文部科学大臣杯　2009年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦　SUPERBIKE RACE in TSUKUBA
主催：筑波サーキット(2.070Km)
決勝レポート
DATE：2009-4/5
■開催日/予選：4月4日(土)、決勝：4月5日(日) 　■天候/予選：晴のち曇　決勝：晴　■路面/ドライ
■開催場所/茨城県・筑波サーキット(2.070Km)　■観客数/予選：2,400人・決勝：15,100人

　2009年シーズンの開幕戦筑波は大波乱の展開となった。3列目8番手グリッドの大崎誠之が“人生最高のスタート”と語る好ダッシュを決め、ホールショットを奪う。ポールポジションの伊藤真一、山口辰也、酒井大作、中須賀克行、亀谷長純、高橋巧の順で1コーナーをクリアしていくが、その直後の第1ヘアピンで多重クラッシュが発生。ディフェンディングチャンピオンの中須賀を始め、酒井、亀谷、高橋巧、西嶋修が転倒してしまう。このアクシデントで赤旗が提示され仕切り直しとなる。さらに2度目のサイティングラップでは横江竜司が第2ヘアピンで転倒、この転倒に亀谷が巻き込まれてしまい、またも赤旗中断となる。酒井、中須賀、横江は、いずれも大きなケガはなかったものの頭を強打しておりグリッドにつくことはできずにリタイアとなってしまう。

　レースは5周減算され、25周で争われることになる。再び仕切り直しとなったレースは、伊藤真一のリードで始まった。好スタートを決めた高橋が2番手につけ、亀谷、大崎、柳川明、高橋孝臣、西嶋修、今野由寛と続いていく。オープニングラップで亀谷は高橋をかわし2番手に上がるが2度アクシデントの影響からか、なかなかペースを上げられない。伊藤がジリジリとリードを広げていくと思われたが、亀谷もペースを回復すると伊藤の背後を伺う。亀谷を引き離したい伊藤だったが、11周目の最終コーナーでまさかの転倒。つかみかけた勝利を不意にしてしまう。伊藤の転倒でトップを独走状態となった亀谷は危なげない走りでチェッカーフラッグを受け、2007年第2戦鈴鹿以来、2年振りの勝利を飾った。2位には、やはり単独走行となっていた大崎が入賞。3位争いは柳川と高橋巧の一騎打ちとなり、最終ラップの第1ヘアピン手前で前に出た高橋巧が制し、JSB1000初レースで表彰台に上がる健闘を見せた。柳川は悔しい4位。

　一方、マシントラブルのためにピットスタートとなった山口辰也はピットアウトして1コーナーをクリアしたときにトップは、すでに最終コーナーにさしかかっていた。ウォームアップラップもない状態ながらハイペースで追い上げ、最終ラップには5位となった今野に並びかけるところまでいくが、かわすことはできず6位でゴールしている。以下、高橋孝臣、西嶋、山中正之、清水郁巳の順でチェッカーフラッグを受けた。

優勝／#8　亀谷 長純　Honda DREAM RT 桜井ホンダ
『伊藤さんも56秒台前半で回ると思っていましたし、自分もテストから56秒台でコンスタントに走れていた。予選でも決勝で使ったタイヤで55秒5を出せていたから勝ちたいと思っていました。スタートしてから伊藤さんに少しずつ離されていましたが、自分も56秒前半にペースを上げてプッシュしていきました。伊藤が転倒して、トップに立ってからは真後ろにいると思っていたのでペースを落とさないようにしていた。残り10周ぐらいで、後ろとの差が8秒もあったのが確認できたので様子を見ながらチェッカーを目指しました。アクシデントに2度も巻き込まれてしまいましたが、マシンを修復するために、桜井ホンダのスタッフを始め、モリワキさんなど多くの方が力を貸してくれたおかげでグリッドにつくことができました。本当に感謝しています。ありがとうございました。思い入れのある筑波サーキットで勝つことができて本当にうれしいです。いい形で流れに乗っていきたい』

2位／#2　大崎 誠之　SP忠男レーシングチーム
『ニューマシンの特性になかなか慣れずに金曜日に転倒を喫してしまい、メインカーが使えなくなってしまった。土曜の予選ではタイムを出すことよりも決勝を見据えてセットアップに集中した。ベストタイムもロングラン中に出すことができたし、やっと決勝に向けて手応えを感じることができていました。最初のスタートでは自分でもビックリするくらい決まってホールショット。仕切り直し後も（高橋）巧を抜いてから、伊藤さんと長純に離されてしまっていたので、今の自分にとって追い上げることはリスクがあったし、現状キープすることを考えました』

3位／#56　高橋 巧　バーニングブラッドRT
『バックマーカーが出てきて、一気に追いついた。いつどこで抜くかを考えていましたが、バックストレートで引き離されていたので、レース終盤に1コーナーで勝負をしようと思っていました。最終ラップに仕掛けて1コーナーで柳川さんのインに入ったのですが、立ち上がりではらんでしまい抜き返されてしまいました。その直後の第1ヘアピンで何とか前に出られたので、抜かれないようにブロックして3位でゴールできてよかったです。今年からJSB1000クラスに参戦していますが、走るたびにタイムも縮まってきていました。でも、まだまだ勉強しないといけないことがあるので、もっと速く走れるように頑張ります』

2度の赤旗により、大幅に遅れたスタート。最終的に出走したのは19台（全22台）。

亀谷長純

大崎誠之