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全日本選手権シリーズランキング
 

写真&レポート

08シーズンは強かった
チャンピオン黒山健一
常に黒山に迫った
野崎史高は2位
ミスが目立った小川は第3位

国際A級スーパークラス

2008全日本トライアル選手権シリーズ第7戦 東北大会

泣いても笑っても、全日本選手権も最終戦。仙台近郊、スポーツランドSUGOでの全日本選手権は東北のトライアルファンにはなじみ深い。今回は、持ち時間との戦いがシビアな、眺めのセクションを多く配置して、国際B級が10セクション×3ラップ、国際A級が11セクション×3ラップで競われることになった。

全7戦の全日本選手権中、1戦を3位としたのみで、ほかのすべてで勝利を続けている黒山健一(ヤマハ)。今回は、10位以内に入りさえすれば、ライバルの結果がどうあれタイトルが獲得できるという状況で、タイトル決定戦を迎えた。スーパークラスは10位までがポイントを与えられるので、黒山の実力にしてみたら、事実上、完走すればタイトルは手に入るという状況だ。

今年1年、黒山を奮起させた張本人が小川友幸(ホンダ)。2007年チャンピオンで、黒山からタイトルを奪った男。しかし2008年は、どうしたことか、まだ1勝もない。黒山とのポイント差15点は、計算上逆転チャンピオンの可能性も残っているが、黒山がリタイヤでもしなければ、事実上ありえない可能性でもあった。最終戦では、今年勝てなかったくやしさをすべてぶつけて、なんとか1勝を目指したいところだ。

黒山を破って1勝を挙げた野崎史高(ヤマハ)も、この最終戦には期するものがある。これまでの3勝のうち、SUGOでは2勝を挙げている。野崎にとって、ここは相性のいい会場なのである。勝利だけではない。野崎は勝つことによって、ランキングでも小川友幸を逆転して、2位に浮上できる希望があった。

ほか、全日本に復帰して、いまだ本領を発揮しないままランキング4位を守る小川毅士(ホンダ)、近畿での負傷リタイヤが響きランキング5位となっているが、最終戦次第では4位が狙える田中太一(ホンダ)、2戦のみに参戦し、ランキングでの上位進出は望めないが、少しでも上位に入って来シーズンの環境を確保したい渋谷勲(ホンダ)と、それぞれの思いを秘めて最終戦の戦いが始まった。

序盤、絶好調だったのが黒山。今シーズンの黒山は、どの大会でも比較的気合いの入ったよい走りを見せているが、その中でも今回は別格にいい調子でクリーンを重ねている。後半の第9セクションでは、結局3ラップを通じて誰も上がれなかった難所があったのだが、1ラップめ、この9セクションにくるまでの8つのセクションを、黒山はすべてクリーンしてきた。

ちなみに8セクションを終了した時点での各ライダーのポイントは、野崎が7点、小川友幸が10点、渋谷勲が16点、小川毅士が17点、田中太一が25点。野崎の7点もかなり好調の結果で、小川友幸の10点も悪くないといえるのだが、それに対しても圧倒的な好調ぶりだ。

この上位6名の中では、今回は田中太一が不調だった。高い段差を駆け上がるポイントがあがれない。実に5点が17個。クリーンが13個もあるのだから、33セクションのうち、ほとんど5点とクリーンという戦いぶりとなってしまった。

渋谷と小川毅士は接戦だったが、2ラップめ、二人はより大きな目標を手に入れる。小川友幸だ。小川は1ラップを終えた時点で22点、渋谷は同じく1ラップを25点で終えている。3点差は、充分逆転が可能な点差だ。小川毅士は1ラップめを27点と、小川友幸とは5点差だったが、2ラップめに入って、3、4、5セクションを連続1点。4セクションで5点をとった小川友幸を脅かす位置に駒を進めてきた。その差、1点。

しかしこの頃になると、小川友幸も確実に3位をキープすることを狙い始めて、以後、4位以下との点差を広げていく。逆に、3位を狙った渋谷と小川毅士は、少しずつ減点をかさんでいって、表彰台は遠いものになった。

その頃、トップ争いにも動きがあった。1ラップめに完璧な走りを見せた黒山が、第4セクションの岩盤登りで失敗した。しかし野崎もまた、第1セクションで5点を喫していて、ふたりのスコアはあいかわらずの6点差。勝負は、誰も登れない第9セクションを抜けて、10セクションと11セクション。野崎はここをクリーンして、黒山は3点。黒山は第8でも1点ついているので、その差は2点と縮まった。しかも11セクションでは、ギャラリーやチーム関係者には、黒山の減点が5点とも見えたため、黒山と野崎が同点のまま最終ラップに入ったと認識されていた。緊迫の最終ラップになった。

両者は一歩も引かない。1ラップめの黒山が完璧だったなら、3ラップめはその黒山に加えて野崎も完璧だった。第8セクションまではすべてのセクションをクリーン。第9を両者あと一歩で登れず5点となったあと、第10はクリーン、最後の最終セクションにふたりがやってきた。

野崎は、2ラップめにここをクリーンしている。対して、黒山は2点、3点とクリーンが出ていない。野崎はここをクリーンして、黒山を一気に突き放す心づもりだった。しかし、思ったラインにマシンを進められず、思わず足を出して修正する。流れが切れたトライは、なんとか3点でまとめるのが精一杯だった。負けたか。しかしまだ、一縷の望みはあった。セクションを出て、振り返って黒山のトライを見守る野崎。

黒山の、自信に満ちたトライが始まった。しかし黒山も、野崎と同じポイントでマシンの挙動を乱して足が出る。このまま抜けられれば同点(と、野崎陣営は計算していた)、されどクリーン数の差で、黒山が勝利する。もし黒山がセクションをアウトできず、あるいはタイムオーバーなどになったら、野崎が逆転勝利する。

黒山は、もがきながらも、落ち着いてマシンを出口まで運んでいった。3点。この瞬間、黒山の最終戦勝利が決まった。もちろん全日本チャンピオンも、決定だ。

【黒山健一のコメント】

「今日はオートバイが調子よく走ってくれたので、気持ちよく走ることができました。ただ、2ラップめの第4セクションで不用意な5点をとってしまったので、それと、最終セクションをクリーンできなかったということをのぞいては、今日は完璧な戦いができたと思っています。野崎選手については、特に点数を把握はしていなかったのですが、接戦とは聞いていたので、2ラップめの第4セクションのようなことがあればひっくり返されるぞという意識はしていました」

【野崎史高のコメント】

「くやしいです。非常にくやしいです。最終セクションはクリーンできる計算だったのですけど。あと、2ラップめの第1セクションでミスをして5点をとってしまったのでいけなかったです。でもそれがあっても接戦ができたので、よかったかなとは思うんですが、今は最終セクションをクリーンできなかったくやしさのほうが大きいです」

【小川友幸のコメント】

「今日は調子がよくはなかったですね。5点が多かったですね。それがつらかった。今年は未勝利だったので、とにかく勝ちたかったのですが、それが裏目だったかな、勝ちを意識しすぎてしまったかもしれません。かたい走りになってしまったような気がします。今日はトップの二人がとても調子が良かったので、あのふたりの戦いに加わるのは無理だなと途中ではっきり認識して、3位を守るように作戦を切り替えました」

 


久しぶりのIA優勝
本田多元治
シリーズチャンピオン西元良太
最終戦は第2位
 

国際A級

第6戦中部大会で全日本チャンピオンを決めて、有終の美を飾りたい西元良太(スコルパ)が、1ラップめから快調にスコアをまとめていく。今シーズン、しっかり戦い、しっかり勝利できるようになった西元にとって、すでに何回も経験した勝ちパターンができつつあった。

しかし今回は、3ラップめにわずかにミスが出た。それでも、西元自身は勝ちパターンを崩していなかった。勝機は充分にあった。

そこに現れたのが、本多元治(ホンダ)だった。ホンダは3ラップめにそこまでの減点を10点以上縮めて、西元に詰め寄ってきた。結局トータルでは、本多が西元に3点差で勝利。西元はシーズン5勝目をあげることはできず、今シーズン初めての2位となった。

3位は前戦中部大会で優勝した柴田暁(ホンダ)、4位に地元の小野貴史(ホンダ)が入った。

【本多元治のコメント】

「SUGOで3番以内に入ったことがなかったので、今日も期待しないでテンションも上がっていなかったんですが、からだも動いていていい走りができてきたので、最終ラップ次第ではいけるかなと、気合いを入れなおし、今年1年の締めくくりにふさわしい走りができるように心がけました。優勝は4年ぶりくらいなので、うれしいです。若い選手がのびのび走っているので、それについていけるように。セクションについては、タイムオーバーにならないように心がけて走りました」

【チャンピオン・西元良太のコメント】

「くやしいです。2ラップめまで1位できてたのに、ちょっと崩しちゃったら、本多さんがすごいいいラップで回ってきちゃって。ただ、本多さんも目標にしてきたひとりなので、本多さんに負けるならしかたないかなと。今年1年は、YSP京葉のチームのみなさんのおかげと、なにより、マインダーを務めてくれた大畠速人さんのおかげです。ここまで鍛えてくれて、ほんとうにありがとうございました」

 


最終戦は小野田をおさえた
上福浦明男
IBチャンピオン小野田理智
 

国際B級

小野田理智(ホンダ)のタイトル獲得はほぼ決定的。今回も勝利して、チャンピオンに花を添えたいところだ。ところが、そうはさせじと気を吐いた男がいる。シーズン序盤は小野田とタイトル争いに火花を散らした上福浦明男(シェルコ)だ。今回は1ラップめから好調で、他を寄せ付けずに勝利を飾った。

小野田は、ラップを重ねるごとに追い上げたが、最終的にわずか1点差で2位に甘んじることになった。しかしこのシーズンは、3連勝を含む4勝と2位2回という、1位と2位しかない、まず完璧な戦いぶり。上福浦との間には14点のポイント差を築いて、2008年の国際B級チャンピオンに輝いた。

前回2位に入った2007年エキシビジョン125出身、松岡一樹(ホンダ)は、今回も5位に入って、安定感を増してきたことをアピール。今回のエキシビジョン125には、松岡と同じ関東の大神和樹(ガスガス)が参戦したが、来シーズンの活躍が期待されるところだ。

【上福浦明男のコメント】

「今日はわりと乗れていました。ライバルは崩れることがない選手なので、意識して戦っていました。今年全日本を全戦戦えましたが、オートバイを運んでもらって飛行機で移動ができるなど、助けてもらっての参戦で、楽しい1年をすごせました。来年は、セクションのレベルが上がってむずかしいかなと思うんですが、できるだけ国際A級にチャレンジしたいと思います」

【チャンピオン・小野田理智のコメント】

「今年1年は、チームのみんなと楽しくトライアルができて、楽しかったです。10年ぶりにバイクに乗ったのに、ここまで楽しいトライアルができて、ほんとうにいい1年でした。来年は、またチームのみんなにお世話になって、国際A級で1ポイント目指してがんばりたいと思います」

 



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