文部科学大臣杯　2011年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦 第43回MFJグランプリ SUPERBIKE RACE in SUZUKA
主催：鈴鹿サーキット(5.821Km)
決勝レポート
DATE:2011-10-29
■開催日/予選・決勝：10月29日(土) 　■天候・路面/予選・決勝：晴・ドライ
■開催場所/三重県・鈴鹿サーキット(5.821Km)　■観客数/10月29日(土) ：10,000人

　GP-MONOは今シーズン限りで単独開催がなくなることが決まっている。そのラストレースが土曜日に行われた。コースレコードを更新してポールポジションを獲得したのは長島哲太。これまでランキング2番手の藤井謙汰に10ポイントのリードを築いているため、藤井が優勝しても5位以内でゴールすればタイトルが決まるという状況だった。その藤井は金曜の走行で転倒し、右足の甲を骨折するケガを負っていたが、2番グリッドをゲット。満身創痍で決勝に挑んだ。

　レースはオープニングラップから激しいトップ争いが繰り広げられた。ホールショットを奪ったのはセカンドロウ4番手からスタートした小室。長島、藤井も続き、伊藤公一、田中歩、葛西雅廸を含めトップグループを形成する。

　レース序盤は藤井、長島、小室がポジションを入れ替える展開だったが、追い上げ葛西が6周目のバックストレートで伊藤を抜き4番手に浮上。その翌周、3番手につけていた長島がシケインで、まさかのオーバーランを喫し、トップグループから離れ5番手にポジションを落としてしまう。

　そして8周目には小室がデグナーカーブひとつめのゼブラに乗り上げ転倒。後ろにいた藤井のマシンに接触し、フロントフェンダーが破損し藤井は失速。この間に葛西がトップに立つが、シケインでは藤井がトップを奪う。

　迎えたラストラップ。1コーナーの突っ込みで葛西が再びトップを奪うが、逆バンクでは藤井が抜き返す。そして3番手の伊藤の背後には、コースレコードを更新する速さで、一時は3秒ほどもあった差を詰めた長島が迫っていた。バックストレートで葛西が藤井の前に出るが、シケインに真っ先に飛び込んだのは藤井。そしてラストラップで長島が一気に2台を抜き去り2番手で最終コーナーを立ち上がる。

　GP-MONOのラストレースは藤井が地元・鈴鹿の優勝で締めくくった。最終ラップで2分22秒568のレコードタイムをたたき出した長島が0.154秒差で2位となり、チャンピオンを獲得。3位にはスポット参戦の葛西が初の表彰台に立った。

優勝／藤井謙汰　F.C.C.TSR Honda
『ケガが思ったよりも痛くて、コーナーによっては踏ん張りがきかないところがあったり、S字の倒しこみが甘くなって刺されたりした。序盤、飛ばしていたわけではないのにトップを走れたから、その段階で、いい勝負ができるかなと思った。小室選手に一度シケインで抜かれたときも、立ち上がりで合わせて、コントロールラインでは自分が前に出られるか確認していたし、自分がトップにいる時はシケインでちょっと加減するようにしていた。最後のシケインは最初の倒しこみが右なので、痛くてもステップから足をはずしてでも突っ込んでいくつもりでした』

2位・2011チャンピオン／長島哲太　Projectμ7C HARC
『決勝は混戦になると予想はしていたけれど、あそこまで台数が多くなると思っていなかった。謙汰はケガをしているせいか、S字とかでは、けっこう詰まってしまい、それに合わせると小室さんに抜かれてしまった。最後は小室さんと謙汰が前にいたとしても裏ストレートで小室さん抜いてシケインで謙汰を抜けると思っていたので、ラスト3周となったシケインで試してみたらコースアウトしてしまいました。それまでチャンピオンのことが頭に引っかかっていて攻めきれなかったけれど、この順位（5位）で終わるくらいなら、と思い切って攻めました。最低でも表彰台は上りたかったので、2位でよかったけれど、GP-MONO最後のレースで勝ちたかったので悔しいですね。ただ、今年は多くの方に支えられてレースができたことが実感できたし、みんなのおかげでチャンピオンになれました。本当にありがとうございます。来シーズンも精一杯頑張ります』

3位／葛西雅廸　タニシ&Speed Heart
『鈴鹿サンデーでは謙汰くんと常に一緒に走っているので、謙汰くんの走りは分かっているのですが、途中でトップに上がって、もう一度シケインで（謙汰に）刺されたときに、今までの経験からいって"ちょっと勝てないな"と思った。後ろはあまり見ていなかったんですけれど、最終ラップでまさかテツくん（長島）にやられるとは思っていなかったです。序盤の追い上げでタイヤ使い切ってしまったので、最後はあまり無理できなかった。この経験をこれからのレースに生かしていきたいと思います』