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全日本選手権シリーズランキング
 

写真&レポート

優勝した野崎史高
小川友幸は2位
黒山の連勝ストップ
第3位に

国際A級スーパークラス

2008全日本トライアル選手権シリーズ第5戦 中部大会

全日本選手権中国大会が、岡山県原滝山に帰ってきた。以前ここで開催されていたときは、この会場は川上町にあるトライアルパークだった。川上町は2004年に高梁市に合併となったので、高梁市が後援となる初めての全日本選手権となった。

黒山健一(ヤマハ)が開幕4連勝を決めて、2008年シーズンも大勢が決まった状況の国際A級スーパークラス。今回を含めて残り3戦は、しかし黒山以外にライダーにとっては、黒山一人に勝たれているこの状況を、なんとか打破したいところ。もちろん黒山にしても、気を許してはいられないから、シーズン終盤となって、緊張感は少しも揺らぐことはない。

序盤に好調なライディングを見せたのは小川友幸(ホンダ)だった。しかし小川に言わせれば、これも特に状態が良かったわけではなく、苦しい走りをしている中で、結果的にライバルに対してスコアがよかったのだということだ。
どうにも波に乗れなかったのが黒山。歓喜の雄叫びとともに田中太一(ホンダ)が3点で走破した第3セクション、あわやクリーンかという走りを見せた黒山だったが、がまんをしすぎたか、あっという間に崖下に転落。このとき黒山は腰を強打していて、序盤にして、痛みをかかえながら残る試合をこなしていくハンディを負うことになった。

この後黒山は、第4セクションでもあえなく5点となり、さらに7セクションから9セクションまでも連続5点となって万事休すとなった。もちろんこれらのセクションは今年の全日本選手権の中でも難セクションに数えられるものばかりで、そう簡単にクリーンが出るものでないのは確かだった。しかしスーパークラスの全員が5点となったのは第8セクションのみで、その他のセクションでは誰かが走破できていたから、黒山がこれらのセクションを根こそぎ5点というのは、やはりいつもの黒山ではなかったといっていい。

1ラップめ、スコアをまとめたのは小川友幸だった。ラップのトータルは15点。黒山の減点のちょうど半分だった。しかし結果をよく見れば、1ラップめのクリーン数はどちらも3。クリーンのできるセクションは、どちらのライダーにとってもごく少なかったということになる。

こんな中、6セクションをクリーンしたのが野崎史高(ヤマハ)だった。5点が3個もありながら、トータルでは小川に3点遅れるだけの2位につけた。黒山は、田中太一にも順位を譲って、4位で1ラップめを折り返している。

今回、実験的にいつもと異なる試合のシステムが採用された。いつもなら、朝一からスタートして全員がほぼ等間隔で試合を始めるが、今回は国際B級のみが朝一にスタート。国際A級はお昼過ぎのスタートとなった。渋滞や長い下見を回避するため、中国トライアル委員会が独自に提案したもので、将来の全日本選手権の開催システムへの提案を含めてのものだ。

スタートが遅い国際A級では、台数の多い国際B級とセクションで出会うことはないから、全体の持ち時間も短くて済むということで、今回は3時間40分が設定された。1ラップめの持ち時間は1時間40分。いつもは3時間半だから、そのてきぱきさは顕著だ。国際B級の戦いをじっくり見られたり、試合前のトップライダーの様子を眺めることもできる。トライそのものについては、今までとはまったく異なるスピーディな試合を演出もし、この実験システムはおおむね好評だ。

もちろん、実験運用はあくまで実験運用で、たとえばスーパークラスのトップライダーが9セクションに到着した頃には、A級の早いスタートの面々が到着していて、やはり何分かのセクション待ち渋滞が発生した。こういったところは、今後さらによりよいシステムの構築に議論がされていくことだろう。

1ラップ最後の渋滞によって、スタートの遅かった黒山、小川、野崎の3人がタイムペナルティなしで1ラップめを終えることはできなくなった。彼らより少し早くラップを回った田中太一は、タイムペナルティなしで1ラップめを終えられている。

2ラップめ、野崎ががぜん調子を上げてきた。1ラップ2ラップと、野崎がクリーンした第6セクションは、野崎以外ではクリーンしたライダーがいないという難セクション。3ラップめには田中善弘と小川友幸がクリーンして見せるのだが、3ラップともクリーンしたのはもちろん野崎だけだった。第6のほか、第4セクションも第9セクションも野崎は3ラップともクリーン。こういった確実さは、この日は野崎だけが持っているものだった。

これで野崎は、2ラップめが終わったところで小川友幸に4点ほどの差をつけてトップに出た。小川友幸はトップ4の中でただひとり減点を増やしていて、勝利に黄信号がともってきた。黒山は、減点を減らしてはきたが、それでもまだ田中太一に届かず、2ラップめの途中経過は4位のまま。

そして最後の3ラップめ。ここへきて、ようやく黒山が本調子を発揮してきた。第1セクションから第5セクションまで、連続5クリーン。このラップ、なんと1点が3つだけの、たった3点でまとめてしまった。野崎も小川友幸も3ラップめは一桁減点にのせてきたが、それでも3点にははるかに届かない。黒山の不幸は、3ラップめにここまで好スコアをマークしても、トップ2においつくことができないほどに、1ラップめに大量減点をくらっていたことだ。

3ラップめ、野崎はいくつかの減点をとりながらも、コンセントレーションよく試合を進めていた。小川友幸も同じようなペースで3ラップを回ったが、2ラップを終えたところでできた6点のギャップは、3ラップめに変化することはなかった。3ラップめに関しては、第3セクションで小川が喫した5点が決定的となった。

野崎は2005年の東北大会で勝利して以来の全日本3勝目。中国大会での勝利は、初めてだ。

【野崎史高のコメント】

走り自体はいつもと変わることはなかったと思いますが、カードを踏んだりの無駄な減点がなかったので、それがよかったと思います。今回の試合システムは、1ラップめが忙しすぎる以外は、よかったと思います。この1勝だけで満足というわけではないので、残り2戦もこの好況を維持したいと思います。

【小川友幸のコメント】

走り自体は、そんなに悪くはなかったと思いますが、九州、北海道に続いて自滅のパターンでした。やはり、自分のイメージ通りではなく、厳しい戦いになるかなとは思っていましたが、ライバルの黒山選手が思いのほか崩れてきたので、なんとしても1位をとっておきたい戦いでした。選手権でもここで逆転へのシナリオを少し意識したりしていましたが、勝ち続けても届く点差ではないので、ひとつひとつの試合をこなしていくだけです。それでも今回は、なにがあるかわからないという勉強をした戦いにはなりました。

【黒山健一のコメント】

負けてしまいました。1ラップめ2ラップめには完全に集中力を失っていて、今日は完敗です。第3セクションで腰を強打して、かなり痛かったのは事実ですが、今日の敗因はそれが直接の原因ではないです。スタートが昼からというのもあったかもしれませんが、それも負けた理由にはなりません。残り2戦ありますから、がんばります。

【田中太一のコメント】

体力もなくて、試合中はたいへんだったのですが、競技中はケガをして以降に励ましてくれたみんなの顔や、つらかった治療のことを頭に描いて走りました。今となっては、ケガをしたことが、かえって自分のためになったかと思っています。ただライディングについてはぜんぜん納得していなくて、まだマシンに自分を合わせられていない。それをこれから合わせていけば、コンスタントにこれくらいの成績が出せるのではないかと思っています。

 


西元良太、シーズン4勝目

国際A級

西元良太(スコルパ)がシーズン4勝目をあげた。西元は1ラップめに減点が多く、本多元治(ホンダ)らの好調に阻まれ、勝利も危ぶまれた序盤戦となった。

しかし2ラップめ以降、こつこつと失点を抑え、最終的には本多に3点差での勝利。慣れない新しいシステム、蒸し暑い森の中で奪われる体力と苦しい戦いの中、よく試合をまとめてきた。今シーズンの西元の強さは、もはや誰もが認めるところとなった。ランキング2位の本多には32ポイントもの大差をつけていて、次の中部大会で8位以上にはいれば西元の初の全日本チャンピオンが決定する。

【西元良太のコメント】

1ラップめは自分の走りができなかったんですが、2ラップめに切り替えて、攻めの走りをしました。それが功を奏したと思います。セクションは2と8がむずかしかったですが、たとえそれを落としてもほかでがんばれると信じて走りました。3ラップめには、どちらもアウトできて、8セクションを1点で抜けられたのはよかったです。残り2戦も、連勝を続けるのは簡単ではないと思いますが、決して気をゆるめることなく、がんばりたいと思います。

 


小野田理智、優勝
同ポイントだった上福浦は6位

国際B級

小野田理智(ホンダ)と上福浦明男(シェルコ)の互角の勝負が注目の国際B級。今回は朝一のスタートが国際B級のみだったため、彼らと、彼らを追う若手の戦いをじっくり観戦できるタイムスケジュールとなっていた。

小野田と上福浦の好調合戦は、ここでもほぼ互角だった。どちらかというと、小野田の方が減点をまとめてきているが、上福浦は5点を3つも取りながら、小野田に6点差に詰め寄っていた。

ところが上福浦の誤算は、1ラップめの持ち時間だった。B級の1ラップめには、2時間の持ち時間が設定されていた。しかし上福浦はこれをまったく意識せずに試合を進めてしまった。これで上福浦は、なんと9点ものタイムペナルティをとってしまった。これが決定的となって、上福浦は優勝戦線から遅れをとってしまった。

こうなると小野田の独り舞台にストップをかけられるライダーはいない。クリーン数こそ上福浦が小野田を一つ上回ったが勝利は小野田ががっちりキープ。ランキングではここまでの大接戦からここで一気に10点差を付けることになり、タイトル争いは俄然小野田に優位に動いてきた。

【小野田理智のコメント】

今日はあまり乗れているとは言えませんでしたが、セクションがハードだったので、よい結果となったと思います。上福浦選手のことは意識していましたが、どこでこんなに減点が離れたのかわかりませんが、残り2戦も1位しかとるつもりはないので、がんばります。今回のシステムは、ぼくのスタート時間はいつもと変わりなかったので、そんなに違和感はありませんでしたが、1ラップめがちょっと忙しすぎる、時間がないという印象はありました。ただA級の仲間たちが自分のスタート前、下見かたがたぼくのトライにアドバイスを送ってくれたりしたので、それは心強かったです。

 



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