遅れてしまいましたが、450のパワーを生かして追い上げることができました。最終戦は地元大会なので、優勝を目指します」と宣言した。





中央が全日本IB初優勝の北原岳哲、
右が同初表彰台の小林邦義



シリーズランキングをリードする佐々木雅哉(#1)がホールショット。1周目のコントロールラインを、佐々木、小林邦義(#16)、北原岳哲(#72)の順でクリアした。フルコースとなった2周目、北原が小林を抜いて2番手にポジションアップ。さらに翌周、北原と佐々木が接戦を演じ、北原がトップに浮上した。4周目、2番手を走行していた佐々木が転倒して、12番手まで後退。これにより小林がトップ北原と約4秒差の2番手となり、その後方では8台による大混戦の3番手争いが繰り広げられた。

レース中盤、この集団から抜け出してきたのが、渡邊涼太(#2)、そして逆転によるシリーズタイトル獲得の可能性を残していた神島央佐(#8)と能塚智寛(#70)。7周目、渡邊は3番手に浮上すると、後続の神島と能塚をやや引き離して、2番手の小林に接近していった。迎えたレース終盤の11周目、渡邊が小林を抜いて2番手に浮上。しかしこの段階で、トップの北原は10秒以上のアドバンテージを築いていた。またこの周に、能塚と神島が接触して両者転倒。神島はリタイアとなり、転倒後に追い上げていた佐々木が4番手に浮上し、能塚は5番手でレースに復帰した。そしてレースは13周で終了となり、北原が全日本IB初優勝を達成。2位に渡邊、3位にはIB昇格5年目で初の表彰台登壇となる小林、4位に佐々木、5位に能塚、6位には一時10番手に落ちながら追い上げた早川太一(#13)が入賞した。

「やっと初優勝できました。これまでやってきたことが、ようやく報われたような気がします。応援してくれているすべての方々に感謝します」と、北原は表彰台の上で喜びを表現。2位の渡邊は、「スタートで前に出られず、トップに追いつけませんでしたが、2位でも表彰台に立てたのでうれしいです」と、こちらも笑顔を見せた。





接戦を制して今季4勝目を挙げ、
タイトル争いで有利となった邵洋子



6戦の有効ポイント制が導入されているシリーズランキング争いでは、安原さや(#20)が邵洋子(#2)を2点リードして今大会を迎えたレディースクラス。決勝レースでは、邵が好スタートを決めてオープニングラップでトップに浮上。2周目には安原が、このレースでのファステストラップタイムを刻みながら2台を抜いて2番手にポジションを上げ、レース序盤から女王候補同士が直接対決することになった。

そして3周目、安原が邵をパスしてトップに。しかし抜かれた邵もすぐさまペースを上げて安原をピタリとマーク。レースが後半に入った6周目には、再び邵が安原の前に出る、し烈なバトルが続けられた。さらに、終盤になっても両者の接近戦は続き、最終ラップには安原が猛アタックで邵のサイドに並びかけた。しかし最後は、邵がその座を明け渡すことなく先にチェッカーを受けて、第5戦北海道大会以来となる今季4勝目を挙げた。安原は、邵とわずか約0.7秒差の2位。また3位には、1周目6番手から追い上げたシリーズランキング3番手の畑尾樹璃(#7)が入賞した。

「負けのレースが続いていたので、今日は絶対に勝とうと臨みました。いままで経験したことがないくらいのすごい接戦が続いたので、すごく大変でしたが、勝ててうれしいです」と邵。一方の敗れた安原は、「こんなにバトルしたのは久しぶりだったので、その点は楽しかったですが、負けて悔しい。最終戦で、チャンピオンをかけて邵選手にリベンジします」と、表彰台でファンの声援に応えた。今大会の結果、ポイントランキングでは邵が安原を1点リードして、最終戦を迎えることになった。





前回の第7戦近畿大会に続き
総合優勝を決めた米田海斗君


毎回、この中国大会で併催されるチャイルドクロスには、多くのエントリーがある。今大会でも、地元の中国地方はもちろん、近畿や東海、九州や四国に住む多くのキッズライダーが参戦。国内メーカー製のバイクが出場できるAクラスの28名と、海外ブランドのバイクで参加できるBクラスの4名が混走で、5分+2周の決勝レースへと臨んだ。

ビッグジャンプなどをショートカットした1周1分強のコースを、最初に戻ってきたのはBクラスの柳瀬大河君(#15)。これに、同じくBクラスの米田海斗君(#49)と坂井結太君(#92)、Aクラスの阿久根芳仁君(#1)や那須愛斗君(#70)が続いた。2周目、2番手の米田君がこのレースの最速ラップタイムを叩き出すと、翌周には柳瀬君を抜いてトップに浮上。その後は後続を引き離していった。5周目、Aクラスの阿久根君がBクラスの坂井君を抜いて総合3番手に浮上。一方、クラス2番手で総合5番手をキープしていた那須君は、転倒により9番手まで順位を下げた。

そしてレースは7周でチェッカー。優勝は米田君、2位が柳瀬君、3位はAクラス勝者となる阿久根君と、総合成績3位までは第7戦近畿大会と同じ結果となった。4位には、Bクラス3位となる坂井君、5位には1周目の総合10番手から追い上げたAクラスの塩塚大夢人君(#21)が入賞。那須君は転倒後に追い上げ、Aクラス3位となる総合6位でフィニッシュした。